第11話 旅立ち資金とギャンブルと、なんかもう色々どうかしてる件
今日のお昼、なんとなくご飯を食べようと思って、いつものように『姫舞花亭』に顔を出した。
で、扉を開けて入った瞬間。
カウンターの向こうから、
「で、いつ中央教会行くんだ?」
と、唐突な直球。ノー前置き。はい、こんにちは。
そう、思い出しましたよ。
ぼくの職業が“神様でもよく分からなかった件”。
その続きを確かめるために、中央教会まで出張鑑定に行かねばならないという、謎展開中だったんですよね。
しかもこの話、なぜかギルド内で『正体は何か賭け』の対象になってるから、周囲のテンションが無駄に高い。
いやまあ、急かされるのは分かるけど、僕としては旅の支度もできてないし、第一、お金がない。
というわけで、
「行きたい気持ちはあるんですが〜、軍資金がちょっと……」
と苦笑いで返したら、
「そんなことか」と言って、小袋がポンと目の前に置かれた。
中には、金貨がちょうど【300GP】ぶん。
しかも、「賭けで集めた金の一割を回しただけだから気にすんな」って。
気にするって。いや、ありがたいけども。
ちなみに後で聞いた話だと、
賭けは一口100GP。
参加者30人。
回答バリエーション:ほぼ全部バラバラ。
内容例:「魔王の血を引く者」「隠れ女神」「とにかく虫」「リアさんの実験体説」などなど。
……僕、なんか世界観の枠をはみ出してない?
それにしても、賭け金の一部が旅費になるってどういうことなのか。
倫理の前にルールが柔らかすぎる気がするこのギルド。嫌いじゃないけど。
ともあれ、ありがたく軍資金をいただきました。
これで旅の支度もできる。装備を見直して、保存食も買って、寝袋も準備して……あ、予備の靴も忘れずに。
ただ、ひとつ忘れてたことがある。
そういえば前に、「同行者をつける」って話があったんだよな。
あれ、どうなったんだろう?
誰が来るの? 一人? 二人?
もしかして、またリアさん? いや、もうちょっとこう、まともな人がいいな……(←切実)
まあいいか。
明日もう一度ギルドに顔を出して、詳しい話を聞いてみよう。
なんだかんだで、この旅が始まるって感じがしてきた。
あと問題は、使役獣の「ぷもーん」と「きゅにゃ〜」をどうするか。
……連れて行く?
いや、むしろ置いてくと家壊されそうだし、連れて行くべきかもしれない。
そもそも、あいつら旅に出ても役に立つのか……?
うーん、色々考えることが増えてきたけど、ひとまず今日はカレーを食べて寝ます。
※ギルドのカレーは、何気にうまい。




