1章-1 始まりの時
書くのは時間掛かりますねぇ。 今まで読み専門だったから書ける人の凄さがわかります。
ある世界の神殿に数人の人の会話が聞こえる
貫禄のある老人が話しを始める
「聖霊様は天に還り大精霊様は遂に姿を見せてくれ無くなった。これ以上はもう世界が持たないな。」
「グランド様。本当にもう手はないんでしょうか?」
「亜族や魔族、更には魔人。遂には魔王の存在も確認された。」
「この神殿も、もう長くは持たないだろうな。」
「あぁ。亜族による調査も進んでるだろうな。」
「そうか。では魔族がくるか? 最悪は魔人か。」
「だろうな。我らには時間が無いし、さらにこれ以外は手段も無いしな。」
「聖霊様や大精霊様はなぜここまで救いをもたらせないのだ?」
「さぁな、これも我等への試練なのかもしれん。」
「時間がない。さぁ各地に飛び 召喚されし勇者を探すのだ。」
「グラント様はどうされるのですか?」
「ワシはここに残り召喚の儀式をする。残ったワシの魔力や命で勇者を召喚する。」
「では汝らに最後の指令を出す。勇者を探しあてこの世界を救ってくれと。世界の光になってくれと。けして無礼や無茶を押し付けてはいかんぞ。勇者は真の光なのじゃからな決しておろそかにするな。」
「我等アース協会全力で指令は必ず遂行します。勇者を世界をもう1度光に導きます。」
「では最終指令必ず遂行します。グラント様に 光の加護がありますように。」
辺りに幻想的な光が舞い上がり人が次々に消えていった。
声が無くなり残ったのはアース協会のグラントと年近い老人が残った
「行ったか。後は若い奴に期待して年寄りは退場じゃな。ホッホ ではやろうかの。」
「グラント。後は任せておぬしは先に行って待っておれ。すぐにワシも行く。」
「すまんのぅ ライズよ。付き合わせて。」
「なんの2人でなんてかなり無茶な召喚じゃからなぁ。わしらの命2人分で来てくれたら御の字じゃ。」
「ではわしらの最後の力でやるかのぅ。」
「よしやるぞ。我等2人の全てを賭けた勇者召喚を。」
「後が心配じゃな。この神殿も世界もじゃ。」
「儀式が終わったら、この神殿は全て崩れる様にしておいたわ。2人の老人には過ぎた墓標じゃのうグラント。」
「希望は各地の勇者やわしらの若いのが引き継ぐ。まぁ見れんのが残念じゃがの。」
「ホッホ ライズ 最後までありがとう。最高の友よ。すぐに会おう。ではの。」
「うんうん グラント 最高の友よすぐに会おう。またな。」
この日2人の大司教の全てを賭した勇者召喚の儀式が行われ。
その後のアースランドの世の歴史に残る勇者を召喚する。
また各地で儀式を行った王や巫女等は例外無く力尽き倒れた。
召喚された各地の勇者は数々の功績を立てる。
また召喚されながらも自分の利益や悪しき考えを持つ人物も現れ歴史は加速的に戦乱が起こり始めた。
「あなた 起きてください。朝ご飯できてますよ。」
「あぁ わかった。 今行くよ。」
妻の声で起きて1日が始まる。これが俺の今の毎日の始まりだ。
つい半年前までは日本の学生だった俺たちの生活が変わったのは本当に唐突だった。
まぁ俺は普通とは言えない生活を送って居た筈だが妻もかなり有名な名家のお嬢様だしな。
傭兵でボディーガードの規格外な俺と常に陰謀や暗殺に巻き込まれて心が壊れそうな程弱った妻。
両極端だが守る物と守られる物は行き過ぎて妻は縋る物を探して俺に依存し心を保っている。
確か初めて会った時は機械人形かと思った程だ。
随分構って懐かれた記憶があるな。
最初は感情の無い動く人形みたいな妻は序々に心を開き今はかなりマシになっている。
俺も1昔前は感情の無い殺戮人形だったし似た物同士って所だ。
外にも出る様になったしいい傾向だ。
まぁ今は屋敷内は刺客等は排除したしかなり安全だからな、妻も何人かとは交流を持ってるみたいだしいろいろと相談とかもしてるみたいだしな。
まぁ何かは聞いても教えてはくれないみたいしだしな、顔を赤くして
「な なんでも無いです。来夏様。」
って言うしな。まぁいい傾向として受けておくけどなw
「よし俺は今日は外に買い物行くぞ。」
「え 本当ですか?」
「こんな事でウソは言わないぞ。まぁ じじいに金を貰ったからいろいろ買うぞ。」
「来夏様が行かれるのですか?」
「たまにはな。 酒やら煙草が足らんくなって来てるしなw」
「もう どちらも20歳からですよ。」
「こまけぇ事はいいんだよ。」
「では私も付いて行っていいですか?」
「おぉめずらしいな、お前が行くって言うのは大丈夫か?」
「はい。 では準備してきますね。」
「あいよ。」
少し待つと妻が現れ問題発言をした
「あん 護衛は俺だけか?」
「来夏様の傍が1番安全ですからどんな場所よりもどんな人よりも安心できます。」
「まぁ ボディーガードだしなw 給料分はなww」
「今はまだそれで我慢します。」
「んじゃ行くぞ。」
「フフ はい どこまでもついて行きますわ。」
そしてデパートにて買い物中の休憩中の2人に異変が起きる
残ったのは2人が買い物した荷物だけが残っていた
妻の実家の御堂家は諜報部や警察にはかけおちとも失踪とも言われたが真相は謎のまま2人はこの世界から旅だった。
「どうしたもんかねぇ。」
「ここは何処でしょう?」
「仕入れた酒や煙草もねぇわ。」
「着の身着のままですわね。 荷物は何も無いです。」
「酒は無いし煙草は後少ししかない。泣けてくるわ。」
「まぁ私1人では無かったし、でも来夏様がいるからこれでかなり前進できますわ。」
「なんの前進だ?」
「いぇ こちらの話ですw」
「まぁいい。どうすっかねぇ。」
最初は戸惑ったもんだがある程度落ち着けば2人とも状況を判断する頭はある訳だし、辺りを見れば日本じゃ無い所か森に居ればわかるもんだ。
なんせさっきまでは間違い無く自分の欲しい嗜好品の酒や煙草を買い占めてからデパートへ行き妻の買い物に付き合って居た筈なのに森に居るなんて普通じゃぁ考えれないしな。
一瞬だが視界がぶれた感じがしたと思ったら森にいるんだからな。
辺りを見ても木しか無いし文明の欠片も見当たらなかったし何が起こったのかの確認をお互いして話し合いをして結局は小説にある様な異世界召喚かと当たりを付けたが召喚した奴も見あたらないし周りは森だしこれはトリップかと思い、いろいろな考えを2人で纏めてまずは近くを調べて人を探しての状況確認をしたいと動き出したのが始まりだったな。
まぁ俺は自分が普通では無い自覚があったし、妻も俺と一緒に居たせいかおかしな事や理不尽な事に耐性があったのは本当に助かったしな。後で聞いたら何が起こっても俺が居れば
「来夏様がいれば何が起こっても大丈夫ですし、必ず守ってくれるって信じています。」
満面の笑みで言われたしな。
怖い程の信頼感を持ってて逆にこっちがびっくりした。
それから行動を開始したら日本では有り得ない事ばかりだしな。
まずは森を探索中に変な気配を感知したと思えば映画や本でしか考えられないゴブリン?の集団と遭遇して妻と一緒に一瞬固まったしな、あれはびっくりしたと同時にこれはここが異世界の考えが高まった可能性だった。
「なんじゃー これは。」
「ファンタジーですわね。」
「まぁいい 下がっとけ。 掃除する。」
「はい。 気をつけて下さいね。」
「しかしなぁ 最初からこれかぃw」
ドッキリなんて考えれない殺気を纏って襲ってきたからな。
ここで最初に言った普通ではない俺が出てくる訳だ。
今まで殺気を纏って襲って来る様な奴に俺は手心を加える訳が無く返り討ちにしてやった。
状況が変わっての初の戦闘だがここで俺の体がおかしい事がわかった。
何がと言うと俺はハッキリ言って自分でも普通では無いと思う程に強いと思っている。
それでもだ、まとめてふっとばすつもりで蹴ったはずの回し蹴りがそのゴブリン?達は蹴りを受けたら上半身と下半身が千切れて吹っ飛びながら死んでいった。
これには戦闘中にもかかわらず唖然とした。
ゴブリン?が弱いのか俺がおかしいのかの確認は戦闘後に確認をした。あぁゴブリン?どもはあの攻撃を見たら1人?か1匹?かわからないが逃げたら全部逃げて行った。
おそらくは敵わないと思い逃げたと思い体の確認をしてみたら以前と比べてはっきりと分かる程に身体能力が上がっていたのが分かった。
以前と比べられない程に能力が上がっていた。
まずは確認だが俺は最初に普通では無いと言ったがさらにおかしい事になっていたのだがまずはと思い目の前の岩を殴ったり周りの大木を手刀で確認して見たがまず岩は粉々になり、大木はきれいに切れるのだ、まるでバターの様にきれいにだ。
力は余り入れて無いと言うのにだ。
これはおかしいと思い妻を見ると妻も唖然とした顔で固まっていた。
ある意味大変珍しい顔を見れたので笑っていたら一瞬で元の顔に戻ってしまっていた。
少し顔が赤くなってるのは見てない振りをしておいた。
そして俺がおかしいならそちらも確認をしておいた方がいいと言い、妻の方も確認をしてみて妻もおかしい事に気づいてしまった。
妻の方も以前と比べかなり身体能力が上がっているの確認した。
お互いの確認をして見たが俺の方はまず身体能力はほぼ人外が確定したw
この力はまずいと思う程にだ、おそらくだが地球全人類と殴り合いをしても手加減しても勝てると自信が持てるほどにだ。
全力は怖くて出せないなとこれはと思う。
妻の方は身体能力もそうだがなにかおかしいのかしきりに周りを気にしているし何かの気配が感じられるみたいだ。
この森にいると何かに見られているみたいだと、妻はそういう視線や敵意とかにはかなり敏感で嫌な感じはしないみたいなのだがそんな視線を感じているみたいだし、お互い気にはなるが今はどうしようもないと思いこれからの事を考えようと話をしようと
俺が切った大木の切り株に座りまずはと、ここの状況と元の場所に帰れるかの話し合いをしてみて。
俺は元に帰ってもやれる事は普通じゃない生活なので別に帰れなくなってもいいと思い妻だけはなんとかしてあげたいと話せば妻はいきなり泣き出して
「私に絶望の中で生きろと言うのですか?」
「私だけで帰っても私には来夏様がいなければ意味が無いのです。」
「お願いします。私に生きる喜びを下さい。」
「お願いします。私を見捨てないで下さい。」
「私には来夏様がいなければ何もできませんので。」
「まぁ少し急すぎたか。」
妻が泣きながら胸に飛び込んできたので枷が外れたかの様に泣き始めた妻の頭を優しく撫でながら落ち着かせてから暫らくしてからその遠くの気配に気づいた。
こちらに向かって来る6人組の男女が見えたのだ。
目もかなり遠くを見れるのに少し驚いたが、最初は声を掛けようかと思ったがその6人は全員武器を構えながら動いていたので用心をして隠れて様子を見る事をした。
妻を抱き寄せそのまま地上から木に飛び乗る。
人を抱えてこの動きではかなり人外化しているがまだ全力では無いのが我ながら恐ろしくなってきた。
妻は最初は驚いていたが自分の今の状態を考えて顔を赤くしながらも笑みを浮かべ嬉しそうに俺の首に手を回し密着して来ている。
まるで押し付けるが如くたわわに実った双子山を押し付けてきている。
その間に6人組は警戒しながらも言葉は発せずに慎重に進んで行ってしまった。
どうやらもう大丈夫だろうと妻を降ろしたら少し拗ねながらも状況は理解しているのでまた2人で話し合いを進めて行こうと思いそのまま樹上で俺は残り少ない煙草を吸いながら2人でこれからを話していたが暫らくしてに俺は戦場の気配を感知した。
状況的に考えれば先程の6人が何者かと戦闘に入ったと思うが今思えば少し後を追い情報を少しでも手に入れて置けばこの先に役に立つと考えておく。
言葉は通用するのか?ここは何処なのか?人里はどちらに向かえば良いのか等いろいろあったはずなのに少し追わなかった事を後悔した。
ここで少しでも情報や状況を得るべきと思い俺は動こうと妻に話をし今からあの6人組を追い情報を少しでも手に入れると言い、妻にこのまま樹上にて気配を消し隠れている様に指示を出しあの6人組を追いかけるべき行動を始めた。
妻は嫌な経験が多く気配を消し隠れるのは俺が重点的に鍛え教えてあるので、姿を隠した妻はかなり優秀な暗殺者でも探せれないくらいまで腕を上げているのでここで待っている様にして俺は向かう。
行く間際の妻の一言はかなりの依存度を感じてなるべく早くの自立を教え込まなければと俺は確信した。
「来夏様が戻らなければ私はこのままここで朽ち果てますから必ず私を迎えに来てくださいね。」
「私は来夏様が居なければ何もできないんですから。」
少し幼少の頃の妻の教育を間違えたかも知れないとまぁもう手遅れかなぁと楽天的に考えていた俺であったw
今1度妻の考えやこれからを少し心配になったのもあるけどね。
少しづつ書き溜めて随時アップして行きます