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第7夜 ー思いー





…あれから徹夜で杏樹の話を聞いた。


その言葉一つ一つから杏樹の辛さが身に染みて伝わったくる…

一族を皆ヴァンパイア達によって失い…そして父親までも…



雅人は杏樹の辛さが分かる気がした…

幼い頃に両親を失い…その愛情を受けることなく育ってきた…


強くならなきゃ…その一心で自分の気持ちさえ覆い隠してきた…




だけど…



人は何かを失って初めてその大切さを知るのだ…







「そんな深刻な顔しないで下さい!!私は大丈夫ですから…」


そんな事を言う杏樹の顔が一番見ていて辛かった…



一番無理してんのお前じゃん…


「一番無理してんのお前じゃん…」


「えっ…」


頭で思った事がそのまま言葉として出てしまった…


「辛かったらさ…我慢するなよ…」


雅人の精一杯の言葉は杏樹へと向けられる…




その瞬間…杏樹は我慢出来なくなり…



そして



雅人の胸へと倒れ込みそのまま…泣き続けた…


(無理もないよな…まだこの年じゃ目の当たりにしたものが大きすぎる…それに失ったものも…)


杏樹の涙は枯れることがなかった…もはや言葉にならない声が響き渡る。



大丈夫だから…


「大丈夫だから…」


その気持ちはまた声に出ていたらしい。


雅人は自らの発言に顔を赤くしながらも言葉を止めようとしなかった…


「大丈夫だから…俺が…俺が杏樹を守るから…」


杏樹は泣くのを止め…そしていつもの輝き溢れんばかりの笑顔で雅人を見つめた…


「あのっ…ほんとにありがとうございました!!」


杏樹はそう言うと恥ずかしそうな眼で雅人に何かを求めた。


(………まさか…)



雅人の思考は一時的にストップする…


(まさか…まさか…マサカ!!この局面!!ヤバすぎる!!絶対そうだ…アレだ!!)



雅人は杏樹の顔を再確認する…今でも変わらず視線は雅人へと向けられていた…


(くっ…ちくしょう!!ここで断ったら男がすたるってやつだ!!)


雅人は深く深呼吸してアレに備えたのだが…あまりの緊張に途中から呼吸がラマーズ法になっていた…


(よ〜し!!いくぞ!!いっちゃうぞ!!もう止まんねえぞ!?あー!!ナムサン!!)



「あの…」


雅人は無理やり心のサイドブレーキをかけた。


「あの!!いっぱい泣いちゃったらお腹が空いてきちゃいました!!」




…杏樹はそれを我慢してたらしい…


……どうりで恥ずかしい顔をしてたわけだ…。




雅人はサイドブレーキのかけすぎで勢いよく台所の食器棚へと激突した。

まさに昭和の漫才さながらの行動だった…


激しい音を立てた後大量に割れた食器類の中から雅人はムクリと立ち上がる。頭からはおびただしいほどの出血をしていた雅人だが…意識があるのかわからないまま冷蔵庫へと向かった…


「あの…大丈夫ですか…雅人?血だらけだけど…大丈夫!?」


杏樹が何か優しい言葉をかけてくれた気がしたけど聞こえない事にした…


例のごとくキャベツを出した後雅人は壁へと頭を叩きつける…


(私は欲望に負けました…私は煩悩に負けました…)


「あ゛ーっ!!!」


そして例のごとく大声で叫び終わった頃には雅人は正気を取り戻した…







一段落ついて学校に行こうとすると、雅人の眼にあるものが見えた。


「なぁ、杏樹。それって…何?」


「え?」


雅人はそれを指差した。


杏樹の首もとに刻まれた刻印を…


「あ…」


一瞬2人が固まった…


「忘れてました…」


「何が?」


「この刻印の意味…」


「はぁ?それってどういう…」


何もかも突然に繰り出された話に雅人は混乱を隠せなくなる…


「大事な話なのに…どうしよう…忘れてました…」


そう言って突然その場に泣きじゃくって止まる杏樹…


「おい…まず落ち着いて話せって!!」


いきなりわけの分からない話をする杏樹の普通じゃない様子に雅人はますます頭が混乱するばかりだった…


「じゃあ…話しますよ?」


杏樹は涙を拭い静かに口を開き始めた…雅人は気持ちを落ち着かせただ…杏樹の言葉へ耳を傾ける



「この刻印は…この刻印を持ってる者は力を解放する時…世界を滅ぼすってお父様に言われたんです…」


雅人の思考の中でその答えは出た…


「………それって…杏樹が…世界を?」


杏樹は静かに首を縦に振った後言った…


「お父様の話だと…刻印が解放されるのは…もうすぐの話…みたいです…」




いきなり信じられない言葉を聞かされた…

つまり近いうちに杏樹の刻印は…


それでも杏樹は尚も語り続ける…




「分かんないんです!!自分がどうなるかも…怖いん――」



ポン…と杏樹は頭を優しく叩かれた…


「そういうのは始めに言えっての…全く…てか今更狼女とかヴァンパイアとかが出てるんだから何も怖くねえっての!!」


雅人はそれだけ言って杏樹の眼だけを見た。




「言ったろ?俺が…杏樹を守るって…

どんな事になったって俺は杏樹を守るから。」




雅人はそれ以上何も語らなかった…


「ほれ!!いくぞ!!学校遅れちまうし…ってかやべぇ!!こんな時間だっての!!」


杏樹は笑って雅人の後をついていった…



雅人にはまだ伝えてない事がある…


〔されど光あらざれば刻印、相反し光とともに照らすだろう〕


(お父様…今ならその意味分かる気がする…)


「ちょっと待って!!雅人君!!早いから!!」




光を…見つけたと…







満月は時を刻んでいた…




え〜…まずゴメンナサイm(_ _)m


今回は大変短いです!!大変意味が分かりません!!


今回ちょっとラブストーリー的な感じにしようと思ったのですが…こんな駄文になってしまいました!!


大変ヤバいですね!!


ほんとの事言えばもう終盤なのに…

あ〜しっかりしなきゃ!!



こんな作者に励ましの言葉をください!!

頼みます(>_<)

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