第2夜 ー転校生ー
朝が訪れる…。
とても気持ちの良い朝だ…。
それだけは当然のように万人に少なくとも与えられるものだと雅人は思っていた…。
[チュンチュン]
小鳥が朝を知らせる…。
なんて映画のワンシーンのような素晴らしい朝なんだろう…。
雅人はその雰囲気に浸る事にした。
そこでふと雅人はよく考えてみる…。
(鳥の声…きこえすぎてないか…!?)
しかもなんたってやたら鳴き声が響きまくる。というかかなりうるさい。
恐る恐る雅人は瞳を開けてみる事にした…。
[チュンチュンチュン]
状況を理解してみる…。そういえば昨日帰ってきたら屋根に大きな穴が空いてて…
この鳥の数はなんだ…
視界に見えるだけでゆうに30匹はいます。
とりあえず雅人は現実逃避する事にしました…。
(夢だ…これは夢なんだ…。きっと目を覚ませばトーストが二枚焼かれてて暖かい紅茶が用意されてるんだ…。きっと…きっと…)
やっぱり限界でした…。
「あ゛〜!!!!!!!どこの世界に鳥が住みついてる部屋が存在するんだよ!!!!」
その声が部屋中に響くと鳥たちは一斉に飛翔を始めるとともに一斉に部屋中にフンを撒き散らして天井の穴から逃げていった…。
そのフンは部屋中に蒔かれたとともに雅人の頭へと…。
「あ゛あああああああー!!!!!」
言葉にならないとはきっとこういう状況なのでしょうね。
その瞬間雅人は気づいた…自分の愚考に…。
(まずい!!!!!このままでは…このままではヤツが…来る!!!)
そう思ったのも束の間…その瞬間はやって来たのです…。
ジャキン!!!!
何か鋭い鋭利なものが部屋の畳から突き抜けてきた。
さ〜てここで問題です。
ズバリ畳から突き抜けてきたものはなんでしょう? 1、空〇砲
2、ツインバスター ライ〇ル
3、日本刀
あ〜…残念!!答えは3バンでした〜。
「……はっ!!」
不思議な世界から意識の戻った雅人は部屋のドアがガンガンガンガンと激しく叩かれている事に気づいた。
[おんどりゃあ!!!早くここ開けんかい!!!!]
そう聞こえたような気がしたけどまた現実逃避するため布団へ籠もる事にした…。
ガチャガチャとドアノブが回されていた。
トイレに逃げ込む事を考えたがもう遅かった…。
ガチャ…。とドアが開く音。
当然ですよね…。だって相手は管理人ですもの…。
そのうち雅人の視界にきらめく日本刀を持った人物が見えた。
チャキン……
静かに雅人へと向けられるそれは日本刀でしょうね。
きっとそうでしょう。
雅人はとりあえずあきらめる事にしました。
「スイマセンでし…ぎゃぼっ!!!!!…」
謝ったと同時に飛んできたのはそう…蹴りだったと思います…。
「で…いいわけは?」
そういって日本刀を私に向けるのは
山本 幸[やまもと さち] 様…。
くしくも私の姉でありこのアパートの管理人でもあります。
私のこの顔の異常な腫れからも分かるように…幸様は元レディースのヘッドとしてチーム[派徒羅朱=和訳…パトラ〇シュ]に数多くの伝説を作った英雄であります…。
黙っていればかなり美人だて思われますが…私の顔から見て判断して下さい…。
「なんか言った?」
今…心を読みとられました…ただ者じゃありません。
「はい。じゃあ今から十分…いいわけをする時間を与えます。どうしてアタシのアパートがこんなになってるかとことん説明してもらいましょうかね〜雅人君?」
怖いです…私は最善を尽くして説明しました。
「結局犬がうちにやって来たせいでこうなって…げぼぁ!!!?」
「どうしてかわいいかわいい犬のせいなんかにしちゃうのかな〜?だいたいこんな部屋に犬なんかいる?」
ふと…雅人の視界には犬の姿が見受けられませんでした…
必死に釈明しようとする私を幸様はアザケ笑うかのように…いや実際笑ってました…。
「50万」
幸様は私が痛みでもがいてる間にドンドン話を進めていきます…。
「屋根の修理費50万。来月の家賃支払いの時までに払いな」
やっと意識がはっきりしてきた私に幸様は最後にこう言い残した…。
「よかったらアタシの部屋に泊まるか?」
信じらんないような言葉だった…。
「さ…幸様?本当ですか?」
「押し入れ。家賃月5万ね。」
訂正…鬼です。
ということで私はもうどうでもよくなったので学校に行くことにしました…。
大粒の涙が止まりませんでした…。
学校に遅刻して着いてみるとどうやら雅人のクラスの教室が騒がしい…。
教室に入ってみるとなにやら遅刻者そっちのけでクラスのみんなが何かに注目しているようだった…。
雅人はそんな事気にせず最短距離で席へと向かう…。
あまりにもウルサいのでしょうがなくみんなが注目する方向に目を向ける。
そこには1人の少女が立っていた。
なにやら自己紹介しているようだった。
転校生…それは出会いでいえばまさに人生のイベントである…。
そんなのどうでもいい…そう思っていた雅人だが…
カノジョを魅てしまった…。
銀色に輝く瞳…それは何よりも深く何かを訴えるような美しさであった…。
「え〜と…カノジョの名前は エリツィン ウルスフィード 杏樹と言います」
クラスの担任がながながとした説明をしているが、クラス中の視線はその転校生一色であった…。
「え〜とエリツィン ウルスフィード 杏樹さんはイタリア人の父親と日本人の母親のハーフであり…え〜とまだ紹介が終わってないよ?エリツィン…」
「杏樹でいいです!!!先生!」
転校生はそれだけ言い残し担任用の壇上から降りた。
どこかに向かって歩いているようだった…。
真っすぐ真っすぐ後ろの席…
雅人の席へと向かって…。
(…って俺!?!?)
わけが分からなかった…クラス中にどよめきが走る。そして雅人の席の前で止まった…。
「な…何?」
思わずこぼれてしまった疑問。
カノジョは心地よく答えてくれた。
「山本 雅人君…ですよね…?」
さらに響きわたるクラスのどよめき…
「あの…昨日はどうもありがとうございます…。」
クラスのどよめきがやがて悲鳴へと変わった…特に男子の。
「あの…!!よかったら今日一緒に帰りませんか!?」
の分からない17歳の夏…物語は微妙に困った展開で突然始まろうとしていた…。
いや〜、お気づきの方もおらっしゃると思われますが…
小説タイトル変えちゃいましたょ( ´ー`)
なんか書いといてちょっと気に入らなかったもんですから↓↓
皆様にはほんと色々迷惑かけちゃいますが…
どうかこれからもょろしくね!??