59/61
10-プロローグ
狼が連れて行こうとしている目的地について少しずつ察しながら、二人と一匹は歩いています。
「もしかしてここって」
「ああ、おそらくお前達の考えている通りの場所だ」
「どうりで懐かしい匂いだと思った」
懐かしさを感じながら鬱蒼と生い茂る森を歩いていると、小さな集落が見えてきました。
「あれ?なんか思っていたのとは少し違うかも」
「確かに違うね」
「そうであろうな」
初めて見た集落についていろいろと会話をしていると、集落の中に人ならざる者の姿が見えました。
「やっぱり見覚えのない顔だ」
「なんでだろう?ここってあの森のはずだよね」
「そうだ」
懐かしい故郷にわずかに存在する違和感に、二人とも戸惑いを隠せませんでした。
ここはエルフが暮らす森の隠れ里、二人は久しぶりに訪れた故郷に何を思うのでしょう。




