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お裾分けを終え、村から旅立とうとしていた二人の出発の際には、サクベエと鋤の助が見送りに来てくれました。
「おめえ達にとってこの村にはあまり良い思い出があまりねえかもしれねえ。けれどいろいろと落ち着いたらまた来てくれ。普段の筒川村には、ほんとにいいところがたくさんあんだ」
「二人とも出発するなら早くした方がいいのさ。誰が言い出したのか、二人を藩主の間者と疑っている奴らがいて、二人のことを始末しようとしてる。おいら達は二人の人柄を知っているから疑っていないけれど、他の人達はそうではないのさ。だから二人ともどうか無事に逃げておくれ」
サクベエによる再来を促す挨拶、鋤の助による注意を促す挨拶を聞き届けた二人と一匹は、逃げるようにして村から旅立つのでした。
筒川村について考えながらも、二人は次の目的地について話し合っています。
「どうか無事に解決して欲しいな」
「まあ、そうだね。普段はどんな様子だったのかね」
「もっと穏やかで楽しい場所だったのかな」
「そうだといいね」
「うん。…それで次に向かう場所についてなのですけれど、ここより東に向かうと世界の端にたどり着くと言われたのですが、ルディ様、それは本当なのですか?」
「行けばわかる」
「まさか、また舟に乗ることにならない?まさかね」
「もちろん乗るよ」
「ああ」
こうして次の目的地は具体的には決まっていませんが、旅に出た頃の二人なら考えなしになんとかしようとしたのでしょうが、この村ではそうすることもなく、旅を通じて新しい考え方などを手にした二人と一匹の旅はもう少しだけ続きます。




