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6-プロローグ

 磯の香りがする方向に向かって二人と一匹は歩いています。


「その街では漁が盛んなんだよね。どんな魚がとれるのかな?」

「お前達が想定するものとは異なる可能性がある。森で暮らしていたお前達は淡水魚を食べ慣れているが、海水魚とそれとでは味が異なっている」

「どっちも魚でしょ?そんなに変わる?」

 そんなふうに四方山話をしながら歩いていると、海面を泳ぐ何者かの影が見えました。

「誰か海泳いでるね」

「尻尾が生えていますね。あの生物は何という名前の種族なのですか?」

 二人が目撃したのは、上半身は人の姿をし、下半身は魚のような鱗と鰭を持つ生き物、人魚でした。

「人魚だ。あの種族は哺乳類と魚類の特徴を併せ持つ。肺と鰓の両方で呼吸ができ、胎生で子を為す面白い種族だ」

「へー」

 目撃した人魚に心を奪われ、辺りを見回しながら街に入ると、車椅子に座った女性が付き人と思われる女性に押されながら二人に近づいてきました。

「あなた達、どうしたの?この街に来るのは初めて?」

「はい、そうです。少し立ち寄ろうと思ってきました。それよりも、足の方は大丈夫ですか?」

「え?ああ、違うの。これは、ほら」

 そう言ってよけられた膝掛けの下に見えたのは、鱗と鰭を持った下半身でした。


 ここは人間と人魚がともに暮らす街、異なる種族がともに暮らす街に二人は何を思うのでしょう。

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