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生贄として育てられた少女は、土着神とともに終の棲家を探す旅に出る  作者: 千里
第五章 遊牧民の集落・半人半獣の存在の創造主
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5-プロローグ

 すっかり旅に慣れた二人と一匹は歩いています。


「獣人の人達が暮らす国って聞いたけど、どんなんだろう?」

「獣人という呼び方は広まってしまったが、あまり勧められない。エレツークで会った者は馬の特徴を持っていたため、いうなれば馬人種とでも呼ぶべきなのだ。さらに言えば…」

「どのような方々がいるのでしょうね」

「エブールさんの話だとここら辺にいるはずだけど」

「本当に?ただの草原だよ?」

 そんなふうに四方山話をしながら歩いていると、広い草原の中に建造物のようなものが見えてきました。

「もしかして、あれ?なんか家っぽいけど、なんか違う」

「木とか石ではなさそうだね。あれは家というよりむしろ…」

 二人の持っている知識から導き出した結論は、家ではなく

「「…天幕だ!」」

 テントでした。二人は初めて見た移動式の住居へ興奮し、この集落への興味が湧いていました。

「あの天幕ってどうやって建てたんだろう?俺達でも建てれると思う?」

「寒さや暑さは平気なのかな?」

 様々な疑問を抱きながら集落に近づいていくと、そのうちの一人が声をかけてきました。

「なんだお前達。旅人か?」

「はい、そうです。よろしければ私達もしばらく同行させてもらえないでしょうか?」

「いや、駄目だけど。そこの狼が俺達の家畜を食べたらどうするつもりなんだ。そうでなくとも狼なんて嫌なんだよ」

「え、あ、すみませんでした」

 こうして二人は同行を拒否されてしまいました。


 ここは半人半獣の遊牧民が暮らす集落、移ろい行く暮らしに二人は何を思うのでしょう。

「獣人という呼び方は広まってしまったが、あまり勧められない。エレツークで会った者は馬の特徴を持っていたため、いうなれば馬人種とでも呼ぶべきなのだ。さらに言えばあれは馬の中でもタヒという種族の特徴を持っているのだから、タヒ人種と呼ぶ方がより正確ではあるのだが、細分化しすぎるとその種族を知らぬものには伝わらなくなってしまう。だから馬人種のような呼び方が最も良い塩梅であろうな。

 それから、獣人という呼び方自体を忌避する文化が存在する。この世界にはケンタウロスやミーノータウロスという生物も存在するが、動物の特徴と人間の特徴を兼ね備えているそれらの種族も獣人と呼称している地域がある。ミーノータウロスが若い人間の血肉を食らうせいで、それらの地域では獣人と呼ばれる存在を差別する風潮が存在するのだ。そういった理由で獣人と呼ぶことは勧めぬ。だからこそ、既に言ったように馬人種のような呼び方こそ、生物的な分類として最も適切だと我は考えるのだ。…聞いているか?」

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