フィンランド大族長カレヴァラとレクス宮宰の会話 カルヴァリの野心
趣味で書いているので温かい目で見守ってください。
西暦861年 1月頃
場所 フィンランド大族長領(公爵相当)にしてサタクンタ族長領(伯爵相当) 首都 ウルヴィラ
第三者視点
転生元の父親であり、大族長であるカレヴァラは宮宰である「レクス」から近隣の情報を聞いていた。
「レクス、カレリア大族長とは?」
「今の所は友好関係ですが、カレリア大族長に従う一部の族長達が謀反を起こそうと結託しており、密偵長によるとカレリア大族長領と隣接してる独立族長たちにも声をかけている様子です」
「となるとこのまま進めばカレリア地方は戦乱で荒廃するか……大族長は知ってるのか?」
「それは気づいておりますよ、そのためにカレリア大族長は娘を近隣の有力族長や、カレヴァラ大族長様の正室にそのカレリア大族長の娘『パイヴォ』様か嫁いでおりますから」
「………であれば我々も呼ばれるな?」
「ええ、元帥ともさっき話しましたが念の為軍の訓練の頻度を週一から週ニにし、武具も武器職人に多めに増やすようにと家令に話しました。」
「よろしい、率いる軍の将軍はどうする?」
「そうですな………フィンランド族長『カーロイ・ハイネケン』元帥に率いてもらうべきかと」
「まぁそれが妥当であるな、そういえばカーロイの息子である『エルポ』を教育してくれと言ってきて今私の息子であるカールレと過ごさせてるが宮宰から見てどうだ?」
「ええ、私の部下と大族長様の臣下たちに話を聞いた限り仲良くしてるようです、何か悪い噂はありませんし、あるとしたらフィンランド族長の弟である『カルヴァリ・ハイネケン』の悪い噂しか聞いておりません」
「カーロイの弟のカルヴァリか………確か10歳差だよな?」
「ええ、カーロイ殿が31歳、カルヴァリが21歳です、先代の族長が新しい妻を迎え入れてその時に生まれたのがカルヴァリで、その前の妻はカーロイを産んだあと、病気で亡くなりました、そのため異母兄弟なのですが最初の頃は仲が良かったと言われてます、ですが……」
「それが現在では険悪と?」
「ええ、先代の族長がカルヴァリを後継者にしようとしましたが周囲の反対にあい、結局カーロイ殿が当主、そのいざこざであんな険悪な雰囲気になっていると思われます」
「うむ………そうだな確かカルヴァリは私のところで騎士をしてたな?」
「ええ、結局カーロイ殿が継いだので、カルヴァリは自らの居場所はここにないと思い、自らを慕う者達を率いて大族長様の臣下となってますが…………まさか一緒に送るんですか?」
「ああ、この際だ、いつか起きるだろう戦で多少関係改善させないとな、じゃなければ大変な事になるであろう?」
「わかりました、そう致しましょう」
場所 同じ 視点 カルヴァリ・ハイネケン
カルヴァリ・ハイネケンには部下がおり、その数50名、その前までは80名いたが、近隣の略奪者に対する防衛により戦死者が出て、50名に減っているのである。
そのことにカルヴァリは焦りを持っていた、自らを慕う部下を減れば減るほど軍に対する影響力が低下する恐れがあるからだ、大族長には正規軍と普段は農業して働き、税を納めるが、戦時や緊急時には徴募兵として働く半兵半農の農民たちで構成されている。(一部職人も混ざってるが数は農民が多い)
それ以外には騎士として働く者たちが、身の回りの世話、自ら率いる兵士を得るため雇ってる兵士がいる。
それが今カルヴァリが雇ってる兵士と同じである、経緯としては後継者争いに敗北し、居場所をなくした者たちが神輿として担いだ相手に雇ってもらって新しい居場所を得てるため、並大抵の兵士よりは忠誠があり、頑強に守り、そして戦う兵士である。
その為指導者からはありがたがられるが、出世や褒美をもらえないとそれは当然給料も支払えないので、一部の騎士の中には自ら貯めた資金を切り崩して払うものもいる。
そしてカルヴァリの部隊にはそんな悩みは発生してなく、数の低下に危機感を持っていたのである。
そのためカルヴァリは故郷から兵士を募る事を考え始めた。
「カルヴァリ様、どうしましたか?」
「いい加減兵士を増やそうと思ってな、そこで私達の故郷から募ろうかと思ってる」
「それは良いですな、あそこには外へ行くことに熱望は持ってるが資金がないため燻ってる若者もいますからね、どれぐらい募るのですか?」
「50募って100にしようかと思ってる」
「なるほど、元帥殿に並ぼうと?」
「まぁそうゆうことだ、だがこれで謀反起こすとかそうゆうアホな考えは流石にしてない」
「それであれば良いですか」
フィンランド大族長 カレヴァラ・ハルヴィアラ 36歳
フィンランド女大族長 パイヴォ・ハルヴィアラ 26歳
宮宰 レクス・クレウィ(庶民出身で元商人)34歳
元帥 カーロイ・ハイネケン(封臣のフィンランド族長)31歳
宮廷祈祷師 イルマタル・ハルヴィアラ(カレヴァラの母親で、主人公カールレの祖母)55歳
家令 カレヴァ・クルヴィアラ(ハルヴィアラ家の分家当主)28歳
密偵長 セムイ・ムスタ(東方出身者、場所はイラン、アフガニスタン辺りに生まれたらしい)35歳
騎士
カルヴァリ・ハイネケン(現フィンランド族長の弟)21歳
兵士50名が従っている(カルヴァリ派の人物も一緒についてった)
ラウリ(庶民出身、武勇は程々で軍事知識もカーロイ元帥から学んだことしたか分からないが、戦において流れるように勝利をもぎ取るほど統率に秀でており、次期元帥とも言われるほど優秀な人物)18歳
兵士100名が従っている
テュルヘニル・シュタイン(スウェーデン辺りに生まれたノース人、元々現地の族長の息子であったが部族同士の内乱で破れ途方に暮れて旅してたところをカーロイ・ハイネケン族長が拾った)22歳
兵士100名が従っている(シュタインの家臣も一緒に引き連れて旅してたので事実上熟練の兵士が丸々100名やってきたのと一緒である)
元帥のカーロイ・ハイネケン族長、家令のカレヴァ・クルヴィアラも前線で戦う騎士でもある。
(元帥の私兵は100名(フィンランド族長軍を召集すれば400名ぐらい増やせるが大族長が『戦をしてる最中に略奪してくる奴らが大抵の場合必ずと言っていいほど来るので略奪阻止と抑止力として残しとけ』と言われているため緊急時以外召集させない))
(家令の私兵は40名と騎士の中で少ないが全員斧持ったバーサーカーなため戦闘力に関しては心配ない)
騎士に従ってる兵士は騎士個人が雇ってる私兵であり、もちろんフィンランド大族長軍の兵士も従わせるが、頂点に大族長がいるので万が一に寝返ることはない、あるとしたら人望がないか、大族長の兵士を殺し、騎士の私兵を連れて裏切ることがある。