表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/34

マリリンに愛を捧げているのに、離れに来た女性に心奪われる。

「マリリン・・・来月、離れに女性を入れる事になる」というセリフから物語が始まると決めています。

 夫 フランク

 妻 マリリン

 子 ジョン (産まれていない場合もある)

 子 ジャッキー (産まれていない場合もある)

 子 ダンク (産まれない場合もある)

上記の設定に則って、色々な一話完結型の話を作ってみようと思います。


今回は離れに来た女性に心奪われるお話です。

「マリリン・・・来月、離れに女性を入れる事になる」

「そうですか」

「あっさりしすぎじゃないかな?」

「仕方ありません」

「嫌だとか思ってくれない?」

「思っておりますよ」


「ならもうちょっと、こう、なんていうの・・・愛がほしいよ」

「子供をたくさん作ることを推奨されているのですから、わたくし個人の気持ちなど意味がありません」

「意味ならあるよ!私が嬉しいからね!」


「離れに入る女性のことも考えてあげてください」

「私の気持ちも考えてくれてもいいんじゃないかな?」

「公認で女遊びができると思えばいいでしょう?」

「そんな公認、嬉しくないよね?拒否してもいいかな?」

「・・・そういう訳にはいきませんでしょう」


「今の()に愛を感じた!!」

「好きに仰っててください」

 赤い顔をしたマリリンが愛おしい。なのに離れに女を入れなくてはいけないなんて。


 執事が一歩前に出てくる。

「旦那様、そう嫌がらずとも良いのではないですか?来られる方が可哀想ではありませんか」

「氏素性は分かっているのか?」

「やっと興味を持っていただけましたか。ヴェネリー・タルガリア、十八歳。伯爵家の次女と伺っております。現在のご当主は十四歳。旦那様の後見を望んでおられます」


「タルガリアも当主が亡くなっていたのか」

「はい。亡くなられた当主が自分の死期を悟り、ヴェネリー様との婚姻を望まれました」

「そうか・・・大事にせねばならないな」

「はい」



 この七年程、中高年の間で病が流行っていた。

 なぜか女性は罹っても重篤化しないのだが、男性がかかると死亡率が跳ね上がる。二人に一人は亡くなってしまう。

 原因の究明は出来ておらず、対処法も確立されていない。

 そのために国力は下がる一方だった。



 やって来たヴェネリーは美しい娘だった。輝く金の髪に左の目の下に泣きぼくろが一つ。グリーンの瞳は輝いていてすっと通った鼻筋に少し厚い唇が男を誘う。抜けるような肌の白さに触れると汚してしまうような気がした。


「ヴェネリー嬢の立場は分かっているけど、本当のところはどうなんだろう?嫌なら、今言わないと後悔することになるよ」

「わたくしは貴族の義務だけでこちらに参った訳ではありません。望んで参りました」

 私をしっかり見据える目に嘘は見当たらなかった。

「本当にいいんだね?」

「はい。よろしくお願いいたします」



 その夜、私は十も年下のヴェネリーを堪能した。

 翌日は妻を抱き、一晩中腕の中に閉じ込めた。

「フランク、ありがとう・・・」

「そんな事言うな!!」

 話したときにはあんなに淡々としていたのに、妻は私の名を何度も呼び、涙を流していた。



 なのに、私は初々しいヴェネリーを抱きたくて仕方なかった。

 そんな気持ちを抑えつけ、次の日も妻の下で眠った。

「フランク、ヴェネリー様の下に行ってください。彼女は妊娠しなくてはなりません」

「だが私は!!」

 嘘だ。ヴェネリーの下に行きたくて仕方ない。

「私には可愛いジョンがいます。ヴェネリー様にも心の拠り所を作って差し上げてください」

「マリリン。私には君だけだよ」

「はい。ありがとうございます」


 ヴェネリーの下に向かいながら妻のことを考える。

 妻の下でヴェネリーのことを考える。

 私はこの後どうなってしまうのだろう?

 私の気持ちに気が付いた時どうなってしまうのだろう?

 私を許してくれるとは思えなかった。

 


                                      END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] この話のフランクはクソだー( º言º)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ