新竹家物語ー【付録】—取り扱い(その2)&【各論~羽仰解釈1.1ギリシャ神話~4.16ヒンドゥー教仏教神話】41~78ページ
付録—取り扱い(その2)各論1.1~4.16
‐41ページつづき‐
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・ … … … … … … … 神 話 と 分 析 心 理 学 の 深 淵 … … … … … …
・ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ( 偏 在 す る “ 羽 仰 た ち ” の 小 譚 。)
・ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―( 神 話 知 復 権 な る の か ? )
・ ― ― ― ― ― //1 ) ~//14 終了 。//15 ) の 探 索 枝 か ら の 再 開
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・ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 未 踏 の 課 題 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
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・ //15 ) 周 期 的 あ る い は 挿 間 的 な 猿 の 子 殺 し の 目 撃 の 報 告
・『 サ ル 学 の 現 在 』 / 立 花 隆 … す な わ ち 父 親 殺 し に ま つ わ
る フ ロ イ ト のエディプスコンプレックス の 真 逆 ( 即 ち 子 殺 し )、
こ の 恐 怖 で エ ン コ ー ド さ れ た ま ま で 、 恐 ら く こ こ は ま だ 未
到 達 地 で ハ ナ シ 半 分 が 錬 れ な い と デ コ ー ド さ れ な い 。 … だ
か ら き っ と 繰 り 返 し を す る し か な い と 思 う 、 本 編 も 付 録 も
視 点 は 複 数 で 転 移 ・ 跳 躍 は 頻 繁 だ が 中 心 の ス ト ー リ ー は と
て も 簡 単 に し て あ る 裏 切 る も の も い な い 。 だ が 色 々 飽 き な
い よ う な 手 立 て を 講 じ て い る 。 … 繰 り 返 し を お 勧 め す る 。
・ … 何 処 か で “ 誠 意 ”・“ 真 心 ” 等 と 使 っ た が こ れ は ほ ぼ
未 定 義 で 、 こ の 思 念 の 周 り に 寄 り 添 っ て い る 言 葉 ・ ハ ナ シ
は 拙 劣 で あ る … そ こ は 適 宜 拡 げ て い た だ き た い 。
・ … 羽 仰 の 思 い は こ も っ て は い る が 見 た 目 ト ン デ モ の 本 作
品 ~ 奇 異 な 譚 を 読 み 通 せ た 読 者 ・ 閲 覧 者 は 本 作 品 中 の 中 だ
け は 少 し だ け “ 祓 え な い 恐 怖 は な い ”・“ コ コ ( こ の 現 世 )
ニ イ テ モ イ イ ”思 え た か も し れ な い 。… 読 書 ? ~ 閲 覧 中 は 、
神 ・ 文 化 英 雄 = 人 神 = 霊 長 種 神 ・ 語 り 部 ・ 格 キ ャ ラ ら と 対
等 ~ 同 じ 視 線 を 保 て た か も し れ な い 、 … 【 汎 化 力 】 の ト レ
ー ニ ン グ で も あ っ た の だ 。 … 恐 怖 心 で ビ ビ た 心 身 が 叡 智 の
欠 片 で ホ ン の 少 し だ け 暖 ま っ た か も し れ な い ~ 甘 受 出 来 た
か も し れ な い 。 … 本 作 品 の は じ め か ら 終 わ り ま で 羽 仰 の イ
イ タ イ コ ト が 遍 く ~ 万 遍 な く 散 り ば め た 。 … ま る で 曼 陀 羅
の 様 に 、 … 未 踏 の 課 題 は 本 作 ・ 付 録 の 各 論 ― 世 界 に 散 り ば
め ら れ て い る 神 話 = そ れ ぞ れ が 因 → 果 で 完 結 し て い る に も
拘 わ ら ず こ の 地 表 に 纏 め 束 ね ら れ て い る ― ( 多 く の 因 果 が
円 錐 の よ う に 過 去 か ら 今 ・ こ の 地 表 の 微 小 時 空 に 集 中 し 、
頂 か ら 再 び 円 錐 の 頂 点 か ら 拡 が る 円 錐 の よ う な )― 纏 ま り 、
そ し て 神 話 そ れ ぞ れ 完 結 し て い る が 故 か ? … 各 々 の 神 話 を
文 に し て い る 会 社 の 「 ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー ~ 方 針 」 の 中 に
“ 至 高 ” ~ “ 摂 理 性 ” の 所 為 も あ る か も し れ な い 、 こ れ が
相 互 の 往 き 来 が 酷 く 困 難 に さ せ て い る 。 あ る い は 神 話 の 内
部 に 「 巨 き く な ろ う と し て い る 」 ~ 「 巨 き く な っ て 【 恐 怖
を 再 生 産 】 し よ う と し て い る ? … 過 剰 な 布 教 ? 」 力 を 感 じ
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る も の も あ る 。 … だ か ら 対 等 で 観 る ~ 視 点 を 往 き 来 さ せ る
課 題 が の こ さ れ て い る 。 … 心 理 学 ( … 文 学 ~ 人 文 科 学 ) だ
か ら 。
・ … 羽 仰 の 神 話 吸 引 弱 力 は た い そ う な も の で は な い 、 … 本
作 ・ 付 録 で 読 み 手 ・ 閲 覧 さ れ る 方 々 ・ 諸 氏 は 汎 化 力 で 羽 仰
の 個 性 を 慮 っ た う え で 羽 仰 が 解 釈 す る ~ 羽 仰 の も と に 漂 着
し た 神 話 ( 従 っ て オ リ ジ ナ ル の リ ア ル と は 違 い 架 空 … 本 サ
イ ト の 遵 守 事 項 ) … を 観 。 … 諸 氏 の 汎 化 力 ・ ハ ナ シ 半 分 の
吸 引 弱 力 を 洗 練 し て ほ し い ~ 根 ・ 肥 や し に し て 諸 氏 オ リ ジ
ン の 新 た な 物 語 り を 紡 い で 欲 し い 。 …
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・ … 先 達 た ち は 、 現 世 に お 情 け の 及 第 点 で 生 き て き た 羽 仰
に 無 理 難 題 を こ と ご と く 課 す … 「 満 点 で は 不 十 分 」 … で 、
“ 羽 仰 自 身 は ど う す れ ば い い ? ” … 分 か ら な い ま ま 先 達 た
ち も 、 ワ ー プ ロ ソ フ ト 打 ち 込 ん で い る 場 所 も 森 も 答 え な い
… シ ゛ フ ゛ ン テ ゛ 考 エ テ 、ミ テ … と い わ ん ば か り の 沈 黙 …
真 空 の 彼 方 から 来 て い る 背 景 放 射 も 同 類 の も の … 。
・ … お そ ら く 多 く の 読 者 ~ 閲 覧 者 諸 氏 も 【 現 実 世 界 の 生 業
・ 務 め で キ ュ ウ キ ュ ウ し て い る … 、】の だ と 思 う 、だ が「 100
点 満 点 」 だ け で は 背 後 の リ ア リ テ ィ ー 『ココニイテモイイ 』 が
劣 化 し て ゆ く と 妄 想 す る 。 妄 想 ゆ え に … 先 達 た ち も 黙 っ て
い た の だ ろ う 、 … “ 及 第 点 で 良 い 。 ど う で も い い こ と ・理
不 尽 な こ と は 忘 れ ず に こ こ ろ の 何 処 か ~ 行 間 に 留 め て お い
て 欲 し い … ” … と 羽 仰 は 願 う 。
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・ … 以 上 。 … 付 録 に つ い て 重 要 な 取 り 扱 い に つ い て 。
・ … な お 、 本 付 録 単 独 の ペ ー ジ 数 は 『 世 界 神 話 伝 説 ・ 総 解
説 』 自 由 国 民 社 ( 1989 年 改 訂 版 第 1 刷 ) … 羽 仰 の 忘 備 の た
め の 措 置 と し て 理 解 し て い た だ き た い 。
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・ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 付 録 ・ 各 論 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
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・ ― ― ― ― ― ― ― ― 1 . ギ リ シ ャ の 神 話 : ― ― ― ― ― ― ―
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・ … ペ ー ジ 数 の み は 『 世 界 の 神 話 伝 説 / 総 解 説 』
・ 考 古 学 者 シ ュ ー リ マ ン が 幼 い 頃 、 吟 遊 詩 人 の 『 ギ リ シ ャ
神 話 』 を 聞 い て こ れ を 根 に 考 古 学 的 に 発 見 す る ま で は ギ リ
シ ャ 神 話 は 純 粋 な 当 地 の 吟 遊 詩 人 ら の 主 題 ~ ハ ナ シ の ネ タ
に 過 ぎ な か っ た 。 … が こ の 発 見 で ギ リ シ ャ 神 話 は 少 し ず つ
歴 史 的 ・ 実 証 的 な 側 面 を 帯 び る よ う に な る 。 … 同 神 話 に 若
干 の 異 和 感 と 共 感 を 抱 え も つ 本 作 品 中 の 仮 想 神 格 ― 大 神 が
彩 り を 添 え て い る こ と も 付 言 す る 。
・ … ギ リ シ ャ 語 を 話 す 人 は ( イ ン ド ・ ヨ ー ロ ッ パ 語 族 ) 当
初 、 ユ ー ラ シ ア の ス テ ッ プ に い た と 神 話 解 説 者 は 想 定 し て
い る 、 乾 燥 帯 の 民 は 往 々 好 戦 的 傾 向 が あ り そ こ か ら も 肯 け
る 。 紀 元 前 ( 以 下 B C ) 3 千 年 期 末 ギ リ シ ャ の 地 に 到 来 し
た 。 ス テ ッ プ で の 遊 牧 生 活 と は 異 な る 地 中 海 式 定 住 農 耕 生
活 に 適 応 す る 過 程 で 大 き な 変 化 を 蒙 っ た 。 … ギ リ シ ャ は 典
型 的 地 中 海 式 気 候 、 ス テ ッ プ 地 域 よ り 温 暖 で 小 雨 、 樹 木 も
ふ え た 、 ま た 良 質 な 大 理 石 が 得 ら れ 、 住 居 ・ 建 物 は テ ン ト
か ら 石 造 り の も の に 変 わ っ た 。
・ ギ リ シ ャ 人 到 来 以 前 か ら ギ リ シ ャ の 地 に は 青 銅 文 化 が あ
っ た 。
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・ ギ リ シ ャ 人 は こ の ≪ 先 住 民 の 神 話 ≫ か ら の 神 話 か ら も 影
響 を 受 け そ の 要 素 を 取 り 入 れ た と 解 説 者 は 想 像 し て い る 。
中 で も ≪ ミ ュ ケ ネ 文 明 ≫ は ク レ タ 島 の ミ ノ ア 文 化 か ら の 強
い 影 響 を 受 け て 生 み 出 し た も の で あ る 、 が 間 接 的 に エ ジ プ
ト や フ ェ ニ キ ア ( ― ト ル コ ≒ 小 ア ジ ア 西 部 、 パ レ ス チ ナ 北
部 の 地 中 海 沿 岸 地 域 ) や ヒ ッ タ イ ト ( フ ェ ニ キ ア よ り さ ら
に 北 部 、 世 界 で は じ め て の 製 鉄 文 明 < こ の 鉄 は 酸 化 鉄 か ら
製 造 、 強 靱 だ が 不 安 定 で 大 変 錆 び や す い 、 1 万 年 位 ま え か
ら 磁 鉄 鋼 ~ 餅 鉄 ー 錆 び な い 鉄 が 枯 渇 し て 超 古 代 文 明 が 滅 ん
で い る … ハ ナ シ 半 分 で な い と 見 落 と さ れ る … . > ) な ど の
先 進 文 明 と 密 接 な 交 渉 を 持 ち 、 さ ら に こ れ ら か ら メ ソ ポ タ
ミ ア 文 化 か ら も 吸 収 し た と 考 え ら れ る 。
・( B C 2 千 年 紀 後 半 ) デ ウ カ リ オ ン ( プ ロ メ テ ウ ス の 息
子 、 16 p - 1.5 末 で 神 話 と す る と 後 半 の 部 類 ) の 時 代 の 洪
水 は オ リ エ ン ト の ギ ル ガ メ ッ シ ュ 叙 事 詩 102 p 5.5 の 洪 水 に
酷 似 す る 。 … な ど エ ジ プ ト ・ フ ェ ニ キ ア ・ ヒ ッ タ イ ト ・ メ
ソ ポ タ ミ ア の 影 響 も 受 け る 、 ウ ラ ノ ス ・ ク ロ ノ ス ・ ゼ ウ ス
の 天 上 の 王 の 血 腥 い 王 権 の 争 い は ヒ ッ タ イ ト の 神 話 に も あ
る と 解 説 者 は 言 う 。 な お 、【 [ ミ ュ ケ ネ は 音 節 文 字 1 文 字 1
音 節 ( 例 - “ あ い う え お … ” 等 の 平 仮 名 ) で あ る こ と は 特
記 す べ き で あ ろ う ] 】 3 p 。
・ こ の よ う に 形 成 さ れ た 神 話 は B C 2 千 年 末 葉 に 滅 び 消 滅
し て か ら [ ≪ ホ メ ロ ス ( B C 8 0 0 年 頃 )・ ヘ シ オ ド ス ( B
C 7 0 0 年 頃 ) の 作 品 に 書 き 止 め ら れ る ま で の 間 の 3 世 紀
あ ま り の 空 白 は 吟 遊 詩 人 た ち に よ っ て 語 り 継 が れ た ≫ ] 事
に よ る 。 紀 元 ( 以 下 A D ) 1 2 世 紀 の ビ ザ ン チ ィ ン の 学 者
に 言 及 さ れ 辛 う じ て … 時 を 飛 び … 我 々 に 伝 わ る 。
・
・
・ 1.1 ◎ 世 界 創 世 : 3 p … ○ に 数 字 は 世 代 や 順 番 を 暗 示 す
る 。 … 以 降 省 略
・ 大 ま か な 系 譜 : カ オ ス ① ( 混 沌 の 淵 ) - ガ イ ア ② ( 大
地 )、 タ ル タ ロ ス ② ( 地 底 ・ 暗 黒 ) エ ロ ス ② ( 愛 ) 等 が 生
じ た 。 そ の 後 カ オ ス か ら 闇 エ レ ボ ス ② ”、 夜 ニ ュ ク ス ② ”
が 生 ま れ る 。 エ ロ ス ② の 手 引 き で ニ ュ ク ス ② ” は エ レ ボ ス
② ” と 最 初 の 交 合 を し 浄 光 ア イ テ ル ③ ” と 昼 ヘ メ ラ ③ ” を
生 む 。
・ → ガ イ ア ② は 独 り で 天 空 ウ ラ ノ ス ③ 、 山 々 と 海 ポ ン ト ス
③ を 生 む 、 → ウ ラ ノ ス ③ と ガ イ ア ② は 母 子 婚 し 12 柱 の 神
々 ④ ( = テ ィ タ ン 神 族 ) と 三 つ 児 の 怪 物 を 生 む → ウ ラ ノ ス
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の 非 道 ( 怪 物 を ガ イ ア の 胎 内 に 戻 す ) に 末 弟 ク ロ ノ ス ④ が
ガ イ ア ② の 命 で ウ ラ ノ ス を 去 勢 ( こ の 去 勢 ― 睾 丸 の 切 除 に
よ り 精 液 の 泡 か ら 美 と 愛 の 神 ア フ ロ デ ィ ー テ が 生 ま れ る )
→ ク ロ ノ ス ④ は 天 界 の 王 と な る が …
・
・ … ク ロ ノ ス ④ は 生 ま れ た 子 供 を 自 分 の 腹 に [ 呑 み 込 ん ]
だ 、 妻 レ イ ア ( ク ロ ノ ス の 姉 妹 ) は [ 【 岩 屋 】 ] で こ っ そ り
ゼ ウ ス ⑤ を 産 み 大 石 を 産 着 に く る ん で ク ロ ノ ス ④ に [ 呑 み
込 ま ] せ た 。 妖 精 達 は 鳴 き 声 が 知 ら れ な い よ う に 大 騒 ぎ ( 赤
頭 巾 の 狼 や 7 匹 の 子 ヤ ギ の 狼 に 似 る … オ オ カ ミ は 呑 み 込
む ) ゼ ウ ス は 騙 し て 兄 弟 達 を は き 出 さ せ 、 再 度 生 ま れ る ゆ
え に 兄 が 弟 、 弟 が 兄 と 逆 転 す る 。 5 p
・ ゼ ウ ス は 先 代 ~ 先 住 民 ? の ミ ュ ケ ネ を 勘 定 に 入 れ な く て
も カ オ ス ① → ガ イ ア ② → ウ ラ ノ ス ③ → ク ロ ノ ス ④ → ゼ ウ ス
⑤ で 男 神 と し て は 三 代 目 で あ る 。
・
・
・ 1.2 ◎ 天 界 の 王 と な る ゼ ウ ス ⑤ - 【 テ ィ タ ノ マ キ ア ( ク
ロ ノ ス + テ ィ タ ン と の 戦 い )】: 6 p
・ 世 界 観 : … ゼ ウ ス 兄 弟 等 ( オ リ ン ポ ス の 神 々 ) は ク ロ ノ
ス ④ ・ テ ィ タ ン ( 4 p 下 - 1.1 よ り テ ィ タ ン は ク ロ ノ ス の
兄 た ち ら し い ? ? ) 神 族 と 戦 う が な か な か 決 着 が つ か な か
っ た 、 が ガ イ ア の 教 え を 受 け て ウ ラ ノ ス に よ り 地 底 に 閉 じ
こ め ら れ た キ ュ ク ロ プ ス 達 と ヘ カ ト ン ケ イ ル 達 を 解 放 し て
味 方 に つ け た 、 彼 ら は 恩 返 し に 雷 鳴 と 稲 妻 と 雷 霆 を 造 り 贈
っ た 、 以 後 ゼ ウ ス は 無 敵 の 王 者 と し て 宇 宙 に 君 臨 で き 、 敵
対 す る テ ィ タ ン た ち と 最 後 の 決 戦 と な っ た 。【 デ ウ ス は 雷
を ( 手 に 持 っ て ) 投 げ る 。( 男 の 最 高 神 は 雷 ― 電 磁 パ ル ス
と 相 性 が 良 い )】 ヘ カ ト ン ケ イ ル 等 は 巨 巌 を 摑 ツ カ ん で 投 げ
た の で テ ィ タ ン 達 は 雷 で 目 が 見 え な く な っ た と こ ろ に 無 数
の 岩 の 下 敷 き に な っ て つ い に 降 参 し た 。
・ … ゼ ウ ス は 天 界 の 王 と な り ( 王 権 の 変 遷 は ウ ラ ノ ス → ク
ロ ノ ス → デ ウ ス の 系 譜 )、 稲 妻 の 担 い 手 と な っ た 。
・ 地 底 ・ 暗 黒 界 の 担 い 手 で テ ィ タ ン の タ ル タ ロ ス ② を 地 底
の 暗 黒 界 に 縛 っ て 幽 閉 し 、 周 り に 海 の 支 配 者 で も 地 震 の 神
で も あ る ポ セ イ ド ン に よ っ て 三 重 の 青 銅 の 壁 ・ 門 の 牢 獄 に
タ ル タ ロ ス ② は 投 ぜ ら れ た 。 / な お 、 ポ セ イ ド ン ( 根 拠 地
は 地 中 海 の マ ル タ 島 ) は 一 書 に は (『 聖 書 の 呪 い 』) ア ト
ラ ン テ ィ ス の 主 神 と も 言 わ れ る 。 /
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・ 以 後 タ ル タ ロ ス ② は ゼ ウ ス に 反 逆 す る 神 々 や 不 死 の 存 在
の 牢 獄 ( 前 神 ② が 牢 獄 舎 に な っ た よ う な 記 載 で あ る ) と な
っ た 。
・ ク ロ ノ ス ④ の 盟 友 テ ィ タ ン 族 の 巨 身 の 息 子 ア ト ラ ス は “
世 界 の ≪ 西 の 果 て ≫ ” で 立 っ た ま ま 天 空 を 支 え る 罰 = 聖 戦
の 罪 を お う 。 ア ト ラ ス は 夜 ニ ュ ク ス ② ” と 娘 の ヘ メ ラ ③ ”
昼 夜 の 交 代 の 度 入 れ 代 わ っ て 住 む 館 の 入 り 口 の 前 で そ の 役
目 を す る 。 … な お 、 ニ ュ ク ス ② ” の 双 子 の 息 子 に 眠 り ヒ ュ
プ ノ ス ③ ” と 死 タ ナ ト ス ③ ” の 住 居 も そ こ に あ る 。( 因 み
に 第 1 頸 椎 の 解 剖 学 名 は ア ト ラ ス 、 世 界 の 西 の 果 て に は …
『 黄 金 帝 国 の 謎 』 118 p - 16.7 、 中 米 の ア ス テ カ 族 は [ ア ス
ト ラ ン ( … 語 呂 が 似 る ) 同 書 で は 、 各 地 ~ 全 世 界 を 放 浪 の
末 ] メ キ シ コ 盆 地 に 至 る と さ れ る 。 … [ ギ リ シ ャ 神 話 で は 昼
夜 の 交 代 は 世 界 の 西 の 果 て で さ れ る ] … と い う こ と で あ る 。
6 p - 1.2 )
・
・ 聖 戦 に 勝 利 し た ゼ ウ ス ⑤ は す べ て の 神 々 に 懇 願 さ れ 天 界
の 王 位 に つ き 【 全 宇 宙 ( 原 文 と お り )】 に 君 臨 す る こ と に
な っ た 。 ま た 冥 府 の 王 を ハ デ ス 、 海 の 王 を ポ セ イ ド ン と す
る 、 そ の 他 の 神 に も 職 分 を 与 え た 。
・ し か し オ リ ン ポ ス の 神 界 は ゼ ウ ス の 兄 弟 姉 妹 、 息 子 娘 達
に 構 成 さ せ る 。
・ ゼ ウ ス は こ の 後 様 々 な 女 神 や 人 間 の 女 と 結 婚 や 交 合 を 繰
り 返 し そ れ ぞ れ が 特 徴 ( 職 能 ) を も つ 子 の 神 ら を 儲 け 完 成
さ れ る と い う 。 6 p ( … も し か す る と だ が 、 ゼ ウ ス の 多 情
は 単 に ゼ ウ ス が 襲 名 だ っ た の か も 知 れ な い ? 多 情 な 主 神 が
ほ と ん ど だ か ら で あ る … あ く ま で 羽 仰 解 釈 )
・ … 職 能 神 に は … / 運 命 の 三 女 神 ( 父 ゼ ウ ス 、 母 テ ィ タ ン
の 一 人 テ ミ ス ) ク ロ ト = 運 命 の 紡 ぎ 手 ・ ラ ケ シ ス = 未 来 の
運 命 を 分 け 与 え る ・ ア ト ロ ポ ス = 過 去 の 運 命 の 変 更 を 許 さ
な い / デ ィ ケ ( 父 ゼ ウ ス ) 地 上 で 人 間 に 蹂 躙 さ れ れ ば 罪 は
永 遠 に 許 さ れ な い 7 p - 1.2 / 出 産 守 護 の 神 ア ル テ ミ ス
/ 神 託 と 音 楽 と 弓 矢 の 神 ア ポ ロ ン 9 p - 1.3 / デ ィ オ ニ ソ
ス ( = バ ッ コ ス ) 酒 神 10 p - 1.3 / 鍛 冶 ・ 技 術 の 神 ヘ パ イ
ト ス 9 p - 1.3 / ゼ ウ ス の 身 体 を 盗 ん で 取 り 返 し た ヘ ル メ
ス ( 伝 令 の 神 ) 10 p - 1.3 & 13 p - 1.4 / … な ど が あ る 。
・
・ ○ 子 供 が 王 位 を 簒 奪 す る 事 が 繰 り 返 さ れ た ( フ ロ イ ト の
エディプスコンプレックス に 類 似 ) ゆ え に【 ゼ ウ ス も 子 供 を 呑 み
込 ん だ 。 … 】
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・ … ( サ ル の 子 喰 い に 類 似 だ が 進 化 論 的 に こ ち ら が 先 の は
ず が 後 と な っ て い る … ゼ ウ ス は 1.1 の 兄 弟 の 逆 転 と 似 た パ
タ ー ン を 辿 る 。 見 方 に 依 っ て は ゼ ウ ス は 、 時 に ~ 時 の 神 に
抗 っ て い る 事 に も な る … 人 は 文 字 を 使 う よ う に な っ て 論 理
~ 因 果 ― 原 因 が あ っ て そ の 後 に 結 果 が 来 る そ の 結 び つ き が
瞳 の 繋 が り よ り も 濃 厚 に な っ て ゆ く 、 こ の ゼ ウ ス の 逆 行 は
以 降 、 1.3 の 不 毛 ~ 飢 饉 が 訪 れ る 事 を 予 感 さ れ る が 、 ハ ナ
シ 半 分 と し て 男 神 の 単 独 神 ~ 唯 一 神 ~ ボ ス が テ リ ト リ ー 過
剰 拡 大 ~ 版 図 拡 大 も 背 景 因 と し て あ る … も し か し て そ れ は
繰 り 返 さ れ る か も し れ な い ) … 7 p
・ … も う 一 つ の 要 因 と し て 、先 ほ ど … 典 型 的 地 中 海 式 気 候 、
ス テ ッ プ 地 域 よ り 温 暖 で 小 雨 、 樹 木 も ふ え た 、 ま た 加 工 し
や す い 良 質 な 大 理 石 が 得 ら れ 、 住 居 ・ 建 物 は テ ン ト か ら 石
造 り の も の に 変 わ っ た 。 … 石 造 り は ク レ ー ン の な い 時 代 、
そ の 建 築 過 程 で 大 量 の 木 材 の 土 台 が 必 須 な の で あ る 、 石 と
石 の 自 重 ・ 摩 擦 で 崩 れ な い よ う に 居 住 空 間 を 組 上 げ て か ら
木 製 の 土 台 を 撤 収 ・ 打 ち 壊 す た め で あ る 。 … 小 雨 の 地 域 な
の で 森 林 資 源 が ふ ん だ ん に 有 っ た わ け で も な く こ の 地 域 の
植 生 が 変 わ っ て し ま っ た 。 表 土 を 守 る 木 々 が な く な っ た た
め 河 川 の 下 流 ( エフェソス 遺 跡 ) は い く つ も の 土 砂 災 害 の 痕
跡 が あ り … ま た 残 さ れ た 森 林 の 収 奪 を め ぐ り … ギ リ シ ャ は
衰 え る こ と に な る … と 『 NHK ( 編 ) 世 界 地 球 気 候 』 で 分 析
し て い る 。 こ の 神 話 の 成 立 時 期 、 地 質 学 的 に 大 き な 気 候 変
動 が 想 定 さ れ て い る が 、 上 記 の よ う に ギ リ シ ャ の ダ メ ー ジ
は さ ら に 深 刻 で あ っ た と も 羽 仰 は 考 え る 。
・
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・ 1.3 ◎ 豊 穣 の 女 神 デ メ テ ル の 怒 り と 飢 饉 : 7 p ~
・
・ ゼ ウ ス ⑤ は 豊 穣 の 女 神 デ メ テ ル ( ゼ ウ ス ⑤ の 姉 妹 ) と 関
係 ( 兄 妹 婚 ) し 女 神 ペ ル セ ポ ネ を 儲 け た 、 そ し て 娘 の [ ペ
ル セ ポ ネ ] を 冥 界 の ハ デ ス ( ゼ ウ ス ⑤ の 兄 弟 ) の 妃 に し よ
う と 計 画 し 冥 界 の ハ デ ス を 唆 し て 、 捕 ら さ せ た 。
激 怒 し た デ メ テ ル は 神 々 の 間 か ら 姿 を 隠 し 人 間 界 を 放 浪
し 、 エ レ ウ シ ス 王 ケ レ オ ス に 神 殿 を 造 ら せ そ こ に 【 閉 じ こ
も っ て 】、 … 【 世 界 中 は 飢 饉 に 陥 れ た 】。
ゼ ウ ス ⑤ は 困 り 、 使 者 の 神 ヘ ル メ ス を 冥 界 に 遣 わ し 、 冥
界 の ペ ル セ ポ ネ の 夫 ハ デ ス に 命 じ て ペ ル セ ポ ネ を 地 上 の デ
メ テ ル の も と に 送 り 返 さ せ た 、 喜 び に 綻 ん だ ペ ル セ ポ ネ の
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口 に ハ デ ス は ザ ク ロ の 粒 を 押 し 込 み 、 冥 界 で 絶 食 を 続 け て
い た ペ ル セ ポ ネ は 【 冥 界 の 食 物 を と っ た た め 双 方 の 世 界 を
行 き 来 す る 】 こ と に 決 定 し た 。( エ レ ウ シ ス の 密 議 < 分 析
心 理 学 で は 頻 出 ー 飢 饉 の 解 消 ~ 豊 穣 の 秘 儀 > の 起 源 - 死 後
ペ ル セ ポ ネ の 恩 恵 を 受 け ら れ る ) 7 - 8 p …
・ … 【 謀 ナ ド 、 シ ナ ケ レ バ 良 イ ノ ニ … 赤 心 ノ 神 ド ウ シ 話 セ
バ 、 キ ッ ト 、 イ ズ レ 分 カ ル … 大 神 な ら 云 う で あ ろ う 】 … 【 隠
し だ て し な い の が ゼ ウ ス = パ ン テ オ ン の 優 れ た と こ ろ … で
も あ る 。】
・
・( 類 似 の 神 話 )
・( < イ > 不 毛 な い し 飢 饉 、 < ロ > 女 神 が 冥 界 あ る い は 地 下
世 界 に 行 く な い し 閉 じ こ も る 、 < ハ > 女 神 が 現 世 界 に 戻 る 、
< ニ > 冥 界 で 食 を 取 っ た も の が 現 世 に 戻 れ な く な る な い し
行 き 来 出 来 る 。 … こ の ハ ナ シ の 類 比 は い く つ か の 地 域 で 見
ら れ る … オ リ エ ン ト ・ シ ュ メ ー ル の イ ナ ン ナ の 冥 界 下 り
101 p - 5.4 ヒ ッ タ イ ト の テ リ ピ ヌ 伝 説 111 p - 5.15 日 本
神 話 の 黄 泉 の 国 の 絶 妻 コ ト ト ゛ 175 p - 13.3 同 じ く 天 の 岩 屋 開
き 176 p - 13.5 の 二 つ に 神 話 素 が 分 散 し て い る )
・
・ … ペ ル セ ポ ネ が 双 方 の 世 界 を 行 き 来 す る 決 定 に 満 足 し た
デ メ テ ル は 飢 饉 を 終 わ ら せ 、 毎 年 行 わ れ る こ の 秘 密 の 祭 儀
の し か た を 神 殿 を 造 ら せ た エ レ ウ シ ス 王 ケ レ オ ス に 伝 授 し
た 。
・
・ ○ 出 産 の 守 護 の 神 ア ル テ ミ ス 8 p
・ ○ 音 楽 と 弓 矢 と 神 託 の 神 ア ポ ロ ン 9 p
・ ○ 鍛 冶 の 神 ヘ パ イ ス ト ス( 響 き が ヒ ッ タ イ ト に 似 て い る 、
π を ど う 発 音 す る か の 違 い ) 9 p
・ ○ 神 々 の 伝 令 、 窃 盗 と 旅 人 と 商 業 と 冥 府 の 案 内 役 の 神 ヘ
ル メ ス 10 p & 13 p
・ ○ 葡 萄 と ぶ ど う 酒 と 酩 酊 の 神 、 デ ィ オ ニ ソ ス
・ … い ず れ も ゼ ウ ス の 天 界 の 正 妻 ? ヘ ラ の 迫 害 を 受 け る 。
・
・ 1.4 ○ 12 p 英 雄 神 ヘ ラ ク レ ス 忍 耐 と 被 毒 の 受 難 、【 - ガ
イ ア 一 族 と の 戦 い = ギ ガ ン ト マ キ ア 】
・ ヘ ラ ク レ ス は 人 間 ア ル ク メ ネ か ら 生 ま れ ヘ ラ の 乳 で 育 ち
蛇 毒 の 洗 礼 も う け る (『 変 容 の 象 徴 』 463 p ) ヘ ラ の 迫 害
に 耐 え い く つ も の 功 業 の 後 、 毒 に 身 体 を 侵 さ れ オ イ タ 山 の
頂 上 で 自 身 を 火 あ ぶ り に し た 、 可 死 の 肉 体 か ら 解 放 さ れ オ
リ ン ポ ス に 昇 っ た 。( 鉄 の 象 徴 も 無 く は な い … )
- 49 -
・ 火 あ ぶ り ( 鉄 ~ 鍛 造 の 象 徴 ・ 英 雄 の 受 難 ) に 因 っ て 人 で
あ り な が ら 神 に 昇 格 し た 。 こ れ に よ り 先 々 代 ウ ラ ノ ス ③ の
血 で 受 胎 し た 巨 人 戦 士 を 殺 傷 で き る の は オ リ ン ポ ス で は 半
神 半 人 の ヘ ラ ク レ ス の み と な っ た 。 < 昇 格 後 の 妻 は 青 春 の
神 ヘ ベ 、 統 合 失 調 症 の 下 位 分 類 = ヘ ベ フ レ ニ ア の 語 源 >
・ ガ イ ア 一 族 対 ゼ ウ ス の 戦 い 【 … ゼ ウ ス は 雷 が 武 器 で 戦 え
た が 】 < ゼ ウ ス 以 外 の 神 は エ ジ プ ト ま で 逃 げ 、 動 物 に 姿 を
変 え 隠 れ た ( エ ジ プ ト の 動 物 信 仰 の 一 因 > )
・ ゼ ウ ス は 大 蛇 の 尾 ( テ ュ ポ ン の 下 半 身 ) で 手 足 の 腱 を 切
り 取 ら れ る が 末 っ 子 ヘ ル メ ス ( 10 p - 1.3 窃 盗 ・ 旅 人 の 守
護 ・ 冥 府 の 案 内 ・ 商 業 牧 畜 の 神 、 … フ ラ ン ス 語 読 み で は エ
ル メ ス ) ら に よ っ て 奪 還 救 出 。【 エ ト ナ 火 山 を 投 げ 】 つ
け 怪 物 テ ュ ポ ン を そ の 下 敷 き に す る 。: 13 p
・
・
・
・ ◎ 語 り 部 の 註 釈 :( ① 黄 金 ・ ② 銀 ・ ③ 青 銅 ・ ④ 鉄 ~ 半 神
< ← ト ロ ヤ 戦 後 ゼ ウ ス に 作 ら れ る > ・ ・ ・ 最 古 の 人 類 の 4 つ
の 種 族 )
・ … 参 孝 … < 旧 約 聖 書 - ダ ニ エ ル 書 で は メ ブ カ ド ネ ザ ル 王
の 夢 を 占 う → ① 頭 が 純 金 ② 胸 と 腕 が 銀 ③ 腹 と 太 腿 ④ 脛 が 鉄
⑤ ⑤ 足 が 鉄 と 粘 土 { ? 現 世 ら し い } > ・ < ア ス テ カ 神 話 の
神 々 の 闘 争 で は ① 4 の ジ ャ ガ ー の 太 陽 ② 4 の 風 の 太 陽 ③ 4
の 雨 の 太 陽 ④ 4 の 風 の 太 陽 ⑤ 4 の 動 き の 太 陽 { 今 の 世 界 }
232 p - 16.10 > ・ < 日 本 神 話・ ~ ⓪ 天 之 御 中 主 ~ アマンチュウ
( 琉 球 ) ① ア マ テ ラ ス ② 大 国 主 ③ 鵜 茅 不 葺 ー ウミサチ・ヤマ
サチ ④ 神 武 … に 相 当 > … 大 体 ~ ハ ナ シ 半 分 四 世 代 。
・
・
・ 1.5 ○ 人 神 プ ロ メ テ ウ ス ( = テ ィ タ ン < ゼ ウ ス と 敵 対 6
p - 1.2 で の 敗 者 、 ク ロ ノ ス の 兄 た ち ら し い ? > の イ ア ペ
ト ス の 息 子 の 一 人 、 オ リ ン ポ ス の 神 々 に し て み る と 裏 切 り
者 的 存 在 で 罰 の 受 け 方 も ゲ ル マ ン 神 話 の 悪 神 ロ キ 36 p ~
42 p - 18.8 & 18.11 & 18.12 と 似 て い る 、 だ が ロ キ と は ひ と 味
違 う … ど こ か に ヒ ロ イ ッ ク な 犠 牲 心 が 潜 む ) … 人 神 プ ロ メ
テ ウ ス の 悪 巧 み と 受 難 / と 大 洪 水 : 14 ~ 16 p
・ … 勝 者 ゼ ウ ス ⑤ は 、 ク ロ ノ ス ④ の 統 治 下 で は 黄 金 の 種 族
の 人 類 < ク ロ ノ ス が 天 上 の 王 の 時 代 の 人 類 13 p 中 - 1.4 > が
ま る で 神 々 の よ う に 至 福 で あ っ た 、 そ こ で 神 々 と 人 間 の 運
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命 モ イ ラ を 明 確 に 区 別 し よ う と し た 。 神 々 に 至 福 を 人 間 に
災 い を 運 命 に し よ う と し た 。 … テ ィ タ ン の イアペトス の 息 子
プロメテウス が こ の 区 別 に 進 ん で 買 っ て 出 ゼ ウ ス を 悪 巧 み に
か け 、 計 画 を 根 本 か ら 破 綻 さ せ よ う と し た 。
・ … 人 神 プ ロ メ テ ウ ス の 【 悪 巧 み 】 は 以 下 の 通 り で あ る
・ … < プ ロ メ テ ウ ス は 鉄 ~ 半 神 の 種 族 の 次 だ か ら ⑤ と な
る ? : 参 照 ア ス テ カ 神 話 / 5 つ の 太 陽 の 時 代 232 p ~ 234
p - 16.10 > - イ )【 火 の 窃 盗 】 と ロ )【“ 牛 ” < 神 獣 > の
分 割 】( 発 端 は 戦 後 、 神 と 運 命 の 人 と の 混 乱 ? 。 骨 ・ 油 は
神 / 内 蔵 ・ 肉 は 人 ) の 分 割 ( 豊 穣 の 喪 失 と 農 業 労 働 の 不 可
避 )
・ - 人 神 プ ロ メ テ ウ ス は 殺 さ れ た 巨 大 な 牛 の 肉 と 内 蔵 を 皮
の 中 に 隠 し そ の 全 体 を 牛 の 胃 袋 に 入 れ 一 方 に 置 い た 。 も う
一 方 に は 骨 を 大 切 に 見 え る よ う 積 み 、 美 味 し そ う な 白 い 脂
肪 で 覆 い 隠 し た 。 こ の 後 者 を 神 々 の 運 命 モ イ ラ と し て 選 ぶ
よ う 誘 導 し た 。
・
・ 全 知 の ゼ ウ ス は こ の 計 り ご と を 知 っ た 上 で 後 者 ( 脂 肪 と
骨 ) を 選 ん だ 。
・ … こ の 供 犠 を 行 う 度 に 、 人 間 は 肉 と 内 臓 を 地 上 の 胃 の 腑
に お さ め 、 骨 を 芳 ば し い 煙 に 昇 華 し 天 上 に 立 ち 上 ら せ る こ
と で 、 地 上 の 可 死 で 肉 的 に 汚 れ た 人 間 と 天 上 に て 不 死 で 霊
的 で 清 浄 な 神 々 と を そ の 都 度 確 認 さ せ ら れ る か ら で あ っ
た 。 … さ ら に ゼ ウ ス は こ の 悪 巧 み の 報 復 と し て 地 上 の 生 命
の 糧 を 隠 し て し ま っ た 。 以 後 人 間 は ゼ ウ ス に よ っ て 隠 さ れ
た 生 命 の 糧 を 農 耕 で 得 な け れ ば な ら な か っ た 。 … 同 時 に ゼ
ウ ス は 火 も 人 間 か ら 隠 し た 、 こ れ に 対 し て プ ロ メ テ ウ ス は
天 か ら 大 茴 香 の 茎 の 中 に 隠 し 火 を 盗 み 出 し 人 間 に 与 え た 、
… 人 間 は 火 の 運 命 モ イ ラ 持 つ こ と に な っ た 。
・ こ れ に 対 し ゼ ウ ス は こ の 火 の 窃 盗 の 報 復 と し て あ ら ゆ る
災 い 女 達 の 種 族 を 発 生 さ せ る こ と に 決 め た 。
・
・ ○ パ ン ド ラ ( 最 初 の 人 間 の 女 )、 双 子 の 弟 エ ピ メ テ ウ ス
の 妻 と な る 神 造 人 間 < ゼ ウ ス 製 で 不 死 の 女 神 に 似 せ ア フ ロ
デ ィ ー テ の 魅 力 & ア テ ナ の 機 織 り 技 術 & 恥 知 ら ず な 泥 棒 の
性 質 は ヘ ル メ ス > ) は エ ピ メ テ ウ ス 家 に 封 じ 込 め ら れ た 災
い の 大 甕 を 開 け 災 い を 世 界 に 拡 散 さ せ た 。 災 い は 人 の 目 に
は 見 え ず 声 は ゼ ウ ス に よ っ て 取 ら れ 人 間 は 襲 わ れ る ま で そ
の 接 近 に 気 が つ か な い 。 … な お パ ン ド ラ が 慌 て て 甕 の 蓋 を
閉 め た の で 希 望 が 閉 じ こ め ら れ て い る 。( こ れ は 幸 い な の
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か ? 不 幸 な の か ? … 希 望 と い う 災 い … )
・
・ - プ ロ メ テ ウ ス は ゼ ウ ス に よ っ て 縛 り つ け ら れ 大 鷲 に 毎
昼 生 き な が ら 肝 臓 を 喰 わ れ る 罰 が 与 え ら れ た 、 不 死 の プ ロ
メ テ ウ ス の 肝 臓 は 翌 朝 元 通 り に な り 苦 患 に 終 わ り が な か っ
た 。 あ る 日 世 界 を 遍 歴 し て い た 半 神 ヘ ラ ク レ ス が こ の 場 に
来 て 大 鷲 を 射 殺 し プ ロ メ テ ウ ス を 解 放 し た 。 半 神 ヘ ラ ク レ
ス が こ の 手 柄 で 大 き な 誉 れ 得 た こ と 事 に 満 足 し て ゼ ウ ス は
プ ロ メ テ ウ ス と 【 和 解 … ヤ ハ リ 偉 イ ト 思 ウ 】 す る 事 に し た 。 … 科
人 プ ロ メ テ ウ ス は ま た 人 神 と し て 神 々 の 仲 間 に 復 帰 し た 。
・
・ … 経 緯 不 詳 … ゼ ウ ス は プ ロ メ テ ウ ス の 息 子 ( デウカリオン
… そ の 妻 ピ ュ ラ は パ ン ド ラ の 娘 ) の 時 代 に 【 大 洪 水 】 を 起
こ し た 16 p - 1.5 。 父 ー 人 神 ー プ ロ メ テ ウ ス か ら あ ら か じ め
教 え ら れ て い た 箱 船 に 乗 り 溺 死 を 免 れ た 。 そ し て 英 雄 の 祖
先 ( 人 類 の 祖 先 ) と な っ た 。 デ ウ ス の 教 え に 従 っ て デ ウ カ
リ オ ン が 目 を 瞑 り 後 に 投 げ た 石 は 男 に 、 同 様 に 後 方 へ 、 ピ
ュ ラ の 投 げ た 石 は 女 に な っ た 。 … <デウカリオン‣ピュラ が 兄 妹
か ど う か 羽 仰 は 知 ら な い 、 洪 水 後 兄 妹 ~ 姉 弟 ~ 親 娘 etc の
交 わ り は 頻 出 ~ 反 復 … 目 を 瞑 り 石 を 後 に 投 げ る 寓 意 性 も ハ
ナ シ 半 分 に 留 め て お く >
・ … ( 人 間 の 量 産 … と 同 時 、 逆 に イ ン カ の 地 方 神 話 で は 石
に な っ た 女 238 p - 16.16 も あ り ) と い う 。 デ ウ カ リ オ ン と
ピ ュ ラ の 娘 は ヘ レ ン で 【 ギ リ シ ャ 民 族 ヘ レ ネ ス の 始 祖 と な
っ た 。】 16 p
・
・
・ ◎ 英 雄 の 種 族 活 躍 の 時 代 : 16 p
・
・ … ( SF か ら 物 語 と な る 、 譚 に 神 話 的 反 復 が 混 じ る 〉
・ … ( … 天 界 で 子 供 ~ 人 神 が 父 を 超 え る 、 か ら 、 人 間 世 界
で 神 の 種 を 持 つ 美 女 の 争 奪 … 悲 劇 の 変 容 エディプスコンプレッ
クス )
・
・ 1.6 ○ カ ド モ ス :( 古 都 テ バ イ )
・ フ ェ ニ キ ア の 王 に エ ウ ロ ペ ( 初 出 ) と い う 見 目 麗 し い 愛
娘 が い た 、 あ る 日 海 辺 に い た 彼 女 に 白 い 牝 牛 ( ゼ ウ ス の 化
身 ) が 近 づ い て 行 き エ ウ ロ ペ を 背 に 乗 せ 海 を 渡 り ク レ タ 島
ま で 攫 っ て い っ て し ま っ た 。( エ ウ ロ ペ は ゼ ウ ス を 種 に よ
り ク ノ ッ ソ ス ( 初 出 ) に 迷 宮 を 築 か せ た 神 話 時 代 の ク レ タ
王 と し て 名 高 い ミ ノ ス ( 初 出 ) を 惣 領 と す る 3 人 の 息 子 を
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生 ん だ … < 時 間 軸 の 歪 み あ り ? … そ れ に ゼ ウ ス は い つ の 間
に 海 の 属 性 を 得 た の だ ろ う ? >
・ 兄 弟 の カ ド モ ス は 父 の 命 で 捜 索 に 出 か け た … ( 略 ) デ ル
ボ イ に 行 き ア ポ ロ ン の 神 託 ( 神 事 ) で エ ウ ロ ペ の 事 を 訪 ね
た 、 神 託 は 「 エ ウ ロ ペ の 捜 索 を や め 牡 牛 に 出 会 っ た ら そ の
後 を つ い て 行 き 牛 が 疲 れ 蹲 ウヅクマルる 場 所 に 市 を 建 て て 住 む
よ う に 」 と 命 令 し た 、 こ の 牡 牛 を 日 頃 信 仰 す る 神 ア テ ナ に
生 け 贄 に 捧 げ よ う と 従 者 達 に 水 汲 み に 行 か せ た が 、 泉 を 守
る 竜 の 子 に み な 殺 さ れ て し ま っ た 。 泉 は ア レ ス ( 鍛 冶 の 神
ヘ パ イ ス ト ス 9 p - 1 . 3 後 半 の 子 ) の 泉 で あ っ た … 帰 り が 遅
い の に 不 審 を 抱 い た カ ド モ ス は 泉 の と こ ろ で 【 龍 】 と 出 会
い こ れ を 退 治 し 敵 討 ち を し た 。 … そ こ か ら 神 ア テ ナ が 現 れ
「 殺 し た 龍 の 口 か ら 歯 を 抜 き 取 り 、 種 の よ う に 耕 し た 地 面
播 く が よ い 」 と 教 え た 、 そ の と お り に カ ド モ ス が す る と 完
全 武 装 し た 戦 士 達 が う ま れ ( … 羽 仰 註 釈 : ゲ ル マ ン の 魔 法
的 ) 互 い に 死 闘 を 始 め 5 人 生 き 残 り カ ド モ ス の 家 来 に な っ
た 。 そ し て テ バ イ の 高 貴 な 祖 先 と な る 。
・ ア レ ス の 子 の 龍 を 殺 害 し た 罪 を 償 う と ゼ ウ ス は カ ド モ ス
と ア レ ス を 和 解 さ せ 、 ア レ ス と ア フ ロ デ ィ ー テ の 娘 ハ ル モ
ニ ア を カ ド モ ス の 妻 に し 、 神 々 か ら の 贈 り 物 が 届 い た ア テ
ナ か ら の 衣 と ヘ パ イ ス ト ス か ら の 首 飾 り が 際 だ っ て い た 。
… ヘ パ イ ス ト ス の 妻 ア フ ロ デ ィ ー テ は ア レ ス と 関 係 し て 花
嫁 の ハ ル モ ニ ア を 生 ん だ 。 故 、 ヘ パ イ ス ト ス の ハ ル モ ニ ア
に 対 す る 怨 念 が あ り 、 ア テ ナ の 衣 の 製 作 に も ヘ パ イ ス ト ス
が 協 力 し て い た 。 ハ ル モ ニ ア の 衣 と 首 飾 り は テ バ イ 王 家 の
至 宝 と な っ て ゆ く 。 が 今 後 王 家 は 災 難 に 見 舞 わ れ る 。
・
・ 1.7 ○ テ バ イ 王 家 の 悲 劇 : 17 p
・ テ バ イ 王 家 に 悲 劇 が 襲 う 、 1.3 の 神 々 、 ヘ パ イ ス ト ス ・
デ ィ オ ニ ソ ス ら の 悲 劇 が 重 な っ て ゆ く 。
・ … カ ド モ ス は ハ ル モ ニ ア と と も に テ バ イ を は な れ イ リ ュ
リ ア 地 方 を 支 配 し た 。 そ の 後 ゼ ウ ス は 二 人 を 大 蛇 に 変 え 楽
園 エ リ ュ シ オ ン の 野 に 住 ま わ せ た 。
・ 1.8 ○ 美 女 ア ン テ ィ オ ペ : 18 p ( カ ド モ ス の 息 子 ポ リ ュ
ド ロ ス の 妻 の 妹 )【 未 婚 の 身 で ゼ ウ ス と 交 わ り 】 身 重 に な
る 、 摂 政 の 父 の 怒 り を 恐 れ エ ポ ペ ウ ス 王 の も と に 逃 れ る が
摂 政 ( 父 ) に エ ポ ペ ウ ス 王 は 殺 さ れ 、 ア ン テ ィ オ ペ は 双 子
を 分 娩 す る が キ タ イ ロ ン の 山 中 に 捨 て ら れ る 。 ア ン テ ィ オ
ペ も 迫 害 さ れ る が 、 山 中 に 捨 て ら れ た 双 子 の 息 子 に 救 わ れ
る 。 牛 飼 い に 育 て ら れ た 双 子 は テ バ イ に 行 き テ バ イ を 滅 ぼ
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し 王 位 に つ く 。 カ ド モ ス の 孫 ラ イ オ ス ( 初 出 ) … 実 は オ ィ デ
ィ プ ス の 実 父 、 は テ バ イ か ら ピ サ に 亡 命 せ ざ る を 得 な く な る 。
・ 王 位 に 就 い た ア ン テ ィ オ ペ の 双 子 も 幸 せ で は な か っ た 。
・
・ 1.9 ○ オ イ デ ィ プ ス < カ ド モ ス の 曾 孫 > の 悲 劇 ( フ ロ
イ ト の エディプスコンプレックス~オイディプスコンプレック ス
の オ リ ジ ナ ル )
: 19 p … カ ド モ ス の 孫 ラ イ オ ス < オ イ デ ィ プ ス の 実 父 > 、
そ の 男 色 に 息 子 を 殺 さ れ た ペ ロ プ ス は 呪 い 「 息 子 は 父 を 殺
す … ( 歴 代 の 神 の よ う な … 子 供 を 呑 み 込 む 類 型 反 復 、 の 真
逆 。 呪 い 半 分 ~ 伝 統 を 言 葉 に し た だ け 半 分 … )」 を か け た 。
・
・ … ア ン テ ィ オ ペ の 双 子 が 死 ん で し ま い 亡 命 し て い た ラ イ
オ ス は テ バ イ に 呼 び 戻 さ れ ペ ン テ ウ ス の 血 統 を 引 く 姫 イ オ
カ ス テ を 妃 に も ら っ た 。 ペ ロ プ ス 呪 い で 夫 婦 関 係 が も て な
か っ た が 酒 に 酔 っ て 妃 は 身 ご も る 、 オ イ デ ィ プ ス は 踵 を 黄
金 の ピ ン で 刺 し 抜 か れ キ タ イ ロ ン 山 中 に 捨 て ら れ る が 、 コ
リ ン ト 王 - 養 父 に 拾 わ れ る 。
・ 成 長 し た オ イ デ ィ プ ス は 出 自 を デ ル ボ イ の ア ポ ロ ン に 神
託 で 問 う が 「 生 ま れ 故 郷 に ゆ く と 父 を 殺 し 母 と 結 婚 す る 」
と 返 さ れ る 、 こ れ で 驚 き コ リ ン ト を 離 れ 実 父 ラ イ オ ス の い
る テ バ イ に 行 く 。
・ テ バ イ で は 女 怪 ス フ ィ ン ク ス の 難 の 対 処 を ア ポ ロ ン の 神
託 を 訪 ね る べ く 急 ぐ 実 父 ラ イ オ ス と 遭 遇 す る 。 道 を あ け ぬ
実 父 ラ イ オ ス を 殺 害 し て し ま う 。
・ そ の 後 、 オ イ デ ィ プ ス は ス フ ィ ン ク ス と 対 峙 す る 。 … ス
フ ィ ン ク ス は 謎 か け を す る 「 初 め 4 本 … 次 に 2 本 … 最 後 は
3 本 は 何 ィ ? 」 を 解 い て し ま う 、 あ っ さ り 謎 を 解 か れ た ス
フ ィ ン ク ス は 身 を 投 げ て し ま う 。
・ …
・ … ナ ゼ ?
・ …
・ … こ の デ コ ー ド を 本 作 - 「 火 の 山 の 西 と 東 ~ 9 」 と が …
位 相 を 変 え な が ら 時 空 を 異 に す る 物 語 り と が 共 鳴 反 復 す
る 。 … 蟻 塚 に 贄 を 求 め ら れ た 天 の 釈 と ナ ギ … 贄 と 同 居 す る
恐 怖 に 呑 み 込 ま れ た 天 の 釈 と 、 … そ の 一 方 、 果 敢 に 抗 い ~
抗 う が 故 に 取 り 込 ま れ そ う に な っ た ナ ギ 、 そ し て そ の ナ ギ
を 「 負 け た ふ り し て 逃 げ る が 勝 ち 」 と 制 し た 大 神 。 … 蟻 塚
以 降 、 贄 を 要 求 さ れ 取 り 込 ま れ 、 混 乱 し て し ま っ た 天 の 釈
は 蟻 塚 の ト ラ ッ プ と ス フ ィ ン ク ス の ト ラ ッ プ が 混 交 す る 。
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… 蟻 塚 ・ ス フ ィ ン ク ス ・ 天 の 釈 - 三 者 の 前 提 は 『 全 て は 前
進 す る も の ~ ね ば な ら な い も の … 刻 ハ 前 ニ シ カ 進 マ ナ
イ ! 』 … そ し て オ イ デ ィ プ ス も そ の 前 提 で 生 き て ゆ く 。 …
だ か ら 答 え を 出 さ れ て し ま っ た ス フ ィ ン ク ス は 3 本 の 後 に
女 怪 の 彼 女 の 刻 は な か っ た … だ か ら 身 を 投 げ た … 。 こ の 女
怪 の 身 投 げ の ハ ナ シ は こ こ で そ れ な り の 説 明 が つ い た 。
・ … だ が … 。
・ … 天 の 釈 は 混 乱 の ま ま … 両 価 的 「 贄 か 否 か ? 」 の 前 に 佇
ん だ ~ 佇 め た 。 … 今 の 物 差 し で は 「 急 性 精 神 病 」 で あ る 。
天 の 釈 の 両 価 性 の 隙 間 に 数 多 の 困 難 事 象 が 時 空 を 飛 び 越 え
や っ て き た 。 … そ の 中 に は 大 神 と ナ ギ の 集 合 知 「 負 け た ふ
り し て 逃 げ る が 勝 ち 」、 ゆ え に 贄 を 渇 望 す る サ イ レ ン - 二
山 の 蟻 塚 が 滅 ん だ 。
・ … 、 時 空 に は 実 数 的 な 刻 の 様 な 進 み 方 し か 出 来 な い 側 面
で そ の 先 が な い も の と 、 … 反 復 共 鳴 に 揺 ら ぐ 時 ~ 虚 時 空 も
あ る こ と を 天 の 釈 の 目 の ま え で ナ ギ は 揺 ら ぎ そ の 抗 い の 場
か ら 消 え 失 せ ~ 実 時 間 で は あ り 得 な い 位 相 転 移 を や っ て の
け た 。 … だ か ら 、 混 乱 し た 天 の 釈 は 本 格 的 な 回 復 に 舵 取 り
が 出 来 た と い う … 。“ そ ん な オ マ ケ を 付 け た ほ う が 良 い …
霊 長 種 が 解 き 続 け て い る < 宿 題 ~ 虚 時 空 の 果 て > は ハ ッ キ
リ さ せ た ほ う が い い 。” … と 、 大 神 は そ ん な 風 に 思 っ て 居
る フ シ が あ る 。 … こ こ で 羽 仰 の こ の 脱 線 は 終 わ り 。 … 再 び
ギ リ シ ャ 神 話 に 戻 る 。
・ …
・ …
・ … 一 方 オ イ デ ィ プ ス と は 別 に 、 こ の 謎 が 解 け ず 殺 さ れ る
市 民 の た め 継 王 は 謎 を 解 き ス フ ィ ン ク ス を 退 治 し た も の に
テ バ イ の 王 位 と 王 妃 イ オ カ ス テ と の 結 婚 さ せ る 布 告 を し て
い た 。
・ 後 年 、 こ の 真 相 を 知 り エディプス は 黄 金 の ピ ン で 自 分 の 目
を つ ぶ し 諸 国 を 放 浪 す る 。
・ … ( オ ィ デ ィ プ ス の 物 語 は 子 殺 し ・ 子 供 を 飲 み 込 む 連 鎖
か ら 父 殺 し に 変 容 さ せ て い る 。: … そ れ ま で は 子 殺 し 。 で
世 代 交 代 は 子 殺 し の 失 敗 … ウ ラ ノ ス ③ は 子 供 を ガ イ ア ② の
胎 内 に 戻 し た 、 → 失 敗 し て 末 弟 ク ロ ノ ス た ち が う ま れ 、 長
子 と な る 。 ク ロ ノ ス ④ も 自 分 の 腹 に 呑 み 込 ん だ 、 → 失 敗 し
て 末 弟 ゼ ウ ス ⑤ ら が 生 ま れ 、 長 子 と な る 。 ゼ ウ ス も 子 を 呑
み 込 ん で い る )
・
・ 1.10 ○ テ バ イ 壊 滅 : 22 p
- 55 -
・ オ イ デ ィ プ ス の 二 人 の 王 子 は 王 位 継 承 を め ぐ り 争 い 、 弟
の 遺 児 の よ っ て テ バ イ は 滅 ん で し ま う 。
・
・ 1.11 ○ ト ロ ヤ 戦 争 : 23 p 後 述 の ト ロ ヤ 戦 争 と テ バ イ を め
ぐ る 王 位 の 争 い で 英 雄 の 種 族 滅 亡 し て し ま う …
・ - ト ロ ヤ 戦 争 の 経 緯 に は い く つ か の 神 話 が あ る 。 -
・ ゼ ウ ス ⑤ と 海 神 ポ セ イ ド ン ( 6 p - 1.2 テ ィ タ ン の 戦 い
で 初 出 … ) の 二 神 は 老 賢 者 ・ 海 神 ネ レ ウ ス の 娘 テ テ ィ ス 女
神 に 求 愛 し て い た 。 掟 と 託 宣 の 神 よ り 「 テ テ ィ ス は 必 ず 父
親 よ り 強 力 な 息 子 を 生 む ( … 繰 り 返 し )」 と 教 え ら れ 、 二
神 は 求 愛 を 諦 め 人 間 の 英 雄 ペ レ ウ ス と 結 婚 さ せ る 事 に し
た 。 ペ レ ウ ス は 女 神 の 変 化 の 能 力 を 見 抜 き 女 神 を し っ か り
と ら え 離 さ な か っ た 、 彼 女 は 諦 め 父 を 超 え る ア キ レ ウ ス を
生 む こ と に な る ( ア キ レ ウ ス は 唯 一 踵 が 弱 点 )。
・
・ 1.12 ○ パ リ ス の 審 判 : 23 p
・ ペ レ ウ ス と テ テ ィ ス の 婚 礼 で 招 き を 受 け な か っ た 女 神 が
最 も “ 美 し い 女 神 ” に 黄 金 の リ ン ゴ が 贈 ら れ 、 ヘ ラ ( ゼ ウ
ス ⑤ の 妻 、 神 々 を 迫 害 す る 10 p ~ 1.3 後 半 ) と ア テ ナ ( 初
出 ? ) と ア フ ロ デ ィ ー テ ( 5 p - 1.1 ウ ラ ノ ス ③ の 精 液 の
泡 よ り 生 ま れ る ) は 確 執 し 出 す 、 羊 飼 い で ト ロ ヤ の 王 子 パ
リ ス に 判 定 さ せ る こ と に な り 、 パ リ ス は ア フ ロ デ ィ ー テ を
指 し 、 以 後 パ リ ス と ト ロ ヤ は ア フ ロ デ ィ ー テ か ら 愛 顧 と 庇
護 、 ヘ ラ と ア テ ナ か ら 迫 害 を 加 え ら れ る 。
・
・ 1.13 ○ ヘ レ ネ の 誘 拐 : 24 p
・ 世 界 一 の 美 女 ヘ レ ン ( ス パ ル タ 王 妃 レ ダ が 母 、 白 鳥 に 化
け た ゼ ウ ス ⑤ が 父 ) は ス パ ル タ 王 妃 で あ っ た が 、 ア フ ロ デ
ィ ー テ は パ リ ス に ヘ レ ン を 結 婚 さ せ る を 決 め る 、 … ( ア フ
ロ デ ィ ー テ は ? ) ス パ ル タ で 主 客 関 係 ( 最 高 の 宗 教 義 務 と
さ れ る 主 従 関 係 ) を 結 ん で い た パ リ ス を ヘ レ ネ の 美 貌 の 虜
に さ せ 財 宝 と と も に ヘ レ ネ を 誘 拐 す る 。
・ ヘ レ ネ の 過 去 の 求 婚 者 で あ っ た ギ リ シ ャ の 緒 王 は ヘ レ ネ
奪 還 の た め に 遠 征 に 参 加 す る 。 … 謀 略 の 匂 い も … 。
・ … も う ほ と ん ど 歴 史 は 美 女 が 動 か す と 言 う が ホ ン ト だ ろ
う か ? - い ろ い ろ な 神 頼 み は あ る が こ の 種 神 頼 み は 良 く な
い 、 と 羽 仰 は 思 い 抗 っ て い る 。 …
・
・ 1.14 ○ ア キ レ ウ ス の 活 躍 の 伏 線 : 24 p
・ … ア キ レ ウ ス の そ の 宿 命 を 鑑 み 、 母 テ テ ィ ス 女 神 は 女 装
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さ せ 王 宮 に 身 を 隠 す が 、 賢 者 オ デ ュ ッ セ ウ ス に 見 破 ら れ 奪
還 戦 に 駆 り 出 さ れ る 。
・ ○ ヘ レ ネ 奪 還 戦 - ギ リ シ ャ 軍 に よ る ト ロ ヤ ( パ リ ス ) 攻
撃 - ト ロ ヤ 戦 争
・ 戦 争 は 十 年 目 功 労 の 多 か っ た ア キ レ ウ ス も パ リ ス に よ っ
て そ の 弱 点 ( 踵 を 射 貫 か れ … 教 え た の は ア ポ ロ ン … ゼ ウ ス
以 外 の オ リ ン ポ ス の 神 々 は こ の 戦 の 行 方 に 並 々 な ら ぬ 関 心
を 持 っ て い た 。) を つ か れ 死 ん で し ま う 。
・ 女 神 ア テ ナ の 助 け と オ デ ュ ッ セ ウ ス の よ っ て 案 出 さ れ た
計 略 ( ト ロ ヤ の 木 馬 = 大 き な 木 馬 に ギ リ シ ャ 兵 士 を 潜 ま せ
不 落 の ト ロ ヤ の 城 壁 を 破 り ト ロ ヤ は 陥 落 す る 。 … そ し て ギ
リ シ ャ は 多 く の 奴 隷 も 発 生 し た 。 … あ と は 歴 史 参 照 … ほ と
ん ど 神 話 で な く な る ) … 先 述 し た よ う に 考 古 学 者 シ ュ ー リ
マ ン が 遺 跡 と し て ト ロ ヤ を 発 見 し た こ と に よ る 。
・ 1.15 ○ ト ロ ヤ 戦 争 後 日 譚
・ ト ロ ヤ 側 で 敗 戦 し た ア フ ロ デ ィ ー テ ( 一 体 い く つ ? ア フ
ロ デ ィ ー テ は ウ ラ ノ ス ③ の 精 液 よ り 生 ま れ る … ) の 息 子 ア
イ ネ イ ア ス ら は 航 海 の 末 イ タ リ ア の ラ テ ィ ウ ム に 来 て 土 地
の 王 の 娘 と 結 婚 し ア ス カ ニ オ ス ・ レ ム ス の 双 子 を 生 ん だ 。
ア ス カ ニ オ ス は ア ル バ 市 の 王 と な り 、 双 子 は 協 力 し ロ ー マ
を 建 て た 。
・ … ト ロ ヤ の 歴 史 は そ の ま ま ロ ー マ に 引 き 継 が れ る こ と に
な る 。 ゆ え に ロ ー マ の 帝 国 神 話 は ギ リ シ ャ 神 話 の 類 比 が 多
い の は こ の た め で あ る 。
・
・
・
・
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・ ― ― ― ― ― ― 2 . ( 推 定 ) ス ラ ヴ の 神 話 : 51 p ― ― ― ―
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・ … ペ ー ジ 数 の み は 『 世 界 の 神 話 伝 説 / 総 解 説 』
・ … ス ラ ヴ 人 は 9 世 紀 以 前 は 【 文 字 を 持 た な か っ た 】 と さ
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れ る 。( … “ ほ ん と だ ろ う か ? ” … 天 の 釈 は 羽 仰 に 耳 打 ち
す る … ) 10 世 紀 こ ろ キ リ ス ト 教 に 改 宗 し た 。 … < 従 っ て
神 話 の 全 体 像 を 見 渡 す こ と が で き な い 、 多 く は 碑 文 の 名 な
ど か ら 神 話 学 者 た ち が 真 心 込 め て 反 復 ・ 共 鳴 を 駆 使 し て 再
現 し た も の も で あ る 。 >
・ お そ ら く そ の 際 … 天 空 神 を さ す dewos ( ギ リ シ ャ の ゼ ウ
ス 、 ロ ー マ の ユ ピ テ ル ) は 悪 魔 的 存 在 と な っ て い る 。 ス ラ
ヴ 圏 で 神 を 意 味 す る の は イ ン ド ・ イ ラ ン 系 言 語 で は 富 ・ お
布 施 を 意 味 す る bhaga に 対 応 す る bog で あ る 。 … ヨ ー ロ ッ パ
の 神 概 念 と か な り 異 な る ~ < 一 線 を 画 す > 。
・( 東 ス ラ ヴ ): キ リ ス ト 教 改 宗 ま え の 異 教 神 ( キ リ ス ト
教 に と っ て の ) の 偶 像 が キ ー ウ の 丘 に 建 て ら れ て い た ( 聖
ウ ラ ジ ミ ー ル 公 の 記 載 / 「 原 初 年 代 記 」)
・ ① ペ ル ン Per.um 雷 神 、 樫 を 神 木 と す る 雷 神 ( 雷 で ) 打 つ
者 、 原 義 は 樫 の 神 。 雷 を 意 味 す る 同 語 源 の も の は 西 ス ラ ヴ
に も あ る 。 ま た ポ ラ ー ブ 語 で 木 曜 日 は “ ペ ル ー ン の 日 ” と
呼 ば れ 、“( 雷 神 ) ト ー ル の 日 ” に 由 来 す る ゲ ル マ ン 語 族
- 独 ・ 英 は や は り 木 曜 日 を 意 味 し て い る こ と は 示 唆 的 で あ
る 。 ア ル バ ニ ア の 天 空 神 ペ レ ン デ ィ ・ 北 欧 神 話 の フ ィ ヨ ル
ン ギ ュ ン も 比 較 す べ き 対 象 。 汎 ス ラ ヴ に 広 が り を 持 つ 。
・ ② 家 畜 の 神 ヴ ォ ー ロ ス Volos 、 熊 崇 拝 と 結 び つ く が 家 畜 の
神 の 形 容 が 少 な い 。
・ 1 6 世 紀 チ ェ コ 語 の 文 献 で は ヴ ェ ー レ ス が 悪 魔 の 意 味 で
あ っ た り 、 リ ト ア ニ ア 語 の ヴ ェ ー レ ー ス が 死 者 の 霊 。
・ ③ ス ト リ ー ボ グ Stribog 、 父 な る 神 と 解 釈 さ れ て い る 。
・ ④ ダ ー ジ ボ グ Daz^bog 、 与 え る dat' 動 詞 + 神 ~ 利 益 の bog
名 詞 、 南 ス ラ ヴ で は 地 上 神 と し て 現 れ る 。( 天 上 神 に 対 置 )
③ を 富 の 分 配 者 ④ を 富 の 授 与 者 と 見 な さ れ る 。 い ず れ も
キ リ ス ト 教 導 入 後 下 級 神 に 格 下 げ さ れ 伝 承 し た と 考 え ら れ
て い る 。
・ ⑤ ス ヴ ァ ロ グ ( 火 の 神 ・ 竈 の 神 ) ④ の ダ ー ジ ホ グ と 並 列
的 言 及 。ス ヴ ァ ー ロ グ の 語 源 は イ ラ ン の ス ヴ ァ ル ガ ス( 天
空 ) に 由 来 す る と 考 え ら れ て い る 。
・ ⑥ ホ ル ス Xors 太 陽 神 ?
・ ⑦ モ コ シ Mokos^ イ ラ ン の ア ナ ー ヒ タ ー に 比 す べ き 地 母 神 、
北 部 ロ シ ア 女 の 家 霊 の モ コ シ ャ ・ モ ク シ ャ に 由 来 す る 。 ロ
シ ア 語 の 形 容 詞 mokryj- 湿 っ た と 共 通 。
・ ⑧ セ マ ル グ ル Semargl 7 つ の 頭 と も 解 釈 で き る 神 格 だ が 機
能 不 明 、( イ ラ ン 起 源 の 悪 魔 ) ス ィ ー ル グ の 説 が あ る 。
・
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・( 西 ス ラ ヴ = バ ル ト 地 方 ) ス ラ ブ 人 の 間 の 神 々 は ゲ ル マ
ン の 歴 史 家 に よ っ て 書 か れ た 。 ① ス ヴ ェ ン ト ヴ ィ ト 、 主
神 、 軍 神 、 白 い 馬 に 乗 り ア ル コ ナ に は 4 つ の 頭 を 持 つ 像 が
あ っ た 。
・ ② ト リ グ ラ フ 、 軍 神 、 黒 い 馬 に 乗 り 3 つ の 頭 を も つ 、 主
神 の 扱 い 。
・ ③ ス ヴ ァ ロ ジ チ 、 軍 神 ( 東 ス ラ ヴ の 火 の 神 、 ス ヴ ァ ロ グ
と 同 根 ) 神 殿 は 1068 年 に 破 壊
・ ④ ヤ ロ ヴ ィ ト 、 豊 饒 の 神 ( ヤ リ ー ロ と 共 通 ) 白 い 衣 で 白
馬 に 乗 り 右 手 に 人 の 頭 、 左 手 に 麦 の 穂 を 持 っ た 若 者 4 月 27
日 に 儀 礼 ( 東 ス ラ ヴ で は ヤ リ ー ロ の 葬 礼 と 呼 ば れ 死 と 復 活
の 儀 礼 と 記 録 さ れ て い た )
・ ⑤ ル エ ヴ ィ ト 、 7 つ の 顔 を 持 つ 軍 神 。 ポ レ ヴ ィ ト と ポ レ
ヌ ト の 3 神 で 神 群 を 構 成 。 こ の 2 神 は そ れ ぞ れ 5 つ の 頭 を
も つ 。
・ ⑥ チ ェ ル ノ ボ グ 、 黒 い 神 を 意 味 す る 、 悪 の 神 で も あ る 。
白 い 神 と の 対 偶 神 で 創 世 に 関 わ る 。
・ ⑦ プ ロ ヴ ェ 、( 東 ス ラ ヴ の ペ ル ー ン の 異 称 ) 樫 の 木 の 主
神
・ ⑧ プ リ ペ ガ ラ 、( 主 神 ) 1108 年 司 祭 が 主 神 と し て 記 載
・ ⑨ ポ タ ガ 、
・ ⑩ ジ ヴ ァ ( 生 命 の 神 ) ズ ィ ヴ ィ エ と 同 神 と 推 測 さ れ る 。
・
・
・ 2.1 ○ ス ラ ヴ の 二 元 論 的 創 世 神 話 : 55 p
・
・
・ … 世 界 は 【 水 し か な か っ た 。】( 洪 水 後 か も し れ な い )。
… 神 と 悪 魔 だ け が い た 。 二 人 で 大 地 を 作 ろ う と し た 、“ 俺
の 力 と 神 の 力 で ! ” で は 底 の 土 は つ か め ず 、“ 神 の 力 と 私
の 力 で ” で 悪 魔 は 爪 に 少 し ば か り の 土 を つ か ん だ 、 神 が そ
の 土 を 水 の う え に お く と 陸 地 が 出 来 た 。 神 が 眠 っ た と き 悪
魔 は 水 際 ま で 引 き ず っ て 溺 れ さ せ よ う し た が 大 地 は 拡 が っ
て 水 際 に た ど り 着 け な か っ た 。
・ 神 は 天 使 、 蜜 蜂 、 人 間 、 を 作 り 悪 魔 は 山 羊 、 狼 を 作 っ た 。
初 め 、 人 は 生 き て い る と き は 神 の も の 、 死 者 は 悪 魔 の も の
で あ っ た が 、 後 に キ リ ス ト 教 移 入 の 際 、 イ エ ス キ リ ス ト が
死 者 を 悪 魔 か ら 取 り 上 げ た 。 56 p
・( … 参 照 : 新 約 聖 書 外 伝 ニ コ デ モ 福 音 書 、 キ リ ス ト の 最
後 の 言 葉 は 神 に 異 論 を 唱 え 、 よ っ て 一 端 キ リ ス ト は 地 獄 に
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降 り た 、 キ リ ス ト を 嘲 笑 し に 来 た サ タ ン を 逆 に 捕 ら え 冥 府
の 奥 底 に 幽 閉 し た … 参 照 : ミ ト ラ も 冥 府 へ 下 っ た 。 < ケ ウ
ル - ミ ト ラ 聖 典 ネ ッ ト > よ り 、 参 照 2 : イ ン ド 神 話 の ヤ マ
― 閻 魔 様 も 同 様 の 降 下 を 地 獄 に い た 死 者 を 解 放 し た 。 … ス
ラ ヴ 語 も 印 欧 語 族 で あ る 。)
・
・ 父 な る 神 が キ リ ス ト と 悪 魔 を 兄 弟 と し て 生 み 、 悪 魔 が 現
実 の 物 質 世 界 を 創 造 し た 、 … 明 ら か に 【 グ ノ ー シ ス 派 や マ
ニ 教 の 影 響 】 が あ る 。… 参 照 77 p - 4.19 の ヤ マ 、201 p - 7.13
後 半 “ 大 精 霊 ノ ン モ の 冥 府 降 り ”、 234 p - 16.11 ケ ツ ァ ル
コ ア ト ル 死 者 世 界 に 赴 く 、 … 直 接 関 係 な い が 、 こ こ で も 蜂
が 登 場 179 p - 13.9 オ オ ク ニ ヌ シ 111 p - 5.15 テ リ ピ ヌ で
も 蜂 ( 蜂 は 花 の 受 粉 に 欠 か せ な い ) が 登 場 … と し か 表 象
し よ う の な い ハ ナ シ が い く つ も あ る 。
・
・
・ 2.2 ス ラ ヴ の 民 間 信 仰 : 57 p
・ 森 の 精
・ 水 の 精
・ 家 霊
・ 出 産 の 神
・ 吸 血 鬼
・ 人 狼 、 人 狼 は ス ラ ヴ で は あ る 期 間 狼 に 変 身 で き る 呪 術 師
あ る い は 呪 術 で 変 え ら れ た ひ と と 考 え ら れ て き た 。
・
・ 2.3 ス ラ ヴ の 伝 説 : 59 p
・ 植 物 伝 説 、 青 紫 と 黄 色 の ス ミ レ は 【 兄 と 妹 と 知 ら ず に 結
婚 し 】、 こ れ を ふ と し た こ と で 知 っ た 二 人 は 、 神 あ る い は
二 人 の 意 志 で 同 花 二 色 の ス ミ レ に 姿 を 変 え た … ソ ノ 理 由 ハ
詳 ラ カ デ ナ イ 。( … 59 p こ の 種 の 伝 承 は 洪 水 神 話 と い っ し
ょ の こ と が 多 い 、 参 照 197 p - 7.4 性 と 生 殖 の 起 源 ) … 二 人
の 子 孫 ら は 人 と し て 生 き な が ら え た 。
・ 聖 ゲ オ ル グ 303 年 歿 の 竜 退 治 は 有 名 だ が エ ゴ リ ー と も ユ
ー リ ー と も よ ば れ 家 畜 と 狼 の 守 護 者 と さ れ し ば し ば 森 の 精
と 同 一 視 さ れ た 。 ま た 豊 饒 の 神 ヤ リ ー ロ と 融 合 し て い る 。
・ 預 言 者 聖 エ リ ア ( イ リ ア )、 ス ラ ヴ 圏 で は ギ リ シ ャ 語 の
ヘ リ オ ス ( 太 陽 ) と 混 同 さ れ 太 陽 と 雷 神 を 兼 ね た 神 格 と し
て 信 仰 さ れ た 、 こ れ は 異 教 時 代 の ペ ル ー ン の 属 性 を 引 き 継
い だ 。 天 馬 を 繋 い だ 【 火 の 戦 車 に の り 悪 し き も の を 火 の
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矢 で 射 る 】 と さ れ る 。
・
・ ト フ ァ ル ド フ ス キ ー 伝 説 ( フ ァ ウ ス ト 的 伝 説 )、 悪 魔 と
契 約 を 結 び 【 莫 大 な 富 】 を 築 い た が 、 悪 魔 の 計 略 に 掛 か り
月 に 送 ら れ て し ま う 。 ポ ー ラ ン ド で は 月 の 影 は ト フ ァ ル ド
フ ス キ ー の 姿 と し て 見 て い る 。
・ イ ワ ン 雷 帝 1533 - 84 在 位 、 残 虐 ゆ え 雷 帝 と い わ れ る
・ ス テ ン カ ・ ラ ー ジ ン 1630 - 1671 魔 法 師 と し て 描 か れ ( 罪
故 死 ぬ こ と が な い )。
・ ピ ョ ー ト ル 大 帝 1682 - 1725 在 位 ウ ラ ル 地 方 の 鉄 で 優 秀 な
剣 ・ 大 砲 を つ く る
・
・ …
・ ロ シ ア に は 【 湖 に 沈 ん だ 町 の 伝 説 が た く さ ん 】 あ る 。
有 名 な の は 1238 年 ス ヴ ェ ト ロ ヤ ー ル に 沈 ん だ 「 見 え ざ る 町
キ ー テ ン 」 … 異 教 徒 タ タ ー ル 人 に 町 を 委 ね る こ と を 許 さ な
か っ た 神 の 意 志 で 、 正 教 徒 の 人 す べ て 湖 に 沈 ん だ 。 … 有 史
以 前 に も 洪 水 に 絡 ん で 沈 ん だ 町 が あ る と 羽 仰 は 考 え る … 。
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・ ― ― ― ― ― ― ― ― 3 . ペ ル シ ャ の 神 話 : ― ― ― ― ― ― ―
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・ … ペ ー ジ 数 の み は 『 世 界 の 神 話 伝 説 / 総 解 説 』
・ … ペ ル シ ャ は 現 在 の イ ラ ン 地 方 に 相 当 … 隣 の イ ン ド 神 話
と は 神 の 属 性 の ニ ュ ア ン ス が 敵 対 的 関 係 を 示 唆 す る : 84
p … こ の 地 域 の 神 話 は ナ ギ が 関 心 を 寄 せ 慮 る 。
・ イ マ 、 輝 け る 王 ( 一 方 、 イ ン ド で は 死 者 の 支 配 者 ヤ マ =
日 本 の 閻 魔 様 )
・ ゾ ロ ア ス タ ー ( ド イ ツ 語 読 み : ツァラトストラ ) = 最 高 神 ア
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フ ラ ・ マ ズ ダ ( 他 方 、 イ ン ド で は ア フ ラ → 訛 っ て 、 ア シ ュ
ラ 阿 修 羅 = 悪 魔 、 65 p - 4.1 )
・ ミ ス ラ 、 千 の 目 を も ち い か な る 悪 行 も 隠 せ な か っ た < 太
陽 神 と 同 一 さ れ た 軍 神 、 最 後 の 審 判 に お け る 判 事 役 > ( イ
ン ド で は ミ ト ラ < 仏 教 の 弥 勒 - マイトレア> は 契 約 ・ 友 愛 の 神 、
と 、 … 少 し 色 合 い が 違 う )
・
・ ペ ル シ ャ 神 話 の 3 段 階 ( ① 前 ゾ ロ ア ス タ ー の も の で 口 伝
② B C 6 世 紀 ゾ ロ ア ス タ ー に よ る 宗 教 改 革 、 最 高 神 ア フ ラ
・ マ ズ ダ 対 ア ン ラ ・ マ ン ユ の 善 悪 二 元 論 、 こ の 聖 典 の 1 /
4 は 現 存 し て い る 、 ③ 民 族 詩 人 フ ィ ル ダ ウ ス ィ ー 1010 年 成
立 「 シ ャ ー ・ ナ ー メ 」 で は 一 神 教 に 変 化 し た 。
・
・ … 神 名 ~ 精 霊 名 も 振 り 仮 名 で 書 く と 変 化 は あ る が アルファ
ベット の よ う な 印 欧 語 族 の 文 字 に 変 え る と 変 化 は 少 な い 。)
・
・
・
・ 3.1 ○ 天 地 創 造 ( お そ ら く 数 秘 も 織 り 込 ま れ て い る ):
86 p
・ 六 段 階 : 365 日 ≪ = 太 陽 暦 、 < 後 に 太 陰 = 月 の 暦 に 変 わ
る > ≫ ほ ど か け て 創 造 、 ① 空 が 40 日 ② 水 が 55 日 ③ 地 が 70
日 ④ 植 物 が 25 日 ⑤ 動 物 が 75 日 ⑥ 人 が 70 日 を か け て 創 造 、
そ れ ぞ れ の 創 造 の あ と 5 日 ず つ の 休 息 を と ら れ た 。( こ の
“ 日 ” と い う 時 間 の 単 位 は 現 在 の 1 日 = 24 時 間 と - 前 後
の 文 脈 か ら - 考 え な い ほ う が 良 い と 羽 仰 は 思 う 。)
・ 空 は 石 ま た は 輝 く 金 属 で 創 ら れ 、 空 と と も に 天 体 、 1 2
宮 の 星 が 創 ら れ 、 悪 神 と の 戦 い の た め に 六 百 四 十 八 万 の 戦
星 “ い く さ ” が 配 さ れ た 。
・ 水 は 水 の 女 神 ア ナ ー ヒ タ ー の 泉 か ら 流 れ 大 海 ウ ォ ル カ シ
ャ に 注 い だ 。
・【 泥 の 水 か ら 地 が 割 ら れ た 】、 地 表 ( の 世 界 ) は 円 形 で
平 面 と 考 え ら れ た 、 山 が 生 え ( ハ ラ ー 山 ) 800 年 で 天 頂 に
達 し た 、 山 頂 の 東 西 に は 180 の 窓 が あ り 太 陽 は 東 の 窓 か ら
昇 り 西 の 窓 に 沈 ん だ 、 世 界 は 7 つ の 地 域 に 分 け ら れ 中 央 は
他 の 6 つ 地 域 を 合 わ せ た 面 積 と 同 じ で 人 は こ の 地 に 住 む こ
と に な る 。 善 神 が 16 の 国 を 創 る と 悪 神 も そ れ に 対 抗 す る
も の を 創 っ た 。( 例 、 東 イ ラ ン を つ く る と 河 に 蛇 と 冬 、 ニ
サ ー ヤ 国 を 創 る と 不 信 心 の 罪 、 ハ ラ ワ イ テ ィ ー 国 に は 死 者
を 埋 め る 罪 、 カ ク ラ 国 に は 死 者 を 焼 く 罪 、 七 河 地 方 に は 月
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経 と 酷 暑 で 対 抗 し 繁 栄 を 妨 げ た )
・ 海 に 万 病 治 療 の 巨 木 「 サ エ ー ナ の 木 」 で 数 万 の 植 物 が 生
え た 、 こ の 木 に は 巨 鳥 が い た 、 ま た そ の 近 く に 長 寿 の 巨 木
「 白 ホ ー ム 」 が 生 え 、 巨 魚 が こ れ を 守 っ た 。
・ 最 初 に 創 造 さ れ た 動 物 は 月 の よ う に 輝 く 牡 牛 で あ っ た が
悪 神 に 殺 さ れ た 、【 牛 の 精 液 は 月 に 運 ば れ 】 精 液 か ら 牡 牛
と 牝 牛 、 そ れ に 続 い て 【 二 百 八 十 二 対 の 動 物 が 生 ま れ た 】。
< 太 陰 暦 に 変 更 さ れ た の は こ の あ た り と 考 え ら れ る 。 >
・ 人 類 の 祖 カ ユ ー マ ル ス( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、ガ ヨ ー マ ル ト )
で そ の あ と で 【 火 が 創 造 】 さ れ た 。
・
・
・ 3.2 ○ 善 悪 の 対 立 : 87 p
・ 太 初 ― 善 神 ア フ ラ ・ マ ズ ダ は 無 限 の 光 明 に 悪 神 ア ハ リ マ
ン ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、 ア ン ラ ・ マ ン ユ ) は 無 限 の 暗 黒 に い
た 。 悪 神 は 光 明 も 善 神 の 存 在 も 知 ら な か っ た が 善 神 は 知 っ
て い た 。 身 を 守 る た め 三 千 年 間 不 可 見 の 状 態 で 霊 的 に 世 界
を 創 造 し た 。( 最 近 の ビ ッ ク バ ー ン 理 論 を 彷 彿 と す る )
・ 第 二 ― の 三 千 年 は 可 見 の 状 態 と な り 物 質 的 世 界 が 創 造 さ
れ た ( こ れ も … ) 悪 神 は 配 下 の 悪 魔 を と と も に 攻 め 入 る が
撃 退 さ れ 平 和 で あ っ た 。
・ 第 三 ― の 三 千 年 は 再 度 、 悪 神 の 侵 入 で 空 は 羊 の よ う に 震
え た 、 死 ・ 滅 亡 ・ 疾 病 ・ 様 々 な 悪 徳 が も た ら さ れ 始 原 の 牛
・ 人 類 の 祖 カ ユ ー マ ル ス( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、ガ ヨ ー マ ル ト )
も 殺 さ れ た 。
・ 第 四 ― の 三 千 年 は ゾ ロ ア ス タ ー ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、 ザ ラ
ス シ ュ ト ラ ) の 出 現 ( B C 6 世 紀 ) で 始 ま り 現 在 に 至 る 、
最 後 ( 西 暦 で は 2400 年 ) の 審 判 ・ 復 活 は ま だ 到 来 し て い な
い 。 な お 各 千 年 ご と に 一 人 救 世 主 が 現 れ る と 考 え ら れ て い
る 。
・
・
・ 3.3 ○ 最 高 神 ア フ ラ ・ マ ズ ダ 、 陪 神 ( 大 天 使 ) 7 人 、 他
ヤ ザ タ ( 俗 神 ? ) と 称 さ れ る 天 使 。 最 高 位 の 陪 神 は ア フ ラ
・ マ ズ ダ と 同 一 視 さ れ る こ と も あ る ア ム シ ャ ・ ス プ ン タ 、
第 二 は 善 思 格 で 動 物 界 を 保 護 す る ウ ォ フ ・ マ ナ フ 。 第 三 は
教 義 の 中 核 を な す 天 則 格 (「 ヴ ェ ー ダ 」 の 法 則 リ タ に 対 応 )
の ア シ ャ 。 第 四 は 敬 虔 格 の 女 神 ア ー ル マ テ ィ 。 第 五 は 主 神
の 権 力 の 擬 人 格 ク シ ャ ス ラ ( 王 国 )。 第 六 は 完 璧 格 ハ ル ワ
タ ー ト 。 第 七 は 不 死 格 ア ム ル タ ー ト 。
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・ 一 方 悪 神 ア ハ リ マ ン も 悪 思 格 ア カ ・ マ ナ フ 。 天 則 に 対 す
る 虚 偽 格 ド ゥ ル ジ 、 敬 虔 に 対 す る 背 教 格 タ ロ ー マ テ ィ な ど
に よ っ て 暗 黒 と 悲 嘆 の 国 に 変 え よ う と 努 め た 。
・ … ヤ ザ タ ( 俗 神 ? ) で あ る が 、 イ ン ド の 神 々 と 共 通 し 、
ゾ ロ ア ス タ ー 以 前 か ら イ ラ ン に 存 在 し た 、 ゾ ロ ア ス タ ー 以
後 、 格 下 げ さ れ た 。 太 陽 格 フ ワ ル 、 月 格 マ ー フ 、 火 格 ア ー
タ ル 、 風 格 ワ ー タ 、 地 格 ザ ム 、 草 格 ハ オ マ 、 ほ か ミ ス ラ 、
ア ナ ー ヒ タ ー な ど の 精 霊 ~ 神 が い る 。: 87 p
・
・ ○ ア ナ ー ヒ タ ― = イ ン ド の 女 神 サ ラ ス ヴ ァ テ ィ ー ( 仏 教
の 弁 財 天 ) に 対 応 す る 74 p - 4.16 神 で イ ラ ン の 地 母 神 ア ナ
ー ヒ タ ー は ゾ ロ ア ス タ ー 後 ヤ ザ タ ( 俗 神 ? ) に 格 下 げ さ れ
た と は い え 、 古 来 か ら 信 仰 さ れ た 格 式 の 高 い 女 神 で あ る 。
ア ケ メ ネ ス 朝 の 碑 文 に は 、 ア フ ラ ・ マ ズ ダ 、 ミ ス ラ 神 と 並
ん で ア ナ ー ヒ タ ー が 守 護 神 と し て 刻 ま れ て い る 。
・ ○ 雨 神 テ ィ シ ュ ト リ ア ( シ リ ウ ス 星 )
・ ○ 勝 利 の 神 ウ ル ス ラ グ ナ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、バ フ ラ ー ム )
は ギ リ シ ャ の 英 雄 ヘ ラ ク レ ス に 対 比 さ れ る
・ ○ 幸 運 の 女 神 ア シ = 仏 教 の 吉 祥 天 ( ラ ク シ ュ ミ ー ) 75
p - 4.16 に 対 比 さ れ る 。
・ ○ 契 約 神 ミ ス ラ : 89 p
・ - ゾ ロ ア ス タ ー で は ヤ ザ タ ( 俗 神 ) に 格 下 げ さ れ た が 、
イ ン ド で は ミ ト ラ 、 ギ リ シ ャ で は ア ポ ロ と も 対 比 さ れ る が
古 代 の イ ン ド ・ イ ラ ン ・ ロ ー マ の 広 大 な 地 域 で 信 仰 さ れ て
い た 。 ア ケ メ ネ ス 朝 の 碑 文 に は 、 ア フ ラ ・ マ ズ ダ 、 ア ナ ー
ヒ タ ー と 並 ん で ミ ス ラ 神 が 守 護 神 と し て 刻 ま れ て い る 。 千
の 耳 ・ 万 の 目 を も っ て 万 物 に 精 通 ・ 熟 知 し ハ ラ ー 山 に 居 住
す る 。 不 滅 に 太 陽 に 先 駈 け て に の ぼ り 慈 愛 の 目 で ア ー リ ア
人 の す べ て の 土 地 を 見 渡 す ( 太 陽 と も 同 一 視 さ れ る )。 最
後 の 審 判 の と き の 判 事 も ミ ス ラ 神 の 役 目 。 89 - 90 p
・
・
・ 3.4 ○ 人 類 の 祖 : 90 p
・ 天 地 創 造 の ⑥ 最 後 に 70 “ 日 ”( … き っ と 24 時 間 ✕ 70 で
は な い と 思 う ) か け て 創 造 さ れ る 、 人 間 の 祖 カ ユ ー マ ル ス
( ゾ ロ ア ス タ ー 名 、 ガ ヨ ー マ ル ト ) で あ る 。( そ の 後 に 改
め て ? 、) 体 は 土 、 精 液 は 火 で ( の み ? ) 創 ら れ た 、 人 類
の 最 初 の 王 ( こ れ も 人 類 の 祖 と も 言 わ れ る )『 シ ャ ー ・ ナ
ー メ 』 が 登 場 す る 初 め 山 に 居 住 し 豹 の 毛 皮 を ま と い 30 年
間 善 政 を 布 い た が 、 王 子 ス ィ ヤ ー マ ク は 悪 神 と 戦 い 倒 れ 、
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そ の 息 子 フ ー シ ャ ン グ は 父 の 仇 を 討 っ た と き 王 の 命 運 は 尽
き た と 語 ら れ て き た ( ? 仇 を と っ た の に … 羽 仰 は 含 意 が 読
め な い ? )。
・ そ の 後 の 中 世 の 文 献 を 調 べ る と 多 様 で ま と め る と 読 み に
く く な っ た し ま う の は 承 知 さ れ た い ・ ・ ・ 。
・ 天 地 創 造 の ( 遙 か ) 後 、 第 3 の 三 千 年 期 に ( B C 36 世
紀 か ら B C 6 世 紀 ま で に 相 当 )悪 神 ア ハ リ マ ン は 息 子 に【 そ
そ の か さ れ 】( 善 神 な ら ぬ 悪 神 が そ そ の か さ れ る 世 界 観 は
注 目 に 値 す る ) 多 数 の 【 悪 魔 を 率 い て 光 明 界 を 攻 撃 し 】、
【 死 と 滅 亡 と 暗 黒 】 を も た ら し た 。 ( 災 害 に 相 当 す る ? 少
な く と も そ の 後 し ば ら く は 受 肉 し た ひ と と は 呼 び に く い )
こ の た め カ ユ ー マ ル ス も 衰 弱 し 病 気 に な り 攻 撃 か ら 30 年
後 死 ん だ 。
・ 死 ん だ と き 放 出 し た 精 液 の 一 部 は 太 陽 で 清 め ら れ 、 一 部
は 地 中 に 保 存 ( か な り 早 い 時 期 か ら 精 液 の 生 物 学 的 意 味 を
知 っ て い た ) さ れ 、 … 40 年 後 大 黄 の 草 ( リ ー バ ー ス ) と
し て 芽 生 え 2 人 の 男 女 の 形 に な っ た 、 90 p こ の 兄 妹 ( 繰 り
返 す が 、 災 害 後 の 2 人 が 兄 妹 と な る パ タ ー ン が 羽 仰 の 知 る
限 り 圧 倒 的 に 多 い 。
・
・ … 羽 仰 - 註 : ま た 知 ら ず 知 ら ず 兄 妹 が 夫 婦 に な り そ の 事
実 を 知 り 悲 劇 と な る ハ ナ シ ( … … 道 祖 神 の 噺 ・ エ デ ィ プ ス
の 悲 劇 20 ~ 22 - 1.9 ) や 子 供 の 悲 劇 や 不 調 も 多 い 。 フ ロ イ
ト や ユ ン グ の 近 親 相 姦 の タ ブ ー は 母 と 子 で あ る が 異 な る 水
準 の 近 親 相 姦 が 生 じ て い る 。 後 述 の よ う に 神 ア フ ラ ・ マ ズ
ダ の タ ブ ー は 子 殺 し と 食 人 と し て い る 。 … 附 言 す る と エ デ
ィ プ ス の 時 代 子 殺 し は 日 常 で あ っ た 。 あ る い は 自 分 の 子 を
呑 み 込 ん で し ま う 反 復 は ギ リ シ ャ ・ オ リ エ ン ト を 中 心 の よ
く 見 か け る 、 参 照 59 p - 2.3 植 物 伝 説 、 121 p - 5.21 エ ジ プ
ト ホ ル ス と イ シ ス 、 197 p - 7.4 ア フ リ カ 性 の 起 源 … … )
・
・ こ の 兄 妹 は 夫 婦 に な り 男 女 の 双 子 が 生 ま れ た の だ が … 、
【 … ナ ン ト 、 美 味 し そ う な 我 が 子 を と も に 食 べ て し ま っ た
… 】。 驚 い た 神 は ( お そ ら く ア フ ラ ・ マ ズ ダ ) 我 が 子 を 食
べ な い よ う に し た 。
・ し ば ら く し て 男 女 7 人 ず つ う ま れ 世 界 の 7 つ の 地 域 の 主
に な っ た 。 こ の 次 の 世 代 の 兄 弟 が イ ラ ン 人 と ア ラ ビ ア 人 の
祖 と な る 。
・ ○ 悪 魔 を 縛 る 王 : 91 p
・ - ハ ナ シ は 少 し 戻 っ て カ ユ ー マ ル ス ( 人 類 の 祖 、『 シ ャ
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ー ・ ナ ー メ 』 で は ) 91 P 時 代 に も ど る 。 ゾ ロ ア ス タ ー 神
話 で は フ ー シ ャ ン グ ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 は ハ オ シ ュ ヤ ン ハ )
< カ ユ ー マ ル ス の 孫 に 相 当 す る > が 同 朝 の 創 設 者 と さ れ
る 。 女 神 ア ナ ー ヒ タ ー に 犠 牲 ( 馬 100 、 牛 1000 、 羊 10000 )
を 捧 げ 7 つ の 地 域 に 君 臨 し 人 間 と 悪 魔 ( 人 称 名 詞 か も ? )
の す べ て を 支 配 し 、 彼 の 前 か ら 悪 魔 と 魔 物 た ち は 暗 黒 に 逃
げ 去 っ た 。 ま た 最 初 に ( 酸 化 ) 鉄 を 発 見 し 製 鉄 で 斧 や 鋸 を
作 り ひ と に 農 耕 を 教 え 【 火 を 見 い 出 し 】 て 【 礼 拝 】 の 対
象 と し た 。
・ フ ー シ ャ ン グ の 息 子 ( ゾ ロ ア ス タ ー で は 孫 ) は 悪 魔 ら を
捕 ら え て こ れ ら を 駿 馬 に 替 え 悪 魔 と 魔 法 使 い の 大 軍 と 30
年 戦 い 彼 等 の 2 / 3 を 縛 り 上 げ た 。
○ ジ ャ ム シ ー ド 王 ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 イ マ ): 91 p 黄 金 時
代 を 築 き ひ と ・ 家 畜 ・ 鳥 が 繁 殖 し 住 む 余 地 が な か っ た の で
指 輪 で 大 地 を 押 さ え 短 剣 で 穴 を 開 け る と 地 球 は 1 / 3 拡 大
し た 治 世 600 年 と 900 年 に も 拡 大 さ せ 2 倍 に な っ た 。 ま た 、
王 は 神 の 警 告 に よ っ て 地 上 に 【 … 恐 ろ し い 冬 、 と 洪 水 … 】
が 起 こ り 動 植 物 が 死 滅 す る こ と を 知 る と 、 ワ ラ と い う 巨 大
な 【 洞 窟 】 を 掘 り そ の 中 に あ ら ゆ る 動 植 物 の も っ と も 良 い
精 子 や 種 、 食 物 を 保 存 し さ ら に 、 男 女 の 胤 ( た ね ) も そ れ
に 含 め 黄 金 の 指 輪 で 洞 窟 を 【 封 印 】 し た 。 災 害 後 地 上 に 精
液 や 種 子 を 運 ん で 再 び 繁 殖 さ せ た 。
・ 晩 年 の 王 は 尊 大 に な り 神 の 光 輪 が 消 え て 、 侵 入 し た 蛇 王
ザ ッ ハ ー ク に 追 わ れ 1 0 0 年 流 浪 の 末 シ ナ の 海 岸 で 捕 ら え
ら れ 鋸 で 切 り 裂 か れ て 果 て た 。 91 P ( こ の 段 、 ジ ャ ム 千
年 紀 )
・ ○ 蛇 王 ザ ッ ハ ー ク ( 引 き 続 い て ザ ッ ハ ー ク の 千 年 紀 ) 3
頭 3 口 6 眼 1000 術 の 怪 物 で 悪 神 ア ハ リ マ ン が 人 類 と 地 上 を
滅 亡 さ せ る ( … と 言 う わ り に は 人 間 く さ い - 後 述 参 照 ) た
め に つ く っ た 竜 、 バ ウ リ ( ゾ ロ ア ス タ ー 名 バ ビ ロ ン ) の ク
リ ン タ 城 に 住 む 恐 怖 の 時 代 を 築 く 、犠 牲 を 女 神( 地 母 神 ? )
ア ナ ー ヒ タ ー に 捧 げ る が 神 の 光 輪 は 得 ら れ ず 、 こ れ を 得 る
た め に ア フ ラ ・ マ ズ ダ の 子 火 神 ア ー タ ル と 戦 う 、 竜 は 悪 虐
非 道 の す え 捕 ら え ら れ 山 に 縛 り つ け ら れ る 。( ゾ ロ ア ス タ
ー 神 話 に よ る )。『 シ ャ ー ・ ナ ー メ 』 の 神 話 で は 砂 漠 の 父
王 を 悪 魔 の 誘 い で 殺 し 王 位 に 就 く 、 そ の 後 料 理 人 に 化 け た
悪 魔 は 王 を 喜 ば せ る 、 褒 美 の 代 わ り に 王 の 肩 に 口 づ け を す
る 、 王 の 両 肩 か ら い く ら 切 っ て も 生 え て く る 蛇 が で き る 。
悪 魔 は 医 者 に 化 け 「 人 の 脳 を 与 え れ ば 蛇 は 死 ぬ 」 と 勧 め 、
晩 年 の ジ ャ ム シ ー ド 王 の イ ラ ン を 侵 略 し 蛇 の え さ と し て 多
- 66 -
く の 若 者 を 殺 害 す る 。
・ ◎ 『 ア ヴ ェ ス タ 』 の 英 雄 神 話 : 93 p - 蛇 王 ザ ッ ハ ー ク
は フ ァ リ ー ド ゥ ー ン に 山 に 縛 ら れ る 。 以 後 500 年 フ ァ リ ー
ド ゥ ー ン 王 は 在 位 し た 。
・ 少 し 戻 っ て 、『 ア ヴ ェ ス タ 』 神 話 で は 、 ジ ャ ム シ ー ド 王
か ら 鳥 の 姿 で 飛 び 去 っ た 神 の 光 輪 を 英 雄 ク ル サ ー ス パ が 捉
え て 、 竜 ・ 怪 物 ・ 怪 鳥 ( 地 球 上 を 飛 翔 し 翼 を 拡 げ る と 雨 が
大 地 に 降 ら な い ほ ど 大 き か っ た - 干 ば つ ) を 討 ち 取 っ た 。
… ゾ ロ ア ス タ ー 教 の 伝 説 で は 、 山 か ら 逃 げ た ザ ッ ハ ー ク が
人 類 と 動 物 の 1 / 3 を 食 べ て し ま う た め 、 神 が ク ル サ ー ス
パ を 復 活 さ せ る と 語 っ て い る 。 彼 は 【 火 を 崇 め ず 】 天 国 に
入 る の が 大 変 困 難 で あ っ た と さ れ る 。(【 懐 深 い ! 】 … 結
局 天 国 に 入 れ て い る 。): 93 p
・ ○ 白 髪 の 赤 子 ザ ー ル ( 白 髪 の 子 は 不 吉 と さ れ 、 霊 鳥 に 育
て ら れ る ): 93 p 引 き 続 き 『 ア ヴ ェ ス タ 』
・ ○ ロ ス タ ム の 活 躍 と そ の 出 生 ( 帝 王 切 開 と 母 の 傷 口 を 霊
鳥 の 羽 根 で 修 復 ): 94 p
・ ○ ソ ホ ラ ー ブ の 悲 劇 : 95 p
・ ○ ス ィ ヤ ー ウ シ ュ の 物 語 : 95 p
・
・
・ 3.5 ◎ ゾ ロ ア ス タ ー 教 の 終 末 予 言 : 96 p
・ ○ チ ン ワ ン ト の 橋 ( ミ ス ラ 神 が 主 席 判 事 、 ス ラ オ シ ャ 神
・ ラ シ ュ ヌ 神 が 陪 席 判 事 で 、 言 葉 ・ 思 考 ・ 行 動 に つ い て 3
夜 考 え た 後 裁 か れ る 善 行 ・ 悪 行 に よ っ て 案 内 人 と チ ン ワ ン
ト の 橋 の 形 が 異 な る 。)
・
・ 救 世 主 97 p 世 界 は 3 千 年 ず つ の 4 期 で B C 6 世 紀 に 最
後 の 第 4 期 に 入 っ た と さ れ 、 第 4 期 は 4 つ の 時 代 、 金 ( 教
祖 の 啓 示 )・ 銀 ( 王 が ゾ ロ ア ス タ ー に 帰 依 )・ 銅 ( ゾ ロ ア
ス タ ー が 国 教 )・ 鉄 ( 衰 退 ) で 現 在 は 鉄 の 時 代
・ - 最 後 の 審 判 ( 西 暦 2400 年 頃 と さ れ る 預 言 ) … 【 彗 星 …
アルイハ 隕 石 】が 天 か ら 降 り 地 上 の 金 属・鉱 物 を す べ て 溶 か し 、
大 火 ・ 溶 鉱 の 洪 水 で 【 世 を 焼 き 尽 く す 】 … 空 ノ 星 ニ ハ 注 意
セ ヨ … だ ろ う 、( 大 き な 彗 星 の 持 つ 破 壊 的 エ ネ ル ギ ー が 国
際 チ ー ム で 明 言 さ れ た の は 2010 年 で あ る … 願 い 星 、 手 に 取
っ て 拾 い 上 げ る 貴 鉱 物 … み た い な 彗 星 ~ 帚 星 ~ 隕 石 そ の 欠
片 と 謂 う イ メ ー ジ を 一 新 し た の は つ い 最 近 で あ る 。) … ( 地
球 史 的 な ハ ナ シ で は お お よ そ 3 億 年 前 直 径 100km オ ー ダ ー
の 隕 石 が 墜 落 6600 万 年 前 の チ ュ チ ュ ル ブ 隕 石 が 10km オ ー ダ
- 67 -
ー だ か ら 質 量 は 千 倍 、 海 水 の 津 波 で な く 地 殻 - 薄 皮 饅 頭 -
餡 は マ グ マ … そ の 地 殻 が 波 打 ち 津 波 と な り 地 球 全 面 が 溶 岩
に 覆 わ れ た … 多 細 胞 生 物 は 全 滅 し た が 嫌 気 単 細 胞 生 物 は 地
球 深 部 に 逃 れ 地 表 が 冷 え る ま で 凌 い だ … と さ れ る 。) … そ
の 後 ア フ ラ ・ マ ズ ダ と ア ハ リ マ ン が 最 後 の 決 戦 が 行 わ れ 悪
が す べ て 滅 び 世 界 は 復 旧 す る 。: 97 p
・
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・ ― ― ― ― ― ― ― ― 4. イ ン ド の 神 話 : 64 p ― ― ― ― ― ― ―
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・ … ペ ー ジ 数 の み は 『 世 界 の 神 話 伝 説 / 総 解 説 』
・ イ ン ド 神 話 は 多 様 で 壮 大 で あ る 。 思 弁 的 で も あ り 感 覚 的
で も 直 観 的 で も 感 情 的 で も あ る 多 く の 文 明 ・ 言 語 が 交 叉 し
続 け て い る 。 - 人 口 6 億 で 人 種 ・ 言 語 ・ 宗 教 と も 多 様 。 ヒ
ン ド ゥ ー 教 ( B C 1500 年 ~ )、 イ ス ラ ム ( A D 7 世 紀 ~ )、
仏 教 ( B C 4 世 紀 ~ )、 ジ ャ イ ナ 教 ( B C 4 世 紀 ~ )、 シ
ク 教 ( イ ス ラ ム 教 シ ー ク 派 と は 違 う イ ン ド 国 内 の み の 宗
教 )、 ゾ ロ ア ス タ ー 教 ( 拝 火 教 と も 言 わ れ る 、 B C 6 世 紀
~ )、 キ リ ス ト 教 、 多 く の 宗 教 に 取 り 込 ま れ た バ ラ モ ン 教
… ( … ~ B C 4 c 、 68 p 上 段 - 4.8 、 イ ン ド で は 最 古 と 考
え ら れ る 宗 教 と さ れ る 。 … ヒ ン ド ゥ ー 教 の 主 神 ヴ ィ シ ュ ヌ
神 は バ ラ モ ン 教 神 話 で は 格 下 げ さ れ ヒ ン ド ゥ ー 教 神 話 で は
復 権 さ れ る な ど 最 古 で な い か も 知 れ な い ← 68 p 上 ~ 中 段
- 4.8 … ) そ の 遺 残 …
・【 … と 多 様 。】 … ま さ に 八 百 万 。 概 ね 8 割 が ヒ ン ド ゥ ー
教 ゆ え イ ン ド の 代 表 的 宗 教 と 考 え て 良 い が 、 時 代 変 遷 ・ 取
り 入 れ 方 ・ 習 合 も 極 め て 複 雑 。… 言 語 は 一 応 印 欧 語 圏 だ が 、
B C 1500 年 前 イ ラ ン 地 方 か ら 降 り て き た ア ー リ ア 人 が 印 欧
語 圏 だ っ た だ け で あ り 、 従 っ て イ ン ド 亜 大 陸 の 言 語 は 複 雑
- 68 -
で あ る 。 … イ ン ド 亜 大 陸 の “ 亜 大 陸 ” だ が 、 伊 豆 半 島 と 同
じ よ う に 地 殻 の ゆ っ く り 移 動 す る プ レ ー ト に 乗 っ て ア ジ ア
大 陸 と 陸 続 き に … 従 っ て 伊 豆 半 島 も イ ン ド も 植 生 が 本 州 ・
ア ジ ア 大 陸 と 趣 が 異 な る … イ ン ド の 複 雑 さ に は そ ん な 背 景
が あ る 。 こ の イ ン ド 神 話 を 解 題 す る の は 大 神 < 飛 騨 フ ェ ン
リ ル 大 神 > と … 旧 友 ユ イ マ 大 神 、 そ れ か ら 通 称 プ ラ ン ク -
ブ ラ フ マ ナ ス パ テ ィ で あ る 。
・
・
・ 4.1 ◎ ヴ ェ ー ダ ー 神 話 ( = バ ラ モ ン 教 神 話 、 68 p - 4.8
に よ る ): 64 p
・
・『 マ ー ハ バ ー ラ タ 』( 王 位 継 承 を め ぐ る 物 語 に 神 話 ・ 宗
教 的 教 訓 が 織 り 込 ま れ る 長 編 叙 事 詩 )『 ラ ー マ ー ヤ ナ 』( こ
れ も 王 位 継 承 を め ぐ る 物 語 に 神 話 ・ 宗 教 的 教 訓 が 織 り 込 ま
れ る 長 編 叙 事 詩 だ が 、 口 伝 に て 伝 承 、 成 立 は 紀 元 前 数 世 紀
と さ れ る 98 p 物 知 り 雑 学 ) … い ず れ も バ ラ モ ン 教 の 聖 典
で も あ る ( バ ラ モ ン - 祭 官 < 瞑 想 と そ の 長 期 の 集 積 ← エ リ
ア ー デ ? > ・ ク シ ャ ト リ ア - 王 族 ・ ヴ ァ イ シ ャ - 庶 民 ・ シ
ュ ー ド ラ - 隷 民 の 厳 格 な 身 分 制 度 が あ っ た 。) バ ラ モ ン 教
自 体 は B C 4 世 紀 頃 仏 教 、ジ ャ イ ナ 教 の 興 勢 で 衰 退 す る が 、
ヴ ェ ー ダ ー 神 話 は 埋 葬 さ れ な か っ た 、 B C 1500 年 頃 イ ラ ン
方 面 か ら 来 た ア ー リ ア 人 が イ ン ダ ス 川 上 流 に 定 住 。 乾 燥 地
帯 か ら 来 た ア ー リ ア 人 は 雨 ・ モ ン ス ー ン が 多 く 自 然 現 象 の
変 化 の 激 し さ を 神 格 化 す る 。( あ る い は こ の 時 代 の 気 象 ・
天 候 が 激 変 し て い た こ と も 伺 え る ) こ の 自 然 神 賛 美 を 抒 情
詩 『 リ グ ・ ヴ ェ ー ダ ー 』 と し て ま と め る が 全 10 巻 の 成 立
に 数 百 年 か か っ た と さ れ る 。後 期 に は 抽 象 的 な 神 や 創 造 神 、
哲 学 的 思 惟 の 神 格 ま で 生 み 出 さ れ る 。
・( 参 照 : マ ク ス ・ ミ ュ ー ラ ー の 交 替 神 教 、 あ る 神 に 対 し
最 大 最 高 の 賛 辞 を 捧 げ る 、 そ の 一 方 で 別 の 神 に も 同 様 の 賛
辞 を し 他 の 神 の 存 在 を 許 容 し て い た こ と を 指 す 。 一 神 教 信
仰 者 に は 理 解 で き な か っ た 事 態 だ っ た の だ ろ う 。)
・ 神 々 は 総 括 し て デ ー ヴ ァ と 称 さ れ 、 神 々 と 敵 対 す る 悪 魔
は ア ス ラ ( 阿 修 羅 )( ゾ ロ ア ス タ ー で は ア フ ラ ・ 最 高 神 を
意 味 す る ) と 呼 ば れ て い る が 、 初 期 で は 敵 の 意 味 ば か り で
な く 、 デ ー ヴ ァ と 異 な る 性 格 や 職 能 な ど 特 殊 な 存 在 を も 指
し 示 し て い た 。( Ex : 司 法 神 ヴ ァ ル ナ を ア ス ラ と 呼 ぶ ) に
・ … 天 ・ 空 ( 天 候 の 空 )・ 地 の 3 界 に 配 さ れ た 神 々 で 代 表
的 な 神 格 は 、 天 界 に は 天 神 デ ィ ヤ ウ ス 、 太 陽 神 ス ー リ ヤ 、
- 69 -
サ ヴ ィ ト リ 、 ア ー デ ィ テ ィ ヤ 神 群 、 暁 紅 神 ウ シ ャ ス 、 ア シ
ュ ヴ ィ ン 双 神 、 司 法 神 ヴ ァ ル ナ ら が お り 、 死 者 の 王 ヤ マ は
未 だ 天 界 に い た ( 時 代 を 下 る と 地 獄 の 神 ヤ マ = 閻 魔 と な
る )。 空 界 に は 雷 神 イ ン ド ラ 、 暴 風 神 ル ド ラ 、 風 神 ヴ ァ ー
ユ 、 マ ル ト 神 群 、 雨 神 パ ル ジ ャ ニ ア 、 地 界 に は 地 神 プ リ テ
ィ ヴ ィ 、 火 神 ア グ ニ 、 河 神 サ ラ ス ヴ ァ テ ィ ー ( 仏 教 の 弁 財
天 74 p - 4.16 ) ら が い た 。
・
・ 4.2 ○ 【 雷 神 イ ン ド ラ 】:『 リ グ ・ ヴ ェ ー ダ 』 の 1 / 4 を
占 め も っ と も 信 仰 を 集 め て い た 。 イ ン ド ラ 神 の 起 源 は イ ラ
ン に い た 頃 の ア ー リ ア 人 に 信 仰 さ れ て い た 武 神 、 ギ リ シ ャ
神 話 の ゼ ウ ス 同 様 、 雷 霆 ( ら い て い ) 神 と し て の 特 徴 が 顕
著 、 茶 褐 色 の 偉 大 な 体 軀 で 毛 髪 ・ 髭 が 赤 く ヴ ァ ジ ラ ( 金 剛
杵 と も 三 又 戟 ) を も ち 2 頭 の 馬 の 牽 く 戦 車 に 乗 っ て 空 中 を
馳 せ ア ー リ ア 人 の 敵 を 撃 退 す る 。 よ く 暴 風 神 ル ド ラ 神 群 を
率 い る 。 水 を 堰 き 止 め る 悪 竜 ヴ リ ト ラ を 退 治 し ( 川 の 上 流
に 住 ん で い た 先 住 民 の 擬 獣 化 ? ま た こ の 竜 は 火 の 竜 で は な
く 水 の 龍 で あ る 可 能 性 が あ る )、 人 間 界 に 水 と 光 明 を も た
ら し ア ー リ ア 人 の 理 想 の 戦 士 と し て 賛 美 さ れ た 。 雷 神 で あ
り 雨 と も 関 係 す る 8 0 p 、 後 代 は ヒ ン ド ゥ ー 教 ・ 仏 教 神 話 に
よ り 優 位 を 失 っ て ゆ く 。
・
・ 4 . 3 ○ 司 法 神 ヴ ェ ル ナ : 賛 歌 の 数 は 八 篇 ( 司 法 的 性 格 を
帯 び る ミ ト ラ 神 の 賛 歌 は 三 十 七 篇 ) と 詩 篇 の 量 で は 雷 神 イ
ン ド ラ に 及 ば な い … 、 6 6 p 、 イ ン ド ラ が 雷 神 ・ 戦 闘 神 に 対
し ヴ ェ ル ナ は 【 宇 宙 の 秩 序 と 人 倫 の 道 】 を 支 配 す る と い う
二 つ の 役 割 。 … ( … お そ ら く 当 時 は こ の 遠 く 離 れ た 半 ば 両
価 の 二 つ も 同 じ 概 念 と し て 扱 わ れ て い た と 考 え る の が … 自
然 … で あ ろ う ? か ? … と 、 そ の ま ま 羽 仰 は 受 け 容 れ な い こ
と に す る … き っ と 羽 仰 の 不 寛 容 に も 寛 容 な 沙 汰 を し て く る
と 想 像 さ れ る 。 … マ ァ ~ 、 当 時 の 感 覚 ~ 異 和 感 ~ 鋳 造 ・ 建
築 ( 6 7 p 4 ・ 7 参 照 ) の 様 な 技 術 と を 併 せ 妄 想 し な が ら ~ 揺
ら ぎ な が ら … 現 代 に も 非 論 理 的 ハ ナ シ 半 分 ~ 直 観 ~ 啓 示 的
な 宇 宙 論 の 中 に も 垣 間 見 え る モ ノ が あ る 。)
・ 垣 間 見 え る も の と は … 「( 宇 宙 の 法 則 が 人 間 に と っ て 都
合 良 く で き て い る 原 理 = ) 人 間 原 理 」 を 見 出 し た の に 通 じ
る 反 復 ~ 継 承 を 羽 仰 は 感 じ る … 【 こ の 種 の 両 価 性 は 時 を 超
え て い る 】 と 、 思 え る フ シ が あ る 。 … そ ん な も の を 内 在 さ
せ て い る 司 法 神 で あ り 、 天 則 ( 天 体 の 運 行 、 昼 夜 、 歳 月 の
循 環 の 法 則 で あ り 道 徳 を 司 る ) リ タ の 保 護 者 で も あ る 。( 雷
- 70 -
神 ・ 戦 神 イ ン ド ラ と い え ど も … ) こ の ヴ ァ ル ナ の 掟 は 峻 厳
で 神 ・ 人 と も に 背 く こ と は 出 来 な い 。
・ … だ が 、 一 方 遍 知 的 神 格 ― ヴ ァ ル ナ は 探 偵 を 放 っ て ひ と
を 監 視 し 違 反 者 を 縄 で 捕 ら え 、 水 腫 病 で 罪 人 を 罰 し た ( 罪
無 く し て 、 心 不 全 や 肝 硬 変 ・ 低 ア ル ブ ミ ン な ど 身 体 に 浮 腫
を き た す 疾 病 を 抱 え る ひ と は 病 苦 と 冤 罪 相 当 の 苦 悩 も 抱 え
た こ と は 想 像 に 容 易 い だ ろ う … ) し か し < 罪 を 悔 い 改 め る
も の に は 寛 容 で あ っ た > 。 ヴ ァ ル ナ に 関 係 す る 自 然 現 象 は
明 言 さ れ て い な い が 水 と の 関 係 は 最 初 か ら 密 接 で 、 後 代 単
な る 水 の 神 に な る 、 仏 教 で は 西 方 の 守 護 神 た る 水 天 と な っ
た 。
・ …
・ な お 、 ヴ ァ ル ナ と 密 接 ・ 時 代 に よ り 不 可 分 の 関 係 に あ る
契 約 ・ 友 愛 神 ミ ト ラ は 、 ア ー デ ィ テ ィ ヤ 神 群 の 代 表 格 で よ
く ミ ト ラ ー ・ ヴ ァ ル ナ ゥ と 称 さ れ る 。 ミ ト ラ は ヴ ェ ー ダ ー
神 話 で 重 要 な 役 割 は な い が ゾ ロ ア ス タ ー 教 の 光 明 神 ・ 最 後
の 陪 神 【 審 判 神 : ミ ス ラ 】 は 中 東 か ら ロ ー マ に 伝 わ り 、 他
方 仏 教 説 話 で は 弥 勒 ( み ろ く ) 菩 薩 < 時 を 超 え 5 6 億 年 余 後
は 弥 勒 如 来 > … 役 割 ~ 神 属 性 を 変 え な が ら 広 く 信 仰 さ れ
た 。
・ … こ の 二 神 ミ ト ラ と ヴ ェ ル ナ は 、 後 の 4 . 1 7 ― マ ヌ の 洪 水
伝 説 ( 洪 水 後 の 苦 行 で 生 成 さ れ る 命 の 吟 味 ~ 審 判 ? ) で ま
た ~ 反 復 登 場 す る 。
・
・ 4 . 4 ○ 火 神 ア グ ニ : 火 を 意 味 す る 普 通 名 詞 で も あ る 、 イ
ン ド ラ に 次 ぎ 「 リ グ ・ ヴ ェ ー ダ 」 の 1 / 5 を 占 め る 。 家 庭
に お い て は 祭 壇 の 火 と し て 神 聖 化 さ れ 、 天 界 で は 太 陽 と し
て 暗 黒 を 駆 逐 し 、 空 界 ( そ ら の 意 ) に お い て は 電 光 、 身 体
や 心 に お い て は 消 化 の 火 ・ 怒 り の 火 ・ 思 想 の 火 と し 普 遍 の
火 ( ア グ ニ ・ ヴ ァ イ シ ュ ヴ ァ ー ナ ラ ) と も 称 さ れ る 。 ま た
神 々 を 祭 壇 に 導 く ひ と と の 仲 介 者 ・ 祭 官 で も あ る 。
・
・ 4 . 5 ○ 暁 の 女 神 ウ シ ャ ス : 7 頭 の 金 色 の 馬 に 牽 か れ た 車 に
乗 り 、太 陽 に 先 駆 け て 現 れ 暗 黒 を 払 い 生 類 を 目 覚 め さ せ る 。
太 陽 神 ス ー リ ヤ の 恋 人 で も あ る 。
・
・ 4 . 6 ○ 酒 と 幻 覚 ・ 麻 薬 の 神 ソ ー マ : ソ ー マ は も と も と 植
物 ( 灌 木 ) の 名 で そ の 茎 を 絞 っ て 発 酵 さ せ 作 ら れ る 興 奮 作
用 ・ 幻 覚 作 用 の あ る お 酒 が 神 格 化 さ れ た 。 … 古 来 、 神 話 成
立 の 早 期 か ら 実 物 が 得 ら れ な く な り 代 用 品 が 使 わ れ た 。( …
- 71 -
と い う こ と は 神 話 成 立 前 の 超 古 代 は 古 代 な い し 現 在 と 植 生
が 異 な っ て い る と … 気 候 変 動 が あ っ た と 考 え て 良 い ) … 。
( 従 っ て 代 用 の … )ソ ー マ は 雷 神 イ ン ド ラ が 好 み 祭 式 の 際 、
神 に 供 え 、 ひ と は そ の 残 饌 を 飲 ん で 長 寿 を 祈 願 し た 。『 リ
グ ・ ヴ ェ ー ダ 』 の 第 9 巻 す べ て 、 ソ ー マ の 賛 美 と 使 用 法 に
つ い て 述 べ て い る 。
・
・ 4.7 ◎ 『 リ グ ・ ヴ ェ ー ダ 』 の 創 世 神 話 ~ 鳥 瞰 : 67 p … 以
下 A ). B ). C ).
・ A ) 一 神 教 “ 的 ” 世 界 創 世 : 古 い 部 分 創 世 に は 【 明 確 な
創 造 神 名 は な い 】、 出 産 ・ 建 築 に 擬 え た ( な ぞ ら え た )。
新 し い 部 分 の 創 世 神 話 は 第 10 巻 ヴ ィ シ ュ ヴ ァ カ ル マ ン ( 造
一 切 者 1 0 ・ 8 ) に 帰 す る 賛 歌 で は 、 彼 は 天 地 創 造 に 際
し 両 腕 に よ り 【 翼 で 煽 い で 鍛 接 し 】 家 屋 の 【 建 造 の 様 に 天
地 を 創 造 】 し た ( す で に 製 鋼 の 技 術 が あ っ た と 考 え ら れ る
あ る い は 製 鋼 の 予 言 か も し れ な い ) し た 。
・ 祈 祷 の 神 秘 を 司 る 神 ブ ラ フ マ ナ ス パ テ ィ ( 別 名 ブ リ ハ ス
パ テ ィ 祈 祷 主 ) の 賛 歌 で は 、【 鍛 工 の ご と く 万 物 を 鍛 造 】
し た ( 賛 歌 1 0 ・ 7 2 ) と い わ れ て い る 、 な お 一 方 、 注 目
す べ き こ と に こ の 賛 歌 の 中 に ( 印 欧 語 圏 神 話 の 唯 一 の 革 新
… 神 的 意 志 で は な く 、 外 か ら の エ ン コ ー ド で も な く … 何 も
な い こ と 自 身 に 生 成 の 可 能 性 が あ る 。)「 有 は 無 よ り 生 じ
る … 」 … と 、 … 書 か れ て い る 。 こ の よ う に 世 界 創 造 を 直 観
的 に 捉 え て い る … 。
・ …
・ …
・ … 時 を 超 え 現 代 物 理 学 で も … 《 … ビ ッ ク バ ー ン 仮 説 ~ ホ
ー キ ン グ の 宇 宙 論 は 意 志 を 帯 び た 特 異 点 か ら の 開 闢 で は な
く 、 無 = 虚 時 空 連 続 体 < 痕 跡 ・ 根 拠 は 乏 し い が 、 こ れ も イ
ン ド 哲 学 ~ 老 子 の 『 道 徳 経 』 か ら 習 い 、 因 果 律 か ら 柔 ら か
遊 離 が あ っ た と 想 像 さ れ る … > か ら お の ず と 生 じ て い る …
不 思 議 な こ と に こ の 宇 宙 論 を 【 念 っ た ホ ー キ ン グ 】 が 祈 祷
の 形 を と ら ず に 持 病 進 行 を 阻 止 し 天 寿 を 全 う し た … の か も
し れ な い 。》 … 現 代 物 理 学 は 「 有 は 無 か ら 自 ず と 生 じ る 」
を 説 明 だ け で な く 、 了 解 ( 異 な る 信 念 へ の 理 解 ) も し て い
る の で あ る 。
・ … ビ ッ グ バ ー ン 仮 説 の 発 端 は 特 異 点 か ら の 世 界 開 闢 = 摂
理 的 な キ リ ス ト 教 の 原 教 義 か ら 派 生 し て い る こ と も 慎 重 に
大 胆 に ~ ハ ナ シ 半 分 で 検 討 す べ き で あ る 。 … ハ ナ シ 半 分 の
内 訳 は < 宇 宙 論 を 念 う > 他 に 、 位 置 の み で 巾 も 容 積 も な い
- 72 -
点 で は 無 く ( 運 動 量 の よ う な ) 揺 ら い で い る 不 確 定 要 素 を
積 と し て 孕 ん だ 【 プ ラ ン ク 半 径 】、 … ま た 時 空 の 時 の 方 も
一 点 の 刻 か ら 始 ま っ た ワ ケ で な く ( エ ネ ル ギ ー と の 掛 け 算
で 規 定 さ れ る )時 間 幅 の 不 確 定 要 素 ~ 時 刻 - 点 で は な い【 虚
時 空 の 巾 の 中 か ら 】 き っ と 世 界 は 時 の 終 末 か ら 位 相 変 移 し
開 闢 し た … そ の 揺 ら ぎ … 即 ち < ワレワレガ 揺 ら ぎ な が ら 念 う >
- 両 価 性 … 科 学 ~ 現 代 物 理 学 も 神 話 の 手 の 内 か ら 自 由 に な
っ て い な い の と 同 時 に 、 現 代 物 理 学 と 神 話 の 中 に 神 的 摂 理
か ら 自 由 に 自 ず と 生 じ 且 つ 邪 で も な い も の が 生 成 し う る こ
と … 自 由 で も な く 自 由 で も あ る こ と … 邪 心 の な い ハ ナ シ 半
分 で そ ん な 不 確 定 さ を 検 討 し て も い い ! … と 。
・ …
・ … 次 の 説 は 太 初 に 原 水 が あ り そ の 中 に 黄 金 の 胎 児 ( そ の
後 ブ ラ フ ー マ ナ 神 話 で 黄 金 卵 に 変 容 す る ) が 孕 ま れ 創 造 神
が 生 ま れ た と さ れ る 、 こ の 賛 歌 の 中 「 祭 供 も て わ れ ら の 祀
る べ き 【 神 は 誰 】 ? 」 を 【 繰 り 返 し 】 て い る 、 そ し て 最 後
に プ ラ ジ ャ ー パ テ ィ ー の 名 を 挙 げ る が 、 こ の 最 後 は 後 世 の
付 加 と 神 話 学 者 は 考 え て い る 。
・ 創 造 賛 歌 の 昇 華 さ れ た 賛 歌 ( 歌 わ れ る 順 番 が か な り 遅 い
同 書 10 ・ 129 ) は 「 そ の 時 、 無 も な く 、 有 も な か り き 、 空
界 も 、 そ れ を 蔽 う 天 も な か り き 、」 と 歌 わ れ る 。 こ の 賛 歌
は 一 神 教 的 世 界 創 世 の 賛 歌 と さ れ る が 、 仏 教 の “ 空 ” の 萌
芽 と 考 え る べ き C ) の パ タ ー ン で は な い だ ろ う か ?
・ B )汎 神 論 的 世 界 創 世 : 原 人 賛 歌( プ ル シ ャ ・ ス ー ク タ )
で は 原 人 ( 同 書 10 ・ 90 ) は 千 の 頭 ・ 眼 ・ 足 を 有 し 広 く 大 地
を 被 っ て い た が 、 神 々 が プ ル シ ャ を 犠 牲 と し て 祭 祀 を 行 っ
た と き 、 そ こ か ら 馬 ・ 牛 ・ 山 羊 ・ 羊 が 生 ま れ 、 意 ( お そ ら
く 心 ) か ら 月 が 、 眼 か ら 太 陽 が 、 口 か ら 雷 神 イ ン ド ラ と 火
神 ア グ ニ が 、 気 息 か ら 風 が 、 臍 か ら 空 ( 天 候 の 空 ) が 頭 か
ら 天 界 が 、 耳 か ら 方 位 が 、 両 足 か ら 大 地 が 生 じ た 。 ま た プ
ル シ ャ を 分 割 し た と き 口 は バ ラ モ ン ( 祭 官 ) 腕 は ク シ ャ ト
リ ア ( 王 族 ) 腿 は ヴ ァ イ シ ャ ( 庶 民 ) 足 は シ ュ ー ド ラ ( 隷
民 ) と な っ た 。( 巨 人 の 解 体 は 複 相 し 3 種 の 解 体 と 解 体 の
各 部 位 す べ て が 語 ら れ な い ) 68 p
・
・
・ 4.8 ◎ ヒ ン ド ゥ ー 教 神 話 : 68 p
・
・ ヴ ェ ー ダ ー 神 話 ( バ ラ モ ン 教 神 話 ) → B C 4 世 紀 に ジ ャ
イ ナ 教 、 仏 教 の 興 隆 → A D 3 ~ 4 世 紀 民 間 信 仰 と 他 宗 教 を
- 73 -
習 合 し て ヒ ン ド ゥ ー 教 と し て 復 活 、 イ ン ド 地 方 の 主 流 と な
っ た が 、 ヴ ェ ー ダ ー 神 話 の 神 は 格 下 げ さ れ た 。 一 方 ア ー リ
ア 人 侵 入 ( 乾 燥 地 帯 の 中 央 ア ジ ア よ り B C 1500 年 頃 64 p )
< 以 前 の 樹 木 信 仰 ・ 動 物 信 仰 、 ま た シ ヴ ァ 神 ( 後 述 ) の 象
徴 と な っ た リ ン ガ 崇 拝 ( 男 根 崇 拝 ) や ヴ ィ シ ュ ヌ 神 ら は 格
上 げ ・【 復 権 】 し た 感 > が あ る 。
・
・ ヒ ン ド ゥ ー 教 の 主 神 は 三 神 で 、A )創 造 神 ブ ラ フ マ ー( 梵
天 76 p - 4.18 乳 海 攪 拌 < イ ン ド 神 話 で は 有 名 事 象 > に も 登
場 … )、 B ) 維 持 神 で 主 神 ヴ ィ シ ュ ヌ 、 C ) 破 壊 神 シ ヴ ァ
の 三 神 で 現 在 広 く 信 仰 を 集 め て い る の が 維 持 神 ヴ ィ シ ュ ヌ
と 破 壊 神 シ ヴ ァ で 、 三 神 一 体 説 や ヴ ィ シ ュ ヌ ・ シ ヴ ァ を 一
体 と み る 説 な ど あ る 。 ヴ ェ ー ダ 神 話 ( ≒ バ ラ モ ン 教 神 話 )
の 最 高 神 イ ン ド ラ は そ の 下 の 風 神 に な る 。
・
・ 4.9 ○ 維 持 神 : ヴ ィ シ ュ ヌ : ヴ ェ ー ダ ー 神 話 で は 有 力 な
神 で は な か っ た が … ( ヴ ェ ー ダ - 後 現 れ た 神 か 、 ヴ ェ ー ダ
ー 以 前 の 神 が 格 下 げ さ れ て い た か も し れ な い 、 救 済 の 多 さ
か ら 考 え 、 後 者 と 羽 仰 は 解 釈 し た い )、【 大 洪 水 後 】、 ア ヴ
ァ タ ー ラ ( 転 神 ~ 転 生 神 の ニ ュ ア ン ス ) の 1 0 種 類 の 権 化
で 世 界 を 救 済 し た 。 ヴ ィ シ ュ ヌ は 法 螺 貝 、 円 盤 、 棍 棒 、 蓮
華 を 持 ち ガ ル ー ダ 鳥 に 乗 輿 し 、 1000 頭 持 つ シ ェ ー シ ャ 龍 が
頭 上 を 蔽 い 、 ヴ ィ シ ュ ヌ の 臍 か ら 蓮 の 茎 が 生 え そ こ に ブ ラ
フ マ ー が 坐 し 世 界 を 救 済 し た 。
・
・ 4.10 ○ ア ヴ ァ タ ー ラ :( 詳 細 上 記 ) 多 く の 神 に よ る 救 済
・
・ - 1 , 魚 ( マ ツ ヤ ):【 世 界 掃 蕩 の 大 洪 水 】 の 際 ヴ ィ シ
ュ ・ ヌ は 魚 と な っ て 、 人 間 の 始 祖 マ ヌ の 乗 っ た 船 を 牽 い て
救 ・ 難 し 唯 一 の 生 存 者 と し た 。
・ - 2 , 亀 ( ク ー ル マ ): 神 々 と 悪 魔 が 乳 海 の 大 攪 拌 を 行
っ た 際 ヴ ィ シ ュ ヌ は 亀 と な り 乳 海 の 底 に お り 、 マ ン ダ ラ ・
山 を そ の 背 に 乗 せ た 。
・ - 3 , 野 猪 ( ヴ ァ ラ ー ハ ): ヒ ラ ニ ヤ ー ク シ ャ と い う 【 悪
魔 が 大 地 を 海 中 に 引 き 込 ん だ ( 水 害 ・ 洪 水 と も 考 え れ る )
… 】 際 、 ヴ ィ シ ュ ヌ は 野 猪 と な り 海 中 に 入 り 悪 魔 と 戦 い 、
牙 で 大 地 を 引 き 上 げ た 。
・ - 4 , 人 獅 子 ( ヌ リ シ ン ハ ): 悪 魔 ヒ ラ ニ ヤ カ ス プ の 子
が ヴ ィ シ ュ ヌ を 崇 拝 す る の で 、 こ れ に 悪 魔 は 怒 り 自 分 の 子
を 殺 そ う と す る の で 、 ヴ ィ シ ュ ヌ は 半 人 半 獅 子 の 姿 で 悪 魔
- 74 -
を 退 治 し た 。
・ - 5 , 倭 人 - こ び と ( ヴ ァ ー マ ナ ): 悪 魔 バ リ か ら 天 ~
空 ・ ~ 地 の 三 界 を 奪 還 す る た め ヴ ィ シ ュ ヌ は 倭 人 と な り 、
「 三 ・ 歩 の 範 囲 だ け の 土 地 を 与 え よ 」 と 悪 魔 バ リ に 交 渉 、
悪 魔 ・ が こ れ を 許 す と 、 も と の 自 分 の 姿 に な り ( 天 文 学 的
サ イ ・ ズ の 巨 人 ) 三 歩 で 三 界 を 潤 歩 し 主 権 を 獲 得 し た 。( 神
が ・ 悪 魔 を 手 玉 に と る 珍 し い パ タ ー ン 。)
・ - 6 , パ ラ シ ュ ラ ー マ : 聖 仙 ジ ャ マ ダ グ ニ の 子 パ ラ シ ュ
ラ ー マ と し て 生 ま れ た ヴ ィ シ ュ ヌ は 傲 慢 な ク シ ャ ト リ ア
( 王 族 階 級 )を 掃 蕩 し て し て バ ラ モ ン の 地 位 を 確 立 し た( ヴ
ィ シ ュ ヌ は バ ラ モ ン 以 前 の 神 で あ る と 言 っ て い い か も し れ
な い 、あ る い は A D 3 ~ 4 世 紀 の 勢 力 が バ ラ モ ン 以 前 の 神 、
さ ら に ク シ ャ ト リ ア 以 前 の 信 仰 の 復 古 さ せ た 可 能 性 も あ り
得 る 。 ・ ・ ・ 68 p 中 段 - 4.8 も 参 照 )。
・ - 7 , ラ ー マ : 叙 事 詩 『 ラ ー マ ー ヤ ナ 』 の 主 人 公 ラ ー マ
チ ャ ン ド ラ と し て う ま れ 1 0 の 頭 を 持 つ 魔 王 ラ ー ヴ ァ ナ を
退 治 し た 。
・ - 8 , ク リ シ ュ ナ : 人 型 の 神 、 ヴ ァ ー ス デ ー ヴ ァ と デ ー
ヴ ァ キ ー の 子 ク リ シ ュ ナ と し て 生 ま れ 、 悪 王 カ ン サ を 殺 し
た 。 A D 1970 年 頃 流 行 し た ハ レ ( = 化 身 )・ ク リ シ ュ ナ 運
動 : ク リ シ ュ ナ の 名 を 唱 え 神 も こ れ を 嘉 し 、 至 福 の 境 地 に
達 す る 、 信 者 は 行 列 を つ く り “ 都 市 ” を 練 り 歩 く の は こ れ
に 倣 っ た も の
・ - 9 , ブ ッ ダ ( 仏 陀 ): ヴ ィ シ ュ ヌ は 仏 陀 と し て 権 化 し
バ ラ モ ン 教 ( ヴ ェ ー ダ ー 神 話 ) の 祭 儀 を 否 定 し 不 殺 生 を 唱
え た 。 - な お 、 ヒ ン ド ゥ ー で は 、 仏 教 も ヒ ン ド ゥ ー 教 の 一
つ と 考 え ら れ て い る 。 即 ち ヒ ン ド ゥ ー 教 で は 、 仏 教 も ヒ ン
ド ゥ ー 教 な の で あ る 。
・ - 10 , カ ル キ : 世 界 の 破 滅 に 瀕 す る 末 法 ( 俗 説 で は 仏
・ 陀 入 定 = 死 去 後 千 年 か ら )の 現 世 カ リ ・ ユ ガ の 終 わ り に 、
・ ヴ ィ シ ュ ヌ は 利 剣 を 手 に 白 馬 に 跨 り 、 カ ル キ と い う 人 物
・ に な っ て 世 界 を 救 う 。
・
・ 4.11 ○ 破 壊 神 シ ヴ ァ :( 三 主 神 、 の ひ と 柱 ) ヴ ェ ー ダ ー
の 暴 風 神 ル ド ラ の 異 名 : 70 p
・ ヒ ン ド ゥ ー 教 に お い て シ ヴ ァ は 破 壊 神 ば か り で な く 、 破
壊 し た 世 界 を 再 建 す る 力 も 持 ち 実 行 す る 。
・ シ ヴ ァ の 形 相 は い ろ い ろ だ が 四 面 四 臀 ( で ん )( ま た は
十 臂 < ひ > )三 眼 で 前 額 に 半 月 を 頂 き 、黒 い 頸 に 蛇 を 捲 き 、
虎 の 皮 を 纏 い 、 白 牛 ナ ン デ ィ ン に 跨 る 、 カ イ ラ ー サ 山 で 苦
- 75 -
行 を 行 い あ る と き は 凶 暴 な 姿 を 表 す 。 と き に よ り 妃 神 パ ー
ル ヴ ァ テ ィ ー と 半 身 を 分 け 合 っ た 姿 で も 現 れ る 。
・ 破 壊 神 シ ヴ ァ の 創 造 力 は 男 根 リ ン ガ に よ っ て 、 活 動 力 は
性 力 シ ャ ク テ ィ ー と し て 妃 神 パ ー ル ヴ ァ テ ィ ー ・ 恐 神 妃 ド
ゥ ル ガ ー ・ カ ー リ ー 女 神 で 発 揮 さ れ る 。
・ ま た 破 壊 神 シ ヴ ァ は 舞 踏 の 神 で も あ り 、 宇 宙 に 遍 在 す る
力 を 象 徴 す る タ ー ン ダ ヴ ァ を 踊 る ナ タ ・ ラ ー ジ ャ と も 併 せ
見 ら れ て い る 。 こ の ほ か 幾 つ も の 別 名 を も 持 つ 、 大 神 マ ハ
ー デ ー ヴ ァ 、 主 催 者 イ ー シ ャ ー ナ 、【 大 苦 行 者 】 = 【 マ ハ
ー ヨ ー ギ ン 】( 苦 行 に は 7 9 p - 4 . 2 4 や 7 8 p - 4 . 2 3 の 他 、 洪
水 後 の 近 親 相 姦 を 匂 わ す 子 孫 繁 栄 の 難 行 も 【 苦 行 7 6 p - 4 .
1 7 < 参 照 ! > で 克 服 し 乗 り 越 え 】 て い る )、 獣 主 パ シ ュ パ
テ ィ 、 破 壊 者 ハ ラ な ど は よ く 知 ら れ て い る 。
・
・ こ の ほ か ヒ ン ド ゥ ー 教 で は 幾 つ も の 神 々 が 知 ら れ て い
る 。
・
・ 4 .12 ○ 愛 の 神 カ ー マ ( 男 神 ): 7 1 p そ の 矢 で 射 ら れ た も
の は 恋 情 を か き た て ら れ る 、 破 壊 神 シ ヴ ァ の 苦 行 を 妨 げ 怒
り に 触 れ シ ヴ ァ の 額 の 【 第 三 の 目 か ら 発 せ ら れ た 火 で 灰
に 】 な り ( 通 常 の 燃 焼 と は 異 な る エ ネ ル ギ ー が 時 空 跳 躍
し て い る か の よ う な 記 載 )カ ー マ は ア ナ ン ガ( 肢 体 な き 者 )
と も 呼 ば れ る 。
・
・ 4 .13 ○ 知 恵 ・ 学 問 の 神 ガ ネ ー シ ャ : シ ヴ ァ と 妃 神 パ ー
ル ヴ ァ テ ィ ー の 子 で 眷 属 ( ガ ナ ) の 主 ガ ナ ・ パ テ ィ ( - 獣 )
と も 呼 ば れ 、 象 面 、 一 牙 、 四 臂 、 鼓 腹 の 姿 だ が 性 格 は 温 和
で 知 恵 ・ 学 問 の 神 と さ れ る が 、 元 来 は 障 害 を 齋 す 神 で 障 害
の 王 ヴ ィ グ ナ ラ ー ジ ャ と も よ ば れ た 。 祈 願 す れ ば 障 害 を 除
き 福 徳 を 授 け ら れ る と 考 え ら れ て い て 、 ヴ ィ グ ナ ナ ー シ ャ
ナ と も い わ れ る 。
・ 現 在 は 商 人 か ら の 信 仰 が 厚 く 、 鼠 を 乗 り 物 に し て い る 。
( お な か の 具 合 や 性 格 な ど も 大 国 様 に 似 て い る )
・
・ 4 . 1 4 ○ 猿 の 将 軍 ハ ヌ マ ッ ト : 風 神 の 子 で 自 由 に 空 を 飛 ぶ
こ と が 出 来 、 魔 王 ラ ー ヴ ァ ナ に し ば し ば 攻 撃 を 加 え 民 間 の
人 気 が 高 か っ た 。: 7 1 p
・
・ 女 神 た ち : 女 神 崇 拝 の 流 行
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・ - 暁 の 女 神 ウ シ ャ ス 、 音 楽 ・ 学 問 の 河 神 サ ラ バ ス テ ィ ー
( 仏 教 の 弁 財 天 74 p - 4.16)、 な ど ヴェーダー 神 話 に 加 え シ ャ
ク テ ィ ー ( 性 力 ) 崇 拝 か ら ド ゥ ル ガ ー 、 カ ー リ ー い ず れ も
恐 ろ し い 女 の 神 様 、 カ ー リ ー は 黒 い 母 と い う 意 味 で 、 真 っ
黒 の 顔 で 髪 を 振 り 乱 し 、4 本 の 腕 、人 の 髑 髏 を 首 飾 り に し 、
舌 を 垂 ら し 眼 は 充 血 、 血 に 染 ま っ た 恐 ろ し い 姿 で シ ヴ ァ を
踏 み つ け て い る 像 も あ る 。( 私 の 記 憶 で は 牙 も あ っ た )
・ - シ ャ ク テ ィ ー 崇 拝 は シ ヴ ァ 派 ば か り で な く ヴ ィ シ ュ ヌ
派 に お い て も 影 響 が あ り 、 維 持 神 ヴ ィ シ ュ ヌ ( ア ヴ ァ タ ー
ラ の 1 0 権 化 の 主 神 ) の 神 妃 = 美 と 幸 福 の 女 神 ヤ ク シ ュ ミ
ー ( 仏 教 で は 吉 祥 天 ) や ヴ ィ シ ュ ヌ の 8 番 目 の 権 化 ク リ シ
ュ ナ ー の シ ャ ク テ ィ ー と し て 恋 人 牛 飼 い 女 ラ ー ダ ー も 崇 拝
さ れ て い る 。
・ - ア プ サ ラ ス は 天 界 の 踊 り 子 だ が 、 人 間 界 に も 降 下 で き
人 と 恋 を し た り 、 苦 行 者 の 邪 魔 を し た り 、 多 く の 物 語 を も
つ 。
・
・ 4 .15 ◎ 神 々 の 悪 徳 : 72 p
・ 古 代 の 神 話 の 神 は 自 由 奔 放 で し ば し ば 不 徳 ・ 不 貞 の 行 為
が イ ン ド 神 話 で も 数 多 く 見 ら れ る 、 い ず れ も 時 代 を 下 る に
し た が っ て 不 徳 ・ 不 貞 は 見 え に く く な っ て い る 。
・
・
・ 4 .16 ◎ ヒ ン ド ゥ 教 ・ 仏 教 神 話 【 … 善 行 を 積 む 】
・
・ 初 期 の 仏 教 は 神 話 を 持 た な か っ た が 、 大 乗 仏 教 ( 修 行 中
心 の 仏 教 か ら 信 仰 を 持 っ て い な い ~ 修 行 の す べ 持 っ て い な
い 民 衆 を 救 済 す る 仏 教 を 指 す 。 不 精 確 か も 知 れ な い が 羽 仰
の 記 憶 で は そ う ) 降 昌 に と も な っ て 、 須 弥 世 界 を 中 心 と す
る 広 大 無 辺 の 三 界 説 ( 前 世 ・ 現 世 ・ 来 世 )、 三 千 世 界 説 、
十 方 仏 土 説 な ど 宏 壮 な 世 界 観 を 創 造 す る 。 神 と 人 の 上 下 関
係 あ る い は エンコード 的 契 約 で は な く 、 修 行 や 善 行 に 因 っ て 人
は 諸 天 に も 菩 薩 に も 仏 に も 、 悪 行 に 因 っ て い ろ い ろ な 水 準
の 鬼 に も 悪 魔 …
・ … 【 摂 理 的 ~ 近 代 化 さ れ た プロテスタンティズム ~キリスト教 的
な 悪 魔 で は な く 修 行 を 邪 魔 す る 者 の 総 称 、 相 対 的 意 味 が 強
い 悪 魔 ( デ コ ー ド 的 ) で あ る 。 従 っ て た と え 悪 魔 で あ っ て
も 、 修 行 だ け で な く や 修 行 の す べ の な い 者 の 善 行 で で も 変
わ り 得 る こ と が 出 来 る 。 … ≪ 修 復 不 能 ≫ の 罪 意 識 ~ 悪 の 意
識 が 希 薄 で こ の 寛 容 さ は ペ ル シ ャ 神 話 に も 通 じ る も の が あ
- 77 -
る 。 … 摂 理 の 枠 組 み で 善 行 は 絶 対 的 信 仰 心 と 排 除 の み で こ
の 差 異 は 強 調 す べ き 事 柄 で あ ろ う 。】 …
・ … 【 い ず れ に も な れ る 。】
・ 仏 教 神 話 は ヴ ェ ー ダ 神 話 ( バ ラ モ ン 神 話 ) ヒ ン ド ゥ ー 教
神 話 を 導 入 し て 独 自 に 発 展 さ せ た 。 そ の 中 に は 中 国 を 経 て
日 本 に 伝 わ り 現 在 の 日 本 で も 信 仰 さ れ て い る も の が あ る が
そ の 性 格 ・ 物 語 は 異 な っ て い る も の が 多 い 。 ま た そ れ ぞ れ
の 神 格 は 善 悪 が 入 り 交 じ っ て い る こ と が 多 い が 、【 絶 対 的
善 ・ 絶 対 的 悪 と し て 信 仰 さ れ た り 恐 れ ら れ た り さ れ る も の
は な い 】 の は 、 ヴ ェ ー ダ ー 神 話 ・ ヒ ン ド ゥ ー 教 神 話 ・ 仏 教
神 話 と 同 様 で あ る 。
・
・
・ - 帝 釈 天 : ヴ ェ ー ダ 神 話 の 武 神 イ ン ド ラ の こ と 、 サ ン ス
ク リ ッ ト 語 で「 シ ャ ク ロ ー ・ デ ー ヴ ァ ー ナ ー ム ・ イ ン ド ラ 」
( 神 々 の 王 シ ャ ク ラ の 意 ) と 呼 ば れ 、 漢 音 訳 を 経 、 日 本 で
の 意 訳 で 天 帝 釈 と な っ た 。 ヴ ェ ー ダ ー 神 話 の よ う な 豊 富 さ
は な く 、 仏 法 の 守 護 神 と し て 扱 わ れ る 、 密 教 で は 護 世 八 方
天 の 一 と し て 東 方 を 守 護 す る 。
・
・ - 弁 才 天 : 河 神 サ ラ ス ヴ ァ テ ィ ー の こ と 、 学 問 ・ 音 楽 ・
弁 舌 の 神 で 琵 琶 を 持 っ て い る 姿 は 継 承 さ れ 日 本 の 中 世 に 、
福 徳 を 与 え る 性 格 が 強 調 さ れ 弁 財 天 と 呼 ば れ る 様 に な り 七
福 神 と し 数 え ら れ る 。
・
・ - 毘 沙 門 天 : ヒ ン ド ゥ ー 教 の 富 の 神 ク ー ベ ラ 、 別 名 ヴ ァ
イ シ ュ ラ ヴ ァ ナ の 音 写 、 多 聞 天 と も 訳 さ れ る こ と が あ る 。
ク ー ベ ラ 天 は ヒ マ ラ ヤ 山 麓 に 住 み 薬 叉 ( ヤ ク シ ャ ) と い う
半 神 た ち を 従 え 北 方 の 守 護 神 と し て 豪 奢 に 暮 ら し て い る と
信 じ ら れ て い る 。 仏 教 に 入 っ て か ら 仏 法 の 守 護 神 と し て 武
神 の 要 素 が 強 い 。 因 み に 日 本 の 戦 国 武 将 の 上 杉 謙 信 は こ の
神 を 信 仰 し 北 方 の 守 護 者 と し て 重 ね 合 わ せ て い た 。 謙 信 の
世 界 観 は 関 東 中 心 な の で あ る 。
・
・ - 大 黒 天 : マ ハ ー ( 大 き な ) カ ー ラ ( 黒 ・ 死 ・ 時 ) の 意
訳 で 破 壊 神 シ ヴ ァ の 異 名 で も あ る 。
中 国 の 僧 義 浄 が 渡 印 の 際 、 寺 院 の 台 所 の 柱 に 金 嚢 を 手 に
し た 黒 色 の 像 で 祀 ら れ て い た の を み て 、 大 黒 天 を 大 天 ( マ
ヘ ー シ ュ ヴ ァ ラ = 大 自 在 天 ) の 部 属 と 誤 解 し た 。( マ ヘ ー
シ ュ ヴ ァ ラ は シ ヴ ァ 神 自 身 の こ と 。) こ の 誤 解 が も と に な
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り 大 黒 天 は 、 日 本 の 寺 院 の 台 所 に 祀 ら れ 、 厨 房 と 富 の 神 と
な っ た 。
・ ま た 、 日 本 の 大 国 主 ( オ オ ナ ム チ ) 命 と 発 音 が 似 て い る
こ と か ら 、 日 本 で は 現 在 で も ほ ぼ 同 一 視 さ れ て い る 。
・ こ の 二 つ の 誤 解 で 、 日 本 で は 御 当 地 イ ン ド と は 異 な っ た
色 合 い で 信 仰 さ れ て い る 。
・
・ - 韋 駄 天 : ス カ ン ダ の 漢 音 訳 。 元 来 シ ヴ ァ 神 軍 を 率 い て
悪 魔 を 討 伐 す る 軍 神 、 後 に は 小 児 を 襲 う 疫 病 神 の 首 領 と な
り 、こ の 神 格 を 崇 拝 す る 者 に 生 命 と 活 力 を 与 え る と さ れ る 。
盗 賊 の 守 護 神 と も さ れ 逃 げ 足 の 速 さ で 信 仰 も さ れ る 。
・
・ - 吉 祥 天 : ラ ク シ ュ ミ ー 、 維 持 神 ヴ ィ シ ュ ヌ ( ア ヴ ァ タ
ー ラ の 1 0 権 化 の 主 神 ) の 神 妃 = 美 と 幸 福 の 女 神 ヤ ク シ ュ
ミ ー ( 仏 教 で は 吉 祥 天 )
・
・ - 閻 魔 ( ヤ マ ) イ ン ド 神 話 に 限 ら な い : 昼 夜 の 起 源 神 で
も 地 獄 の 裁 神 で も あ る 、 ペ ル シ ャ で は 輝 け る 王 … 4 .19 参
照
・
・ - 摩 利 支 天 ( マ リ ー チ ):
・
・ - 鬼 子 母 神 ( ハ ー リ ー テ ィ ):
・ … な ど が 有 名 で あ る 。
・
・
次エピソード 4.17 "マヌの洪水伝説”から再開、臍の緒みたいに重要な神話素が盛り込まれています