えんぴつの秘密 123456戦士武道家魔法使い僧侶盗賊遊び人
幼馴染みの香から貰った大切な鉛筆。今は奇跡の鉛筆となっていた。六角形を綺麗に削られ数字が書き込まれている。
中学初めてのテスト。運に任せ鉛筆を転がす。100点満点だった。
テストで100点満点を取れる夢のアイテムを手に入れたと喜んだがこの鉛筆はそれだけではなかった。
「まだこの鉛筆使っているの?」
風太の筆箱には私が小学校の頃に上げた鉛筆が入っていた。もう高校生の私達には似合わない物だ。
「あわゎ」
風太は私に驚き、筆箱を隠すように机に覆い被さった。
「プー。そんなにおどおどしなくてもいいでしょ。懐かしい鉛筆が目にはいっただけだし」
「か、返さないよ」
「別にいいって。でも鉛筆不便じゃない?シャーペンとか楽だよ」
「これがいいんだ」
「まぁいいけど。話は変わるけどさ。今週末、買い物に付き合ってくれない?」
「ごめん。バイト」
今日も振られた。中学ぐらいからプー太は付き合いが悪くなった。私は避けられていた。
とぼとぼと暗闇の帰路を1人で歩く。
「お嬢ちゃん、ちょっと道聞きたいんだけど」
正面から歩いて来た男の人に声を掛けられた。ヤバそうな人。振り返り逃げた。男は追いかけ来た。途中で転んでしまった。
「何もしないよ。道を聞きたいだけだよ」
男はニヤツキながら近づいて来る。立ち上がり逃げの姿勢を取るも、抱きつかれ口元をふさがれた。
正面から香が走って来た。何事かと思ったら壮大に転んた。その現場に怪しいワゴン車が横付けして来たる。
僕は鞄から鉛筆を取り出し地面に転がす。こい!1か2。鉛筆が止まった数字は6だった。
「うっそー遊び人」
思わず叫んでしまう。時間がない。僕は香の救出へ向かった。戦えるか?遊び人。
「なんだ。てめえ」
「その子は俺とぱふぱふするから」
「混ざるか?」
横のワゴン車から男が二人降りて来た。正面からもチャラ男。ヤダヤダぱふぱふ。風太助けて。
「俺の物って言ってるだろ!」
「話にならねぇな」
チャラ男はワゴン男が殴られ沈んだ。乱入者に私を抑えている男の手が緩む。ここしかない!私は暴れ男に肘鉄を喰らわした。手が完全に離れた。私はその場を離れた。
香が上手く逃げた。でも甘い。彼女を逃がすため口笛を吹く。
「わはは。間抜け野郎ども。俺も退散するかな」
ワゴン軍団は戻って来て僕をボコボコにしてから帰って行った。カッコ良くないが香が無事なら良しとしよう。1戦士とか2武道家が出れば楽勝で制圧出来たのに残念。
香にぱふぱふ?いずれ。