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マンフはリョージに挑んだ

ジャンルが決まらない...ここで良いのか?

シリアス感ゼロです、苦手な方はスルー推奨。

 美しい山川に囲まれたピュア・ワン王国。


 この国には素晴らしい才能を持つ四人の若者が居た。


[魔術師 ミッシェル・ローズ 20歳]

 素晴らしい魔法の遣い手であるミッシェル。

 豊富な魔力量と精度の高い攻撃魔法は100人の魔術師が束になっても敵わないと言われていた。


[剣士 カサリ・リリー 19歳]

 圧倒的な剣技を持つカサリ。

 一度(ひとたび)彼女が剣を抜いたらば、屈強な騎士が数人で掛かろうとも、赤子の手を捻るが如く這いつくばらされる事になると言われていた。


[治癒師 ホーリー・ローズ 18歳]

 優れた治癒魔法を操るホーリー。

 彼女一人で災厄に見舞われた数百人に及ぶ被害者を全て救い、女神と呼ばれていた。

 更に絶世の美女である三人には自国はもとより世界中から求婚の申し出が殺到していた。


 しかし誰一人として、その申し出に応じる事は無かった。

 それは最後の一人、英雄マンフの存在があったからだ。


[万能英雄 マンフ・ローズ 19歳]

 彼女達三人の力を全てを有しているマンフ。

 彼はミッシェル達三人と、いや他にも数人の女性とも親密な交際をする絶倫振りだった。


 四人は王立学園に在籍しており、マンフにとって正にハーレムだった。


 ...そう一ヵ月前までは。


「ミッシェル!ホーリー!!カサリ!!!」


 王立学園にマンフの声が響く。

 中庭に座り、語り合っていたミッシェルとカサリはマンフの声に顔を上げた。


「マンフ、静かになさい」


「そうよ公爵の嫡男ともあろう人が」


「...う」


 呆れた顔でミッシェルとカサリがマンフを見る。

 この一か月ですっかり変わってしまった二人に苛立ちを隠せないマンフは姿の見えないホーリーに気づいた。


「ミッシェル、ホーリーを見ませんでしたか?」


「ホーリーなら勇者リョージと実習室に」


「アイツと実習室?」


 敢えて勇者と呼ばないマンフ。

 それに以前ならばミッシェルと呼び捨てると、


義姉(ねえ)さんと呼んで...』

 そう言って目を潤ませていたミッシェル、しかし今は全く気にする素振りも無かった。


『なんでホーリーを一人で行かせたんだ!」


「リョージに治癒魔法の指導をする為でしょ?」


「なんだと?」


 呆れ顔のカサリ。

 幼馴染みの彼女もまたマンフに対する態度が冷たくなってしまっていた。


「お前ら一体どうしてリョージにばかり!」


 全ての元凶はリョージとマンフは確信していた。

 1ヶ月前、魔王が現れると勇者リョージは召喚された。

 それは神のお約束。

 召喚された勇者リョージの為にピュア・ワン王国は3ヶ月後に魔王討伐を命じた。


 その間に剣と魔法をリョージは覚えねばならない。

 それもお約束、誰も異論を挟む余地はなかった。


 王国は世界最高峰の実力を持つ四人にリョージの指導を命じた。

 マンフは王宮で召喚された勇者を一目見た瞬間、不信感を覚えた。

 それは勇者リョージの持つ瞳から発せられる瞳。


 マンフは王国にリョージが魅了のスキルを持っているのではないかと訴えた。

 しかしマンフの瞳に異常は見られず、

 ミッシェルとホーリー、カサリ達にも否定された。


 優れた魔力検知能力を持つ彼女達にマンフの訴えは退けられた。

 しかしリョージに対する疑惑を払拭された訳では無い、マンフはリョージから向けられる瞳に危険を感じていた。


「そんなに心配なら行ってくれば?」


「そうよ、マンフだって治癒魔法を使えるんだから」


「言われなくても」


 優れた治癒魔法の遣い手であるホーリーだが、剣や攻撃魔法は使えない。

 リョージがホーリーを襲えばひとたまりも無い。

 マンフは鞄から愛用の治癒魔法に使うロッドを握り締め、実習室へと駆け出した。


「ホーリー!」


 扉を乱暴に開けるマンフ、目の前の光景に我が目を疑った。


「あらマンフ様」


「ノックくらいしろよ」


 ベッドで仰向けに寝そべる上半身裸で下着姿のリョージ。

 その身体ロッドで撫で回すホーリーの姿。


「...何をしている?」


「リョージに治癒魔法の指導よ」


「なぜリョージが下着になる必要がある!!」


 激昂するマンフにリョージは溜め息を吐きながら身体を起こした。

 鍛え抜かれた筋肉美のリョージに思わず息をのむマンフは目が離せなかった。


「それなら俺がホーリーの身体を撫で回して良いのか?」


「...なんだと?」


 治癒魔法を全身に掛け、魔力を身体に循環させる。

 それは魔法を覚える為にしなくてはいけない初歩。

 当然下着の方が魔力も身体に感じ易いのはマンフも分かっていた。


「ふざけるな!お前はまだ治癒魔法が使えないだろ!」


 挑発と知りながら我慢出来ないマンフは声を荒げだ。


「マンフ、リョージはもう治癒魔法を使えるわよ」


「...なに?」


 思わぬホーリーの言葉にマンフのこめかみが震える。

 つまりリョージはホーリーの体を既に...


「それなら試して貰おうか」


「良いのか?」


「ああ」


 マンフが上着を脱ぎ捨てる。

 リョージの治癒魔法如き跳ね返す事くらい雑作無いとマンフは考えた。


「ホーリー、席を外してくれ」


「...でも」


 ただならぬマンフの様子に心配そうなホーリー。

 その様子にますます苛立つマンフだった。


「大丈夫だから」


「分かった...リョージ」


「...な?」


 リョージに頭を撫でられ、嬉しそうなホーリー。

 マンフの中で何かが弾けた。

 ホーリーが出て行き、二人きりになったマンフはロッドを包んでいた(サック)をリョージの下半身に投げつけた。


「何の真似だ?」


「決闘だ」


 布はリョージの下半身に引っ掛かる。

 リョージは知らなかったが、これはピュア・ワン王国に伝わる決闘の合図だった。


「それじゃ俺から行くぜ」


 リョージがマンフの身体に触れる。

 リョージの熱い手の平、間違いなく魔力の照射をマンフは感じた。


「...あ」


 思わず声を出してしまうマンフ。慌てて口を抑えた。


「...いつまで我慢出来るかな?」


「...糞」


 リョージの目を見るマンフ。


『何て愛しく、熱い瞳なんだ...』

 視線から目を離す事が出来ないマンフにリョージが囁いた。


「安心しろ、目が覚めたら忘れているから」


「な...に?」


 マンフが覚えているのはここまで。

 そしてマンフの叫び声が実習室に響いた。


「アーー!」


 ...そして1ヶ月が過ぎた。



「ミッシェル!ホーリー!!カサリ!!どこに居る」


 ピュア・ワン王立学園に再び叫び声が響いた。

 ローズ公爵家の嫡男、英雄マンフ。

 美しい金色の髪と碧い瞳、整った容貌に引き締まった身体は由緒正しき高位貴族の存在を体現していた。


 しかしマンフから少し凛々しさが薄れつつもあった。


「あらマンフ?」


「どうしたのマンフ様?」


 中庭で語らう二人の美しき女性がマンフの声に気付く。

 義姉のミッシェルと義妹のホーリー。


 先月勇者に治癒魔法で戦いを挑み、完膚無き程に叩きのめされたマンフ。

 ホーリーがミッシェル達を連れ、実習室で見た物は無様に尻からロッドを生やしたマンフだった。


 マンフの近くに落ちていた包み袋(サック)から、マンフがリョージに決闘を挑み、破れたのだと知った。

 溜め息を吐きながらマンフの治療をしようとするホーリーをリョージが止めた。


『身体に刻ませないと、マンフの為にならない』

 リョージの言葉に治療は行われず、意識を取り戻したマンフはリョージと戦った記憶すら、失なっていたのだった。


「ミッシェル、カサリを見なかった?」


 カサリの姿が見えない事に気づいたマンフが聞いた。


「カサリ様なら勇者様の指導に」


「なんだって?」


 マンフの顔が歪む。

 カサリはリリー公爵家の一人娘、マンフの幼馴染みで恋人だ。


「リョージ...」


「落ち着きなさいマンフ」


「そうよマンフ様、公爵家の嫡男でしょ?一応」


『ホーリー...あなたは』

 ホーリーの言葉に虚しさをを覚えるマンフ。

 記憶に無いとはいえ、無様な醜態を見せてしまったマンフ。

 義兄としてのプライドはズタズタだった。


「リョージを鍛えるって、カサリは剣武場よ」


「畜生!」


 聞き捨てならないミッシェルの言葉。

 王立学園の剣武場は数々の名剣士を生み出して来た神聖な場。

 勇者と言えど、立ち入って良いはずが無い。

 言葉が終わらぬ内に駆け出すマンフ。


 この時間、剣武場にはカサリと勇者以外人は居ないだろう。

 神聖な場に二人っきり、我慢出来ないマンフだった。


「カサリ!」


「マンフなんですか」


「それは駄目だろ」


 剣武場のドアを乱暴に開け、土足で中に入るマンフ。

 慌てていたので靴を脱ぐのを忘れていた。


「早く靴を脱ぎなさい!」


「やれやれだなマンフ」


 カサリと勇者は汗を拭いながら呆れ顔でマンフを見る。

 稽古着で模造刀を手にし、息の上がった二人。

 一見すると稽古に汗流しただけに見える、しかし...


「...何をしていた?」


「なにって...勇者に指導よ」


 またしてもマンフのこめかみに青筋が浮かぶ、着崩れた稽古着の襟元から覗くカサリの乳房。

 カサリは普段から稽古に下着を着用しない。

 しかし、マンフは怒りを抑える事が出来なかった。


「なんでカサリがそいつ(勇者)の指導なんかしてるんだ!」


 マンフがカサリと勇者を怒鳴りつける。


「そりゃお前が全く相手してくれないからだろ?」


「なんだと?」


 睨み付けるマンフに怯む事なく勇者は続ける。


「いくら俺が召喚された勇者だとしても、この世界の戦い方は知らない、誰かの指導は必要だ」


「だから、なぜカサリなんだ!?」


「そりゃ...」


「貴方が王命なのにリョージさんの指導を断ったからでしょ?

 だから国を代表して剣の指南役を務める私が」


「...カサリ」


 勇者の名を親しげに呼ぶカサリ

 激しい屈辱と疎外感にマンフの視界が真っ赤に染まる。


「それなら俺が指導してやるよ」


 怒りに震えながら壁に掛けてある愛用の刀へ手を伸ばすマンフ。


「ちょっとマンフ...あなたどうしたの?」


「どうかしてるのはお前だよ、カサリ」


 マンフが吐き捨てる。


『こんな筈では無かった』

 マンフはいつの間にかリョージをカサリに奪われたと感じていた。


「相手してくれるなら俺は誰でも構わないが」


「うるさい!!」


 王国内で一、二位を争うマンフとカサリの実力。

 嫡男であるマンフは幼少期より厳しい指導を受けて来た自負もあった。

 例え相手が勇者であっても、遅れを取らない。

 リョージを失望させない自信があった。


「カサリ、すまないがミッシェルとホーリーを」


「リョージ...」


「心配するな、マンフに怪我でさせたら大変だからな」


「分かった」


 リョージの言葉を受けカサリは剣武場を出ていく。

 その場にマンフとリョージが残された。


「...赦せない」


「何の真似かな?」


 振り返るリョージの下腹にマンフの投げた布切れが当たり引っ掛かる。

 それは模造刀を包んでいた(サック)布袋だった。


「決闘よ」


 剣士が命を掛けて行う決闘。

 マンフはまたしても例に(のっと)り、リョージへ宣告した。


「...良い目だ」


「な?」


 リョージが剣を構えた。


『一気に襲い掛かれば勝てる』

 そう思うマンフだが、動けない。

 プライドでは無く、野性の勘がマンフに命の危険を教えていた。


「さてやろう...か」


 怪しい仕草で稽古着の襟元を開くリョージ。

 澄んだ瞳の奥に激しい物を感じるマンフ。


『どうしたんだ?』

 リョージから目が離せないマンフは剣を構えたまま後退る。

 額から流れる大量の汗、気付けば壁際に追い詰められていた。


「...どうした?」


「くそ!」


 リョージに食らいつくマンフ。

 しかし恐怖に怯えるマンフが相手になる筈も無かった。

 リョージによってマンフは床に組伏せられてしまう。


「は...離せ」


「声とは裏腹だな」


「ち...畜生め」


 もうマンフに抗う術は無かった。


「安心しろ」


「安心?」


「終われば全て忘れる...」


「な...」


 首筋に落とされるリョージの熱い吐息。

 剣武場にマンフの叫び声が響いた。


「アアーーー!!」


 カサリがミッシェル達を連れ、剣武場で見た物は無様に尻から剣を生やし、うつ伏せに這いつくばるマンフの姿だった。


 マンフの近くに落ちていた包み袋(サック)から、マンフがまた決闘に破れたのだと知った。

 溜め息を吐きながらマンフの治療をしようとするホーリーをまたリョージが止めた。


『身体に刻ませないと、やっぱりマンフの為にならない』

 リョージの言葉に治療中断され、意識を取り戻したマンフはリョージと戦った記憶すら、失なっていたのだった。


「...リョージ」


 気がついたマンフは呟いた。

なんとなく続く。

なんで書いたんだ?

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― 新着の感想 ―
[良い点] まてまて、この流れならリョージも生やさないとダメだろう? エターナルな悪童両成敗的な流れで。
[一言] 薔薇と百合… まさかマンフが被害者?枠になるとはねw
[一言] 新作ありがとうございます。 マンフと亮二を対決させようなんて……よくまぁ考え付きますね(^^; TSや同性愛、記憶喪失系が苦手な私でもこのオドロキにつられて読んでしまいます(苦笑)。 しか…
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