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呆れるほどズレている人生観  作者: アカツキ
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佐後勇作の場合①

 2025年、日本中である事件が報道された。事件の内容は、1人の男が激発物破裂罪及び現住建造物等放火罪により、被疑者死亡のまま書類送検されたというものだった。


 男の名前は佐後勇作、享年36歳。

 自分が通っていた高校に乱入し、職員室を占拠、教員を人質に立て籠もった。教師の命を無差別に奪った後、職員室、1年5組、2年2組、3年2組を爆破、自らも爆破に巻き込まれて死亡。

 奪われた教師の命は3名、しかし幸いにも生徒に犠牲者は出なかった。

 また、学校自体を修繕するため、3か月間休校することを余儀なくされた。


 被疑者は死亡し、親しい友人はおろか、家族もおらず天涯孤独であった。被疑者の高校生時代を覚えている者も少なく、事件から1か月経った今でも事件の全貌は明らかになっていない。


 事件発生当初こそ、マスコミはこぞって佐後の生い立ちを調べ始めた。彼の故郷や現在の職場への取材を基に、彼の半生がワイドショー番組で取り沙汰された。中には特集を組み、心理学者が訳知り顔で佐後の人物像を推理している番組もあった。しかし、元々被疑者死亡、関係者もほとんどいないため、事件の全貌は明らかにならず、そのうちにマスコミ各社の興味も薄れていった。


 しかし、事件から約3か月経ち、学校が再開しようかという頃、警察、教育委員会、大手マスコミ各社それぞれに1通の手紙が届く。差出人の名前は「佐後勇作」。模倣犯や愉快犯による狂言が疑われたが、筆跡鑑定したところ、間違いなく佐後が直筆で書いたものであることが証明された。そしてその内容は、世間に大きな波紋を与えることとなる。

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