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渇いた向日葵

作者: 秋葉竹


終電で帰った夜は、

塗りたくったような愛情が欲しい。

あの、

『向日葵』みたいな。


眠りたくない部屋で

冷たい真水を一杯飲み干して、

綺麗な希望を離すまいとするが

涙が止められなくてハズイよ。


エアコンの音が少し

静けさを遠ざけてくれるから

いい、

遠くで聴こえるバイクの音が

眠りから引きずり戻してくれるから

いい、

こんなまんまでねたくもないんだよ。


独りベッドに転がるあたしは

塗りたくったような愛情が欲しい。

あの、

『向日葵』みたいな。


飾り気のない

けど、

繊細な綿毛でくすぐられるやさしさと

荒々しく、

心を壊してしまいそうに

悲しみを叩きつけるいきどおり、


あたしの心を真っ白な潤いと

どす黒い血の色の

くっきり二色に

染めあげてくれるような、

あの頃の、愛おしい、

狂死のまえのあいつのような。


塗りたくった愛情が欲しい、夜。

『向日葵』も、

渇く夜。


ただ、

想い出だけが

乾かない夜。








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