エリス、アレックスと出逢う
今日もありがとうございます
エリスはあの不思議な出来事から直ぐに自身の身を清めて、身なりを整えて父親であるダイアン国王に会いに行った。
エリス)「お父様、いきなり申し訳ありません。今日あった不思議な出来事と私を護衛していただいた兵士達の説明をさせていただきたいと思います。」
そこでエリスはダイアン国王に全てを話した。
ダイアン)「エリス…それは…お前がそう申すから信用はしておるが…夢では無いであろうが…どうしたものか…」
エリスの話を聞いたダイアン国王とメリル王妃とカリアン王子は悩んでいた。
メリル)「エリスは大丈夫なの?猿人に襲われたと今聞きましたけれども…」
カリアン)「おい!エリス!頭でもうったか?少し休んだらどうだ?」
エリス)「私は正常です!!…ただ…私があった二人は仮面をつけて黒い帽子と黒い外套を身に着けて、私と護衛をこの場内に送り届けると消えたのです。信じて下さい。」
エリスは必死に3人に話したが…まずキントキ山からライコウ城まで一瞬にして移動したと言われてもとても信じられない話であった。
キントキ山からライコウ城まで約100里は離れている…そんな距離を一瞬で移動…相手が神様なら可能であろう…馬車で移動したとしても最低4日はかかる距離を一瞬で移動…3人は娘を信じたいが…とても、信じがたい現実であった。
エリス)「わかりました。私、決めました。今からリリック街に行って二人を探してきます。」
エリスは3人の前から退出しようとした時にダイアン国王が慌てて止めた。
ダイアン)「エリス、少し待て。わしはお前を信じている。これは本当だ!!だが…わしもそのリリック街を調べてみたい…もしかしたら人知れず物凄い武人がおられるかもしれない。だから、エリスは今しばらくは我慢して欲しい。これは国王としてでは無く、父親としてお願いだ。」
エリスはダイアン国王を涙目になって見ていた。
エリス)「お父様、私…その1人の殿方に少し素肌を見られました。なので…その殿方には責任をとってもらい嫁にしていただきたいと考えています。」
エリスの爆弾発言に父親はカタマった。
メリル)「エリス…気持ちはわかります。そのリリック街に絶対いると決まった訳ではないのでしょう?今は情報を集めましょう。」
カリアン)「エリス、そいつの特徴は無いのか?身長?…くらいしか情報が無いとなると難しいなぁ…」
二人は考えてエリスに話したが悩んでしまった。
エリス)「情報ならあります!!私はしっかりと殿方の声を聞いております。なので…リリック街にいる殿方の声を聞いて探してみたいと思います。リリック街に行く事をどうかお許しください」
エリスは必死に3人に訴えた。
ダイアン)「…エリスはわしに似て一度言い出したら、他の意見を聞き入れない。しょうがない…わかった!!…ジュリエット!!シャルロット!!」
二人の女性がダイアン国王の前に片膝をついて現れた。
シャルロット)「お呼びです?王様」
ジュリエット)「お呼びかいな?王様」
ダイアン)「悪いが二人はエリスの護衛を務めてもらえるか?」
二人は頷きエリスの後ろについた。
エリス)「ありがとうございます。お父様!!」
ダイアン国王はエリスの顔を見て、悲痛な顔をした。
ダイアン)「1ヶ月…これ以上は無理だ!!それまでにその御仁を探すのだ。エリスよ!!」
エリスは満面な笑顔で退出して行った。
…5日後… エリス達はリリック街に到着した。
エリス達がリリック街に入ると…まずこの街にはゴミが1つも落ちて無くてとても綺麗な道路や水路に驚いた。
次に3人は街に設置してある共有のトイレを使用して綺麗すぎるトイレに驚いた。
その後、エリスは冒険者ギルドにいる受付嬢のマリアに情報提供を求めた。
マリア)「これはエリス姫様、お久しぶりにございます。今日はどういったご用件でこちらにこられたのでしょうか?」
マリアはエリスに笑いながら話しかけた。
エリス)「マリア、久しぶりね…最後に会ったのは一年前の学園でしたわね…元気そうで良かったわ。今日はここに私の探し人がいるかもしれないからマリアに相談に来たの。」
エリスも笑顔でマリアを見たが…真剣な顔つきになって話しかけた。
エリス)「マリアお願い…教えて欲しいの!!ここの街の掃除、トイレの掃除は誰がしているの?…もしかしたら、その人が私の探し人かもしれないのよ!!」
エリスはマリアの手を掴み、必死に伝えた。
マリア)「それなら…あ~、今来ました。あの子ですよ。名前はアレックスと言いますよ。」
そう言われたエリスは後ろを振り向き、アレックスを見た。
エリスはまずは身長が同じであった事に嬉しくなり、アレックスに近付き話しかけた。
エリス)「久しぶりね!!アレックス!!逢いたかったわ!!」
いきなりそう言われたアレックスはエリスの顔を見て、目を見開いて驚いたが、一呼吸して落ち着いてからエリスに話しかけた。
アレックス)「あの…どちら様でしょうか?僕に知りあいはいないのですが…」
アレックスは申し訳なさそうな顔をしてエリスに言った。
しかし、エリスは違った。
エリスの両耳はこの男性で間違いないとその声を聞いて確信した。
エリス)「まさかリリック街に住んでいらしたとは、本当に良かったです!!是非、アレックス様とゆっくりとお話がしたいです。この後、お暇でしょうか?」
アレックスは内心、冷や汗を流しながらどうすればエリスを回避できるかをずっと考えていた。
アレックス)「申し訳ありません。僕は今から予定がありまして、暇は無いのですが…」
エリスの内心、エモノは捕らえた逃がしませんと考えていた。
エリス)「そうなのでしたら私もその予定をお手伝いしたいと考えています。よろしいでしょうか?」
アレックスは身体中に冷や汗を流して、眉を寄せて本当に困った顔をしてエリスに話しかけた。
アレックス)「僕は…出来ればその予定は1人でしたいのでご遠慮していただきたいと思います。」
エリスはますますニヤリと笑いながらアレックスに話しかけた。
エリス)「出来れば…という事はそこまで1人に拘らず二人でも良いという事ではありませんか?でしたら是非!!私と二人っきりでその予定をしませんか?」
エリスはアレックスの腕を捕まえようと近付いたが…何故かエリスはアレックスの腕を捕まえる事が出来なかった。
アレックスはそこで強引にマリアに薬草を10束を手渡した。
マリア)「アレックスさん、少しくらいエリス様とお話してはいかがですか?」
マリアまでエリスに加勢してきたがアレックスは笑顔でマリアに言った。
アレックス)「マリアさん、僕は…1人が好きなんです。後…今日の依頼の薬草です。もうよろしいでしょうか?」
アレックスは泣きそうにしながらマリアとエリスの二人を見た。
その時、ジュリエットとシャルロットの二人がアレックスを左右を囲んだ。
ジュ)「兄さん、なんや!つれないやんか!少しくらい茶でも一緒にしたらええんちゃうん?」
シャ)「お兄さん、急がば回れって言いますよ!今日くらいはゆっくりとしてもよろしいのでは?」
アレックスは女性四人に囲まれたが…そんな時に3人のおっさんがアレックスに絡んできた。
おっさん)「おい!坊主!ええ加減しとけよ!」
おっさん達はアレックスの胸元を掴み、ギルドの外に連れ出して行った。
エリス達四人は慌ててアレックスの後をつけた。
その時、3人のおっさんはアレックスを殴ったり、蹴ったりして、最後には1人のおっさんがアレックスのお腹に力いっぱいに殴った。
その瞬間、アレックスはお星様になったかのように空高く飛んでいった。
エリス達はアレックスを心配して走って追いかけたが…アレックスの姿は何処にもいなかった。
エリスはその時、ニヤリと笑い「アレックス様、逃がしませんわ!!」と思っていた。
ジュリエットとシャルロットの二人はアレックスを囲んだ時に腕を捕まえようとしていたのだが、アレックスに回避されていた。ジュリエットとシャルロットの二人もまた、「おもろい兄さんがいるやないか」「面白いオモチャを見つけましたわ」と思い目を光らせた。
マリアもまた、「アレックスさん…実は出来る人?」あの時、マリアもまた、アレックスの腕を捕まえようとしていたのだがアレックスに回避されていたのだった。
ここに女性四人によるアレックス確保作戦が実行されようとしていたのだった。