アレックスの人助け
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翌日、アレックスがいつもの依頼をして、薬草を取りにスネーク林で探していると急に胸騒ぎがして辺りを探ると、この先のノドグロ峠を越えてキントキ山で人が野生のモンスターに襲われている事が何故かわかった。
アレックスはアルジェに言われた通りに仮面、帽子、外套を身につけて助けに向かった。
そこには、鎧兜を着た兵士達の死体と最後の生き残りの女性が丁度、猿人達に殴られる瞬間だった。
アレックスは急ぎ、その猿人に力を調節してお腹を殴り気絶させて女性を助けた。
猿人達はいきなり現れたアレックスを見て、直ぐに逃げ出した。
アレックスは生き残りがいないか辺りを見渡したが、生きていたのは助けた1人の女性だけだった。
アレックスはとりあえずアルジェからいただいた傷薬を女性の傷跡に使った。
女性は必死ななって抵抗したのだろう、指先の爪が幾つかめくれて、服装は猿人に破られてピンク色の下着が見えていた。
アレックスはとりあえず女性の指先にも傷薬を使い、兵士達の亡骸をどうするか悩んでいると女性は意識を覚ました。
女性)「あの…私はティエラ王国のダイアン国王の娘エリスと言います。もしかしたら助けていただけたのでしょうか?もし、そうなのでしたらお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
アレックスは悩んだアルジェに人助けをした時は身元がバレたらいけないと言われていたからなんと答えたら良いのかと思っていたがいつまでも無言もマズイと思い、正直に話をしても良い話をした。
アレックス)「詳しくは言えないのですが…エリス様を助けたのは僕です。後、実は僕に指導していただいているあるお方から名乗る事を禁止されているのです…申し訳ありません…ですが、悪い事をしようとかそういうのはありませんので安心してください。…後は…エリス様の護衛の方々がこの山にいる猿人に殺されていまして、どうしたものかと悩んでいます。」
エリスはアレックスの話を真剣に聞いていたけれども、身なりが怪しい為に睨んでいた。
アレックスはどうしたら良いのかと悩んでいるとエリスから提案をしてきた。
エリス)「あなた様はおそらく命の恩人なのは間違いないと思っています。私の護衛の事ですが…出来ればティエラ王国までなんとかなれば、その…私にとって、とても大切な国民であり、兵士達でしたので…埋葬をティエラ王国で遺族の方々にもしっかりと説明とお詫びをしたいのです…」
アレックスは考えてエリスに答えた。
アレックス)「エリス様、僕から提案があります。…今から僕がする事を秘密にしていただけるのでしたら可能です。…どうされますか?」
エリスは悩んでいたが…頼れる人がいないので秘密にしますとアレックスに言った。
アレックスは死体になった兵士達を鞄の中に入れた。
エリスは目の前にあった兵士達がいなくなった光景を見て驚いていた。
アレックス)「エリス様、その…とても言いづらい事なのですが、服装がですね…」
エリスは改めて自身の服装を見て驚き叫びながら両手で自身の下着を隠していた。
アレックス)「エリス様、申し訳ありません。…それでなのですが、エリス様の服装をこのキントキ山の近くの街、リリック街でご用意をしようかと思います。しかし、僕は女性服を買った事がありません。ですので、今から僕は大きめのタオルをご用意します。エリス様はそれを体に巻いていただきまして、改めてリリック街でエリス様ご自身に服を買っていただく事は可能でしょうか?」
エリスは涙目でアレックスを睨んで、アレックスの提案を聞き答えた。
エリス)「タオルはどのくらいでご用意できるのですか?」
アレックス)「今すぐ用意します。…後…これも提案なのですが…僕自身だけでは怪しいと思っておられるので…僕の信頼するお方をここにお連れしてもよろしいでしょうか?安心してください。そのお方は女性なのです。…僕を助けると思って了解してください。お願いします。」
アレックスはエリスに頭を下げた。
エリス)「わかりました…それで私はこの後、何処にいたら良いのでしょうか?それとも一緒にこのキントキ山を下りたら良いのでしょうか?」
アレックスはほっとして答えた。
アレックス)「エリス様、ありがとうございます。エリス様は此処にいてください。僕は直ぐに戻って来ます。」
エリスは唖然として叫んだ。
エリス)「あなたは私にこの猿人のいるキントキ山の場所にずっといろとおっしゃるのですか?それはいくら何でも薄情かと思います。」
アレックスはどうしたものかと悩んでしまったので逆にエリスに聞いてみた。
アレックス)「エリス様のお姿を街までお連れするのはマズイと思いそう答えました。しかし、僕は直ぐに此処に戻って来る事が出来るのです。こればかりはエリス様に信用していただけないとなりません。僕はどうすればエリス様が安心してもらえるかを教えてください」
それを聞いたエリスは悩んだ…確かにこの者の言う事は正しい、私の格好を他の殿方に見られる事は我慢できない、ここでエリスはある事に気がついた。
私は今、この者に私の下着をさらしているというのに何故この者は私を襲ったり?みたいな事が無いのか不思議に思い素直に聞いてしまった。
エリス)「あなたは私の格好を見て犯そうとか…そういう感情は無いのですか?」
エリスは聞いてから後悔した…私はこの者に誘っているみたいに聞こえたのではと考えた。
アレックス)「エリス様、安心してください。僕には心に決めたお方がいますので、そのお方が悲しむ事はしません」
その話を聞いたエリスは、この者の思い人が羨ましく思った。
アレックス)「では、30秒…数えて下さい。それまでに戻って来ます。」
アレックスはエリスに力強く言った。
エリス)「わかりました。あなたを信用します。出来るだけ早く戻って来てください。」
エリスは覚悟を決めて涙目になり頷いた。
アレックスはエリスの前から消えた。
アレックスはリリック街で大きなタオルを購入して、よろず屋に急ぎ入った。
アルジェ)「アレックス!!何があったの?そんなに慌てて、しかも、その格好は…」
アレックス)「アルジェ様、お願いします。僕を助けて下さい。」
アレックスは必死になってアルジェに頭を下げた。
アルジェは理由はわからなかったがアレックスにお願いをされた事、アレックスに頼られた事に嬉しくなり、直ぐに自身も衣装を変えてアレックスと一緒について行った。
そこには破れて下着が見える服装を着た女性がいた。
アルジェはアレックスを一瞬、疑ったけれども必死に頼ってきた事から首を左右に振り、女性に話しかけようとして自己解決した。
[おそらくはこの女性がモンスターに襲われていた所をアレックスに助けられた、アレックスはこの女性の格好を見て女性服を用意したいけれども、女性服を買った事が無いからこの女性に女性服を買ってもらいたい、しかし、この女性の格好がマズイからアレックスは悩んであたしを頼ってきた?って感じかしら…]
アルジェ)「この外套を体に羽織なさい。後は、タオル出して…」
アルジェはエリスに外套を渡してアレックスに手を出した。
アレックスはアルジェにタオルを渡すとアルジェはエリスにタオルを巻きつけた。
アレックスはアルジェに頭を下げて感謝した。
アルジェはアレックスに近付き囁いた。
アルジェ)「アレックス、この後、どうするの?」
アレックス)「アルジェ様、このお方はエリス様と言うティエラ王国のお姫様で、この後、エリス様をティエラ王国にお届けして、僕の鞄の中に護衛のご遺体が入っているのですが、一緒にティエラ王国までお届けしたいと思っています。」
それを聞いたアルジェは盛大にため息をついてエリスに話しかけた。
アルジェ)「あなた、とりあえず、ティエラ王国に今すぐ行くから忘れモノは無いわね…それではいくわよ!」
エリスはもう1人の怪しい女性の言葉を聞いて驚いているとティエラ王国のライコウ城の入口の近くにいた。
エリスは訳がわからなくなってしまったが…アルジェがエリスの肩を叩き、エリスを正気に戻した。
アルジェ)「遺族の遺体は何処に置けば良い?」
エリスは直ぐに城の入口にアルジェ達を案内して、場内の霊安室に案内するとアレックスはご遺体を並べた。
アルジェ)「それでは、私達は行くわね。」
エリスの目の前から二人が消えてエリスは腰を抜かした。