アレックスの絶望
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翌日、アレックスはアルジェの言う通りに午前中に冒険者ギルドの依頼を終わらせて、お昼からよろず屋アルジェに来ていた。
お店の中に入るとアルジェが店番をしていた。
アルジェ)「いらっしゃい!!アレックス、今日からよろしくお願いでありんす。まずは、いつも鍛練をしていた部屋の中にバルトロがアレックスを待っているから支持通りに頑張ってね。何度も言うけんど…無理はせんでね。」
アルジェの顔が優れずに不安そうにアレックスの顔を見ていた。
アレックスはアルジェの両手を取り、「心配させてすいません」と謝り、笑いながら「それでは、言ってきます」と言ってアルジェの脇を抜けてお店の奥に向かった。
アレックスが部屋の扉を開けて中に入るとバルトロが待っていた。
バルトロ)「良く来たな。とりあえず、今日からひたすら走ってもらう。この平地を真っ直ぐ抜けるととても大きな扉があるから、今回はそこまで頑張ってくれ。ワシは先に扉の所で待っておるからアレックスはくれぐれも無理はするなよ。後は、この辺はモンスターは出ないから今はひたすら走れ!!では、ワシは先に行くぞ。」
バルトロはアレックスの目の前から消えるように走っていった。
アレックスはバルトロの後を追うように走った。
最初はアレックスも大丈夫だと思っていたけれども…走れども走れども…いくら走っても大きな扉どころかアレックスの周りには地平線が広がっていた。
アレックスが3日間くらい走り続けた所で少しつづ不安になりだした。
アレックスはこの部屋の広さ?に、ただ、ただ驚いていた。
部屋?この空間?では一定の明かりで、明るくなる事も暗い夜になる事も無く、時間の感覚がわからない所で、見つめる先はひたすら地平線が広がっていた。
アレックスが走り始めておそらく感覚で1週間くらい経過したが…地平線が広がりアレックスはアルジェの為にと考えてひたすら走った。
アレックスの感覚が無くなり始めた時、地平線にとても小さな扉が見えてアレックスは嬉しくなり頑張って走った。
その日から一生懸命に走り続けたが小さな扉に近付く事がなかなか出来なかった。
その日からアレックスの体調がおかしくなり始めて走っている途中に何度も胃液を吐いた。
そこでアレックスが不思議に思い始めたのは、走り始めて一度も食事を食べていないのに少しもお腹が減らない感じに疑問を感じた。
アレックスの頭の中が真っ白になり始めてきた時、アレックスはアルジェの不安にしている顔が頭の中に浮かんだ。
アレックスの走る速度も少しつづ遅くなりだし、無心で走っていると目の前に扉の模様がはきっりと見えてきたがアレックスはそこで力尽きて倒れた…
どのくらい寝ていたのか…アレックスは立ち上がり歩きながら扉に向かって少しずつ進んだ。
その日から一心不乱に歩いて前に進むと…アレックスは意識を失った。
アレックスが意識を覚ますと目の前にとても大きな扉の前に到着していた。
そこでバルトロがアレックスの側に歩み寄って手を取り起き上がせた。
バルトロ)「アレックス…大丈夫そうか?起き上がれるか?…とりあえず…スタート地点にようこそ。」
バルトロにそう言われたアレックスはその場に倒れて意識を失った。
アレックスが目を覚ますと、目の前にアルジェの不安そうに覗く顔が見えた。
アレックスは嬉しくなり、いきなりアルジェに抱きついた。
バルトロ)「このたわけがー!!!!」
そこでバルトロのゲンコツがアレックスの頭に当たり気絶した。
アレックスの意識が戻ると…アルジェがアレックスのおでこに冷えたタオルを乗せていた。
アレックス)「アルジェ様…ありがとうございました。アルジェ様の言いたかった事がわかりました。僕はアルジェ様の顔を見て、更にやる気が出てきました。これから毎日頑張ってあの扉に行きます。」
そう言うアレックスの顔を見たアルジェは静かに涙を流しながら、「ほどほどにね」と泣きながら笑った。
その日から1日経過するとアレックスは不思議と元気になっていた。
アレックスはアルジェに感謝して、依頼をする為に冒険者ギルドに向かった。
アレックスがそんな日々を過ごしていると日付感覚がわからなくなりだし、そんなアレックスにアルジェが言ってきた。
アルジェ)「そろそろ1ヶ月が経過するけれども…アレックスはどうしたい?」
アレックスはアルジェに継続する意思を伝えた。
その日から更に1ヶ月経過した…