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よろず屋のアルジェ  作者: う丸
2/19

アレックスの危機

本日、2回目の投稿になります。


次は…明日になるかと思います。


本日もありがとうございます。

アレックスは仕事をしている1週間の内、1日は自身の休みを取るようにした。

次の休みの日はアルジェに会えると思いながら仕事をしていると急に楽しくなりだし、待っていたお休みの日になるとアレックスは嬉しくて普段は買わない甘いお菓子と紅茶を持ってアルジェのいるお店に向かった。

お店の中に入るとアルジェはウトウトと体を揺らしながら椅子に座っていた。

アレックスはお店に入る時間が早かったかと申し訳なく思い黙ってアルジェの今にも寝そうな顔を眺めていた。

そこでアルジェとアレックスの目がばっちりと合いアルジェは慌てて身だしなみを整えた。

アルジェ)「アレックス、おはよう…少女の寝顔を眺める趣味は良くないどすぇ」

アルジェはアレックスの顔をジト目で見ていた。

アレックスは苦笑しながら、お菓子と紅茶をカウンターに置いた。

アルジェは目の前にあるお菓子に目を輝かせて口元からは(よだれ)が出そうになりジュルリと音を立てて自分の腕で口元を(ぬぐ)った。

それから二人はお菓子を食べて紅茶を飲みながら会話に花を咲かせていた。

急にアルジェはアレックスの顔を見て心配するようにして言った。

アルジェ)「アレックスは今の生活に満足しているのかぇ?」

アレックスはアルジェの顔を見て笑いながら言った。

アレックス)「最近は1週間の内、自身の休みを1日作ったからアルジェに会えると思うと毎日が凄く楽しいよ」

アルジェ)「しかし、生活は苦しいであろう?もう少し楽したいとは、考えたりはせんのかぇ」

アレックスは少し考えてアルジェに答えた。

アレックス)「今の僕にはもったいないくらいに毎日が幸せだよ。」

アルジェは満足にしているアレックスを見て少しため息をついた。

そこからアレックスは何を話す訳ではないがただアルジェがお菓子を美味しく食べている顔を見て微笑んでいたがアレックスはアルジェにお願いをした。

アレックス)「この後アルジェ様と一緒に食事をしてみたいのだけれどもダメだろうか?」

アルジェは「う~ん」と(うな)りだし考えていたが首を左右に振った。

アルジェ)「アレックス、申し訳無いけれども次回にお願いしてもらいたい。今日は堪忍(かんにん)しておくれで無いかぇ」

アレックスは残念そうにしてアルジェに次こそはよろしくお願いしますと言った。

アルジェも申し訳無い顔をして今日は堪忍やと言っていた。

そんなこんなで今日もアレックスの楽しかった日も終わりを迎えるように外は夕方になりアレックスは寂しそうにしてアルジェと別れた。

アルジェもアレックスの寂しくしていた顔が忘れられずその日は唸っていた。

そんなある日、アレックスがいつもの仕事をしようと冒険者ギルドに行くといつもの掃除の依頼がなかったので受付嬢のマリアにアレックスは相談をして簡単な依頼を紹介してもらった。

マリアが言うには薬草を集める依頼らしくアレックスはこれから取りに行く薬草の見本を穴が開く程見て覚えた。


初めて街の外に出たアレックスは真剣な表情で薬草を探していた。

そんな時、アレックスが林の中に入って探していると林の奥からバトルドッグが5匹がアレックスの目の前に現れた。

アレックスは冷静に対処しようとバトルドッグ達の目を見て少しづつ後退していたがシビレをきらした1匹のバトルドッグがアレックスに飛びかかった。

アレックスはビックリして後ろに(つまず)き倒れてしまった。

アレックスは慌てて転がるように逃げたけれども5匹のバトルドッグに囲まれてしまった。

アレックスは周りを見渡して平原が見えたので平原に逃げようと走ったがバトルドッグに両足を噛まれてアレックスは転げるように倒れてその場から立ち上がる事が出来なくなった。

アレックスは必死になって生き残る方法を考えたが、戦闘経験が無いアレックスはどうにもならないと諦めかけた時、アルジェの悲しそうにしている顔がアレックスの頭の中に浮かびあがった。

5匹のバトルドッグはアレックスの両腕に噛みつき、続いてアレックスの首に噛みつこうとした時、アレックスの体の下に真っ暗な空間がいきなり現れてアレックスはその空間の中に落ちていった。


アレックスが目を覚ますとアルジェが泣きながら看病をしていた。

アレックスは訳がわからなくなり、辺りを見渡すとアレックスの体は豪華なベッドの中にいた。

ベッドの周りには真っ白な壁に豪華な絵画(かいが)が立て掛けてあり、天井には綺麗な絵画が描かれていた。

アルジェ)「アレックス…気がついたか?…この大馬鹿者!!少し遅れておればお主は死んでいたぞよ!!もっと自分を大切にするのじゃ!!わかっておるのかぇ」

アルジェはアレックスの体の傷に薬を塗り包帯を巻きながら泣いていた。

アレックス)「アルジェ様…申し訳ありません。今日はいつもの仕事がなかったので、いつもと違う仕事をしました。すると林の奥からバトルドッグが現れて…本当に死んだと思いました。最後の瞬間に僕の頭の中でアルジェ様の悲しい顔浮かび必死に生きようと思いましたが僕には戦闘経験がありませんでした…」

アレックスも静かに涙を流してアルジェに謝った。

アルジェ)「アレックスは本当にしょうがないヤツなのじゃ…今は傷が治り、回復するまで此処で寝ておるがよい。安心せい、もう大丈夫じゃ」

アルジェはアレックスの胸に顔を押し付けて静かに泣いていた。

アレックスはそんなアルジェの姿を見て物凄く後悔した。


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