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第二話 初めての会話

 それから次の日。

 いたって普通の昼食タイム。男女一緒にいることはそんなにめずらしいものではない。


 脳内に爆弾がつけられた最初の頃は、何かの冗談だろうとイチャラブしようとした人が多かったが、その人たちはまとめて爆発し、一気にその危険性が広まった。

 そこから男女の隔離が徹底されたが時が経ち、今のような状態になった。


 教育方針そのものが変わったのだ。


「あら、髪を切ったのね」

 

 横から覗き込むように話しかけてきたのは美理だ。


「べ、別にお前のためなんかじゃ……」

「うれしいわ」


 慣れない視線のせいで少し顔が火照る。


「……そうかよ」


 久しぶりに前髪を切ってきたので少しスースーする。

 美理の前ではああ言ったが、前髪を切ってきたのは昨日のことが原因だった。


「恋ってどんな味だと思う?」

「何を、いっているんだ」

「そのままの意味よ」


 後ろを向いたまま、綺麗に首だけを向けそう言った。


 恋、恋愛。それは互いに好きになること。

 このご時世にこいについて語るなど、禁忌に近いこと。

 それを彼女が話す理由……わからない。


「まあわからないならいいわ。それよりあなた前髪切ったほうがいいわよ?」

「いきなりよくわからない質問してきてそれかよ。一体何なんだ」


 当然の事のように突っ込んでくる彼女に対して、反射ですこし強い口調で帰す。


「あなた、他人が怖いのね。もはや自分ですら信じてないって感じがするわ」


 図星だ。俺は人が嫌いである。

 周りと違うところがあればすぐにはぶかれるし、なにより生きていることを許さない。

 いじめられてからというものの、周りの視線が怖い。まるでこちらをみてあざ笑っているような感じがする。

 前髪を長くしてれば少なくとも他人と目を合わせる必要がない。


「切ったほうがいいんじゃない?だらしないわよ」

「お前に俺の何がわかるんだよ!」


 親切に教えてくれている彼女に対しての、完全なる逆ギレである。


「それもそうね。今まで話したこともないものね」

「もういいだろ、俺は行く。お前も遅れるなよ」


 教室を出ようとした時、そのまま腕をつかまれ引き留められる。

 その細い腕は想像以上に力が強く、振り払おうとしても解けない。


「まだ話は終わってないわ」

「なんだ、まだあるのか」


 彼女は少しムッとして言った。


「今まで話したことはないけれど、ずっとあなたのことを見ていたの」

「そ、それがどうしたんだよ」


 正直うれしかった。少しでも可能性を感じられたから。


「とにかく前髪を切ったほうがいいわ」

「お前に関係ないだろ」


 だが、それとこれとはちがう。

 必要に前髪を切るのを迫ってくる彼女に対して苛立ちを覚え始める。


「いいえ、関係あるわ」

「なにがっ!?」


 怒りに身を任せ、振り向こうとしてそのままバランスを崩し、倒れる俺と美里。

俺の上に覆いかぶさるように倒れたため、息がかかるほど近くにいるため、鼓動が上がり続けている。


「あなたの目を見れないじゃない」


 ―――――


 そして話は冒頭に戻る。


「放課後空いているかしら」

「空いてない」


 昨日の件もあるし、いくら好きだとはいえ、正直関わりあいたくない。


「空いているわね。あなたの家に行かせてもらってもいいかしら」


 美理はまるでそれが普通かのように言った。


「突然すぎるだろ!」

「断ったら放課後の教室で押し倒されたって皆に言うわよ?」

「わかった!わかったから、それだけはやめてください」


 こうして知り合って二日で自分の家に半強制的に招待することとなった。

こんにちは、ピスタです。

最近やる気が出てきていい感じです。

実際の恋愛というものを経験したことがない私にとって未知の領域を書いているわけですが、ここに現実を持ってくることはやめましょう。作者が死んでしまいます。

少し短かったでしょうか。

ということでこれからもよろしくお願いします!

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