ライブ
「ライブ行くの久々っ」
彼女は楽しそうに俺の横で跳ねている。
今日は久々に彼女と休みが重なったということで、彼女が行きたかったライブへと向かうことにした。
ちなみに、俺は有休を使ったということは秘密だ。
「そうだな、いつ以来だ」
付き合ってから4年、すっかりと社会人も板につき、なかなか互いに同棲をしていても会う機会が少なくなる。
でも、こうやってしっかりと遊びにいけるぐらいには仲良しのままだ。
「この駅だな」
電車が止まる。
たくさんの人が、車両から吐き出されていくと、そのうちの2人は俺らだ。
手野公園であるらしいが、最寄り駅として指定されたのは手野駅と呼ばれる、手野鉄道の駅だ。
手野市の中心部にあり、手野公園からはバスでも30分くらいかかる。
もっと近い駅はあることはあるが、混雑緩和のために一方通行になっていると、ホームページに書いてあった。
そこで、ここで降りて、シャトルバスに乗って向かうことになっている。
軽食をコンビニで買って、バスを待つこととした。
ただ、コンビニもにぎわっていて、店員さんはてんてこ舞いだ。
「大変そうだねぇ」
まるで他人事のように彼女がつぶやく。
「水とあとはサンドイッチ、もう1本水だな」
夏場じゃないが、水分補給ができるところはそもそも限られる。
水を持っていくのは必須だろう。
コンビニに並んで15分、さらにシャトルバス待ちで30分。
バスは満員で、手野公園正門前までノンストップで動いていく。
カーブやブレーキで揺れるたびに、扉にもたれかかっている俺に、彼女がさらにもたれかかる。
「……えへへ」
何かうれしいようだ。
ただ、それを聞くことはしなかった。
公園につくと、ライブ会場までの道が書いてある。
と、同時に、かなり大規模な会場になっているらしく、公園の中で蒸気機関車が走っていた。
「あれ乗ってみるか?」
俺が彼女に聞くが、興味はすでにライブ会場へと向かっていた。
俺らは結局、歩きで行くことになった。
会場はすでに熱気にあふれていた。
「んで、どこなん」
「第4ステージだって」
パンフを受付でもらい、ついでに入場料を支払って、首からIDカードをぶら下げて、その横で売っていたいろんなグループのグッズのうち、好きなグッズをしこたま買い込んでいた。
会場は公園の半分に、あちこちに大小さまざまなステージを作っていた。
そのうち、第4ステージは、大きさでいえば全部で10あるステージのうち下から3番目だ。
それでも、熱狂的なファンが集まりやすいと言われている。
……らしい。
ライブは午後5時からはじまり、午後9時まで続いた。
その間、ひたすら跳ねたり跳んだり、廻ったり。
何かいろいろとしていた気がする。
休憩なしにしていると、さすがに腹がすいた。
始まる前に軽食を食べていたとはいえ、なかなか重労働の後のような体の重さを感じる。
「どこか食べていくか」
「いいね」
彼女も息が軽く上がっていて、テンションも上がり気味だ。
まずは何をするにしてもご飯から、と考えて、俺らは手野公園を出た。




