第零怪 怪奇譚
祝1話‼︎
怪奇譚開始‼︎
2016年 1月10日 日曜日
はぁー…はぁー…
なんだ?視界がおかしい。
気分が悪い。
そして、体も燃えるように…いや、まるで自分が太陽の中にいるように熱い。
「………」
今、熱いと自覚した途端無性に熱くなってきた。
熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いあ、つ、い、あ、つ、い、あ……つ……い…………
8日前
2016年 1月2日 土曜日
ダンダンダン…
「あぁうるさいなー」
誰かが階段を上ってくる音がする。
その音で起きてしまった。
いや、起きてしまったと一般的にはいうけれど、詳しく今の僕の状況を表すのであれば、それは、目を開けてしまったと言うべきなのかもしれないと僕は思う。
なぜなら、今の僕は頭がボーッとしていて何も考えられないからである。
というか、正直言ってまた寝たい。
そう思った時、ドアをノックする音がした。
だが、今の僕は動きたくないし、どうせ『やつ』だと思ったので、布団の中に潜った。
そして、目を閉じてまた寝ようとしたその時『やつ』がドアを開けて入ってきた。
『やつ』がどんどん近づいてくる。
僕は、『やつ』の足音で僕との距離を心の中で予想する。
後3m
後2m
後1m
後10cm…
「ええーーーーい‼︎‼︎」
『やつ』が、僕が潜っていた布団を持ち上げ僕から奪い取った。
「お兄ちゃーん‼︎今日、一緒にゲームで遊ぶ約束したでしょー⁇早く遊ぼー⁇」
そう、『やつ』とは僕の妹である。
あーあ、ほんと起きるのダルい…
僕は、「後、5分」と即答する。
「えぇーーー‼︎そんなこと言わないでさ‼︎早く起きてよーーー‼︎時は金なりだよ、お兄ちゃん‼︎」
はぁー…時は金なりとか言われてもなー、少しでも長く布団の中にいたいなー…ならばせめて‼︎
「後2分ぐらいは寝かせて‼︎」
「えぇーーー‼︎仕方ないなー‼︎後2分だけだよ⁇じゃあ、私は先に1階に降りてるから‼︎お兄ちゃんも2分ぐらいしたら2階から1階に降りてきてね〜☆」
と言って妹は出て行った。
はぁ…仕方ないなーと思いながらも、2分後1階に降り、顔を洗った。
今日は、1月2日。
お正月だ。
僕の名前は、高野原 帝二。
高校1年生だけど、今年の4月に2年生になる。
年は16歳。
どこにでもいる普通の高校生である。
いや、もしかしたら最近の高校生の中では、普通の高校生の方が珍しいのかもしれない。
家族構成は、妹が1人、母親と、親父の4人暮らしだ。
今は、冬休みなので、ゆったりと平凡なダラダラとした暮らしをしたかったのだが何かと忙しい…
顔を洗い終わった僕は、リビングへと向かい、母親と親父に「おはよう」と挨拶をして朝食を食べた。その朝食を食べている途中に、
「今日はどっか行く予定でもあるの?」
と母親が聞いてきた。
「いや、特に何もないけど…午後からちょっと本屋でも行こうかなとは思ってる」
まあ、正直言って正月はどこも混んでいるのでどこにも行きたくはないのだが、ずっと家にいてもつまらないので、なんとなく本屋で漫画を1、2冊買おうと思ったのである。
その後、朝食を食べ終わり、午前中は何事もなく妹とゲームをし、今は午後で、本屋にいる。
何事もなくというのは少し違っていた。
訂正。
ゲームのどうでもいいようなことで喧嘩をしてしまった。
その喧嘩は一応仲直りをしたのだが、むしゃくしゃしている僕は昼食を食べて家を飛び出してきて僕は今、本屋にいるという経緯だ。
本屋に来た目的はもちろん漫画だ。
僕は、まあ正直世間的に言う中二病を微妙に患っている。
微妙に、となぜ言ったかというと、自分が中二病であることを僕自身は認めたくないのだ…
まあ、だからといって家族全員から中二病だと言われているのだから認めざるを得ないのだけれども…
そして、この微妙な中二病の僕が好きな事、というか趣味は、自分で想像したキャラを絵に描くことである。
ちなみに今までに想像して絵にしたキャラでも1番のお気に入りは、吸血鬼レインハートと、創造神ゼシルという2人のキャラである。
吸血鬼レインハートは、相手を凍りつかせる眼を持ち、不老不死の能力を持ち、相手の1度受けた攻撃は2度と効かないというチート並みの能力を持っている設定だ。
創造神ゼシルの方は、その名の通りどんな物でも物体であれば創造が可能であり、さらに約10分の時間をかけて創造することで、必ず殺せる剣や、敵を追尾する銃など、自分で想像した能力を創造した物につけることができるという吸血鬼レインハートにまけないぐらいのチート並みの能力を持っている設定だ。
まあ、そんな想像をしたって、いくらその想像したキャラを絵にしたって全く意味はないのだが…(内心どこかで、自分の書いたキャラが現実の世界に飛び出してこないかと思っていたりもするが、そこにはあまり触れないでほしい)
本屋に着いた僕は、今話題の漫画を確認していた。
そこには数々の漫画が置いてあったのだが、だいたい全ての漫画を僕は持っていた。
そう‼︎僕は、漫画をコレクションするという趣味も持っている‼︎が、それについて説明は特にしなくても良いだろう。
特にどの漫画も新刊は出ていなかったので、僕はラノベコーナーを見ることにした。
ラノベといえば、やはり主人公最強系や、ハーレムの恋愛系が定番である。
僕は恋愛系のラノベを読んだ事がないので恋愛系のラノベはよく分からないが、主人公最強系のラノベは、どれも面白く、文字が並んでいる小説なのにすぐに読めてしまう。
ただ、僕が思うにだいたいの主人公最強系でもラスボスは主人公を上回る強さを誇るので、主人公最強とは言えないと思ってしまうけれども…(主人公を最強というのであれば、ラスボスは最凶かもしれない)
ラノベコーナーも、特に欲しいラノベもなかったので帰ろうと僕は思った。
………いや、待てよ‼︎ちょっとだけHな本を見て行こう。
Hな本は、ここに詳しくは書けないのでご想像に任せよう。
なので、Hな本の説明省略。
結局特に欲しいという本が見つからなかったので帰ることにした。
時計を見るともう、時間は午後4時40分になっていた。
家を出たのがだいたい午後1時ぐらいだったので、3時間半ぐらい本屋にいたと言うことになる。
あれ⁇3時間半も本屋にいたかな⁇と疑問に思いつつ家に帰った。
家に到着し玄関を開けると目の前に、妹が立っていた。
「お兄ちゃん‼︎3時間半も何してたの⁇本屋以外にもどこか行ったでしょ⁇」
妹がすごい勢いで少し怒り気味の口調で言ってきた。
「行ってないよ」
と僕は言ったものの嘘だと思われ信じてはくれなかった…
いや、本当に事実本屋しか行っていないのだが…
「お兄ちゃん‼︎右手に持ってる紙何⁇」
と妹はいきなり怒っていた感じから通常状態(怒っていないいつもの妹)になり、聞いてきた。
そう。あれは2分前の出来事。
2分前 回想
僕は家に帰ろうとしていた。
その時、まるで幽霊のような白い肌をした5歳くらいの男の子から、『あげる』と言われ紙を貰ったのであった。
基本怪しいものなどは、貰ったりしない僕なのだが、その時の僕にはなぜか『その紙を貰う』という選択肢しかなかった。
もっと分かりやすく言うのであれば、その紙を貰う事は決定事項でありどんなに頑張っても変えられない運命のような感じだった。
回想終了
「お兄ちゃん‼︎右手に持ってる紙何⁇」
「ああ、これはついさっきここら辺でもらった紙だよ。」
すると、妹はニヤッと笑って、
「もしかして、女子からもらったラブレター⁇」
なぜそうなる⁉︎
だがもしかしたら、今妹は中学1年生なのでそういう恋愛などに興味がある時期なのかもしれない。
「いや、この紙はそこらへんの男の子からもらったやつだよ」
「えっ⁇男の子から⁉︎その男の子ってどんな顔してたの⁇」
と妹はいきなりその男の子に、興味を変えてきた。
全くなんて妹だ。
はぁ仕方がないなー…どんな顔か詳しく面白く妹に伝えてやろーではないか‼︎
「……………………」
あれ⁇おかしい…顔が思い出せない。
初めて会った顔だから思い出せないのも分かるとみんなは言うかもしれないが、そういうのとは違う。
言葉で表しづらいのだが、あえて言うのであれば人の顔がくり抜かれた写真という感じだ。
その男の子を思い出した時、なぜか顔がくり抜かれて穴が空いている男の子を想像してしまう…
想像したキャラを絵にするぐらいの僕だから想像力には自信があったのだが思い出せない…
やっぱり思い出すと必ず顔がくり抜かれている男の子を想像してしまう…
その男の子を想像するだけで気分が悪い。
吐きそうだ…
もう想像をするのはやめよう。
「ごめん…顔を忘れた…」
「ううん‼︎いいよ‼︎でももしかして、その男の子って顔がなかったりしたんじゃないかなーって‼︎最近ここら辺で流行ってる怖い噂なんだけどねー‼︎まあ、嘘だ思うけどねー‼︎」
「……‼︎‼︎」
これは、確実に僕の会った男の子の事だ‼︎
だからといって今妹に、僕が会ったのがその男の子だ‼︎と言っても妹はそういう幽霊のような存在を信じない人なので信じてはくれないだろう。
ただ、その怖い噂というのがどういう噂か聞いてみたいので、恐る恐る聞いてみることにした。
「なあ、その怖い噂ってのはどういう噂なの⁇」
「えっ‼︎その噂⁇いやーなんかね、その顔がない男の子(妹は顔がない男の子と言っているが、正確には想像した時顔がくり抜かれている男の子)に会った人は、次の日、前日の男の子と会った日の記憶が丸々1日分なくなってるんだって‼︎」
僕はそれを聞いて恐怖のあまりこの場から動けなくなっていた。
マジかよ‼︎今日の記憶がなくなるだって⁉︎
「でも1日ぐらい記憶なくしたってどーってことないよねー‼︎」
と妹は言葉を付け足した。
僕は今妹にものすごく腹が立っていた。
確かに客観的に見れば、1日ぐらい記憶をなくしたってそれがすごく重要な日でもない限りどうってことないのかもしれない。
しかし、僕は、全然そうは思わなかった。
僕は、怖かった。
こんなので怖がるのはおかしいと言うかもしれないが、僕は今恐怖という感情で頭の中がいっぱいだった。
多分それを、明日聞かされるのであれば怖くはなかったかもしれないが、今日、これから記憶が消えると思うと怖くて怖くて仕方がなかった。
約1分の時間が経ち、少しの間恐怖で動けなくなっていた体もやっと少し落ち着いて動けるようになった。
でも怖い…怖い怖い怖い怖い怖い…
怖いから、その恐怖から逃げ隠れるためにも、自分の部屋に行こう。
そう思った僕は急いで、慌てて2階の自分の部屋に走った。
その時、妹の「お兄ちゃん‼︎その右手の紙に何て書いてあるか見せてよー‼︎」という声が聞こえたが、この今の僕の恐怖をどうにかしたいと思っていた僕はその声を無視して、自分の部屋に駆け込み布団の中に潜り体をまるめた。
僕の体は震えていた。
汗もダラダラと流れていた。
どうして、こんな目にあわなきゃいけないんだよー…
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…
今日の記憶が消えるという得体の知れない恐怖に僕は怯えていた。
はっきり言って、あの時好奇心で噂の内容を聞かなければよかった。
それさえなければ知らず知らずのうちに明日朝起きた時には、今日の日の記憶はなくなっていただろう。
それどころかむしゃくしゃしたからって本屋に行かなければよかった。
まあ、今後悔してもどうにもならないのは分かっているが…
記憶を失うという感覚を味わったことがないのでどういう感じかは分からないが、それが良い事ではないという事は僕でも分かる。
その後僕は、自分の部屋にこもり、自分の布団に潜っまったまま明日が来るのを待った。
母親が「夕食を食べないの?」と来たがこんな状況で、当たり前だが食欲が出るわけなく夕食は食べていない。
本当に今日の僕が殺されてしまうのか…(なぜ、今日の僕が殺されるなどという表現をしたかというと、今日の記憶が消えるという事は今日の僕が殺される事と同じだと思うからだ。)
だが、その噂が嘘だという可能性も高いし、もしも、その噂が本当だとしてもその噂に出てくる顔のない男の子というのが、僕が会った男の子とは限らないのだし…
でも、顔のない男の子なんてのは早々いるわけがないし…いや、この世界に1人しかいないだろうし…いやいや、普通の人ならば顔のない男の子なんてどっかの怪談話の迷信で、この世界に1人もいないと思うだろう。
僕だって、本屋を出るまではその普通の人の1人だったわけだし…
まあ、だからといって過去に戻れるわけでもないし、今から何をしても多分記憶は消えてしまうのであろう…
なぜなら、だいたい幽霊が出てくるホラー映画は、主人公は幽霊から頑張って逃げるが最終的には、殺されてしまうからである…
なので、僕は絶対にホラー映画の主人公のように幽霊から逃げるなんていう無様なマネはしない。
7日前
2016年 1月3日 日曜日
0時0分。
ついに、その時が来た…
記憶を消される時だ…
記憶を消されるのは怖い…
ただ、怖いからこそ眠れない…
そして、少し好奇心もある。
…
…
…
誰かが部屋の中にいる感じがする。
訂正。
誰かというよりは『ナニカ』という感じだ…
僕は怖くて、上を向き目を閉じた…
心臓の鼓動が激しくなる。
怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
『 怖い』
なんだか眠くなってきた…
こんなに怖いのに、こんなに心臓の鼓動が激しいのに、こんなに『ナニカ』が近くにいるのに眠い。
いや、もしかしたらこの『ナニカ』のせいなのかもしれない。
よく考えれば、体も動かない。
なんだ自分はどうなるんだ⁉︎
……眠い…もう…起きていられない……
X日前
XXXX年 X月X日 X曜日
目が覚めた。
ここはどこだ⁇…
白い部屋…いや、違う‼︎部屋ではない‼︎白い無限に続く空間のような感じだ。
ここはどこか⁇という事も気になるが、それよりも僕が1番気になっているのは何時間ぐらい寝てしまったのか⁇ということだった。
なぜかものすごく長い時間寝ていたような感じがする。
さらに、トイレにも行きたくならないしお腹も空かない…不思議な感じだ。
その時、声が聞こえてきた。
「お前は永遠に生きたい、永遠に遊びたいと思った事があるか⁇」
どこから、誰が話しているんだ…
もしも…こういう物語の本の主人公がこういう状況に陥った時、主人公がまず最初に言うであろうセリフを引用して使わせてもらおう。
「お前は誰だ⁉︎そして、ここはどこだ⁉︎」
よっしゃー‼︎カッコよくセリフが決まったーーーーーーーーー‼︎
「フフフ…そこの人間よ‼︎威勢がいいなぁ‼︎だが、それよりも先に気づく事があるのではないか⁇」
そうだ‼︎その時初めて気がついた。
1人この未知の白い空間にいるのだから、もっと怖くなってもうそれこそ人格崩壊ぐらいあるかもしれないのに今の俺はここにいても怖くない。
怖くないどころかなぜかこの白い空間は、恐怖という感情よりも真逆で落ち着くのだ…ここは、まるで天国という感じだ。
「フフフ…気がついたか‼︎ここは私が特別に用意した空間だ‼︎人間を落ち着かせる癒しの効果がある‼︎」
何をいきなり言い出すんだ⁉︎
だが、1月2日にあれだけ夢のような体験をしたのだから一応この『どこから喋っているかもわからない誰か』の言っていることも嘘ではないかもしれない。
その時、もう一つふと気がついた。
記憶はまだ消えていない。
そして、僕はもしかして、この空間で記憶を消されて、1月3日の朝を迎えるのかもしれないということに気がついた。
ならば一応この空間で何をされるかわからないから警戒しておこうと僕は思った。
「そう警戒するな‼︎そこの人間よ‼︎少し話をしようではないか」
確かに、今聞きたいことはたくさんある。
だから、「ああ、いいぜ‼︎」と答えた。
「じゃあ僕はお前に聞きたい質問が全部で5個ある」
まず最初聞いておかないといけないのはさっきの答えだろう。
「質問1、さっきも聞いたが、ここはどこだ⁉︎お前は誰だ⁉︎」
「フフフ…ここは、先ほども言った通り私が作り出した空間だ‼︎そして、私は『神』とでも言っておこうか‼︎」
神だって‼︎マジかよ⁉︎
「質問2、じゃあ、お前が神様だとするならば今から僕の記憶を消すのか」
「フフフ…消さない‼︎というよりむしろ真逆だ‼︎たまたま私が記憶を消されそうな人間を見つけて救ってやったのだ‼︎それがお前だ‼︎」
おいおい‼︎なんかすげー展開になってきたなー‼︎
色々とビックリしているが今は質問を続けることにした。
「質問3、僕が会ったあの男の子は一体何者だ⁉︎」
「フフフ…あれは俗に言う幽霊ってヤツだ‼︎
ただし、幽霊というものは基本存在しないのだ。なのでどちらかといえば、ゾンビといったところだ‼︎」
ゾンビ⁉︎じゃあ、頭を撃てば倒せたりするのかな…
「質問4、あの男の子を思い出した時顔を思い出せない‼︎というか顔の部分の記憶だけ抜き取られている感じだったんだがあれは何だ⁉︎」
「フフフ…お前が貰った紙があるだろ⁇あそこに顔が書いてあったのだ。あの紙を見た時、記憶が抜き取られるという運命が確定するのだ‼︎だがお前はあの紙を見なかった‼︎だからその運命を私が変えることができたのだ」
運命が確定する⁉︎よく意味がわからない…
「質問5、最後だ‼︎お前はこれから僕をどうするつもりなんだ‼︎殺すのか⁇」
「フフフ…ハハハハハ…お前が起きた時記憶が抜かれてない事を知ったらゾンビはまたお前の記憶をまた取りに来るであろう…今の時代、ゾンビに噛まれたなんて聞いたことがないだろう⁇昔のゾンビは、人を食料としていたが今のゾンビは違うのだ。人の記憶を食料としている。記憶は奪われたくないだろう⁇だからお前には力を与えよう‼︎
1月2日の夜寝て見る夢が初夢と呼ばれているのは知っているか⁇
初夢とは今年一年の運命を夢にしたものをいう。そして、今私といるこの空間は夢の世界だ。だからこそお前に力を与えよう‼︎それがお前の初夢であり運命だ‼︎
ただしこの力を与える代わりに、今世界各地で色々な怪奇現象が起きている。その怪奇現象を対処するのだ‼︎」
僕は驚きで、この場を動けなかった。
「む、む、無理に決まっているだろう⁇だって僕はあの男の子が怖かった‼︎これから先ずっとあんなのと戦うなんてごめんだ‼︎
しかも、怪奇現象をどうにかしたところで収入だってもらえないし、僕に何のメリットもないじゃないか‼︎」
僕は怖かった。
いくらここが癒しの空間だとしてもこれから怪奇現象とたくさん会うことになるのは怖かった。
「フフフ…お前がいやなのは分かった‼︎では、私は神なので、お前が死ぬであろう1月10日の世界に帰してやろう。それを踏まえた上でもう一度問おう」
死ぬだって⁉︎ふざけるな⁉︎
……ズ
ズ…ズ…ズ…ズ…
…なんだ⁉︎
音がして数秒後今僕が踏んでいる地面に穴が空いた。
「うわぁーーーーーーー‼︎」
僕はこの穴の中に落ちていった。
2016年 1月10日 日曜日
ダンダンダン…
誰かが階段を上ってくる音がする。
変な夢を見た…いや、…近くにあったスマートフォンで、日付を見たら1月10日になっていた。なので、夢ではないのだろう…
もし、夢でないのであれば今日、僕は殺される。
そういう事を考えているとドアをノックする音がした。
「お兄ちゃん⁇もう夜だよー‼︎」
その言葉は衝撃的だった。
もう夜だって⁉︎
あの神様は、殺される直前に僕を帰したのか‼︎
「僕はずっと自分の部屋にいたい」というような内容の話を妹に伝え妹には1階に帰って
もらった。
なんてことだ‼︎もうすぐ僕は殺されるのか‼︎
よく考えてみれば、このまま僕がこの家に居たら妹や、母親や、親父も殺られてしまうのではないか⁉︎
だが神様は、ゾンビは記憶を奪うと言っていた。
どうやって僕は殺されるのだろう⁇
そう思った時だった。
「ギャーーーー‼︎うあぁぁー‼︎嫌だよー…嫌だよー…死にたくないよー、ギャァァァァァー」
という声がした。
そして、その声を聞いた瞬間僕の顔から血の気が引いた…
なぜなら、その声は妹の声だった。
その後、「ギャァー」という母親の声が聞こえ、さらにその後、「やめろぉぉぉー」という父親の声が聞こえた。
2階の自分の部屋にいる僕のところまで家族みんなの叫び声が聞こえてくる。
やめてくれ、やめろやめろやめろやめろやめろやめろぉぉぉぉーー‼︎
僕のせいで家族が多分全員死んだ…
そして、今僕だけが生きている。
僕だけが、生き残ってしまった。
はっきり言って死にたい。
死なせてくれ。
その時だった。
自分の部屋のドアが開いた。
そこにいたのは、あの顔のない男の子のゾンビ…と+僕の家族のゾンビだった。(ゾンビの食べた人もゾンビに変える能力は当たり前だが元々持っている)
その時、あの神様が言った言葉を思い出した。
『昔のゾンビは人を食料にしていたが、今のゾンビは記憶を食料にしている』
そうだ…あの神様はゾンビが人を食べる能力をなくしたとは言っていなかった。
クソッ‼︎
ゾンビ達は僕の所に近づいてくる…
怖い…今からでも過去に戻れるなら戻りたい‼︎
死ぬっっっ
「うわぁーーーーーーー」
噛まれた…痛い…
2016年 1月10日 日曜日
読者の皆さん冒頭にお帰りなさい
はぁー…はぁー…
なんだ?視界がおかしい。
気分が悪い。
そして、体も燃えるように…いや、まるで自分が太陽の中にいるように熱い。
「………」
今、熱いと自覚した途端無性に熱くなってきた。
熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いあ、つ、い、あ、つ、い、あ……つ……い…………
そう‼︎自分はゾンビになりかけている…
体が熱いのは多分人間からゾンビに変わるからであろう…
その時だった…どこかで聞いたことある声、どこかで聞いたことあるような質問が聞こえてきた。
「お前は永遠に生きたい、永遠に遊びたいと思ったことがあるか⁇」
今なら言える。
「生きたい…もっと人生を満喫したい…そして、できれば家族を人間に戻したい」
「フフフ…ハッハッハ…そうかーー‼︎」
神様は満足そうだった。
「た、た、ただし、もう怪奇現象とか化物みたいなやつと会いたくない…そういう怪奇現象と戦う人生は嫌だ」
僕はきっぱりと相手が神であろうと言った。
「まあ、良かろう‼︎お前はどんな事をしていても、怪奇現象に会う運命なのだから」
やったー‼︎神からの許しをもらえた‼︎
(この時の僕は生き残ることに必死でその言葉の意味がまだわからなかった…)
その瞬間急に眠くなった…前と同じだ‼︎
2016年 1月10日 日曜日
ダンダンダン…
誰かが階段を上ってくる音がする。
そして、ドアをノックする音がする…
「お兄ちゃん‼︎もう夜だよー⁇」
前と同じだ…僕は過去に戻ったのか⁉︎
ということは僕は今神様から力をもらったのか⁇
これで、運命を変えられる⁇
これで、ゾンビを倒せる⁇
だが、もらった力とはなんなのだろう⁇
よく分からない…が、今は未来を変えるために行動しなくてはならない…
「一緒に1階にに行く」
と言い、僕は妹と一緒に1階降りた。
そして、僕は妹と母親と父親に「迷惑をかけたくないので家を出る」と言い、家を出た。
家族のみんながキョトンとした表情をしていたが、説明してもみんなは信じてくれないだろう…
家の前らへんで待っていると、小さな男の子がこの家に近づいてきた。
あいつだ‼︎間違いない‼︎
その男の子は僕の前まで来た。
勝負だ‼︎
男の子のゾンビは、突然噛みつこうとしてきた。
だが、勝負はすぐに決着がついた。
僕が勝ったのだ。
何が起きたかというと、突然噛みつこうとしてきた男の子ゾンビに反射的に僕が神様からもらった力が発動したのだ。
そして、その男の子ゾンビはどうなったかというと…凍ったのであった。
ただ、僕はそのゾンビには触れてはいない。
僕はそのゾンビを見ただけだ。
見ただけで凍ったのだ‼︎
それによりだいたい僕の能力が分かった。
僕はキャラを想像し絵にするのが好きだった。その中でもお気に入りのキャラに吸血鬼レインハートというのがいた。
その吸血鬼レインハートの能力を手に入れたのだ‼︎
そのうちの1つの能力の相手を凍りつかせる眼というのが多分今使った能力だ。
それならば、あの神様が言っていた『永遠に生きる』の意味も分かる‼︎
永遠に生きるというのは吸血鬼レインハートの不老不死ということと同じなのだから。
その後…
僕は吸血鬼レインハートの能力を手に入れた。
そして、もう2度とこんな怪奇現象には巻き込まれたくない。
これからは永遠に生きれるのだから永遠に遊んでいたい。
今は一応平和な生活を送っている。
今回僕は多くの失敗をした。
なので、この物語に題名をつけるのであれば、英雄譚ではなく、ただ僕が永遠に生きる力を手に入れた物語、永遠に遊べる力を手に入れたという意味で、永遊譚とつけるだろう。
あまり、小説などは書かないのですが一度書き始めたら止まりませんでした。
第1話目を怪奇譚にしたのは、内容がちょっとホラーっぽかったからですね‼︎
意味がわからないようなところも少しあると思いますが、大丈夫です‼︎
そういう伏線は全部回収します‼︎
2話では、吸血鬼の弱点や、その凍った男の子の後始末の話からスタートする予定です。
まあ、まだ1話の段階では名前のある登場人物は、主人公だけですからね‼︎
多分2週間〜1カ月ペースで投稿していくと思います‼︎
みなさん、これから応援よろしくお願いします。