夢
戦闘のあった次の日です
何気に今回の回に重要なところがあるかもですw
サァーサァーと草木が風になびかれる音がする
草原の真ん中に自分はいた
辺りは晴れていい天気だがどうせまたすぐ雨になるんだ
すると思っていた通りに辺りが暗くなり雨が降り出した
(ああやっぱりいつもの夢か・・・)
頭で理解したとしても目覚めず夢だとしても自分の好きなようにすることができずただその場で眺めているだけだった
倒れていた状態から立ち上がり全体の風景を眺めているといつもと違う点が1つだけあった
少し離れたところの木の下に人影があった
いつもはただ雨が降るってこと以外何もないはずの場所に人影があり
その人影が無性に気になり近づいていった
ある程度近づくと人影が女の子であることがわかった
木のすぐ後ろに着きその子の顔を見ると
年齢的には自分と同じくらいか1つ下ぐらいで身長は150後半くらいだろうか?
髪は麦わら帽子によって隠されているがたぶんそんなに長くはなさそうだな。顔は、少し幼さを残しているような感じで目がぱっちりとしていてくりくりしたような目であった。表情はどこはかとなく悲しそうな表情であった。
服は白のワンピースを着ておりまるで絵に描いたようなひまわり畑にいるようなお嬢さんって感じがした。
自分はこの子に会ったことがないはずなのになぜか懐かしさのようなものを感じていた
この懐かしさを確かめるために声を掛けようと口を開くが
「・・・・・・・!」
声が出なかった
声が出なかったことにも驚いたが、辺りが急に暗くなりその中で自分だけが取り残されるように木があった場所から離されていく
遠ざかっていく女の子に向けて手を伸ばすがもう届かないくらい遠ざかって折伸ばした手は空を切った、叫ぶように口を開くがやはり声はでず
(君は誰なんだ?ここを知っているのか?なあ答えてくれよ!!!!)
そんな叫びも声が出ていないので虚しくも届くはずがなく
その子からはどんどん遠ざかり暗闇の中に落ちていく
光は最後に大きく息を吸い込み叫んだ
(待っ・・・・・・)
「・・てっくれ!!!」
バサっと勢いよく布団をめくり手を伸ばし起き上がった
「ハァ・・ハァ・・ハァ」
嫌な夢を見た時のように起き上がり額には汗をかいていた
すぐさま呼吸を整え
「目覚めたのか?」
辺りキョロキョロと見渡し自分に与えられた寮の部屋だと確認した
(さっきの夢はいつもと違ったけど何だったんだ?)
可能な限り思い出そうとするが頭に靄が掛かったかのように鮮明に思い出すことが出来なかった
「ま、所詮は夢は夢だ。深く考えてもしょーがない。っと」
ベッドから降り体のチェックを行った
ググっと身体を伸ばしたり屈伸などをし全身をくまなく調べた
「まだあちこちが所どころ痛いが生活に支障をきたすわけでもないくらいには回復したか」
身体のチェックを終えると時間を確認し、6時を指していた
いつもの時間に目覚めていて光は少し驚いていた
あれだけ疲労していたのだから少しは寝坊しているのかと思っていたが、習慣というのは恐ろしいものだなと考えながらジャージを取り出し着替えいつも通りにランニングに向かった
この学園に入る前から毎日ランニングすることは日課となっていたのだ。入学してからもそれは変わらず続けていた。どうしても、ランニングができない状態にならない限りは
10キロを走り終わってからはシャワーを浴び学校に行く準備をし食堂に食事をとりに行った
そこでヒロとであった
「よう光、はよーす」
いつも通りに挨拶してきたので体の方は大丈夫なのかと安心し
「ああ、おはよう」
と挨拶をした
そのあと朝食を取りながら昨日のことを聞いてみた
「なあ。昨日風呂から出た後何をしてた?」
「んぐ?ゴクン。んだよ唐突に昨日かえっと風呂から出たあとは、部屋にもどってからで・・・・あれ?それからなにしたっけ?かっしなー覚えてないぞ」
ヒロはうーん、うーん唸って昨日のことを思い出そうとしていた。
どうやら昨日のことは覚えていないようだった。
それから、二人で学校に向かっている間もヒロは思い出そうとしたが結局は思い出せなかった。
しばらく歩いているうちに学園が見えてきた
(さて、昨日のことはもう問題になっているはずだし騒ぎになっているはずだ)
昨日のことを思い出しながら、校門をくぐり校舎へと入っていくが昨日と変わらない様子で周りは過ごしていた
「?」
頭の上で?をだし疑問に思いいろいろと考えていた
(なぜあれだけのことがあったのに誰も騒いでいないんだ?廊下も抉れているはずなのに)
下駄箱の前で履き替えず立ち止まっているとヒロが不思議そうな顔をし
「どうした?履き替えないのか?」
と聞いてきて慌てて履き替えた
(どっちにしろ、教室に行けばわかるか)
誰も騒ぎにしてないことを考えながら教室に向かった
そして昨日化け物と会った場所に着いたが目を疑った
「な!ウソだろ?」
目の前には昨日と変わらないままの廊下が目に入ってきた
(昨日あれだけのことがあったのに何もないだと!?)
急いで教室に向かい近くにいた奴に騒ぎや問題がなかったか聞くが返ってきた答えは
「は?騒ぎ何を言っているんだお前?」
と自分が期待していた答えとは違うものが返ってきた
後ろにいたヒロはさっきからこともあり疑問に感じ
「おい。どうしたんだよ?さっきといい今といい」
その問いかけに答える事無く教室を飛び出た
後ろからはヒロの声がしたが今はどうしてもすぐに確認がしたかった
廊下の人の間を走り抜け屋上へと急いだ
屋上の扉の前に着き勢いよく扉をあけた
「ははっ・・・うそだろ?」
もう笑うしかなかった
自分の目に入ってきた光景は
傷ひとつない壊れる前の屋上のまんまであった。