日常 ~異変~
少し話が進みます
たぶん次で本格的な戦闘をします
生徒会室を出て行った後、教室に置きっぱなしになっている鞄を取りにいくとそこにはまるで石造のように微動だに動かないヒロがいた。
俺が近付いて声をかけても反応がなかったのでちょっと(おもいっきり)殴ってみた
「痛ってー!ってあれ、光じゃんどうした?」
ヒロはまるで何でもなかったように俺に聞いてきた
「どうしたって、お前がどうしたよ。まるっきり動かないでいて。」
「?」
ヒロは俺が何を言っているかがわからないといった様子だったので
「はあー、いやなんでもない。それよりも昼飯食いに行こうぜ。」
「ん?ああ、ってあれもうこんなに時間たっていたのか。早く食堂に行こうぜ。」
時計を見ると1時30分と針が指していた。
授業終わってから1時間か結構時間たっていたんだな~など思いながら食堂に向かった。
食堂は流石にこの時間だと人がほとんどいなく手で数えられるくらいしかいなかった。
食後俺らは適当に部活の見学をして時間を潰した。
現在午後9時ベットに座り鞄から携帯を取り出そうとすると携帯は鞄になかった。
「あっ、いけっね~。机に入れっぱなしだった。
俺は携帯を机から取り出すのを思い出した。
「今から取りに行くのも面倒だな~どうするか?」
悩んだ挙句取りにいく事にした。
しかし、この学園の寮は特別な理由がない限り9時以降外出禁止なので玄関は鍵が掛けられている。
「まあ、俺には関係ないけど。」
窓を開け誰もいないこと確認し2階の窓から飛び下りた。
そしてそのまま校舎へと向かって行った。
走ること数分目的地に着いた。
しかし、今は学校内に誰もいるわけがないので出入り口は全部鍵がしまっているはずなので如何するか考えていると、ふと廊下の窓に目がついた。
そちらにいって見ると誰かが閉め忘れたのか窓に鍵がかかっていなかったのであった。
「ラッキー、誰だか知らないが閉め忘れサンキュー。」
そのまま窓を開け簡単に校舎に侵入することが出来た。
廊下は電気がついていないので真っ暗だったので、ポケットからあらかじめ入れておいたペンライトを取り出し明りをつけた。
照らし出された廊下を歩き目的地である2階の教室に向かった。
教室につき机を調べたらあっさりと携帯を見つけた。
「やっぱり、机に入れっぱなしだったか~。」
携帯をズボンにしまい帰ろうと教室を出た時
「っつ。」
何か変な気配を感じた
(教室を出るまで感じなかったのになんで急に気配を感じるんだ?警備員は今はいないはずならこの気配は?)
俺は警戒しながら気配が感じる方に向かっていた。
気配が強く感じるところまで近づきペンライトをそちらに向けた。
俺は目を疑った。そこにいたのは・・・
まぎれもない化け物であった。
「なっん、何だあれ・・・。」
それしか言葉が出なかった。
色は黒で顔はライオンぽいが顔より大きな牙が生えていて4本脚でたっているがその足全てに何かを引き裂くためについているかと思わせる鋭利な爪がついていた。これだけだったらまだ牙がでかいだけのライオンと思えるが、腹からは何かが飛び出ていて背中には羽らしきものが4つついていて顔は2つなのであった。
空想上の生物としてケルベロスという生き物がいるがそれとは何か違う感じであった。
ふと、その生き物と呼んでよいかわからない物体の足の下に何かいるような気がしライトを向けて見ると人がいた。
しかも目を凝らして見るとその人はヒロであった。
俺はヒロを見た瞬間化け物に向かって走っていた。
廊下に落ちていた廃棄するであろうイスを掴み化け物に向かって投げると化け物は後ろに飛びイスを避けた。
俺はすぐに横たわっているヒロに近寄り抱きかかえると
「ヒロ大丈夫か?しっかりしろ!」
ヒロからは反応がなかったが見た感じ怪我もなく死んでいるわけでもなくただ気絶しているだけとわかり、ほっとしたのもつかの間、化け物は俺達に向かって飛びかかってきた。
俺は素早く立ち上がりヒロを抱えたまま、バックステップでかわすと、俺たちがいた場所がぐしゃと音がしえぐられた。
(あんなのくらったら一撃で致命傷じゃあないか。どうするこっちはヒロを抱えているし武器も何もない)
化け物は考える時間を与えないように顔より大きな牙でかぶりついてきた。
寸でのところでぎりぎりかわすが服にかすったようで少し破けていた。
(考えている暇はない。どうにか逃げて巻くしかないか。・・・そもそも人を抱きかかえている状態で逃げ切るのか?)
などと考えたがとにかく今はこの状況をどうにかしようと体勢を整えようとした時ヒロのポケットからゴリッと何かにぶつかった、俺は素早くそれを取り出した今は少しでもいいいから何か役立つものが欲しかった。
取り出したものは、昼間使っていたインスタントカメラであった
(っく、カメラかこれじゃあ・・・いや待てよもしかしたら)
化け物はまた今にでも飛びかかってきそうな状態であった。
(仕掛けるタイミングは飛び出す瞬間、しくじればそれで終わりだ)
抱えているヒロを左肩にのせ右手にカメラを持って構えた。
すこしでも後ろに下がり距離を取りたかったがもし後ろに下がった瞬間に飛びかかってきたら反応出来なくて終わりであったためその場から動かないでいた。
ドックン、ドックン
心音がやけにうるさく感じ、額から出る汗がとても不愉快に感じていた。
時間がやけに長く感じていた次の瞬間化け物は飛びかかってきた
(今だ!)
化け物が飛びかかると同時に前に飛び出した。
そして、右手に持っていたカメラを投げた
化け物に向かってではなく壁に向かって
カメラが壁にぶつかった瞬間カメラは光った
その光は写真を撮る時に出るフラッシュであった。
化け物はフラッシュを近距離で受けたせいなのか的外れなところに爪を振った。
その間に化け物の横を通り抜け階段を上っていった。
「よし、うまくいった。ちゃんと光ってよかった。」
俺はそのまま5階まで行き屋上に出た。
どうせすぐにあれは追って来るんだから屋上で迎え討つつもりでいた。
屋上に着くとすぐにヒロを一段高い所にある、貯水タンクの裏に隠した。
すると、下から
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
と叫び声が聞こえた
「もう来たか。」
俺は立ち上がり屋上の真ん中に向かった
すぐに階段の方から(ドドド)と音がし直ぐ近くまで聞こえたと思ったら
ガっシャーンと扉がブッ飛ばされた。
出入り口から化け物が出てきたのを確認したら
目をつぶりカチリと頭の中で戦闘用にスイッチを切り替えた。
ゆっくりと目を開け化け物を見据え
「来いよ。化け物俺が相手だ!!」
戦いの火蓋が切って落とされた