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対面

輝夜姫とのご対面?です

俺はあのあと萃香に都に行く旨を伝えると萃香は必ず戻ってこいとだけ言った、勇義も了解してくれた。

現在は輝夜姫に会うための謁見の間の前の待合部屋に不比等とともに待っている。


「しかし大丈夫なのか?鬼雅殿?都には入れても輝夜姫の屋敷には帝直属の陰陽師がいますぞ?」


「そうだなぁ、此処の結界を見た感じ妖怪に反応するというより、妖力に反応するタイプの結界だったからなんとか出来る筈だな」


確か妖力を使わない妖怪はいた筈だ。

たしか・・・!

思い出した!


「"犬神"」


「む?鬼雅殿これは一体?」


不比等はよく分からなかったらしく俺に聞いた。


「犬神は人間が造り出した妖怪で多少の神力と霊力を持っている代わりに妖力が無い特殊な妖怪なんだよ」


「おお、それは聞いた事が有りますぞ、蟲毒の類いという訳ですな」


「ああ、少し違うけど大まかに言えばあってるよ、因みに犬神は陰陽術が使えるんだぜ」


「それは素晴らしい!それならばバレる可能性はほとんどありませんな!」


不比等ちょっと声がでかい。

感覚遮断結界を張ったからなんとかなったが、一応此処には他の貴族が居るのだから迂闊にペラペラ話さないで欲しい。

そんな事を考えていると待合部屋にかなり年配の老人が入ってきた。

多分あれが竹取りの翁なのだろう、俺にはただの成金にしか見えないが。

翁さんは部屋中を見回し俺と不比等さんの姿を見たところで見回すのを止めた。


「藤原不比等様と御付きの陰陽師様、どうぞお入りくださいな」


俺と不比等はお互いを見て頷き合い翁の後についていった。

謁見の間には輝夜姫らしき影の映っている簾があった。

恐らくあの簾の向こう側に輝夜姫が居るのだろう。

簾の向こう側から澄んだ綺麗な声が聞こえる。


『藤原不比等様、貴方は鬼の総大将、酒呑童子の首、でしたね?もう取ってこられたのですか?』


「その事なのですが、どうやら私には荷が重すぎたようでございまして」


『まあ、左様でございますか?しかし、だからといって私は貴方にやらなくても良いとは言えません、他の貴族のお方にも同じく難問を出してしまいましたから』


「いえ、そうではなく、荷が重すぎたと言うのは求婚の事で御座います」


『ふむ、それでは私への求婚を取り下げるのですね?』


「ええ」


どうやら求婚の取り下げについては上手くいったか。


『それで・・・そちらの御仁は?』


「はい、私はこの鬼雅殿に私が生と死の境界をさ迷っていた際に命を救って頂いたのでこれはぜひ、輝夜姫に会って頂きたいと思い、来て頂いた、こちら、辺境から来られた陰陽師の鬼雅殿でごさいます。」


「陰陽師の鬼雅です、都に世にも美しい人がいると聞きまして、これは面白いなと思いわざわざ都までやって来ました」


『まあ、面白いだなんて変わった方ですね、態々来られなくても大した物は出ませんよ』


ふむ、この程度では何とも言わないか。

これは益々もって興味深いな。


「実は本日此処に来たのにはもうひとつの理由が有ります」


『何ですか?』


「私をこの屋敷の警護に加えて頂きたく思い此処に参りました」


『それは・・・別に私のいる近くで無くとも屋敷の中なら何処でも良い、という意味でとっても良いのですか?』


こいつ・・遠回しに求婚目当てか探りを入れてきやがった。

良いだろう、そっちがその気ならこちらも容赦しないぜ!


「ええ、構いませんとも、むしろ屋敷中に配置されているであろう使えない陰陽師どもをこの部屋の警護にあてて私がそれ以外の場所の警護をしても構いませんが?これはそちらにとっても都合が良いと思いますよ?」


一気に畳み掛ける!


『成程、しかしそれだと都から態々来られた帝様直属の陰陽師の方々に迷惑です、なので間をとってあなたは私の部屋の警護をして頂きますね』


な、なにィ~!

それは最早捨て身の攻撃だ!!

俺はあまりの動揺にポーカーフェイスが崩れていないか気にしつつ答えを返す。


「分かりました」


くっ!最後になんとかしっぺ返しを喰らわせてやる!


「では、警護は"今日から"で構いませんね?」


『構いません、むしろその方が貴方にとっても都合が良いのでしょう?』


そ、即答かよ!?

しかもきっちりトドメを刺していきやがった。

か、完全敗北だ、さすが都の女、口では勝てないのか。


「それでは、不比等様だけお帰りになるのですね?」


翁さんは不比等さんに話し掛けた。

しかし翁さんは動揺しそうにねえな。

やっぱそういうの慣れてそうだからかな?


「ええ、そうさせてもらいます、鬼雅殿、頑張って下さい」


不比等は応援の言葉を一言言って部屋から出ていった。

しかし、不比等さんは中々に良い人だったな、貴族ってのは皆傲慢でずる賢い奴ばかりかと思ったらそうでも無いんだな、人は見かけによらないってのは本当だね。

翁さんと不比等さんが居なくなり輝夜姫と二人きりになった。

その次の瞬間だった。


『あー、だるっ』


嘘だろ?こんなのありかよ。

人は見かけによらないと言ったばかりだけども当たってるけども、これは酷いんじゃないか?

俺はこれから始まるであろう騒動を想像して帰りたくなってしまった。

妹紅は出せるかな

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