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最強の現人神は病んだ転生聖女に付きまとわれているようです  作者: 誠くん2F29


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第13話 神のマナとは

 ゼノンたちが魔物と戦った場所の近くで一つの人影があった。本当に人かどうか分からないそれは誰にも見つからず、ひっそりと先程見た光景に驚きを感じていた。


 これは驚いた。何事にもイレギュラーはつきものだが、ここまでのことが起こるとは。神のマナを取り込んだ者は強くなる。それも圧倒的に。なぜかというと、神のマナは特別で生き物に与えると、一部神性が発現することで強くなるからだ。本来ならあの生まれたての神と聖女ぐらいなら十分に殺せると思っていた。 想定外は神が眼を取り戻していたことと、白髪の子が強かったことだ。

 もう少しで神を殺せたのに…非常に残念だ。わざわざ御者を殺して入れ変わったうえに、誘導までしてやったのに。まあいいか、チャンスはいくらでもある。それに神の記憶とマナが戻ったということは性格も神に寄っていくことも加味しなければ。

 本当にあの壁が忌々しい。 あれさえなければ私があの方に代わって直接神を殺して差し上げるのに。



 その言葉は誰にも届くことはなく、人型の影は闇に溶けていった。その跡には何も残らず、ただ風が吹いているだけだった。







「そういえばさぁ、あの魔物の死骸って何か処理したの?」


 お城に戻っていくばくかの時が過ぎ、今さら気になったことを聞く。

 もしかしたら魔物の死骸のせいで別魔物が集まるかもしれないし、土地が腐って使い物になるかもしれない。そうなれば2次被害が出てしまう。


「してませんが、あれはそのままで大丈夫です。魔物はすぐに自然に還るので、周りに影響はまったくないんです。謎にエコですよね」


 自然に還るのなら安心だ。けれど少し不可解だな。恣意的というか、使役していた悪魔たちは環境に配慮するような種族ではなかったはずだ………。


「もう時間も遅いことですし、寝ましょう。明日も学校ですから」


 セシルにそう言われる。確かに夜からずっと活動していたので遅い時間になっていた。考えるのは止めて自室に戻るとするか。


 席を立って自室へと向かうために歩く。すると、なぜかセシルが僕の後ろに着いてきていた。セシルの部屋はこっちではないはずだが。

 まぁ、気にしても仕方ないので普通に寝よう。そう思い自室に入ってベッドにダイブする。ミリアの膝の上で少し寝ていたが、あれはどちらかというと気絶に近い。だからこのベッドに体が沈んでいく感覚が非常に心地良い。ベッドでリラックスしていると、部屋の扉が開いた。 開けた人物は案の条セシルだった。セシルは手際よく扉を閉め、こちらへやってきた。たぶんまた一緒に寝る気なのだろう。









 明るいマナが辺りに満ちている。太陽光とは別種の明るさを持っているため、朝はすんなりと起きることができた。昨夜は寝るのが遅かったので、 遅刻するのでは…と、危惧していた。しかし、いつも起きる時間に起きれた。


 その中で一つ止めてほしいことがある。それは起きた時にセシルにガン見されていたことだ。虫の居所が悪いというか、気まずいので止めてほしい。実は一回言ったことがあるのだが、「私はこうやって、 ゼノン様を見ていないと死んでしまうのです。ですから、そのご希望には従うことが出来ません。命令だとおっしゃるならば従わせていただきます。そのかわり死にますけど」などと言われてしまった。だから、いっそのこと諦めた。

 もうセシルの自由にしてくれ。そう強く思った。 

 朝の支度を終わらせて2人で馬車に乗り込む。今日も当然目立っているが、昨日よりかはマンになった気がした。

 そして長い廊下を渡りクラスに入る。今日は少し余裕をもって登校したので席がいくつか空いている。しかし、昨日知り合った小さな生徒は最前列に座っていた。


「ミリアおはよう」


 僕が挨拶すると、セシルも礼をした。こちらに気がついてから頬を膨らませた。何か不満でもあるのだろうか?


「ミリアじゃなくてお姉ちゃんでしょ。昨日も言った」


  などと言ってくる。小さい子が背伸びしてお姉ちゃんになろうとしてるように普通の人には映るだろうが、実際の年はミリアの方が3個上だ。なのに、 違和感しか感じないのは流石だ。けれど、少しめんどうなのでスルーして自分の席へ向かう。なぜかセシルはミリアにドヤ顔していた。




 授業が始まるまで少し時間があったので、セシルと世間話をしていた。すると、誰かが僕の席の前に立った。一瞬ミリアかと思ったが制服が男性用だ。

 気になって顔を上げると、昨日戦ったブレイズが立っていた。僕との約束を破って 喧嘩でも売りにきたかと思ったが様子がおかしい。


「昨日はすまなかった。実力の無い者がコネだけでここに入ったんじゃないかと感違いしていた。しかも、禁止されている危険性の高い魔法まで使っちまった。謝って済む問題じゃねえと思うが謝らせてくれ」


 僕の髪が揺れる程勢いよくブレイズは頭を下げた。


 なんかすごい謝られている。ブレイズってちゃんと謝れるんだ。言っちゃ悪いが結局僕は傷一つつかなかったので、あまり気にしていない。だから、こんなに謝られると困ってしまう。


「そんなに謝らなくて大丈夫だよ。僕は気にしていないから」


 これはブレイズだけでなく、セシルにも言っている。セシルが突き刺すような眼光を向けているからこそ止めないと。


「そう言ってくれてありがとう。けれど、それじゃ俺自身が納得出来ねぇ」


 なんでこの人はこんなに頑固なんだろう。周りのクラスメイトも特に反応していないことからも、皆彼の性格を知っていたんだろう。じゃあ好きなだけ謝らせておこう。彼の気が済むまで。


 ブレイズはショートホームルーム中も頭を下げていたが、さすがに授業が始まる前にようやく止めてくれた。逆に迷惑だったから助かった。


 安堵していると昨日話しかけてきた少年がブレイズと交代したようにやってきた。


「彼は憎めないだろう?態度は悪いけど、自分が認めた相手に対してはきちんと接するんだ」


 そういう性格の人だったんだ。じゃあ僕は認められたという認識でいいんだよね。嬉しいような嬉しくないような、やっぱ嬉しくないかも。



「ブレイズ君に関して一晩の間で君に負けたという話が広がったんだ。君を持ち上げる声もあれば、彼の実力を疑う声も出た。 簡単に言うと彼は舐められてしまったんだ。 だから、昨日は何人かの生徒に絡まれた。けれど、彼はその生徒たちを圧倒的な力でひねり潰した。それによって彼の強さを再確認したんだ。 それによってゼノン君はさらに大人気になったみたいだよ。だからこれから過ごすのは大変かもね」


 彼は気持ちの良いぐらいの笑い声を上げて自分の席へと戻っていった。 他人事だからって笑いやがって。 少しあいつのことが嫌いになった。




 次の授業は移動教室なので外に出てきていた。すると、見知った顔があった。

 あちらもこっちに気づいたのか、急にキョドりだした。


「2日ぶりに会ったね。息災だった?」


「…お、お陰様で元気です…」


 ただ挨拶しただけなのに萎縮しきってしまっている。この前のことがよっぽど怖かったのだろうか?


「そんなに萎縮しなくても大丈夫だよ。あの後セシルも反省していたから。なんであんなに急いでいたの教えてくれる?僕たちからのお礼として出来ることがあるなら何でもするよ」



「……す、すみませんゼノン様のファンクラブが怖くて……」


 この子の声が小さくて聞き取れない。けれど、変な単語だけ聞こえた。ファンクラブ?なんだそれは僕の耳が腐ってしまったのか。その確認をするために耳を澄ませてもう一度聞く。


「ごめん、もう一度言ってくれない?上手く聞き取れなかった」


「ゼノン様のファンクラブが怖いんです!!」


 声量が一気に大きくなって廊下に響く。この子も無理をしたのか息が切れている。それに周囲の視線も集まってくる。それを受けて顔が赤くなってしまっている。

 ならこんなに大声出さなくても良かったのに。


 僕はファンクラブというものから現実逃避をするしか選択肢がなかった。

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