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第二十一話

 深く暗いダンジョンの底でレイチーが暴れ回るその時、地上では無数の冒険者と掃除人たちが決意を胸に、ダンジョンの深奥へと一斉に進軍を開始していた。


 瓦礫と埃を蹴散らし、混沌の狭間を縫いながら、彼らはまるで巨大な生物のようにうごめき、暗闇に新たな波紋を生じさせていく。

 あらゆる種の魔物の咆哮が轟き、奔流の魔力が暴れまわる中、多くの命が際どく揺れていた。


 混乱の中、堅牢な威厳をたたえたチズルテ協会長が厳かに声を響かせた。


「皆、今こそ培った力を遺憾なく解き放て。恐怖に打ち勝つんだ。今こそ我らの結束を示し、この暗闇を浄化する時だ」


 彼の言葉は戦場に轟き、冒険者・掃除人たちの胸に熱い炎を灯した。

 彼らは多彩な技術と繊細な戦術を組み合わせ、敵であるダンジョンの魔物たちを連携して次々と駆逐していく。

 

(テッサの資料によれば、ダンジョンに資源を使わせるように攻略……だったな)


 冒険者と掃除人の連合は蜘蛛の巣のように緻密に絡み合い、魔物の数を減らすことで間接的にレイチーのリソースを削っていた。



 戦場の混沌の中で、レイチーは苦悶の表情でつぶやいた。


「……力がじわじわと削られている……」


 その声には悔恨と焦燥が入り混じり、いつもの冷酷な響きに僅かな乱れが混ざっていた。

 テッサの冷静な声が指令を飛ばす。


「素手による直接攻撃は絶対に避けること。必ず間接攻撃で削り切ってください!」


 ゲンゾウはトメに力強く呼びかけた。


「トメよ!見せてやろう、俺たちの本気を!」


 息を整えながらも彼は揺るがぬ決意を胸に、目まぐるしくフェイントを混ぜながら、敵の隙を丹念に突く。

 

 トメは薬品散布でゲンゾウをフォローし、時には徒手空拳でレイチーの動きを封じてゆく。


 ホシノや仲間たちも一丸となり、レイチーの進路を徹底的に断ち、攻守を固めていった。

 その隙を見つけたゲンゾウは鋭く声を放つ。


「フィナ、何でももいいレイチーに向かって投げろ!」


 戸惑いの中、フィナは手の中にあった飴玉を強く握りしめ、ためらいながらも高く放り上げた。

 煌めく飴玉は空を切り裂き、嘲笑を浮かべるレイチーへとまっすぐに飛び込む。


「愚かな……」


 レイチーの冷たい声が響いたその瞬間――

 ゲンゾウは躊躇なく距離を詰め、レイチーの懐に肉薄する。


「お前が“良いところを見せろ”と言ったおかげで未だプロポーズもできてない!針の穴通したるわぁ!」


 掌底が炸裂し、掌底とレイチーの間に揺れる飴玉は魔力の膜となって揺らめく中、彼の掌はレイチーのコアを飴越しに正確に貫いた。

 雷鳴のような衝撃とともにレイチーは激しく震え、その場に崩れ落ちた。

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