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エンシャント・クルーレ① ー『鳥』の章。異世界上司は美くびれ・美乳・美尻の最強くのいち!? 超絶忍術チートバトル!!ー  作者: 藤村 樹
新たなる風

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新旧対決② ー魅いられし者ー

 と、そのとき。建物の屋根を伝ってやってきて、彼らの傍らに降りたった者がひとり。


「花町で現・『八百万の漆』華羽孔成(はなば くじょう)と前・『八百万の漆』宗方啄木(むなかた たくぼく)が交戦中であることを確認。(うつみ)猿鳶(さるとび)殿、これはいったい?」

御影(おかげ)ミミズク殿!」


 そこに現れたのは忍ギルド『(やから)』の副ギルド長、御影ミミズクであった。

 彼はかねてより、根っからの幕府派であることが知られている。


 忍術アカデミーも幕府が管轄している組織であり、その幹部職員である猿鳶もミミズクとは古くからの知り合いである。

 猿鳶はミミズクに事の成り行きを説明した。


「ミミズク殿。華羽孔成は自身の術で花町の住人を錯乱状態に陥らせたうえ、ギルド登録者である若者たちを殺害しようとしました。明らかに幕府に仇なす、野心を秘めた男です」

「なんと。それは『八百万』であるとはいえ、許されざる蛮行。処罰の対象となりますな」

「ゴホゴホ! 大丈夫です、奴はこのまま僕が……!」


 啄木は再び『夢幻(むげん)絵筆(えふで)』を手に取り、『天衣夢想(てんいむそう)』を発動させようとした。

 ……しかし、そんな彼の背後に音もなく忍び寄る者がいた。


「無理をせずとも結構。処罰を受けるのはお前だ、()()()()』・宗方啄木!!」

「「!!?」」


近背憑(コノハズク)』!!


 ……かつて『隠密の神』と呼ばれた相副(あいふく)籠喜(ろうき)十八番(オハコ)

 いっさいの音・気配を察知させずに敵の背後に忍びよる究極の隠密接近術。その所業はさながら、『沈黙の狩人』と呼ばれる夜のフクロウを彷彿とさせる。

 籠喜の直弟子である御影ミミズクも、その技を受け継いでいた。


 とは言え、啄木の実力であれば背後にまわりこまれても、即座に対応できるはずであった。

 病魔に蝕まれ、限界ギリギリのところで戦っていた今の彼には反応することができなかったのだ。


 背後を取られた啄木の胸部に、ミミズクは凶刃を突き立てた!!


「ごふっ……!!」

「啄木ーっ!!」


 猿鳶は背中を刺された啄木を救おうと、彼のもとへと駆けだした。

 しかし、ミミズクは啄木の背から小刀を抜き、駆けよってきた猿鳶にも襲いかかった!


 ミミズクの動きを見て、猿鳶も走りながら刀を抜いた。

 ……拮抗する実力者どうしの、刹那の応酬。猿鳶とミミズクは刀で相手の胴体を刺し、互いに刺し違える形となった!


「ミミズク貴様、副ギルド長ともあろうものが、まんまと操られたのか!」

「操られただと? バカが、私は自ら望んで孔成様の配下となったのだ!!」

「なんだと? 何故だ!」

「このふざけた国をブチ壊すためだ! どれだけ功績をあげても相副籠喜と比べられ、先代には敵わないと影で揶揄(やゆ)される! 私を評価せぬ国など叩き潰し、孔成様の作る新たな国の礎となるのだ!!」

「貴様、そんなくだらぬ理由で……!」

「孔成様に仇なす醜き者どもは、全員死ねィ!! ……ゲフッ!!」


 猿鳶よりわずかに傷が深かったミミズクが先に力尽き、立ったまま息絶えた。

 しかし、猿鳶のほうも致命傷であり、逝くのは時間の問題であった。


「クフフフ! ミミズクさん、美しき忠誠ですよ。あなたの功績は、私が作る美しき世界で、未来永劫に輝きつづけることでしょう!!」


 ダメージから立ち直った華羽孔成の飾り羽根がさわめき、妖しく光り輝きはじめた!

 しかし、啄木と猿鳶は重傷を負っており、身動きを取ることすらできずにいる。


「ゲホゲホゲホ!! ……くそ、こんな形で終わりを迎えるなんて……!」

「おのれミミズク……孔成!!」

「クフフフ! 私に立てついたことを、あの世で悔やむがいい!! 喰らえ、『極彩艶美殺(ごくさいえんびさつ)』!!!」

「「猿鳶先生ぇーっ!!」」


 華羽孔成の背中から、無数の飾り羽根が撃ちだされた!!


 妖しく色とりどりに輝く、無数の羽根の奔流。

 宙を飛びかう羽根が描く紋様は見る者に極彩色の景色を思い浮かばせたが、吐き気を催すほどに派手で、悪趣味なものであった。


 倒れていた美鈴たちもかろうじて意識を取り戻していたが、時すでに遅く、猿鳶たちの体は無数の羽根の群れに飲みこまれていった。

 ……それは長年の因縁に、悲しき決着がついた瞬間でもあった。


 美鈴たち、かつての猿鳶の教え子たちはその場に倒れたまま、悲しみにひしがれていた。


「うっ、うっ……猿鳶先生……!」

「ううぅ……くそぉ……!」

「クフフフ。あなたたちも猿鳶の教えを受けた者たち、私の後輩にあたるというわけですね。ご安心なさい。寂しくないよう、あなたたちもすぐに猿鳶のもとへと送り届けてあげしょう!」


 再び、孔成の背中から幾本かの羽根が撃ちだされた。

 羽根は一度上空へと飛びあがったのち、華麗な紋様のような軌跡を描いて舞いおりてきた。


 まるで航空ショーのように見事で、それでいて無駄な動き。

 身動きの取れぬ相手に、見た目の美しきのみを追及した技でとどめを刺すのは命をもてあそぶ所業。


 羽根は非情にも、美鈴たちの命を奪おうと降り注がれていった。

 ……だが、その羽根が彼女たちに突き刺さることはなかった。降り注がれた羽根を、宙で叩き落とす者がいたから。


「みんな、ゴメン。お待たせ」

「「夜鷹!!」」


 鳴瀬夜鷹は花町に姿を現した。友を救うため、恩師の仇を討つために!

 華羽孔成は新手の出現に対して、背中の飾り羽根を震わせ、艶美な表情を浮かべた。


「クフフフ! まだ私の邪魔をしようとする者がいるのですね。よろしい、美しく葬りさってくれましょう!!」




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