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エンシャント・クルーレ① ー『鳥』の章。異世界上司は美くびれ・美乳・美尻の最強くのいち!? 超絶忍術チートバトル!!ー  作者: 藤村 樹
夢の修行生活!?

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ライバル登場!!

「鳴瀨夜鷹さん、おめでとうございます! ギルドから昇格認定が降りました。次からはDランク任務も受注できますよ」


 ある日ギルドに行ったら、受付のキレイなおねいさんから、唐突にそんなことを言われた。


「え? 昇格試験みたいなの受けなくていいんですか?」

「昇格にじゅうぶん値するだけの受注件数をこなしていますし、依頼元からの評判もよいです。ギルド長からは試験を免除しての昇格認定を得ていますよ(ニッコリ)」

「ホントですか? やった~!! 俺、がんばったなぁ……(シミジミ)」 

「でもまぁ、DランクはEランクに毛が生えたようなものですから。まだまだイッパシと呼ぶにもおこがましいほどです。くれぐれもこれで気を抜かず、精進してくださいね?」

「…………ハイ」


 相変わらず辛辣だなぁ、この人。

 でもまぁ、これもおねいさんなりのエールなのかもしれない。いつか彼女に認められる日まで、めげずにがんばろう。


 ちなみにギルドのランクは国際標準危険度比較(ISRR)のランクとも連動しているらしく、ランクが変化したらギルドのほうから変更を申請しておいてくれるらしい。

 高ランク者の人数はそのままその国の国力の高さを反映する指標となり、国際的地位の向上につながる。ランクアップのための努力は国としても歓迎される行為であるというわけだ。


 俺はDランクの依頼書が貼りだされている掲示板のほうへと向かった。Eランクの掲示板はくすんだネズミ色だったが、Dランクは瑞々しい若草色だ。

 底辺を抜けだして、ようやくギルドの若手として認められたってところかな?


 どれどれ、Dランクの依頼書はどんなレベルかなっと。

 そんな感じで興味深く掲示板を眺めていると……。俺に話しかけてくる人たちがいた。


「あれー? 夜鷹くんじゃん。おはよおはよおはよー! もひとつおまけにおっはよー!!」

「おー、ドベの夜鷹か。Dランクの掲示板なんか見にきてどうしたんだよ? 万年Eランクのお前なんかにゃここは関係ないだろ?」


 知らない人たちに当たり前のように話しかけられて、目をパチクリさせてしまった。

 ああ、きっと加茂吉や天音のように、アカデミー時代のなじみだった人たちなのだろう。俺は『不壊城』の戦いで記憶を失ってしまったという、これまたなじみの説明をした。


「ええ~!? 記憶なくしちゃったのぉ!? そりゃタイヘンタイヘンタイヘンだねぇ! えっ、じゃあ、私たちとすごしたアカデミーでの青春の日々も全部忘れちゃったのぉ!?」

「ああ、そうなんだ……」

「ウヒャ~。術で記憶を消されたヤツなら見たことあるが、怪我で記憶なくすヤツなんて初めて見たぜ。よほど重傷だったんたなぁ。……仕方ねぇ、あらためて自己紹介してやっか!」


 そう言って、ふたりは俺に自己紹介してくれた。


「私は吉備川美鈴(きびかわみすず)! クラスのムードメーカー、元気印と言えば私のことだったんだよー! あらためましてヨロシクね、鳴瀬夜鷹くん!!」


 最初に自己紹介してくれたのは、バサバサの茶髪を後ろでまとめた、おめめパッチリな女の子。

 チュンチュンさえずるように喋るのがちょっとうるさいが、元気に背筋を伸ばしているさまがなんとも可愛らしい。

 それに、どことなくスズメを想起させる出で立ち。今も3日に1回はアシュナさんが造りだしたスズメを追いかけまわしているので、妙に親近感が湧く。

 ちなみにご実家はきび団子作りの有名な老舗なのだとか。ぜひ、いつかご実家のほうにも遊びに行きたいものである。


「オレの名前は鶉橋京助(うずらはしきょうすけ)! お前たち、1個下の学年の面倒見係をやってあげてたんだぜ! とくにお前と加茂吉は万年ドベで、手を焼いたもんだぜ」

「センパイ風吹かしてるけど、鶉橋センパイ弱いじゃん。このあいだようやくDランクに上がったばかりだし。しかもお情けで。たしかに面倒見はいいけど」

「なっ! 美鈴、それをバラすな!」

「あっ、俺もさっきDランクに上がりましたけど」

「なにィッ!?」


 次に自己紹介してくれたのは、ツヤツヤの黒髪にツルリとした卵肌の鶉橋先輩だ。

 こんだけディスられるってことは、俺とか加茂吉とか、万年Eランクの人ってよっぽどなんだろうなぁ。

 この鶉橋先輩の気配も、正直言って大して強そうではない。ただ、たしかに面倒見がよさそうな人柄は伝わってくる。人情味が厚いというか。

 実力が乏しくとも、下の学年の面倒見係を任された(押しつけられた)のは、その人柄によるところなのだろう。弱くともセンパイはセンパイ。敬っていこう!


 俺は美鈴と鶉橋センパイと、そのままDランクの掲示板を眺めてまわることとした。

 Dランクになると、グッと依頼書の数が増える。周囲には俺たちと同様に、依頼書を見ようと並んでいるギルド登録者がたくさんいる。


「夜鷹、いいか? ランクがひとつ上がると、クエストの難易度も格段に上がる。今までと同じように気楽な姿勢で仕事に望むと痛い目を見……ギャんッ!!」


 鶉橋センパイが相変わらずセンパイ風を吹かしていたところ、横から誰かにぶつかられてしまった! 


 ……軽くぶつかっただけなのに、ずいぶん派手に吹っ飛ばされたなぁ。体幹の筋力の差なのだろうか。

 お尻を付きだした姿勢で倒れているが、どういう転びかたをしたのかズボンが脱げてお尻が丸出しになっている。お尻も卵のようにスベスベ♥️

  

「邪魔だよ、どけ」

「鶉橋センパーイ! ……ああああぁ、あんたはっ!!」


 美鈴が指差す先にいたのは、黒い羽毛の羽織を着た、長身の青年。彼が、鶉橋センパイにぶつかって転ばさせた張本人だ。


 ……マレフィ○ント??

 悪役魔女のような色合いの格好をしているが、こちらは色白の美青年だ。女性と見紛うほどに整った顔立ちだが、不機嫌そうにブスッとしていて怖い。

 彼も、美鈴の知り合いのようだが……。


咲紀仁(さきひと)!! あんたのせいで鶉橋センパイのお尻が丸出しじゃないのーっ! 責任取って、センパイのズボンを履かせなさいよっ!!」

「チュンチュンチュンチュンうるせぇよ、吉備川。たまたまぶつかっただけだろうが、なんで責任取んなきゃなんねーんだよ」

「なによあんた、センパイに対してその言い草! 舌切るわよ!!」


 なにやら急に険悪なムードである。俺は美鈴に耳打ちして、彼が誰なのか聞いてみることとした。


「美鈴、この人は?」

「あいつの名前は嘴黒(はしぐろ)咲紀仁(さきひと)。ムカつくけど、私たちの学年の主席だった男よ。天音や綾乃も優秀でCランク入りしてるけど、卒業してBランクに認定されたのはあいつだけよ」


 Bランクと言えば、『不壊城』の地下水路で戦った河繆氷と同じだ。

 河繆氷もかなりの強敵で、天音の協力がなければとうてい勝てる相手ではなかった。あれでBランクの下位だというのだから、畏れ入る。

 きっと、この咲紀仁もかなりの実力の持ち主であるのは間違いない。


「キャー♥️ 咲紀仁クン、今日はどんなクエストを受けてくれるのー? こっちにも来てー♥️」


 声がするほうを見ると、受付のキレイなおねいさんが黄色い声をあげて手を振っていた。

 この人は、人間の価値をギルドランクでしか見ていないのかな? まぁ、価値基準が分かりやすくていいけど。


 とりあえず、この場を仲裁しよう。なんか嘴黒クンはイヤなヤツっぽいけど、俺は過去の因縁なんて覚えてないし。

 センパイはケツをだしたまま起きあがってこないので、俺が行くしかないだろう。


「まあまあ、おふたりとも。同期のよしみでここは仲良く……」

「うるせぇよ、鳴瀬。底辺のくせにしゃしゃり出てくんじゃねぇ、よ……!?」

「?」


 俺がふたりをなだめようと差しだした手を、嘴黒クンは振りはらおうとした。

 しかし、彼はその手をとめ、まじまじと俺の顔を見つめてきた。まるで、死んだと思ってたヤツが亡霊になって現れたときのような顔だ。


「……お前、本当に鳴瀬か……?」

「え?」


 嘴黒クンの質問の意図が分からず、俺が答えあぐねていた、そのとき。受付のおねいさんのもとに誰かが駆けつけ、何かを耳打ちした。

 使いの忍のようだが、とても慌てている様子だ。何事だろうか?


 おねいさんも使いの忍の話を聞いているうちにみるみる顔が青ざめていく。

 そして、話を聞き終えると、彼女は建物内にいるギルド登録者たちに呼びかけた。


「皆さん! 緊急クエストの発生です! 出動可能なギルド登録者はただちに集合してください!!」


 事態は、風雲急を告げることとなるーー。




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