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エンシャント・クルーレ① ー『鳥』の章。異世界上司は美くびれ・美乳・美尻の最強くのいち!? 超絶忍術チートバトル!!ー  作者: 藤村 樹
夢の修行生活!?

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忍ギルド『輩(やから)』

「実戦経験を積むには、現場にでるのがイチバンだからな。ギルド行って、仕事取ってこ~い!」


 アシュナさんにそう言われ、俺は彼女の邸宅をでていった。

 これからは朝起きたらうさぎ跳び・川のぼり・スズメ捕りを1日ひとつ順番にこなしていき、夜はアシュナさんから教わって忍術の勉強。

 では空いた日中の時間に何をするのかというと、ギルドに行ってクエストをもらい、仕事がてら実戦経験を積んでこい、というわけなのである。


 というわけでさっそく、朝のうさぎ跳びを終えて汗を流したあと、都の中央付近にあるギルド本部にやってきた。

 お~、なんだかようやく異世界っぽくなってきたぞ。けど、和風の世界観にギルドっていうのも違和感あるな。


 どうやらこちらの国の忍専用ギルドは『(やから)』と呼ばれているらしい。

 とは言え、呼び名がシブいだけで、市民からの要請があった仕事を忍が受注してこなすといった構造は変わらない。

 仕事に対する報酬も、ギルドが管轄して受注した忍に渡すこととなっている。


 これは俺の勝手な想像だが、忍に仕事を依頼できるというのは、一般市民にとってとても興味深いことなのではないだろうか? 

 忍は戦闘力が高いうえ、機動力や隠密力も高い。探しものはもちろん、尾行などの探偵業もお手のものである。

 当然、よからぬことを企てる者もいそうだが、そこはギルドを介するので、おおっぴらに悪事を企むことはできぬであろう。


 ちなみに、この世界にも魔物というものは存在するらしく、討伐系のクエストも存在する。

 クエスト外でも、倒して証拠となる身体のパーツを持っていけば、相応するだけの報酬金はもらえる。遺骸から素材を採取し、自分で売りに行くことも可能なのだ。


 実際には、人里の外には魔物がうじゃうじゃいる。

『不壊城』から都までの道中で魔物と1匹も遭遇しなかったのはなんのことはない、アシュナさんの圧倒的強者の気配に魔物が恐れをなして、近寄ってこなかっただけのことなのである。


 都から1歩外に出れば、戦う魔物はたくさんいるのだ。修行の相手には、事欠かないのである!

 そう意気込んで、俺はギルド本部の建物のなかへと入っていった。


 ギルド本部は、さすが忍者の組合の総本山だけあって、巨大な忍者屋敷のようになっていた。

 内部ではどんでん返しのような隠し扉があったり、締めきった金網戸のように見えてスライド式のからくり窓だったり、縄はしごで上層階からスルスル降りてきたり……。

 忍たちが堂々と出入りしているので「それ意味ある?」と思わず吹きだしそうになったが、忍者の趣味に合った構造なのだろう。

 好きなものに理由を問うのも野暮というもの、それで居心地がよければよいのではないだろうか。

 

 とにかく、ギルド本部のなかにはたくさんの人が集まっていてにぎやかだ。

 俺は人混みをかきわけて、カウンターのような長机に座っている受付の人に声をかけた。受付嬢にふさわしい、品があってキレイなおねいさんである。


「忍者ギルド『輩』本部へようこそ! 本日はどういったご用件でしょう。クエストの依頼ですか? 受注ですか?」

「あっ、俺の名前は鳴瀬夜鷹です。クエストの受注に来ました。ギルド登録もしてあるはずなんですけど、ちょっと記憶をなくしてて……」

「鳴瀬夜鷹さま、ですね? かしこまりました。今検索するのでお待ちください♪」


 すると受付のおねいさんは長~い絵巻をピロピロと広げ、印を組んだ。

 彼女の術が発動するとともに絵巻の文字が高速でスライドしていき(!)、俺の名前が検索されていく。

 俺の名前が目につくところに表示されると、ピカピカと明滅して存在を教えてくれた。なんと便利。


「ありました♪ 鳴瀬夜鷹さま……あっ……」

「?」

「Eランク……ですね、ハァ。ですと、受注可能な仕事はEランクまでのものとなりますので、あまりたくさんの仕事はないかもしれません」

「…………」


 なんか、露骨にガッカリされてるような気がする。

「もっと真面目に働けよ」とでも言いたげなまなざし。キレイなおねいさんにこんな顔をされるのは非常にツラいところがある。


「では、あちらのくすんだネズミ色の掲示板に貼られているのがEランクの依頼書となります」

「くすんだネズミ色!?」

「Eランクでもがんばって仕事をこなして評価があがればランクアップできますので、せいぜいがんばってくださいね。まぁ、あまり期待はしていませんが……」

「…………」


 どんだけ世間からの評価が低いんだ、Eランク。

 転生する前の鳴瀬夜鷹に言ってやりたい。お前はいったい今まで何をしていたのか、と。


 でもまぁ、評価が低いもんは仕方がない。慣れるのにはちょうどいいと思って、地道にランクをあげていこう。

 誰だって、最初はイチからのスタートなのだ。


「よし、コツコツがんばるかぁ」


 そう自分を奮いたたせると、さっそくEランクの掲示板からクエストを受注し、こなしていくこととした!


 紛失物などの探しもの、いなくなったペットの捜索、浮気調査などなど……。

 さすがEランク、めんどくさいわりには達成感の少ないクエストばかりである。報酬金も銅卵硬貨が4~5枚と安い。


 銅卵硬貨というのは『塒国』の貨幣のことで、平べったい卵のような丸みを帯びた硬貨である。少しかさばるが、なめらかな触り心地が気持ちいい。

 感覚的には銅卵硬貨1枚で元いた世界の200円に相当する価値があるような気がする。

 もちろん銀卵硬貨、金卵硬貨もあり、銀卵硬貨で2000円分、金卵硬貨で10000円分ほどの価値があるようだ。俺は金卵硬貨なんてほとんど持ってないけどね。


 探偵業のような仕事が多いなか、討伐クエストもあった。『都周辺の小鬼人(ゴブリン)10体討伐せよ』などがソレである。

 小鬼人を倒し、証拠として耳を持ち帰ればクエスト達成、銅卵硬貨10枚分を得ることができる。


 小鬼人はまさしくゲームのゴブリンのような見た目・強さで、醜悪な外見をした魔物である。

 魔物が絶命すると、体が魔素に分解されて倒した者の肉体に吸収されていく。


 これは魂の欠片とも言えるもので、決して肉体が魔物化していくようなことはなく、純粋な肉体のレベルアップに使用可能なようだ。

 今の俺では、小鬼人の魔素程度ではほとんど影響ないのだけどね。


 また、小鬼人のなかにはたまに『小鬼人刀(ゴブリンナイフ)』を落とすヤツがいた。

 人型魔物のなかには、固有武器を獲得している者がいるようなのである。


 魂の固有武器はひづきに頼めば『宵喰みの翼』に合成することができる。

 合成すれば『宵喰みの翼』の性能は向上するし、魔物の固有スキルも使用可能となった。


小鬼人拳(ゴブリンパンチ)』……パンチ攻撃の威力が1.25倍。10回に1度、クリティカルヒットで10倍の威力がでる。体力の消耗は少し増える。


 これは、ザコ敵から得るスキルとしてはかなり優秀なんじゃないだろうか? 

 アシュナさんの訓練を経て、体力はやけに自信がついている。これからは肉弾戦のときは常にこのスキルを発動させた状態で戦うことにしよう。


 クエスト受注中はギルド登録者に配布される地図に呪印がほどこされ、標的となる魔物が表示されるのだ(2週間の期限付きだが)。

 人型魔物の討伐クエストがあったら、積極的に受注することとしよう。


 なんだか楽しくなってきたぞ。気分が乗ってきた俺は、Eランクのクエストを次々とクリアしていったのだ!


 一角ウサギ討伐10体、クリア!

 こいつらは可愛い見かけとは裏腹に、家畜の牛の胴体を貫いてしまうほど長く鋭い角をもつ。

 角は骨を丈夫にする薬の材料となるので、そこそこの値段で売れる。


 吸血大コウモリ討伐10体、クリア!

 怪音波で精神を乱してくるうえ、強制睡眠に誘う術まで使ってくる。眠っているあいだに吸血されたらどえらいことになるので、意外と厄介な相手なのだ。

 ただし、コイツらの血液は非常に栄養価が高く、滋養強壮の飲みものとしてけっこうな値段で売れる。


 こんな感じでクエストをこなしていったら、お金もだいぶ貯まってきた。

 そしてそのお金で都で買い食いするのだが、これがまた、ウンマイのだ。


 前々からうすうす感づいていたことだが、この国の食べものはとんでもなく美味しい。

 例えばこの前買い食いしたみたらし団子(風の食べもの)は、団子はモチモチでもち米の上品な甘みと香り、タレは甘味と塩味が手を取りあってダンスダンスダンス!

 また、だし巻き玉子(のような食べもの)は極上の旨みと風味が全身の細胞を活性化させ、体から湯気が噴きだしてしまうほどであった。

 食に関しては和風な食べものしかないものの、それでぜんぜん飽きないのである。ホント、最高なお金の使いかただよなぁ。


 もちろん、余ったお金で装備を整えることも忘れない。

 このあいだの『不壊城』で使ったクナイを磨ぎにだしたり、ボロボロになった鎖帷子を新調したりした。

 錆びの入った真鍮製の鎖帷子から、ピカピカの鉄製のものに替えた。ちょっぴり贅沢したのだ。


 実はひづきは武器の合成だけでなく、『魂珀の腕輪』を介して装備品も売ってくれるらしい(!)。

 ただ、こちらは高すぎて、てんでダメだった。


 どの装備品も『秘宝級(シークレット)』や『国宝級(トレジャー)』ばかりで、とうてい手出しできそうにない。

 さらにその上に『伝説級(レジェンド)』や『神話級(ゴッズ)』も取り扱っているらしいが、こちらから見るのを願いさげた。


 お金で確実に手に入るのは魅力だが、自分でがんばって探す苦労と同等以上の価格設定になっているらしい。

 自分がそんな高等武器を扱えるレベルに達していないことも分かってるしね。


『フッ。まぁ、高難度のクエストをクリアして稼げるようになったら考えることね』

「チェッ、分かってるよ。でも、装備品の販売までしてくれるなんて、ひづきはスゴいなぁ」

『……あなた、私のこと便利屋だと思ってるでしょ』

「えっ!? そそそ、そんなわけないじゃん! あははは……(スゴい、バレてる)」


 そんなこんなで、俺は仕事に夢中になり、あっという間に100件のEランククエストをクリアしたのであった!




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