種族と歴史と俺たち
この世界ではどうやら魔人、亜人、人間がいてそれぞれの国があり三国がそれぞれの人種を統治してお互いが争ってるらしい
他にも生き物がおり、魔物、精霊、動物に大きく分類されている
それぞれ特徴があり
魔人は数が少なく個体値平均が高い、寿命は人間より長く亜人より短い
亜人は数は魔人より多く個体値平均は人間より高く魔人より低い、寿命は最も長寿らしいが種族によってばらつきがある
人間は数は多いものの個体値平均は低く寿命も短い
この世界で重要なのがスキル
スキルも大きく2種類
神から授かるとされるギフトスキル
誰でも努力次第で取得出来るスキル
ギフトスキルは誰もが一つ持ってるらしく、強力なものもあればハズレもあると
誰でも取得出来るスキルは基本的にギフトスキルの劣化版らしい
歴史的に見ると人類は魔人、亜人に劣等種と蔑まれており、奴隷に近い存在だったらしい
もちろん人類も幾度なく反対運動や反乱含め何度も人権運動に近い行動を起こしたらしいが国としてまとまっていた訳ではなく各地に散っていたため数の利を活かしきれていなかった
それが数百年前に起きた反乱の際に異世界召喚が成功し俺たちのように召喚された人達がいた
彼らが持ち前のギフトと高ステータスを武器に奴隷たちを解放して周り各地の奴隷を一箇所に集めていた、それに拍車をかけて各地の奴隷も奮起し脱走や反乱を起こし皆が集まり出したのがこの国の成り立ちだった。
国名をヒュースティング
そして魔人、亜人たちは元々それぞれの派閥もあり大小の国があったが人類がまとまり出したことに危機感を覚え彼らもまた大きな一国にまとまり出した。
そして魔人の国を名はイランメシヤ
亜人の国を名はサモンランダ
バラバラだった魔人、亜人が一つにまとまりヒュースティングに攻められれば人類の勝ち目は薄かったがそうはならなかった
魔人、亜人は生産を奴隷に任せていたこともあり集まったのは良いが生産力の低下が著しく国内で争い出したのだ。
その間に人類は国を整え法を整備し持ち前の数の利と奴隷時代に培った生産力を武器に国力が上げた結果、魔人、亜人がそれぞれの国をまとめ上げた時には人類の国は攻めても落とせない状況になっていた
こうして今の形の三国がバランス良く形になったということらしい
とまあこの世界に召喚されてから3日で分かったことはこれぐらいだ
今俺たちはこの世界に飛ばされた、いわゆる異世界転生の真っ只中だった。
なぜ呼ばれたのかは人類の王が説明してくれた、今魔人と亜人に劣勢に立たされており起死回生の策として、人類の叡智、異世界召喚を試みた結果俺たちの高校のクラスともう一つ別のクラスが召喚された
俺たちの高校は私立で少し変わってて
高校側がスカウトしてきた特別な人だけを集めたいわゆるSクラスと一般で入ってきた生徒のクラスがあって召喚されたのはこのSクラスと
一般のクラスの二つのクラスだった
この一般のクラスのこのクラス
いわゆる一般の中でスポーツも成績もダメみたいな某なんとか教室を彷彿とさせるクラスだった
もちろん俺はSクラスなんならサッカー部のエースで容姿端麗、成績も優秀、モテモテだ。
名前は九条拓也
彼女も同じ学年Sクラスの吹奏楽部で部長
容姿端麗、ナスバディの持ち主、性格はちょっとクセあるけどそれもまた可愛い
名前は西園寺美香
うちの高校はどの部もスカウトしてるだけあって強豪、その上エースと部長ということもお似合いのカップル
おまけに名字から分かる通り名家の出というわけで歯向かうもの無しの天下だったわけ
カーストの最上位さ
それが異世界転生でこんなことになるんて...
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遡ること3日前
「拓也、顧問がお前にプロから話が来てるってよ、しかも6チームも。どうすんだよ?プロになんのか?それとも三笠選手みたいに一旦大学行くのか?」
昼休みすぐ声をかけてきたのは俺の親友で幼馴染、サッカー部、部長の財前龍
「いや、まだなんも決めてない〜、家のこともあるし難しいのよ、もちろん俺はプロなりたいけどさ、あと6チームじゃなくて7チームな、海外からも来てんのよ、天才の俺には」
龍はまた始まった俺の自慢話が長くなる前に被せて話題を変えてきた
「あーわかったわかった天才さん、ほんで最近彼女とはどうなのよ、お互い忙しいだろ?」
「天才の俺が愛しき彼女を放置するわけないだろ?この後もクラスの窓際の席でお前たちイチャラブリア充風景を楽しませてやるから待ってろよ〜、羨ましいだろ〜?」
「拓也に龍、あんたらうるさい。相変わらず声でかいんだから廊下まで聞こえてたよ」
そう言って小言を言って来るのが天音結
幼馴染でこいつはこのクラスでは珍しく一般家庭なんだけど頭が頭抜けて良い、もちろん学年1位の天才、可愛いが残念俺のタイプじゃない
なんで?幼女体型に興味ない
「窓際の席なんだから聞こえるだろ、それともあれか幼女体型なお前にはちょっと大きな声は怖かったかすまんすまん」
「幼女体型関係ないじゃない! 馬鹿にするところが少ないからってすぐそれをいう、引き出し少な過ぎよ、相変わらず捻りのない」
「相変わらずだな、お前ら2人は」
俺たち3人はいつもこんな感じ俺と龍の会話に茶々を入れる結
お互いそれぞれ認めあい尊敬し合ってるのは分かってるしこんな会話もお互い楽しんでる
喧嘩しても誰かが仲裁してすぐ仲直りする
最高の3人だと思ってる
「拓也〜お昼一緒に取りましょ」
美香が声をかけて来て返事をしようと思ったその時だった
「えっ⁈ 何あれ!上見て!」
いち早く気づいた結に言われ見上げると魔法陣が浮かび上がっていた
その魔法陣からクラスにいる1人1人に強烈な光が当てられ意識が朦朧とし俺はそのまま気絶した
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「おい、起きろ拓也、とんでもないことになったぞ」
龍に声をかけれて目覚めた俺の前にはヨーロッパ中世の漫画でよく見る城の中身に豪華な作りの椅子に態度のでかい男性、傍には美女、その逆側にはメガネをかけた細身の男性、俺たちを囲うように数十人の白い服を被った男女、クラスの天井で見たであろう魔法陣の上に俺たちは横たわっていた
見たところ俺と龍が最初に目を覚ましたらしい
「良くお越しくださいました、急なことで驚いてることでしょうが落ち着いて下さい、皆様が目を覚ましたらご説明致します」
細身の男がそう説明してきた
俺は早く状況を確認したかったが俺も馬鹿じゃない、今あれやこれや聞いても二度手間だ
幸い向こうに危害を加えるつもりはないらしい
ならここは皆を起こすのが先決
そう思い龍に目をやると同じ考えなんだろう
お互いが皆を起こしに回った
起こして回って気づいたのが俺らのSクラスと底辺のEクラスが呼ばれたらしくお互いのクラスの担任も運悪く巻き込まれてるようだった
起きた時に気が動転したものやプチパニックになったものも多少いたがそこそこに皆落ち着いたところで龍が話を切り出した
「全員起きました、聞きたいことは山程有るがまずは話を聞きますのでご説明お願いします」
「かしこまりました、それでは席を設けてありますので場所を移しましょう、ご飯でも食べながらゆっくりと説明致します」
俺たちは食堂に通され食事が出された、皆一様に出された食事に手をつけようとはしなかったが俺が1番最初に手をつけ美味しいぞと声をかけたら皆も昼休みに呼び出されたせいかお腹の空き具合も相まって食べ始めた
毒の考慮ももちろんした
寝てる間にいかようにも出来たのに今更毒なのでどうにかすまいと俺は結論を出していた
細身の人間は宰相らしく名はエレキ
態度の大きい男性は人類の王様らしく
名をガルフォンス・レダルセンという
美女は王の娘で長女らしく
名をアニエス・レダルセン
説明はざっくりこうだ
人類はただ今魔人と亜人に攻められ窮地に立たされており、起死回生の案として異世界の強力な若い人を召喚し挽回を図ろうとしてるらしい
なぜ魔人と亜人に攻められているのかというとこの三種族はそれぞれの国力のバランスが取れていたらしい
お互い攻め手を欠いてる状態だったらしくここ数十年比較的平和だった、もちろんその時の魔人、亜人のトップが穏健派らしく積極的な侵略戦争をしなかったことも大きい上に国としても軍事に力を入れていなかった
平和になればもちろん人口が爆発するのが人類というもので人口が爆発的に増えてしまったのだ。
そのタイミングで魔人、亜人のトップが人間差別主義者に変わったのだ。
元々劣等種だと見下し数百年前まで奴隷だった人類が人口爆発しこのままの勢い増え続ければ侵略する機会を失うと危機感を募らせた両国が同盟を結び大規模な侵略戦争を仕掛けて来たらしい
その結果劣勢に立たされているらしくこのまま挽回しなければ我々は争いに敗れ生まれながらにして奴隷であると後世に残してしまう、是非我々と共に戦ってほしいというものだった
説明の中に異世界の俺たちはこちらに来る時に強力なギフトスキルと高いステータスがあるらしい
文字や言語も自然とこちらの世界が読めるように改変されておるらしくなんて便利な召喚なんだと思ってたタイミングでEクラスの委員長が声を上げた
「元の世界には帰れないのですか?」
「バカが、ここでいちいち質問していたら終わる話も終わらん、お前らの馬鹿な頭では聞いても頭からすぐ抜ける落ちるであろう、まずはこちら側で質問事項を文書でまとめ、回答と今の説明をもう一度文書で貰えばわかりやすいだろ、EはEで質問事項をまとめろ、こちらもまとめて出す、それでよろしいでしょうか?ガルフォンス様」
「まとめていただき感謝する、部屋は個別に設けてあるので各々案内をつける、部屋でゆっくりと休み明日質問事項の受付と回答を用意するでよろしいかな?」
「かしこまりました」
王様と話したのはSクラスの委員長で生徒会長の四条錦、全てにおいての能力が高水準、将来は政治家になりたいらしい、相変わらず頭のキレること
いつの間にか窓から見える空は暗くなっていた
俺たちは城から出て城の横に隣接される寮みたいなところに1人1人部屋が割り振られた。
部屋は東京都で家賃7万の1ルームぐらいの広さにベットと机、椅子のみ、水道設備は完備されておりトイレはあったが風呂はなかった。風呂に関しては大浴場、食事は食堂完備と大学の寮みたいな感じだった
俺は風呂に行く気になれずとりあえず眠ることにした
明日からの異世界に心を不安に募らせながら