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初めてのパリィ


数秒前のこと


カンタは、死を迎えようとしていた。



ああ、


これが、


死か。




音が遠ざかり、全てのものが遅く見えた。





…、槍を投げてくるとは、予想していなかった。

自分が地球人だったからこその不覚だった。


普通はたった1つの武器を投げたりはしない。それが戦場で己の命綱になるのだから。

だが、ここは魔法が存在する世界だ。

単純明快。

黒魔法の遠隔操作で、投げた槍は引き戻せる。

そんなことは、この世界で生きている人間ならば、簡単に思いつくことだったろう。

なんなら、丸腰でも、拳で人は容易く殺せる。この世界ならば



後悔先に立たず?

いや、後悔槍より早く?

己の思考がこの状況で、走り続けている。

そもそも、後悔などの猶予もないし必要もない。

己の考えることなどたった1つでいい。


魔族の女から放たれた朱槍が常軌を逸した速さで己の頭蓋へと到達する…

防御しようにも体の動きがコンマ単位で遅れている。

直前まで、別の動作をしていたのだから当然だと言えた。


間に合わない。


防御は




ならば、受け流すまでだ






槍が到達する一瞬の間に、

両足を地面から離して、一瞬跳んだ後

着地の際に、片足を後ろへと引く、体は槍に対して横を向いた

腰は後方の足を回転と同時に捻りを加えて、体勢を正面へと戻した。

分かりにくかったか?

野球のバッターが球を打ち返すように、俺も槍を打ち返そうとしただけだ。

頭に差し迫る槍を返すのだから流石に体勢は崩れる。

槍の速力に負けて地面から離れないように、白魔法で雑草を伸ばして、足に絡める。それだけでは足りないと判断し、流石に今回は黒魔法を使用して、地面操作で、足そのものを地面のなかに沈めさせた。

刀で打ち返そうとしているが、持っている手の骨が槍の力に負け、折れる。

白魔法の回復で無理矢理再生を繰り返し続けた。

魔法の複数の使用で、鼻血が垂れてきた。




―そんなこんなで、俺はめでたく自分の力でパリィが出来たって訳だ。

アドレナリンがドバドバだし、笑みが抑えられない。

楽しい!

やっぱりパリィって最高だな~ッ!!!!




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