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後世から見た第五、六王妃 アマラとソフィー

 アマラ・アンバー。ソフィー・アンバー。


 古代アンバー王家の血族。ジェイク・サンストーンの王妃。


 千年間活動していた彼女達を纏めるとことは不可能なので、ジェイクが生存していた時代に絞る。


 まだジェイクが第三王子の扱いを受けていた時期に、サンストーン王国を訪れたアマラ、ソフィーは盛大な持て成しを受けた。

 原初の王権である古代アンバー王家の一員である彼女達は、あらゆる王家の源流にして保証人のような立場だった。そのため当時の貴族は全員が、賑やかな歓迎式典の記録を残している。


 この来訪は元々予定されていたものだったらしいが、エレノア教が大神殿を築き始めたことに姉妹は興味を持ったようで、急遽この地に長く滞在することになる。

 補足すると千年間生きていた彼女達は、一休みする程度の感覚で数年間、一つの国に滞在することもよくあったので、この件も同じようなものだったらしい。

 それにエレノア教の女教皇イザベラは同性だったため、余計な気を遣わないで済んだのだろう。特に目立った活動はせず、大神殿での生活を送ることになる。


 そしてエメラルド王国の奇襲戦争にも目立った反応をしなかった双子だが、エメラルド王国に含まれているアゲートの地は例外だった。


 当時のアゲートは神が忌むべき地に定めたという伝承が存在していたため、姉妹は戦後のアゲートが正しく管理されているかを確認したかった。

 そのため、アゲート大公となったジェイクに同行し、アゲートの地を見回ることになる。

 後の視点から見ると、この時の出会いはジェイクにとって大きな財産となり、また、二人がサンストーン王家に入るきっかけになったとも言えるだろう。


 確認を終えた姉妹は再び大神殿に戻り、サファイア王国が攻め入った際も特に反応を起こさず、今まで通り国家の政治や争いには不干渉の立場を貫いた。

 しかしサンストーン王国で内乱が起こると、ジュリアスの兵が大神殿を放火。

 アマラ、ソフィー、イザベラは脱出してアゲートに逃げ込むと、ジェイクの後ろ盾になりサンストーン王国再統一の一因となった。

 流石の姉妹でも、攻撃を受ければ国政に関わることが証明された最初の出来事になる。


 その後、関わりを持ったサンストーン王国や周辺各国が少し落ち着くまでいようと思ったのか。もしくはこの時点でジェイクとなんらかの繋がりができたのか、姉妹はサンストーン王国の滞在を続けた。


 常識的に考えるなら、古代王権への敵対など歴史に残り続ける悪行として刻まれるため、一度あっただけでも驚くべきことだ。

 それ故に、常識で考えるなら落ち着いた生活を取り戻せたはずだが、クォーツ民意国から変貌した神王国が、神に仕える正しい国という、古代アンバー王国の代名詞をそのまま名乗ったことで事態は一変。


 名指しで喧嘩を売られた直後のアマラ、ソフィーの反応は残されていないが、途轍もない激怒を示したことだろう。


 その後アマラとソフィーはサンストーン王国の貴族の前で、石の王冠と共に神の遺言を伝え、この瞬間に不老不死が解けたと伝わっている。

 なんならソフィーは直接サンストーン王国軍に参加し、戦場で魔法攻撃を行っているので、大きな例外はそのまま彼女達の怒りを表している。


 さて、戦いが終わり不老不死ではなくなった彼女達は、古代アンバーの血を残す必要があった。

 そうなると当然、付き合いがある再統一王が相手に相応しく、アマラ、ソフィーはジェイクとの子を産むことになる。


 ただサンストーン王国内でアマラとソフィー、そして子供達が政治的影響力を発揮することはほぼなく、かなり穏やかな生活を送っていたことがはっきり分かっている。


 子供達は成人後、世界各地にある古代アンバー王国所縁の地の責任者を母から引き継ぎ、古代王権の血脈は現代も続いている。


 ◆


 ☆第五・六王妃のアマラ、ソフィー☆


 なんか適当なくじ引きかなんかで決めた疑惑があるせいで、どっちが五、六かははっきりしてないらしいよ。


 それはさておき、マジモンの権威の塊なせいで、お堅い本じゃ冗談も書けないお方々である。

 今ですら陰謀の元凶とか書いちゃうと、あ、この作者ヤバいな。とか思われちゃうレベルのため、当時の権威は推して知るべし。


 本題。不老不死の薬が作れると噂されたアマラと、占いでかなり高い的中率を誇るソフィーが、千年の経験値を持っているのだから、そりゃあ王は相談役としてほしいだろう。

 ついでに言うと、千年の間にそこそこの数が作られている肖像画から、超美人なことも分かっているので、大人気だったのは当然である。


 ただしいろんな国との関わりを書けば、イザベラすら及ばないデカさの歴史書になるので、やはり彼女達を知りたいならそっちを調べるといいよ。こっちは適当書くから。


 流石に古代アンバーの資料はほぼほぼ消失しているので、姉妹の幼少時を直接知る術はない。

 ただ、彼女達の子供が、子供の時のお母さんはこんなことをしてたらしい。という形で情報が残っている。


 それらの日記によると、アマラは泥だらけで薬草を育てお淑やかな母が心底困り、ソフィーは並の騎士より剣で強くなったため、父は楽しくて教え過ぎた……と反省したらしい。

 他にも姉妹でお菓子を牽制して母に取られたりと、歳相応のエピソードがある。


 以下省略。なんせ歴史的大事(ジュリアス大逆。神王国の件)は前に述べたことがある。


 時は流れジェイクの王妃になったアマラとソフィーは、いるだけで権威になるとはいえ、表立って影響力を発揮することはなかった。

 彼女達にすれば古代アンバーは、千年前に滅んだ過去の思い出だったらしく、再建の動きを見せることもなかった。それに王妃になった当初から、子供達は古代アンバー所縁の地の管理を引き継がせると宣言して、サンストーン王国の王位継承には関わらない立場を明確にしていた。


 まあ、スーパー王太子クラウス君はその配慮も必要ないレベルのスーパーカリスマ持ちだったけど、しない訳にはいかなかったのだろう。

 あるいはクラウスのチートっぷりを確認してから、王妃として表に出てきたのかもしれない。とにかくそれくらい、この神王はヤバかった。


 なお世間に知られている日記によると、千年生きているけど子育ての経験がないから、リリーなどにアドバイスを求められたらどうしよう……と悩んでいる記述が、姉妹揃って見つかっている。

 頼れる年長者は、そのイメージを守るのに四苦八苦していたらしい。


 出生に謎が多いレイラ、エヴリン、リリーはこの特大の権威を畏れておらず、賑やかな日常の会話がよく記録されており、かなり良好な関係だったことが伺える。この子育ての悩みを相談されたらどうしようという悩みも、それだけ距離が近かったことの証明だ。


 一方、王家の子供達は世間を理解する年齢になればなるほど、いやーヤバいっしょ。と思っていたようだが、まあ、優しい母ちゃんたちに変わりないかとも思っていたようだ。

 この辺りの図太さは父譲りなのだろう。


 子供達は膝を擦りむいたらアマラに薬を貰って、実は散髪が得意なソフィーに髪を切ってもらっていたらしい。

 とんでもなく贅沢な話だ。


 ちなみに、血を残すためにジェイクを選んだだけと誤解されることもあるが、砂糖食べちゃったかな? と誤認してしまうような日記も見つかっている。しかもこれは、子孫がまあこれくらいなら学術的な意味で……と公開している日記のみだ。

 アマラ、ソフィーに限った話ではないが、この夫婦の日記を詳しく調べる時は気を付けること。


 そしてアマラ、ソフィーもまたジェイクの隠居に同行し、ここでも政治的影響力を直接行使することはなかった。


 記録によるとアマラは趣味だった薬草栽培を大々的に行い、ソフィーは料理作りを極めてたとか。


 古代アンバー王国崩壊と群雄割拠。停滞した数百年。そして始まった混沌の時代を潜り抜けた彼女達は、その最後に穏やかな時間を手に入れて眠りについた。


 以上、後世から見た王妃たちでした。


 余談。経歴が経歴だからたまーに世界の黒幕にされてるけど、王権の生き証人がそんなことする訳ないだろ!

 多分な!(大不敬)

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― 新着の感想 ―
後世から見る来歴に不自然さが全くない…計画通り……
ジェイクの妻達を研究する者は、須らく先達からの警句を預かっている。 これから一生コーヒーや紅茶に砂糖を入れられなくなるから覚悟しとけよ、と! いやー、超美人の嫁を6人も娶って全員と甘イチャ生活を送った…
更新乙 そりゃ嫁達のラブラブ度を日記に書き残せば 砂糖もロイヤルゼリーもグラブジャムンも甘さ控えめだろうな 数世代先の子孫達に夫婦達が転生して 世界旅行する描写が見たいです、駄ホタルがガイドに張り…
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