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後世から見た戦争分析班

 戦争分析班。


 常勝王。中興王。再統一王。古代後継王。様々な異名を誇るジェイク・サンストーン王が、アゲート大公時代に設立した研究機関。


 ◆設立経緯

 エメラルド王国によるパール王国への奇襲戦争。更にその後、サンストーン王国がエメラルド王国に侵攻したことで、各国は大規模な戦争への研究・対策の必要性が生じた。

 各国は百年以上、本格的な国家間戦争を経験しておらず、エメラルド王国が引き起こした戦争に即応出来たのは、サンストーン王国だけという有様だった。

 これを重く見たジェイク・サンストーンはアゲート大公時代に、事実上サンストーン王国の属国君主ながら、小規模の研究機関。戦争分析班を設立することになる。


 ◆活動

 明確な設立時期は不明だが、サファイア王国が起こしたサンストーン王国への奇襲戦争直後には活動を行っていた記録が残っている。

 しかしながら、サファイア王国が行った事実上の騙し討ち。指揮系統の不備。兵糧の不足。その他様々な“複数”の敗因と言ってもいい事態を分析する事態に直面。

 初代責任者であるグレイソンは、敵が無能なのか、そう結論するしかない自分達が無能なのか分からない。と言及している。

 しかしながら、サファイア王国には記録がないものの、当時のサンストーン王国関係者が残した記録や日記においても、敵が無能であると結論しており、戦争分析班以外も頭を悩ませていたようである。

 更にサンストーン王国対クォーツ民意国戦、王政同盟対クォーツ民意国戦も、過程は少々違えど結局は無能という結論に至っている。

 しかしこれらの活動は戦争分析班が行った欺瞞工作に等しい。


 ◆真の目的

 ジェイク王のアゲート大公時代の立場と、サンストーン王国の情勢を考えよう。

 王位を巡って争うレオ王子とジュリアス王子に加え、優柔不断な父アーロン王(名は諸説あり)が絡んでいるサンストーン王国は、いつ内戦が起きてもおかしくない情勢だった。実際、幾つかの記録には両王子が先手を打とうとした痕跡が残っており、一触即発の状態だった。

 そう、ジェイク王はかなり高い確率で発生する内乱に備える必要。場合によっては打倒することも視野に入れなければならなかったのだ。


 ここで、戦争分析班に所属した者達の扱いが非常によかったことを紹介する。

 参加者は全員が何かしらの形で昇進しているし、ジェイク王からの賞賛も受け、しかも参加者が死去した際はジェイク王からの使者が遣わされている。

 これはジェイク王が息子クラウスに王位を譲った数十年後、腹心チャーリーの葬儀に出席した事例に次ぐ扱いであり、破格と言ってもいいだろう。


 つまりチャーリー卿と戦争分析班は、ジェイク王にとっての最高機密。対サンストーン王国、対レオ、対ジュリアス、対アーロン王を想定した計画に携わっていたと見ていい。

 そうでなければ、内乱時におけるジェイク王の電撃的な行動を説明できず、事前に幾つかの計画が存在したのは間違いない。

 しかしながらジュリアス王子の大神殿放火は流石に想定外だったようで、チャーリー、戦争分析班に関わらず、多くの人間が驚愕を日記に認めている。


 ◆結論

 結論を述べると戦争分析班は、周辺の愚行に頭を痛めていた組織ではない。

 戦争への研究を看板にしつつ、絶対に表に出せない対サンストーン王国戦を想定した精鋭達の集団である。



 ーーーーーーーー


 戦争分析班とは。

 常識的な判断で設立され、非常識に振り回された可哀想な集団である。

 なお彼らの苦労は決して、偉大なるジェイク・サンストーン国王陛下(最強国王議論常連)のせいではない。いいね?


 一つ二つが無能ならまだしも、やることなすこと全部が無能な敵のせいで、自分達も頭がおかしくなったのではないかと錯覚。当時の関係者の日記は涙で濡れていたとかなんとか。

 冗談抜きに当時の戦争は、楽観、誤算、思い込み、無能が溢れていた。百年も平和だったのにいきなり大戦争の時代に突入したことが理由に挙げられるものの、それでも酷い。酷すぎる。

 詳細は省くが、歴史家が一番研究したくない時代ナンバーワンに輝いており、そんな時代の真っただ中にいた戦争分析班の苦労はどれだけのものか。


 常識的判断で設立したジェイク王(権威で殴れば相手が死ぬ。を証明した男)もまさか、こんなことになるとは思っていなかっただろう。

 一部研究者は、彼らに王が配慮したからどうのこうのと陰謀を作っている。もっとシンプルに考えよう。

 くっそ面倒な仕事をやり遂げた彼らへのお詫びと御礼なんじゃないかと。


 なおこの戦争分析班、次代のクラウス王も存続させており罰ゲームは続くかと思われたが、世界中で戦争が小規模化したため、国家規模の無能に頭を痛めた先代と違い、かなりマシな組織に落ち着いたようである。

(クラウス王・親父の人生半分が派手過ぎて地味扱いされるも、残っている逸話やら当時の国力を考えると、寧ろこっちがヤバいまである王。クラウス王の時代は多分、世界に喧嘩を売れた)


 以上、戦争分析班の説明終了!

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
胃痛同盟ww
歴史家が1番研究したくない時期で草。 盛大に笑ったわ。いや、確かにそうだわw
戦争解析班が後世では対サンストーン秘密組織になってて笑ってしまった もしも外伝のリクエストが出来るなら ・初代サンストーン国王の話 ・古代アンバー王国時代のアマラとソフィー ・エヴリンと父親の再会 ・…
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