33、木刀
殿下が戻ってきて3人で昨日行った殿下の訓練場まで行き授業を始めることになった。
「まずは、素振りからしてみましょうか」
そう言ってジュスタン様は私に木刀を渡した。
渡された木刀が家で使っている木刀とは比べ物にならないくらい軽いことに驚き、違和感を感じた。
(国の騎士団がうちより軽い木刀を使って練習するのかしら?)
そもそも木刀が重すぎるものはいけないが、軽すぎて良いことはないはずだ。
いくら剣が進化して軽くなったとしても木刀はわざわざ軽くなんかしない。
それも訓練だからだ。と言うことはこの木刀は…
「ジュスタン様、この木刀を変えていただけませんか?」
「何か問題でも?」
「この木刀は軽すぎて練習にならないのでもう少し重いものを…と思いまして」
そう言うとジュスタン様は驚いた様に目を大きく開いたが、いつもの表情で
「初めのほうは殿下もこの木刀を使われていたんですよ。
辺境伯令嬢も剣を習い始めて半年と聞きました。
まずは初めにこっちを使われてはいかがでしょうか?」
それを聞いた時少し悲しくなった。
確かに剣を習い始めて半年で腕も小さい頃から欠かさず筋トレをしていたはずなのに目立った筋肉はつかない。
だけど普通の騎士が持って練習する様な剣で私も出来るのに…
悔しさが心を埋め尽くしたその時
「まずは普通の木刀でやってみても良いんじゃないか?
途中でダメだってなったらそっちの木刀に変えればいんだし」
なんてことないかのように殿下はジュスタン様に言った。
「殿下!いくら辺境伯の御令嬢と言ってもまだ半年しか習ってないのですよ?
それに御令嬢はまだ七歳ですし…」
「でも私はいつも鍛錬の際は騎士の皆と同じものを使っています!」
必死になってジュスタン様に言うとジュスタン様は諦めたかのように「はあ」と深いため息をつき、木刀を持ってきて私に渡す前に
「良いですか、辺境伯令嬢。
もしダメだと思ったらすぐに言うこと。絶対に無理はしないこと。
これを約束していただけませんとこの木刀で鍛錬はできません。
良いですね?」
「ええ!必ず約束するわ!!」
そう言ってようやく渡してもらえた木刀はうちで持ち慣れた重さの木刀で気が引き締まった。
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