決戦!南極海
大城戸ファミリーは研究船パーズAの屋上展望台にいた。
研究船パーズよりも、狭い展望台ではあるが、周りの見渡しは良い。
『シーピーズ』の艦隊の影が肉眼でも見える距離に迫っていた。
空母から戦闘機が飛び立った。
その数10機。
「結構いるなぁ〜。あっ、くるぞ、シンシア! アムル!」
博士は、オペラグラスを構え、相手の状況を確認していた。
目の前にいる空母から戦闘機が飛び立ったのを捉え、声を上げる。
空の上には、雷雲が集まってきており、昼間だと言うのに薄暗い。
アムルは着々と準備を進めていた。
シンシアは神具トライデント、アムルは神具ケラノウスを握りしめた。
「あ〜〜あ〜〜」
アムルは、気合を入れて、叫ぶ。
しかし、まだまともな言葉は話せなかった。
(兄者、空の敵は俺に任せろ! 今、チョコパイを食べて、元気100倍なんだ)
そして、シンシアと博士に脳波を送る。
「よし、アムル! 頼んだぞ!」
シンシアは、アムルの方を振り返った。
(任せて! 兄者!)
アムルは、博士の背中におんぶされながらも、右手に握りしめた神具ケラノウスをブンブンと振り回す。
ピカッ
ゴロロォォォ
ゴロ
ドガーーン
空に稲妻の音と光が響き渡る。
ピカッ ピカッ
ゴロロォォォ ドガーーン
ゴロ ドガーーン
ドガーーン ゴロロォォ
空母から発進した戦闘機は、研究船パーズAに近づくまでもなく、次々に墜落してゆく。
10機いた戦闘機も、空が数回光っただけで、全て墜落した。
火を上げながらそれらは海へと墜落してゆく。
博士とシンシアは、それらをじっと見つめる。
「さぁ、シンシア! まだ、空母と戦艦が残っているよ」
博士は、オペラグラスでの観察を怠らない。
「大丈夫だよ、パパ。さぁ、どうやって料理してやろうか? まだ、この前の恨みは全然晴れてないよっ!」
シンシアは神具トライデントを握りしめる。
研究船パーズAの前方には、まだ2隻の空母と、10隻の大型戦艦が残っている。
「津波だと、あいつらの後ろの南極大陸が心配だね。どうする? 1隻ずつ、ひっくり返す?」
「う〜ん。どうしようかぁ〜? そうだ! お互いぶつけてみる?」
シンシアはそういうと、神具トライデントを、体の前に構えた。
「てい」
シンシアはトライデントを力一杯振りかざした。
ジュシュー ジュシュー
ジュシュー ジュシュー
ジュシュー ジュシュー
1隻の空母の下から大きな海水の柱が生じて、空母を持ち上げてゆく。
「「おおぅ」」
博士とレイアは声をあげて驚く。
「よいしょっと」
シンシアは、トライデントを右に振った。
ドゴゴーン
シンシアは、海水の柱を使い、1隻の空母を10メートルほど持ち上げ、それを、ぽいっと、その横に並走していた空母にぶつけたのだ。
2隻の空母はぶつかり合い、崩れる。
ところどころで爆発が生じ、みるみるうちに2隻の空母は火だるまになってゆく。
「これで、空母は終わりだね。あとは、戦艦だけか……。」
シンシアは、笑みを浮かべる。
「相変わらずすごいなぁ、空母2隻があっという間に沈んだよ」
博士は、オペラグラスを覗きながらも、ゴクリと唾を飲んだ。
博士は、娘と息子の2人の神の恐ろしさを痛感していた。




