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月と海のリザレクション〜海神ポセイドンの幼女転生〜  作者: 幸田遥
第1章 太平洋航海編

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大城戸ファミリーの第二子誕生


 博士が病院から連絡を受けたのは、7月12日の朝6時のことだった。



 博士は、タクシーで病院に急いだ。


 シンシアはまだ眠っていた。シンシアには悪いが、置き手紙をしておいた。博士は急いで着替え、一人で部屋を飛び出したのだ。



 研究機関パーズが停泊している港から病院までは車で10分程度である。夏に向けて日が長くなり、外は既に明るくなっていた。

 博士は、タクシーの中で、そわそわしながら外の景色を眺めていた。目の前に見える『太陽』は、ゆっくりと空に登っていく。


「眩しいな、朝だというのに。カリフォルニアの空は広いな、太陽が活き活きとして見えるよ」


 カリフォルニアの道は広い。走る車の中から見える景色は、半分以上が空である。

 博士は、目を細めながら、太陽を眺め、ひとりごちた。




 博士は、タクシーを降り、レイアの病室へ急ぐ。


 博士は、そわそわしながらセキュリティチェックを受けた。警備員も、この時間に急いで病院に来る男性が、どういう状況にあるかわかっているようだ。


 「It’s O.K. Mr. Okido, you can go ahead. And, congratulation your baby! (はい大丈夫です。大城戸さん。赤ん坊、おめでとうございます)」


 警備員は、チェックを通過した博士に言葉をかける。


「Thank you so much! (どうも、ありがとう)」

 博士は、軽く会釈し、レイアの病室へ急いだ。




「Hi, Leia. How is going? (レイア。来たよ。どうだった?)」

 博士は、レイアの病室のドアを開けるなり、声を上げる。


「It’s baby boy. (男の子よ)」

 勢いよくドアを開ける博士の姿を見て、レイアは、クスッと笑う。

 博士の髪はまだボサボサだ。

 レイアは、博士の頭を見て、もう一度、クスッと笑った。



 レイアはベッドの上に、一人で座っていた。

 赤ん坊は、検査のために別室にいる。



「Oh, baby boy! Nice. It is commonly said in Japan that it is good to have a daughter first and then a son. (男の子かぁ。いいね。日本では、一姫二太郎が理想だって言われているんだ。まさに理想だよ)」


 博士はレイアの顔を見つめる。

 レイアのショートカットの金髪がいつもより乱れている。透き通った青い目は、どこか眠そうだ。早朝から頑張ってくれていたのだろう。



「It’s cool. It should be good for us. Then, what is a name of our baby boy? (ふふ。そうなんだ。私たちの理想でもあるわけね。それで、名前はどうする?)」


「So, how about “Amurru”? It is just named after a god. (そうだなぁ、『アムル』ってのはどうだい? かっこいい名前だと思わないかい)」

 博士は、一呼吸おいて、レイアの質問に返した。



「Huhu, sounds good. I agree whatever you want, Hiro. Love you. (あら、素敵ね。いいと思うわ)」

 レイアは、顔を上げ、大きく笑顔を作った。そのレイアの唇に、博士は優しくキスをした。



 大城戸博士とレイアの間に産まれた2人目の子どもは『アムル (Amurru)』と名付けられた。大城戸アムルである。



 コンコンコン


 ノックの音が聞こえた。

 博士は、すぐにレイアから離れた。



「Good morning,Leia. I’ll give you back your baby. It is wonderful. (おはようございます。息子さんをお返ししますね。何も問題ありませんでしたよ)」

 ノックの後に、看護師が部屋に入ってきた。

 彼女は、二人がしていたことを察しているようだ。どこの家族でもやっていることであろう。



「Um, sorry for bothering you guys. Hi, your father is coming to see you. (すみませんねぇ、邪魔して。ねー、パパが来てくれまちたねー)」

 看護師は、ベビーベッドを押しながら、部屋に入って来る。

 ベビーベッドの上では、アムルが寝ていた。



「Oh, it’s so cute. It has eyes of Leia and Cynthia. (かわいいね。レイアとシンシアと同じ目をしている)」

 博士は、アムルの目を見て、呟いた。

 博士の目は涙で溢れんばかりだった。





 アメリカの病院は、退院までが早い。

 出産の翌日には退院である。


 次の日に、博士は、また一人で出かけた。タクシーで、レイアを迎えに病院に向かった。シンシアとさーべるちゃんは、2日続けてお留守番だ。






 博士、レイア、そして、アムルは、研究機関パーズに戻ってきた。

 3人で、博士たちの住む居住部屋に戻ってきたのだ。



「ただいま、シンシア。さーべるちゃん。お留守番お疲れ様。ママが帰ってきたよ。そして、シンシア、弟のアムルちゃんだよ」

 部屋の扉を開け、博士が大きな声を出す。




 レイアの腕にはアムルが抱きかかえられている。


 アムルは、日本人の博士に似た黒い髪の毛に、イギリス人のレイアに似た青い目をしていた。肌は白く、レイア似である。白いおくるみに包まれ、スヤスヤと眠っていた。




 シンシアは、アムルの姿を見て目を丸くした。


 レイアに抱きかかえられていた小さな赤ん坊から、神の気配が感じられたのだ。かつて海神ポセイドンであった時の弟の最高神ゼウスの気配である。



「はははっ」

 シンシアは、大きな笑顔を浮かべた。


「パパ、ママ。もぅ、なんて言ったらいいかわからない。ただ、ありがとう」

 シンシアは、博士とレイアの2人に抱きつく。

 博士とレイアは、シンシアの頭を優しく撫でた。




 最高神ゼウスも人間に転生した。


 大城戸博士とレイアの子どもとして、そして、シンシアの弟として、転生したのだ。最高神ゼウスは、海神ポセイドンの弟であった。そして、再び、ゼウスはポセイドンの弟となったのである。




 しかし、シンシアは、このことを博士とレイアに言わなかった。そして、秘密にしてしまった。


 自分が両親にかけた心配と迷惑を考えると、人間界では、普通の人間のアムルとして、育てられる方がいいだろう。


 と、シンシアは考えたのだ。


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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
好評連載中です!

i493381
砂臥 環さまからいただきました。
リンク先は、『『月』を照らす光〜月と海のリザレクション〜』です。
テーマソングです。
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