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026・前編─アニメは3話まで見てから視聴継続を決めよう。

誰だよ次は早く出せるとか言ってたの

 二人の啖呵を幕切れに、ラウルムが跳び上がりとんでもない数の球体が浮いている、メデスの周囲にもおびただしい数の水球が浮かび上がる。

 瞬間。

 今度は数回なんてものじゃない。同時とも思えるような速さで数百、数千もの衝突音が発生する。


 「うぎゃぁあーーー!」


 ラウルムの攻撃を一つとして零さず撃ち落としているので、こっちにも青華達にも一応、危険はないが、それでも怖いものは怖い。ここは機関銃と機関銃が撃ちあう戦場も同然だ。

 叫んだって許されるさ。

 断続的に発生する衝撃、

 将棋において互いに最善を取り続け、決着がつかない様子を千日手という。

 ラウルムとメデスの二人がこのまま撃ち続けても決着なんかつきやしない。ということは、少ししたら両者共にまた別のアプローチをかけていくだろう。

 その二人が釘付けになっている時。その時がチャンスだ。

 逃げ出すチャンス。

 青華と羽重の二人を助けて、さっさとここをトンズラする。あの二人の戦いの狭間。そこだけが現状から脱する好機。幸いなことに、俺の頭を押さえつけていたメデスの手は既にない。今俺にできるのはその機を待って、いつでも動けるように準備しておくことだ。


 「ふふ」


 メデスが愉快そうに笑った。

 直後、ラウルムの背後に二本の水柱が立ち上り、その先端を竜のあぎとへと変えラウルムへ襲い掛かる。

 竜は地表からどんどんと現れ数を増やし、上下左右あらゆる方向から彼女を飲み込んでしまった。

 竜が集り、寄って蜷局とぐろを捲き、その水の量からはおよそ考えられないほどの小ささの水球が出来上がる。

 水に吞まれる声も悲鳴も聞こえなかった……。

 数秒後、俺は呆気にとられて情けない思考もできなくなっていた。


 「は、ははっ、よし! メデス! 青華と羽重を連れてここから脱出しよう!」

 「それができたら苦労しないよ、鈴人君。ほら、あれが『自分だって直ぐに逃げ出したいけれどやらなきゃいけない事が在るから格上相手に喧嘩を売らなくちゃいけなくなっちゃった中間管理職』だよ。見てごらん」

 「長げぇよ。そしてどういう意味だよぉや?」


 メデスの指した先、先程の水球に目をやる。その中に閉じ込められたラウルムの体は歪にひしゃげ──ぐしゃりと潰れた。


 「ひっ」


 思わず顔を横に背け目を瞑る。ほとんど反射だった。あれだけの量の水が凝縮されたら、当然相応の水圧が発生する。今のあの水中の惨状は当然の結果ではある。

 目を逸らして目を瞑った。

 どうなったかなんて、考えるだけでも悍ましい。想像しただけで寒気がする。


 「だから見てよ。見ないと──」

 「いや、メデスちゃん。これはちょっと十八歳未満には見せられない光景というか、アニメだと三話位に発生するイベントというかなんというか」

 「危ない」

 「え」


 ぱしゅっと。

 ぐるぐるっと。

 ぴゅんっと。

 あれあれれ。

 えっと間に青華達と同じ体制に。

 ……誰得だよ。

 パンツ一丁の暮木鈴人が腕を縛られて吊るされてるとか、誰得なんだよ。

 吊られた男(ハングドマン)・暮木鈴人としてフィギュアにならないかな。ならない? そう……(無関心)


 「そんなだって、今俺の目の前であいつはぐしゃっと……」

 「だからよく見なって。何回言わせれば気が済むんだい? 君をぐしゃっとしてやろうか」

 「痛って! 殴るのはどうなんだよ。……青華よりは優しいか」


 真横一閃。

 小さく鋭い小物体が鼻先薄皮一枚を裂いて背後へと去っていく。

 今のは紛れもなく氷。

 放ったのは紛れもなくヤツ。


 「ガルルルルㇽ……」


 身内にも敵がいるのかもしれない。

 どんな状況だろうと変わりないその態度にはむしろ安心感を覚えるよ。

 ほとんど本能的かつ感情的な行動だっただろうけれど、今、身の内を恐慌に塗れらていた俺としては、一周回って冷静になれるいい機会でもあった。

 お前はいつも不安と安心を同時に与えてくれるな、青華。

 ちょっとだけ俺に優しくしてくれてもいいんじゃないかな、青華。

 いや、分かるけれどね。目の前にあられもない姿の男子高専生がいたら消したくなる気持ちも分かるけれどね。筋太郎なんか同じ格好してたら俺だって蹴り飛ばす。


 「あれは……」


 ここまで一言すら発することの無かった羽重はねおもしが、突如発生した異変を伝える。

 なにかに覆われる天井。発光しだす俺。

 味方側からの不意打ちに対応していた俺は、頭上で起こっていた異変に気付かなかった。俺は光閉ざされたホールで視界を奪われ、気が付いたら──体が発光していた!


 「一体なにが起こってるんだ?」

 「上が塞がれて、アンタはどうしてどうやって光ってるのよ」

 「これだけ強く光ってると明日はトイレから一歩も出られないね。まあ、安心していい。ただフタされただけだよ。時間稼ぎだね。それから安全の確保」

 「安全?」

 「ほら、あんな穴空いてたらあいつら入って来ちゃうから。それだけは彼女も阻止したいんだ」


 あいつら……俺とメデスが遭遇した人影。

 そこまでの脅威なのか。


 「あいつら、一体一体が強いくせに無尽蔵に増えるんだ。しかも若干ながら知性も個性もある」

 「そう。私ではあれらに同時に対応できて五体まで。星霊様におかれましては特段問題にはならないのでしょうけれど」


 するすると、ラウルムは上空から降りてきた。

 そんなことないさ、とメデスは返す。


 「僕はね、彼らには極力危害を加えない事にしているんだ。彼らの攻撃がこっちに大きな被害を与えることはないにしても、逃げ出すまでにこっちは誰か一人、確実に死んじゃうよ」

 「おいメデス……!」

 「黙ってて。今の君になにができる」

 「ぐっ」

 「そっちの二人も、死にたくなければ余計な行動はとらない事だ……って、まあ青華ちゃんはよく分かっていたみたいだけどね。いや、本能的に動かなかったのかな。ま、どっちでもいいけど」


 勝てないと理解わかっている相手に向かって行かないのは、賢明な判断だ。いつでも拘束を解くことができたとしても、為されるがままであったことは結果的に青華の命を繋いだ──ということだ。

 本当にメデスは、今俺の目の前にいるこの人ならざる星霊は、青華も羽重も、俺以外の命をどうでもいいと思っているのだ。死んでいても、生きていてもどっちでもいい。淡々と語られた言葉の裏にそういった感情が、隠されもせずに置かれていた。

 本当にどうでもいいのだろうか。

 そう言えば、青華については少しだけ、そうでも無いというようなことを一度聞いたような気がする。

 分からない。

 俺にはメデスという存在の思考が、感情が分からない。

 

サボってただけだから言い訳とかできない。どうしましょ……。最近カードキャプターさくらの漫画、アニメで言えばさくらカード編までにあたる全12巻を購入したのが原因でしょうか。それともメタルギアが悪かったのかもしれない。 箱イベかも。

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