025・後編─四等分の主人公
課題の提出期限を延ばしてもらって時間ができました(錯乱)
いままで大人しくしていた青華も天井見上げて宇宙猫になってるし。
羽重は見上げて……なんだろう。あれは何を思っている顔何だろうか。なにも思っていないようにしか見えない。
「っスーーーーー……」
なにかを思案するようにラウルムは目瞑り、大きく息を吸う。
あーっと。
目を瞑ったまま大量の冷や汗をかき始めた。ここからの展開が気になりますね。
「せいっ」
「せいっ」
恐らく、一閃。
激しい衝突音が辺りに走る。
ラウルムがその手を横に振った──のだと思う。
それと同時にメデスが腕を上に振り上げる。──というか、振り上げていた。気が付いたら既に腕は上に振り上げられていた状態である。俺を片手に持ちながら。
とんでもない勢いで水滴が上空へと飛び去って行っているのはとりあえず見えた。
「この期に及んでまだ野球ごっこ?」
「……やかましいですわ」
なんか言ってる。
直前までノリノリで野球ごっこやってたやつがなんか言ってる。
今の空気の中では流石の俺も口にはできないため心の中だけにとどめておくが。
多分、何か飛んできたものをメデスが弾いたというのが今の行動の全容なのだろう。
見えなかった。
何も。
ラウルムが腕を振った時も、飛んできたものも、それを弾いたメデスの動きも。
何一つとして目に捉えられなかった。
「より正確に言うなら、弾いたんじゃなくて切ったんだけどね」
「へぶっ」
効果音は「BitAaaaNN!!」。
体の側面から地面に落とされついでに側頭部をぶつける。そのうち脳に障害でるぞ。
心を読まれていたことに対する驚きはとりあえず置いておこう。
よいしょ。
って、あれ。
「不用意に動くな」
体が持ち上がらない。
膝を上げられない。
頭を押さえつけられている。
「……メデス?」
「二回」
「え?」
「今僕が頭を押さえていなかったら、僕があいつの攻撃を切り裂いていなかったら、君は縦と横にきっちり綺麗に四等分になっていたよ」
「………………」
「いいか? 不用意に動くな。不注意に喋るな。ただ黙って感覚を研ぎ澄ませ。集中しろ。生き残る事だけを考えろ」
先の天井消失の影響か、辺りの照明は明かりを失い、夜闇を縫う月と星の灯火だけが丸くこの場を照らしている。
メデスの塗羽色のショートカットが星の光を反射させてまるで夜空をそのまま持ってきたかのように煌めいている。
しかし、その表情は隠されたように窺い知ることができない。
──正直、怖かった。
普段のメデスからは想像もできない口調に、声に、全身が震えた。
「これから奴の攻撃は更に激しくなる。だから余計なことは考えるな。警戒しろ」
ふと、メデスが顔を上げる。
三回、腕を振るった。
三度、破裂音。
先程、メデスは「正確には切った」と言っていたが、明らかに切断ではなく粉砕していた。
「申し訳ありませんが、おしゃべりはその辺でお終いにしていただきますわ。時間が無いのは──あなたも分かっているでしょう? 星霊様」
「時間が無いのは分かってるさ。でもね──君の一方的で上から目線な言い方が気に食わない。調子に乗るなよ、仔羊風情が」
次は結構早く投稿できると思う




