014・前編─Shaken by the ship
めぐるかわいい。感想に好きなエロゲとヒロインを書き込もう。
燦々太陽、煌めく水面、カモメの唄は空高く。
相模湾の更に下に位置する我らが町がある人工島──異能島。特に深い意味はなく、ただ特異者を育成する学校を置くことが決まっていたためにそう名付けられたそうな。日本人はいつも適当である。
めでたい日だから鯛を食う、みたいな。
とにかく、そんなもろに海上にあるところから日本本島に移動するには当然、橋を渡るか船を利用するしかない。
そんなわけで今現在、俺、青華、羽重を乗せた船が海上を移動している。
俺たちが船に乗っていることも、会場を移動していることもこの際、問題ない。しかしどうだろうか。
絶賛仲違い中の二人と明らかな混ぜるな危険を同じ空間に放り込むという暴挙は。
いや、羽重は今の所大人しいし、青華も羽重を睨むだけで行動してない。俺、抓られてるけど。内腿めっちゃ痛いけど。
無視は終わったのか。いいのかそれで。結構シリアスな感じだったのに。俺、病む寸前まで悩んだのに。
……まあ、いいなんてことはあるわけはないんだけど。俺のケジメとしてしっかり謝るし、その上で今まで通り接してもらう。あわよくば優しくなってもらう。
無理だな。
「な、なあ青華。コレ抓られるの相当痛いからやめてもらえないかなあ、なんて」
「……フンッ」
ちらり、目線をやれば頬を軽く膨らませて横に顔をぷいっっと背けてしまう。
なにこの可愛い生き物。
ちなみにお願いへの返答は抓る力が更に強くなったこと。自分で自分の首を絞める結果となってしまった。
なんだか船運転してるおっさんは笑ってるだけで助けてくれないし(運転してるんだから当たり前だ)、羽重は外に出て船の先頭で片足を台に乗せてポーズとってるし。
……何だあれ、写真とっとこ。
つーかこの船、渡船だよな。一回数百円で乗れるやつ。ケチったな校長。
「え──」
青華が何かに気づく。
今回の目的地、相模湾の南に位置する人工島である異能島よりも更に南に位置する大島。その数キロ南東に位置するあるはずのない島。
その実在に、その存在に青華が気づいたのだ。
羽重は手旗を振っている。意外と愉快だ。というか大分面白い。普段のキャラクターとのギャップが大分笑いの琴線に触れてきてる。セーラー服とか着だしたらもう我慢できない。
「あそこの桟橋につけっから」
「桟橋があるのかよ……」
あるはずのない島って言ってんだろ。
なんで整備されてんだ。
いや、そんな不思議島だからこそなにがあっても不思議ではないのかもしれないが。
さて、そんなあるはずのない島、仮称・不思議島(勝手に今名付けた)。この島に来ることになってしまったことの始まり──と言うと日本語的におかしいといういか、それがどのことをいうのか、どこまで戻ればいいのか分からないが、やはりさっき特に意味も無く切られた校長室での本題の方の話、が原因である。
そう、俺と青華が校長室でお茶請けを頬張り出した時まで遡る。
「さて、お茶請けを全力で頬張り出した暮木君は後で個人的に残すとして」
隣で一切止まることなくハムスター的に食べ続けてる青華はお咎め無しらしい。頬を膨らませているか否かの違いしかないというのに。何なら青華の方が多く食べてるはずなのに。
いくら食べても太らない、伸びない、膨らまない、だからかいつもいつも食べ過ぎな彼女をそろそろ誰かが止めるべきだ。
俺? いや、あはは──無理。やった瞬間には足が凍ってる。
「この学校では勉強や戦闘など多角的に成績を付けて、その成績優秀者に実践的な課外活動という名の大人が受けるのが面倒だと子供に押し付けた任務をこなしてもらう、という制度があるのをご存知でしょうか」
「結構ぶっちゃけたな」
それ、そんな事情だったのか。
「実戦経験積立制度というのですが」
「な、なんか保険の制度みたいね」
青華がツッコむ。
まあ、その実情やネーミングはともかく、学生に実際の任務の経験を積ませるというのは確かにいい事ではあると思う。事情はともかく。
そういえば霧島が「その任務に指名される生徒、暮木君が推薦されたんですよ」なんて言ってたっけな。本当だったのか。
そしてその話を今したという事はつまり──
「その制度の今回の対象者に貴方たちが選ばれました。おめでとうございます」
微笑んでそのまま紅茶を啜る。
可愛い。
「一応強制となっているのですが、何か不都合などはありますか?」
「不都合っていうか……」
今の所、不都合よりも疑問の方がある。
「青華や羽重はともかく、なんで俺まで一緒に? 自分で言うのもなんだが、俺成績はあんまいい方じゃないぜ?」
「ふむ、まあこの二人だけというのが不安という事もありますし、暮木君はいくらか事情が特殊という事もあります。……能力が無くても異常な量の霊力を武器に特異者と互角以上に戦う人間。過去にそのような例は存在していません。ですからこういった機会には積極的に起用していきたいというのが学校側の意見なのです」
「つまり、前例がないからとりあえず試験的に、実験的に使ってみたいってそういう話か」
「ハッキリ言ってしまえば、そうです」
空気が凍る。
そうか。
うん。
何も思わないでもないけれど、まあ、そこまで傷ついたりもしない。
それがどうした。
それがどうした、なんだけど……。
冷たい。
隣からすごく冷たい空気が流れてくる。何も言わないし、動かないけど。小さな霊子と共に冷気が流れてくる。どうしたのだろうか。
そっと青華を見やる。
うん。怖い。
「分かった。俺は特に不都合なんかはないと思う」
「私も」
俺の回答にそのまま便乗する羽重。今回初めて発声したな。
ただ青華だけがいまだ返答をせずに
「それは何か危害を加えられたりはされますか?」
「そうですね任務の内容によっては戦闘になったりはするかもしれませんが、ええ、基本学生に流される任務ですからね、そんなに危険なものはありませんよ」
「……分かりました。私も特に不都合はありません」
青華が納得した。
同時に冷気も発生しなくなった。
しかし安全性の確認なんて珍しい。普段の彼女を考えればむしろ危険に自ら突っ込んでいくタイプだが。なんなら俺を積極的に危険に投げ込んでいくタイプだが。
「では、詳しい任務の内容を説明しましょう」
「さあ、始まりました第二回あとがきラジオ。ラジオのタイトルは現在大募集していますのでお便りお待ちしています。メインパーソナリティはこの私、本編にあんまり出番のない実はヒロイン、霧島写です。そして本日のゲストは?」
「本製品は十八歳未満の方はプレイすることはできません」
「おや?」
「ゆ〇ソ〇ト」
「おやおや?」
「トゥタララトゥタラギューン、サ〇バ〇ィッチ」
「ちょっと待ってください! それはもう大変怒られる可能性を多分に秘めているのでやめてくださいっていうかそういうの私のキャラじゃないですか⁈」
「終了するよ? お疲れさまでしたー」
「終了しないでください。いや、その物凄く危ない寸劇は終了していいんですけど、この企画を終了させるようなことはしないでください!」
「というわけで本日のゲストの暮木弓良でっす!」
「やりますね、流石あの暮木君の妹なだけあります。まさかこの私がツッコミに回されるとは思ってもいませんでしたよ」
「霧島さんは普段はボケなんですか?」
「それはもう暮木君が回転しながら飛んで行くくらいにはボケ倒しますね」
「ムム、それはかなりのボケ手と見ました。お題です」
「ボケ対決ですか。受けて立ちましょう」
「蛙がいます。さあ何蛙?」
「私蛙は嫌いなんです!」
「いや、お題ですから」
「そんなのはから揚げにしてレモンで美味しくいただいてやります」
「嫌いなのでは⁈」
「ん、おやそろそろ本編に触れないといけないようですね」
「えー、まだ遊んでたーい」
「でもあそこにカンペが出てるんですよ。しかも赤字で」
「本当だ。赤字で強調されたら仕方ないですね」
「今回は……なにも進んでないですよね」
「ないですねえ」
「そもそもこの物語投稿頻度も遅いくせに進行も遅いんですよ」
「そのせいで読者も内容結構忘れたりしちゃいそうですよね。私も結構本編の内容忘れてますもん」
「今回の一行目の『燦々太陽、煌めく水面、カモメの唄は空高く』って結構記憶に残りやすいと思うんですけど、でも、内容はあんまり入ってきませんでしたね」
「まあ、どうせ皆一行目読んだら内容なんて……ん? そろそろ〆ろですって、あんなに慌ててどうしたんでしょうね?」
「どうしたんでしょうねえー? ではでは皆さん、最後までお読みいただきありがとうございます。お相手は出番を強引に増やしに行こうと思う霧島写と」
「次いつ本編に出られるか分からない暮木弓良でした……終了しますね? お疲れ様でしたー」
「だからそれやめてください!」
この物語は全年齢対象です。私の年齢は気にしない方向で!
私、夏休みがあとひと月くらいあるのでしばらく更新が滞ることはないと思います。




