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008ーここはどこ? 私は誰?

 目を醒ますとどこか知らない場所に居た。いや、実際には視覚では現状、なんの情報も得られていないからここが知らない場所かどうかは分からないのだけれど。辺りは真っ暗、体は何かに包まれていて、と言うか、何かに巻かれていて動けない。イグサの香りだけがここが辛うじて畳の敷かれた部屋だという事を教えてくれている。

 こんな展開をどこかで見たことがある──が、俺に彼女なんてものはいないし、ここに至る前に不吉な喪服の男に出会ったりもしてない。腕に手錠によく似たアクセサリーは着いているが(霊力を制限できる代物だ。俺は四つでようやく制限できるとか言ってたくせに二つで十分制限されている。しかも爆弾付き)。

 なにがなんだか分からねえ。


 「むぅー! んむぉーん!」


 とりあえず叫んでみたけれど、良く分からない生物の鳴き声みたいになってしまった。そして息苦しい。

 どうやら、口も塞がれているらしい。そしてこれギャグボールってやつじゃねえのか(猿轡さるぐつわとも言う)。ヒロインキャラよりも格好のレパートリーが多い主人公……一体どこに需要があるんだ。目には何もつけられてないっぽいんだけど……。周囲は真っ暗で何も見えない。

 ギョロギョロと目を回す。

 眼球を動かし続けて目が疲れてきた頃、それとは全く関係なく、暗闇に目が慣れてきたことにより若干周囲の様子を確認することに成功した。畳に、部屋の隅に置かれた燭台。薄い月明かりに照らされた障子。

 そう言えば今日は三日月だったか──昨日、狛人がそんな話をしていた気がする。天体に詳しい男はモテるらしい。とりあえず投げ飛ばしておいた。

 ともかく、少なくともここは俺の知っている場所では無い。

 綺麗な部屋だ。和室だというのに埃っぽくない。よく見ると燭台以外にも燈篭(燈篭流しなんかでよく見るタイプのあれだ)もある。すげえ、実物は初めて見た。

 ──さて、ここまでで分かった驚きの事実を発表しよう。どうやら、拉致監禁されてしまったらしい。

 大分時間も経って冷静になってようやく現実を受け入れて思い至った驚愕の事実。

 酷い二番煎じだ。

 しかし、俺には拉致監禁されるような心当たりはない。もちろんするような人間にもない……ないと思う。ないんじゃないかな。まあ、ないとも言い切れない。甚だ悲しい事実だ。俺の周りは問題のある人間ばっかだ。もしかしたら、青華の熱狂的ファン的な人間がいつも青華の傍にいる俺を邪魔に思って行動を起こしたのかもしれない。青華は行動や言動はアレだが、見た目は文句なしの美少女だ。そういう事もありえなくはない。

 とにかく助けを求めなければ。


 (めっですーん!)

 (はーい!)


 乘ってくれた。ノリのいい星霊である。現代に染まり過ぎなんだよ、このパチモンあかりんめが。

 そんな呑気な俺の内心をメデスは軽く無視する。傷ついた。俺は孤独だ。闇堕ちしてやる。

 ふと、視界に淡い青い光を捉えた。小さな、小さな光の粒子。まるで蛍が飛ぶかのようにその光は宙を舞う。


 「そりゃあパチモンさ、声もビジュアルも全く別物だからね」


 どうやら無視されたわけではないようだった。よかった、俺は孤独じゃなかった。闇堕ち寸前でヒロインに救われた。


 「んもんむぁ」

 「とりあえずそれ外してあげようか? いや、別に君がそのままでいいのだったら……そのままにしておいてあげるけれど」

 「むがぎゃー!」

 「冗談だよ」


 チロと舌を見せるメデス。可愛い。

 直前のちょっとした怒りなんてものは霧散霧消した。そんな事実はどこにも残っていない。どんな証拠が在ろうとも可愛いの前では何の意味もない。


 「んっと、こうかな」


 金属が擦れる音と共に口を、顔面下部を締め付けていた感覚が消える。それと共に息苦しさからも解放される。

 吸って吐いて深呼吸。

 おお、まともに息が吸えるってこんなに素晴らしい事だったのか。最早、生きていることがとんでもなく喜ばしい。嗚呼、生きているって素晴らしい!


 「よし、そのまま他の拘束も取ってくれ」

 「………………」

 「あれ……?」


 おや、メデスの様子が……?

 どうしたのか。ギャグボールを外してすぐに何かを思案するように固まってしまった。

 ? 本当に進化でも始まってしまったのだろうか。


 「おーい、メデスさーん。メデスメデスメデスちゃーん」


 声をかけるが、こちらを見つめて動かない。

 む、ちょっと震えてる?

 ちょうどそれに気づいた時、メデスが小さく息を吸い込む。


 「おい、本当に──」

 「どうしよう……!」

 「どうし──って、え?」

 「この拘束して見下す感じ、癖になりそう」

 「戻ってこーい!」


 頬を若干上気させて恍惚の表情を浮かべるメデス。

 大変だ。メデスが大変な趣味に目覚めようとしてる。御年何歳かは分からないが、今までの会話的に明らかに俺より年上であろうメデスが今更に大変な趣味に目覚めようとしている。


 「踏み」

 「ふみゃ」


 メデスが足を出した。

 メデスが俺の頭を踏んだ。

 メデスに頭を踏まれた。

 なんたるご褒美……! なんたる至福……!

 朝チュン同様、こんな状況明らかに普通では体験できない。

 俺は今、ゴスロリ少女に頭を踏まれるという、人類の歴史を顧みても類い稀なる経験をしている!

 またもや俺に特殊なキャラクターが追加されている気がするが、元々あった属性だった気もするが、気のせいだと思いたい。

 むしろ木の精だ。


 「──アハッ」


 ぐりぐり。

 まるで目の前の人間に人としての尊厳を与えまいとするように踏みつけ続ける。

 やべえよ。目が虚ろだ。

 そしてなんか、こう、すごくエロい顔してる。地上波じゃあ放映できない顔をしている。

 精神が何かに汚染されている。

 どうにかしなければ、しかし、そんな状況でもなぜか頭を動かせない。蛇ににらまれた蛙というのはこういうことを言うのか。もう完全になす術無しである。

 そうして、なにもできないまま時間が過ぎた。

 ひたすら頭を踏みにじられる時間……一体どういう事なんだ。


遅くなった? 一週間? ちょっと何言ってるか分からないですね。(ここから言い訳)ちょっと私生活の方が忙しくてですね。進学先から渡された課題とか、友達と遊びに行ったりとか、カラオケとか、引越し準備とか。まあ忙しかったんですよ龍が如く楽しい。

そして、私、通学の便などの関係で寮に入ることにしたのです。そこの都合で投稿が著しく遅くなる可能性があるのでご了承ください。決してエタったりはしないのでご安心ください。


ブクマ、ポイント評価よろしくお願いします! ……これも久しぶりだなあ。

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