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003・中編2─回想其の参

 「……魔女っ娘?」


 魔女っ娘。俺の視線の先に居たのは紛れもなく魔女っ娘だった。ただし、身に纏っているのはコスプレ用のいかにもコスプレですと言わんばかりの材質ではなく、本物の魔女装束。

 大きい白のリボンがあしらわれた黒の帽子。後ろで二つに束ねたブラウンの長い髪の下には翡翠の瞳。羽織るようにマントを着用している。かわいらしいリボンや花の装飾が女の子らしさを演出していた。机が邪魔してよく見えないが恐らくは下はスカートだと思われる。その下にタイツなんかまで穿いていればもう完璧だ。


 「ん? ああ、まあ今は魔女っ娘でもいいよ。個人的には魔法少女の方が好きなんだけどね」


 一瞬、霊力の粒子が舞い、自称魔法少女の右手にその見た目とは裏腹なその身長の倍はあろうかという無骨な木製の杖が現れる。

 おお……本当に魔法みたいだな。

 椅子から立ち上がりコツコツとこちらに歩み寄ってくる。思った通り穿いているのはスカートだった。タイツも穿いていた。


 「そのままじゃ話しにくいでしょう。ほら、そっちの方に腰かけて」


 その言葉と同時に俺を押さえつけていた最後の男(ザ・ラスト・ワン)が立ち上がって退ける。

 俺の背中を踏んで。

 ……おい、今なんで踏んでった。絶対俺なにも悪いことしてないだろ。

 俺も立ち上がり、男の方を一睨み……して一瞬で視線を前に戻した。

 見た瞬間後悔した。サングラスの奥からでもその鋭い眼光が俺に突き刺さってくるんだぜ? 赤く光っている気すらする。

 これ以上逆らったら消される。

 ターミネートされてしまう。

 流石にターミネートはされたくないのでさっさと指定されたソファに座る。

 うわ、今座った瞬間に体が沈んでいった……もう立ち上がれないかもしれない。


 「えーと、俺、校長先生に呼ばれてきたんだけど……居ないのか? っていうかこれも取ってほしいんだけど」

 「校長は居るし、それは外さない。そして校長は居る」

 「? 校長は居るってどこかに隠れてんのか? うちの校長はそんな茶目っ気たっぷりな人間だったのか」

 「違う」


 違う? じゃあ校長なんてどこに居るんだ……。

 いや、まて、もしかして──

 扉の前にいるガチムチの男達。一人に視線をむける。


 「それもやっぱり違う。君は勘が悪いね。鈍い、鈍感だね」

 「初対面で随分失礼だな……」


 なんだこの小学生は。

 理解らせてやろうか(問題発言)。


 「だーかーらー校長先生はずっと君の前に居るんだよ。つまり私が校長先生」

 「校長先生⁈」

 「──ある時はクールなスーツの似合うお姉さん。またある時は幸薄な借金執事。ある時は金髪ツインテールのお嬢様。そして今はかわいい魔法少女……して、その正体は──日本国S級特異者にして【魔女】。この学校の校長先生さ!」

私、ハヤテ○ごとく!のファンなんです。

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