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016-事件の朝

 

 カンカンカンカン……。

 真っ黒な視界の中、うっすらと覚醒した意識でなにか金属同士を叩く音が木興聞こえてくる。

 その音は次第にこちらに近づいてる。

 カンカンカンカン。少しずつ、一歩一歩確実に。

 カンカンカンカン!ついにその音は俺の横までやって来た。

 おそらくは俺を起こしに来たのだろうがそうはいかない。俺はたかが騒音くらいで起きるようなか細い神経はしていない。

 カンカンカンカン!カンカン……。

 がっしゃあん!

 金物を床にたたきつける音に一瞬ビクッとなるがそれでも起きない。なんとなくここで起きたら俺はなにかに負けたことになってしまうことになる気がする。

 床になにかを叩きつけてから数秒が経ち横の人(家族に対して人は他人行儀か?)は叩きつけた物を拾い上げ離れていく。

 やっと静かになる……。うっすらと目を開けてみればまだまだ薄暗い時間じゃないか。時計も5時を指している。

 こんな時間に金物をカンカン大音量で叩いて騒いで、近所迷惑も良い所だな。

 しかし、薄目ではそこに居たのが誰かは分からなかった。少なくとも狛人(クソ野郎)じゃない事だけは確かだ。つまりそこに居たのは母か妹のどちらか。まあどっちでもいいか。

 この時間ならあと最低2時間は寝ていられる。

 すうと俺が再び寝息を立て始めた頃だった。


 「ふんっ!」

 「ぐえぶう!」


 気合の籠った声で金属製の塊……フライパンが投げつけられた。

 うん。投げつけられた。あの声の様子だとかなり本気で投げてたぞ。俺の変な悲鳴は御愛嬌。

 いきなりフライパンなんて投げつけられては黙ってはいられない。

 がばっと勢いよく跳び起きた俺はとりあえず開口一番、


 「殺す気か!」


 と叫んでおいた。

 

 「なんなんだお前らは! バットの次はフライパン⁈ ちょっと微妙なラインで奇抜な武器使わないと気が済まないのか!」

 「お前ら?」


 フライパンを投げてきた謎の人物X、もとい、(シスター)は奇抜な武器を使うのは自分だけではないのか、と疑問を口に出す。


 「いや、そんなことはどうでもいいんだ。それより料理なんてできないお前がなんでフライパンなんかを……」

 「いや、よくないよ! せっかくキャラ付けの為にフライパンなんて重いもの持ってきたのに。料理できるように見せかけてたのに!」

 「最近の若者の間では自分のキャラ付けが流行ってるのか⁈」


 そういえば霧島もキャラ付けの為にカメラ持ってたっけ。

 そうなると俺は既に流行から外れていることになる。Mで変態でチンピラなキャラ付けされてる奴とかマジ知らない。


 「てかなんなんだよ、こんな時間に。時計見た? お外見た? まだ5時なのよ、弓良ちゃん」

 「は? キモ」

 「なんだとコラア!」


 大噴火だ。

 そりゃ噴火するわ、寝てるところにフライパン投げられて挙句にキモイ呼ばわりだなんて。

 ……失礼しちゃうわ。


 「だからなんの用なんだよ。先ずは質問に答えろ」

 「だってだって! まだ眠いのに3時に起こされて訳の分からないままに島内10キロマラソンさせられたんだよ? それなのにのうのう寝てる奴らが許せなくて」

 「ああ、だからお前汗臭いのか」

 「なんだとコラア!」


 おっと、今度はシスターが大噴火だ。怖い怖い。


 「ちゃんとシャワー浴びてきたわ! フローラルな良い香りでしょうが!」

 「全く、そんな『ワタシキレイ?』は他所でやれ、他所で。狛人にしろよ。あのむかつくプレイボーイ」

 「もう行ったよ、お兄ちゃんと同じように起こしても起きなかったんだよ」

 「……」


 多分それは寝てるんじゃなくて気絶してるんだと思う。一回起きてるんだよ。

 おそらく俺と同じように起きなかった狛人は同じようにフライパンの餌食になったのだろう。

 いらないところだけ似たからなあ。可哀そうに。ただ、どうやら俺の方が頑丈だったらしい。

 とりあえず、最大の被害者に心の中で合掌をした。

 後にこの事件はもう一度、今度はフライパンと共に弓良が持ってきたお玉による不意打ちによって俺の記憶が飛んだため、暮木兄弟殺人未遂事件として我が家で迷宮入りした。


 

投稿に一週間間隔。執筆に約2日。……なんだこれ。

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