028・前編─抓り抓り
あ・け・お・め♡
耳には空気を裂く轟音が劈き、頬には抓られたような痛みが走る。
というか、頬を抓られていた。
羽重の能力による重力の軽減と霊力の噴射という力業による跳躍と加速によって得られた、体感およそマッハ0.1という速度の中で、俺は頬をかつてない程に引っ張られていた。
跳躍の衝撃で起きてしまったらしい青華は、流石の状況把握で現状を理解し、突然に頬を抓ってきた。
どういう感情?
しかし、予想に反して大人しく腕の中に収まっていてくれるのは助かる。今大きく体制を崩されたりしたら、壁面に新幹線に近い速度で岩の壁に衝突する可能性が在るからな。
メデスの話ではこの大穴は丁度、山の頂上辺りまで続いているらしく、出口までは直線距離で約2000メートル。この速度なら1分程──残り30秒で脱出できる。後はどうにか時間を稼いで救援を待つ。
それまでどうにか……⁈
あと少し。そう、希望を持った時だった。
高速で流れていく視界の中で、ゆっくりと黒い影が伸びてきたのだ。
「鈴人!」
「分かってる!」
更に霊力のブーストをかける。
これで一気に上がってマッハ0.2という新幹線に匹敵する速さに到達するが──。
(離れないっ……!)
明らかに常軌を逸した速度で追い上げる黒腕。未だなお加速し続けているそれは、見た目から来る異様さだけではない、存在としての格の違いをありありと見せつけている。
「ぬぅ……!」
度重なる無茶な霊力の放出の影響による撃痛が両足に走る。まるで体の内側から食い破られているような痛みに、つい力が抜けそうになる。気を抜けば今にも墜落してしまうだろう。正直、霊力の放出以外の事をする余裕がは無いぞ。
(いっそのこと、もう足を完全にぶっ壊す覚悟で……)
と、半ば覚悟を決めたその時。
(前回の投稿から)三か月ぅ……ですかねえ……。
ノラととの1と2のセットも買ったし、ブレイブリーデフォルトⅡもまよチキも持ってなかった分残りの巻全て買った。蒼の彼方のフォーリズムは神ゲーだし、傷物語もシティーハンターも面白かった。
待っていてくださった方には大変申し訳なかったと思います。




