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027・後編─volans

投稿頻度が遅いのはいつもの事。

サマポケRBをプレイしました。マジでボロ泣き。全ルートでガチ泣きした。

 「覚悟ッ!」


 ──ゴチンッ! ばたん!

 一体何を覚悟したのだったか、そんな事を一瞬忘れてしまうような衝撃だった。

半分邪な試みは大失敗。俺の額と青華の頭頂部による熱々のベーゼが行われた。

 ……なんか違う。こんな状況で、そ時間が押しているこの状況でというのは間違っていると、分かってはいる。分かってはいるけれど!

 なんかこれは違うくないです⁈ 流れ的に!


 「痛たた……」

 「きゅー……」


 背中の重みに引っ張られて倒れなかった俺を褒めて欲しいところだ。

 っとと、こんなことをしてる場合じゃない、とにかく、『その口を塞いでやろうか。物理で』作戦が失敗した以上、どうにかして青華を落ち着かせないと──


 「ってあれ」

 「Qー……」


 ………………。


 「婦女暴行の、現行犯……?」

 「い、今はそんなことを言っている場合ではないだろう時間が無いんんだ大人しくなったんだから結果オーライ発展途上の備忘録びぼうろくだ」


 大人しくなったというか、一連鎖でばたんきゅーした青華の現状に対する正義厨の追及を慌てて躱す。凡そまともに意味を為していない言葉の羅列ではあるが。

 ともかく、珍しく感情を感じる羽重を平和的に押さえつけ、若干ずり落ちてきた青華を抱き直す。

 もう本当に時間がないのだ。

 だってほら、長くにょろにょろとしたラウルムの髪の毛が割と俺の足元近くまで来てるし。

 チラリと氷漬けになっていた彼女を見やる。

 やはり頭部だけ氷から析出され横たわるという絵面はそのビジュアルの良さをもってして間抜けに映るが、先程とは違って頭部以外を覆う氷が罅割ひびわれはじめている。

 樹木の根っこがアスファルトを押し上げ割るように、その自由自在に動く超髪(誤字に非ず)によって青華の氷の檻にメキメキと音を立てながらひびを入れている。

 あと数分の内に、速ければ今にだって脱出しかねないのだ。


 「羽重、頼む」


 後ろはよく見えないが、彼女が小さく頷いたことは分かった。

 瞬き一つの間が経つ頃には、目が眩むほどに真っ白な霊子が周囲を漂っていた。

 体が軽い。

 服の裾や髪の毛が浮立っていて、金髪だったらスーパーサイヤ人が完成していたところだ。

 同時、俺も両足に霊力を溜め始める。

 それもただ溜めるだけじゃない。

 限界ギリギリまで全力全開の最高速度で霊力を溜める。半端な量と出力じゃあの高度まで届かないし、それも羽重の助けがあって可能になるパワープレイ。溜めすぎたら暴発するし、制御をミスしても暴発する。そして暴発したら俺の足は間違いなく吹っ飛ぶ。


 「ぐぅっ」


 両脚に内側から張り裂けるような痛みが走る。

 僅か数秒が何倍にも引き延ばされたように感じる。鋭い痛みが身を内側から蝕み、気を抜いたら今にも集積した霊力が霧散してしまいそうで、今までなんとなく欠けていた緊張感が一気に襲ってようだ。

 だが、いい。それでいい。そのぐらいがベストなタイミング。この引き延ばされた数秒こそが、俺の限界。


 「ド根性ォーー!」


 カウントなんてしている時間も惜しい。一も二も無く跳び上がる。

 かつてない程に体が軽い。

 慣性力による強烈なGを感じながらも、まるで本当に空を飛んでいるかのような感覚を覚える。


 「はは」


 寒い程の強風と清々しい程の開放感を感じていた。

 この時、俺たちは、飛行機雲のように霊子の軌跡を残しながら、紛れもなく飛んでいた。

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