【漫才】スーパーパワー
ツッコミ「どうもー」
ボケ「誰か僕を指名してシャンパン入れてください」
ツッコミ「唐突すぎんだろ。挨拶しろよ」
ボケ「ヒーロー映画って流行ってるじゃないですか」
ツッコミ「話聞かないな、お前。そうね、確かにハリウッド映画で毎年何本も公開されてるな」
ボケ「アレ見てて気が付いてしまったんですが……、実は僕、スーパーパワーがあるんですよ」
ツッコミ「スーパーパワーっていうと、もしかしてヒーローが持ってる力のこと? お前ほんとか!?」
ボケ「はい、この力で津軽海峡の冬景色を護ろうと思います」
ツッコミ「護衛対象がピンポイント過ぎ! ってか冬景色護るとか、どうやるの!? 何? 天候操作とかできちゃう感じ!?」
ボケ「そんなパワーじゃないです」
ツッコミ「ほぅ、なんかもっとすごい感じ? で、どういうパワーがあるの?」
ボケ「それがですね、いろいろあるんですが……」
ツッコミ「パワーが複数あんの? そりゃすごい」
ボケ「まず、欲しい物のある場所がわかります」
ツッコミ「あ、俺ちょうどヘアスプレーのフタ無くして探してたんだわ、ある場所わかる? って、それで何故冬景色護ろうとした!? 勇気通り越して無謀だよ! 便利能力だけどそれで冬景色は護れないかなぁ~!! 夏になったら『無くした冬は……、ふっ、南半球にあります』とかやんの!?」
ボケ「え、何言ってるんですか? 痛いですよ?」
ツッコミ「冷たい! 俺に冷たい! 冬はここにあったわ」
ボケ「それに、物の値段が分かります」
ツッコミ「鑑定士か! すごい能力だけど、冬景色を護る感じがどんどん薄れてってるわ!!」
ボケ「売ってる物だけですけどね」
ツッコミ「値札見てるだけだろ! 能力でもなんでもねぇよ!!」
ボケ「それと、欲しい物を取り寄せることができます」
ツッコミ「おお、なんかどこかの秘密道具にもありそうな能力。これは便利かも」
ボケ「お取扱いできる物だけですけど」
ツッコミ「何をお取扱いしてんだよ!? 能力限定的過ぎんだろ!!」
ボケ「品揃えは豊富です」
ツッコミ「品揃えって言っちゃったよ! スーパーパワー感がもうほとんどゼロだよ!!」
ボケ「野菜は新鮮で、特にお魚の仕入れに拘ってます」
ツッコミ「それもうただの食品スーパーだろ!」
ボケ「商品の品質には、大いなる責任が伴います」
ツッコミ「それっぽく言ってもダメだから。確かに品質には責任が伴うけども!」
ボケ「ダメですか。これでは津軽海峡の冬景色は護れませんか」
ツッコミ「護れる要素が全く見当たらねぇよ!」
ボケ「なら、レコード店を誘致してCDも売りましょう。歌謡業界を盛り上げ、『津軽海峡・冬景色』の売り上げも上げます」
ツッコミ「そうそう、最近CDの売り上げ良くないしね。って、総合スーパーになっただけじゃねぇか! そっちの意味で護るのかよ! ただのファンかよ! いいかげんにしろ」
二人「どうもありがとうございました」