【はくちょう座と秋桜】
台本タイトルは【はくちょうざとコスモス】と読みます。
台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。
『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。
※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。
♂0:♀1:不問1
珈琲を飲む人 不問 セリフ数:13
手袋をした女 ♀ セリフ数:13
[あらすじ]《2分半程度》
小高い丘の上。珈琲を飲む誰かに声を掛けた女は、白いゴム手袋をはめたまま隣へ座る。長引く戦争にため息をつく相手を、女はハッと笑い飛ばした―――。
【手袋をした女】
よっ! 黄昏れてる?
【珈琲を飲む人】
っうわ、吃驚したっ
…何だ、君か。
【手袋をした女】
なぁに、その反応〜? 敵兵の遺体を埋めてきた、仕事熱心なアタシに言う事じゃないわね。
【珈琲を飲む人】
いや、それ君の仕事じゃないし……まあ、うん。お疲れ様。
…というか、それ。その手袋、破れているけれど。
【手袋をした女】
っへ? うわっ、っわ! サイアク! 今日のネイルに血なんて付けたくなかったから手袋してたのに!
【珈琲を飲む人】
…血を付けたくないなら、参加しなきゃ良かっただろ。
【手袋をした女】
仕方ないじゃない。あんなにちんたらやってたら、後ろから撃たれても文句言えないわよ。
ま、潜んでた狙撃手はウチのが撃ち殺したけど。
【珈琲を飲む人】
ああ、そう。ご無事で何より。
そんな事より、さっきそこで話してるの聞いたけど…埋めた敵兵、武器を持ってなかったって?
【手袋をした女】
ええ。
…いえ、そもそも。
兵士でなかった可能性すら出て来たわね。
【珈琲を飲む人】
…つまり何、一般市民だって事?
【手袋をした女】
まあ殆どは奴隷でしょうけどね。
…お相手さんがそういう情緒なんかを慮ってないっていうのは、ハッキリしたわね。
【珈琲を飲む人】
…………早く、終わらないかね。こんな馬鹿みたいな戦争。
【手袋をした女】
(鼻で笑って)
はっ、馬鹿じゃない戦争が過去にあったかしら。お上の下らないプライドの為の喧嘩なんて、全て馬鹿みたいなことじゃない。
【珈琲を飲む人】
…まあ、敵を撃ち殺して笑っているような君が言えたセリフではないけどな。
【手袋をした女】
勝っても負けても“虚しい”しか残らないような馬鹿な戦争なんでしょ? なら、せめて最中くらいは楽しみたいものなのよ。
【珈琲を飲む人】
(呆れて)
…ああ、そう。
ところで、さっきから呼ばれてるけど。行かなくていいのかな。
【手袋をした女】
どうせ報告書がどうとかって話でしょ。
(少し声を張って)
適当に書いておいてー! どうせ数字なんか見っこないんだからー!
【珈琲を飲む人】
……包み隠さないなぁ。
来月には上官も変わるって話なんだから、もう少し真面目にやりなよ。
【手袋をした女】
あら、それ士官学校の後輩よ。
【珈琲を飲む人】
おや、知り合いだったのか。優秀なんだね。
【手袋をした女】
全然。入学してすぐの頃に、鬼教官って呼ばれてた奴の鬘をわざと取って、ハチャメチャに怒られたくせに、その三日後には中央広場の英雄像にその鬘を被せてダブルピースの落書きしてた子だわよ。
【珈琲を飲む人】
………情報量が多いなぁ。学校の中央広場って、警備員配置されてなかったっけ。
【手袋をした女】
買収したらしいわよ。賄賂をちょちょっとね。
【珈琲を飲む人】
……、来月がちょっと不安になってきたな…。
【手袋をした女】
良いじゃない、楽しそうで。
【珈琲を飲む人】
まあ…君はそう言うだろうね。
STORY END.




