★【慈愛に満ちた山梔子の仔】
台本タイトルは【じあいにみちたくちなしのこ】と読みます。
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♂1:♀1:不問0
羽弥芝 ♀ セリフ数:10
〈既に途切れた音。もう会うつもりもない家族も、旅の途中で出会う友人達も、大好きで大切だけれど、やはり彼女は彼の事を考えるだけで幸せになれるのだ〉
麒麟 ♂ セリフ数:10
〈中堅の語り部。数多の死線を潜り抜けた先が、こんなにも平穏なのは。あの時自分を横から掻っ攫った鬱陶しい声のせいだ。〉
[あらすじ]《2分程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【羽弥芝】
あ! やぁっと見つけたー! 麒麟くーん!
【麒麟】
う゛ーわ゛。
【羽弥芝】
あ、何よぅ。その反応! 修行終わってからぜーんぜん会いに来てくれなくて、私、寂しかったんだから。
【麒麟】
何が“寂しかった”だ。アンタの名に頼らねェように必死なんだよ、こちとら。
【羽弥芝】
んもう、麒麟君ってば真面目だねぇ。流石私の弟子!
【麒麟】
…で、何か用かよ。
【羽弥芝】
ん? 友達がこの地方にお店出すって言うから、弟子連れてご飯食べに行くねー! って言ったら招待状くれたの! だから行こう?
【麒麟】
(色々な言葉を飲み込んで)
……………招待状の要る飯屋って何だよ。
【羽弥芝】
『旧花谷』の支店!
ほら、高級鰻屋さんがこっちの方に足を延ばすって噂、流れてきてたでしょ? あれ、私が友達にお願いされて、先月流したの。
【麒麟】
(小声で)
先月流した噂が消えねェで残るって、マジどんだけだよ。
【羽弥芝】
ふふ。楽しみだなぁ。今日が初営業って言ってたから、今から向かえば〜…夜には着くかな。
【麒麟】
あー…待て待て待て待て。話を聞け。
まず行くなんて言ってねェし、行かねェし。
何で勝手に決めてンだよ。
【羽弥芝】
えっ行かないの!? 何で!?
【麒麟】
逆に何でオレが行くと思ってンだよ。
【羽弥芝】
ええ〜。ちゃんと個室にしてもらったよ? お店着く前には手封送使うから、裏口から入れてもらえるしぃ。
高級鰻屋さんだよ? 私の一ヶ月の稼ぎが吹き飛ぶくらいのお値段だよ?
ね。ね。本当に行かないのっ?
【麒麟】
……………。
【羽弥芝】
良いお酒も出してもらえるんだって。あ、でもでも。お酒の弱い麒麟君の為に、度数の低いのもお願いしたよ。
それにね。それにね―――
【麒麟】
ああ゛ッ! 分かったッ! 行きゃあ良いんだろ、行きゃあ!
【羽弥芝】
ぃやったぁあ〜〜っ! じゃ、決まりだね! はい、行くよっ!
【麒麟】
(深いため息を吐いて)
…はぁ〜〜……結局こうなンだよなぁ……。
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部麒麟〜遭遇編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/39
語り部羽弥芝〜落馬編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/42




