★【是を結びゆく寒桜】
台本タイトルは【ぜをむすびゆくかんざくら】と読みます。
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♂2:♀0:不問0
船良 ♂ セリフ数:11
〈新参の語り部。“ウマレカワリ”をした後に出逢った友達に惹かれ、語り部になった〉
藻奏 ♂ セリフ数:12
〈新参の語り部。語り部になった理由? 極上の人間の、極上の血を味わう為である〉
[あらすじ]《3分程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【藻奏】
あ!! やっと見つけた! こぉんな所に居たのか!!
【船良】
……ンン? ………嗚呼、吸血鬼じゃないですか。どーかしましたぁ?
【藻奏】
『どーかしたか』じゃない! ビオリア地方の骨董品屋! あそこにあった狐の目の花器! アレは君の所有物だろう!?
【船良】
ビオリアの……あーっと…何処でしたっけ?
【藻奏】
ああもう! その顔は本当に分かっていないな!?
(少し落ち着きを取り戻し)
…骨の街と呼ばれる、薄気味悪い街さ。そこに住む人間は街の中心にある噴水から、稀に採れる骨をしゃぶりながら生きてるっていう、あの。
【船良】
ああ、ありましたね〜そんな気違いな街。
で、何でしたっけ。狐の目の花器? とっくに捨てましたよ、要らなかったんで。
【藻奏】
(安堵して)
……ほぅ、良かった。君が自ら手放した物ならば良いんだ…。
もし盗まれた物だったなら、ボクはあの街を滅ぼさなければならなかった…。
【船良】
…律儀っすねぇ。貴方を偶然にも助ける事になったのは、もう数百年も前の事なのに。
【藻奏】
感謝してるんだ。いけないことじゃないだろう?
【船良】
…忘れていい恩もあると思うんですけどねぇ。
まあ、丁度良かったです。恩返しをしたいなら一つ頼まれてくれません?
【藻奏】
(嬉しそうにして)
…! 良いぞ、何でも言ってくれ!
【船良】
ハルベシオ地方。そこに俺の取引相手がいるんですけどね。
…あげるんで好きに使って下さい。
【藻奏】
人間か?
【船良】
そ。昔は名のある貴族だったみたいですけど、数年前に没落したらしくて。
もう興味無いんで、そろそろ捨てようかなって。
【藻奏】
…君からすると、花器も、人間も同じという事か。
良いぞ、引き受けよう。どう使ってもいいんだろう?
【船良】
お好きにどうぞ〜。
でもきっと不味いんで、血は飲まない方が良いですよ。
【藻奏】
言われなくとも、そんな聞くからに不味そうな人間、こちらから願い下げだ。
というか、そうでなくとも君が飽くような人間だ。大した価値もなさそうだな。
【船良】
用はそれだけですか? なら俺はこれで。
【藻奏】
ああ、休憩中の所すまなかった。今度は旨い酒でも持ってくるとしようかな。
【船良】
ま、期待はしないでおきますねぇ。
…………あ、そうそう。
あの果実に名前付けたの、俺じゃないっすよ。
【藻奏】
エッ、知って…!? というか、君じゃないなら誰が…
【船良】
き、つ、ね。
じゃあ、また用があれば探して下さい。
【藻奏】
あ゛っ、ちょ……! 狐……って、誰だ………?
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部船良〜使い魔編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/45/
語り部藻奏〜水林檎編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/179/




