【Docsは共喰う】
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♂0:♀1:不問1
苛立っている女 ♀ セリフ数:9
ジビエを食べる人 不問 セリフ数:9
[あらすじ]《2分半程度》
「あのアホウをどうにかしてくれ!」
ノックも無しに怒鳴り込んで来た女を一瞥した者は、皿のジビエ料理を口に運ぶ。
その様子に、更に口を開こうとした女を遮って、ソイツはフゥーとため息を吐いた―――。
【ジビエを食べる人】
静かにしてくれない? せっかくの料理が不味くなる。
【苛立っている女】
またその薄気味悪い、血の匂いがする料理を喰らっているのか。…飽きないのか。
【ジビエを食べる人】
飽きないね! これこそ正に至高の味さ。
で、どのアホウをどうしてくれって?
【苛立っている女】
あのアホウだ! 鶏冠野郎だ! あのアホウ、止しとけって言ったのに、よりにもよって、あの起爆スイッチを押しやがった!
お陰で計画はパアだ!
【ジビエを食べる人】
…の割に、あまり怒ってないね。
【苛立っている女】
どこがだ! 血抜き忘れた料理の食い過ぎで、目でもおかしくなったか。
【ジビエを食べる人】
血抜きは完璧さ。
そうでなくて、五日練ってきた作戦が、おじゃんになったのに、その鶏冠野郎を殺さなかったんだろう? 君にしては、あまり怒ってないと思って。
【苛立っている女】
利用価値がある人間をむざむざ殺したりしない。
…って! 話を逸らすな! そうではない! あの、クソアホウな空っぽ脳味噌野郎をどうにかしろと言ってるんだ!
【ジビエを食べる人】
んー…、ボクがどうにかしてもいいけど。勢い余って殺しちゃわないかな。
君は、そのクソ鶏冠野郎? に利用価値があると思ってるのかもしれないけれどさ、ボクは別に思ってないし、そもそもその脳味噌鶏冠野郎が、どこの誰か、あまり分かってないというか。
【苛立っている女】
血腥い料理ばかり食ってると、記憶力も無くなってくるんだな。お粗末なこって。
【ジビエを食べる人】
君、ホントにジビエ嫌いだよね。…食わず嫌いは良くないと思うな。
…まあいいや。
それで? 君の大切な大切な起爆スイッチに手を付けた、空っぽアホウはどこに居るの?
【苛立っている女】
(長い沈黙の後、ため息を吐いて)
…………………………………やっぱり、いい。
【ジビエを食べる人】
…おや。自分で始末を付ける?
【苛立っている女】
違う。お前に任せていたら、“どうにかする”のが、いつになるか分からないからだ。
【ジビエを食べる人】
賢明だね。
話がついたなら、さっさと出て行ってよ。いつまで経っても他人が居ちゃあ、料理がますます不味くなる。
【苛立っている女】
……、いつか自分がジビエにされないようにしろよ。
【ジビエを食べる人】
安っぽい警告だこと。君こそ、背の眼に気を付けて。
【苛立っている女】
………チッ。
STORY END.




